『生きるべきか死ぬべきか』(To Be or Not to Be)('42)
出演∶キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー、ロバート・スタック、ライオネル・アトウィル、フェリックス・ブレサート、シグ・ルーマン、トム・デューガン、スタンリー・リッジス
監督:エルンスト・ルビッチ
1970年代から映画ファンをやっていて、"オールドファン"を自認しているが、第二次世界大戦前や戦時中の映画の鑑賞経験は、さすがに多くはない。監督のエルンスト·ルビッチがドイツ出身の映画人で、他のユダヤ系映画人同様に渡米後大活躍した人であることぐらいしか知りませんでした。(フリッツ·ラング、ウィリアム·ワイラー、ビリー·ワイルダー、オットー·プレミンジャーらの巨匠たち)
昔のハリウッドに多かった、ヨーロッパ出身でユダヤ系の大物映画人という認識ぐらいしかなく、作品は未見でしたが、たまたま何かのきっかけで、この作品『生きるべきか死ぬべきか』のことを知り、これが、あのメル·ブルックス監督が'83年に製作·主演した傑作コメディ『メル·ブルックスの大脱走』のリメイク元と知りました。
メル·ブルックスといえば、ご存知『ブレージング·サドル』『ヤング·フランケンシュタイン』『新サイコ』など、パロディや楽屋落ち的ギャグを満載した"メタ視点"の変わり種コメディで、'70〜'80年代に一世を風靡した人だ。その中で、今から40年近く前に見た『メル・ブルックスの大脱走』は、彼の他の作品とは異色の正統的(?)アプローチで大いに笑わせてくれるコメディとして、強く印象に残っていました。
そのブルックスが自分流のコメディで、巨匠としての名声を確立したのちに、リメイクしようとした"昔の名作"とはどんな映画だろうと、興味津々で期待を持って観てみたのですが……なるほど、オモシロイ!
[物語] 第二次世界大戦中。周辺国が次々ドイツの手に落ち、その侵攻が迫るポーランド、ワルシャワ。ヨーゼフ·トゥーラ(ベニー)率いる芝居のトゥーラ一座は、ヒトラーねたの風刺劇で連日大入り満員だったが、風刺劇を禁じられ、『ハムレット』を上演することに。「生きるべきか死ぬべきか」の台詞のヨーゼフの独演の開始を合図に、客席のポーランド空軍のソビンスキー中尉(スタック)は席を立ち、楽屋にいるヨーゼフの妻の人気女優マリア(ロンバード)と密会していた。
秘密の三角関係が続くかと思われたが、ドイツの侵攻によって、事態は急変。ソビンスキー中尉が駐留していたイギリスで、やはり在英のポーランド人シレツキー教授(リッジス)が帰国することになる。在英ポーランド軍人たちは皆、故国で対独レジスタンス活動をする家族への言伝てを教授に託す。だがその後、教授がナチスの逆スパイであると判明。教授がナチスに、レジスタンス活動家の所在を知らせるのを阻止するため、中尉もポーランドへ。
教授に先回りするため、落下傘降下でワルシャワに潜入したソビンスキー中尉は、マリアを訪ねて協力を要請。だが、マリア宅のベッドで休んでいるところに夫·ヨーゼフが現れ、修羅場に……!? マリアと中尉の説得で、ヨーゼフと一座の役者たちも、シレツキー教授に対する大ペテン作戦のために、ナチスの軍人に扮して、一世一代·命がけの芝居を打つことになるが……!!
'40年の『チャップリンの独裁者』に続いて、'42年に製作された反ナチ·反ヒトラー色に満ちた風刺コメディの大傑作で、ドイツが勝っていたら、チャップリンもルビッチも死刑間違いなしだったに違いない(笑) 映画の中に、黒い笑いに満ちた「ハイル、ヒトラー!」の台詞が何十回出てきたろう。
ユダヤ系の人々にとってはカルト的コメディ映画だったのだろうか。メル・ブルックスがリメイクしたがったのも納得です。変な表現だが、『メル・ブルックスの大脱走』は、それまでの作風のブルックスにしては珍しく、超真面目に(!?)正統派コメディ(?)のアプローチで作った作品でしたね(笑)
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生きるべきか死ぬべきか [DVD]
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フォーマット | ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | ロバート・スタック, ジャック・ベニー, エルンスト・ルビッチ, キャロル・ロンバード |
稼働時間 | 1 時間 39 分 |
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商品の説明
Amazonより
エルンスト・ルビッチ監督による、スクリューボール・コメディの名作。後にメル・ブルックス監督が「メル・ブルックスの大脱走」としてリメイクした。
第二次世界大戦直前のワルシャワ。「ハムレット」上演中の劇団トゥルー一座の看板女優マリアは、ポーランド空軍のソピンスキー中尉との密会を楽しんでいた。やがてワルシャワはドイツ軍に占領されるが、ポーランド人たちは地下組織で、ナチの暴虐への抵抗を続けていた。ある日ソビンスキー中尉は、シレツキー教授がナチのスパイであることを知る。トゥルー一座はナチの扮装でシレツキー教授を迎え、ヒトラーのポーランド訪問を利用して、ポーランドからの脱出を企てる。
ストーリーを見ると、社会劇的要素が強そうだが、そこはコメディの天才ルビッチ。主演のキャロル・ロンバートの、愛すべき多情ぶりを全面に押し立て、スピーディなタッチでポーランド脱出までの顛末を描いてみせる。マリアとソピンスキー中尉の密会の合図が、「ハムレット」の有名な台詞で、本作のタイトルになっている「To Be or Not to Be」という、この洒落っ気!(斉藤守彦)
レビュー
監督: エルンスト・ルビッチ 脚本: エドウィン・ジャスタス・メイヤー 撮影: ルドルフ・マテ 音楽: ミクロス・ローザ 出演: キャロル・ロンバード/ジャック・ベニー/ロバート・スタック/フェリックス・ブレサート
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 83.16 g
- EAN : 4988182109482
- 監督 : エルンスト・ルビッチ
- メディア形式 : ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 39 分
- 発売日 : 2005/6/27
- 出演 : キャロル・ロンバード, ジャック・ベニー, ロバート・スタック
- 販売元 : ジュネス企画
- ASIN : B0009P0GOG
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 119,077位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月2日に日本でレビュー済み
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2023年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体は堂々たる“ブラック・コメディ”の顔をしているが、シンプルに大笑いさせてくれる部分とシリアスな諷刺が突き刺さってくるような部分、間抜けなギャグと重厚なドラマが渾然一体となっているので、こちらの感情もクルクルと変転を迫られる不思議な一篇。
ナチス=ヒットラーを大真面目におちょくった映画というと、チャップリンの「独裁者」が真っ先に挙げられるだろうが、これは、別な視点、別な手法で徹底的にコケにした傑作。要するに、<ポーランド劇団の俳優たちがドイツ軍支配のもとで生存を賭けて闘う物語>で、フィクションを演じる専門家集団が、ゲシュタポの連中をまんまとダマしおおせて逃走できるかがキーとなるというお笑いだ。しかも、その大義の裏では、団長の妻と空軍中尉の姦通がひそかに進行していく、という不謹慎にもほどがあるストーリー。そもそもハムレット役の団長の“To Be or Not to Be”というセリフを合図に空軍中尉は席を立って密通へとはせ参じるというのだから不道徳もきわまれりだ!
それでも、ゲシュタポがまんまとダマされる裏には、上官に対する恐怖や仲間の裏切りへの不安がなせる業という風に描かれていて、これまたお見事!レジスタンスの緊張感とアホな笑いの旋風がいつなんどき襲ってくるかわからない油断のならないドラマなのだ。そして、誰もが感じるだろうキャロル・ロンバードの見事なコメディエンヌぶり。容貌、立ち居振る舞いだけでも見惚れてしまうのに、どこまでも優雅なままここまで人を笑いの渦に引きずりこめるなんて!彼女はまるで無垢な乙女のまま、それぞれの男性を愛せるかのようなのだ。浮気?なにそれ?私の愛はいつも誠実一本です、とでもいわんばかりに。
その燦爛たるランバードが公開時には神に召されていたなんていったい……(絶句)!
以前観た「メル・ブルックスの大脱走」はもちろん、このさい思い切ってハーマン・G・ワインバーグの『ルビッチ・タッチ』も購入してしまった!
ナチス=ヒットラーを大真面目におちょくった映画というと、チャップリンの「独裁者」が真っ先に挙げられるだろうが、これは、別な視点、別な手法で徹底的にコケにした傑作。要するに、<ポーランド劇団の俳優たちがドイツ軍支配のもとで生存を賭けて闘う物語>で、フィクションを演じる専門家集団が、ゲシュタポの連中をまんまとダマしおおせて逃走できるかがキーとなるというお笑いだ。しかも、その大義の裏では、団長の妻と空軍中尉の姦通がひそかに進行していく、という不謹慎にもほどがあるストーリー。そもそもハムレット役の団長の“To Be or Not to Be”というセリフを合図に空軍中尉は席を立って密通へとはせ参じるというのだから不道徳もきわまれりだ!
それでも、ゲシュタポがまんまとダマされる裏には、上官に対する恐怖や仲間の裏切りへの不安がなせる業という風に描かれていて、これまたお見事!レジスタンスの緊張感とアホな笑いの旋風がいつなんどき襲ってくるかわからない油断のならないドラマなのだ。そして、誰もが感じるだろうキャロル・ロンバードの見事なコメディエンヌぶり。容貌、立ち居振る舞いだけでも見惚れてしまうのに、どこまでも優雅なままここまで人を笑いの渦に引きずりこめるなんて!彼女はまるで無垢な乙女のまま、それぞれの男性を愛せるかのようなのだ。浮気?なにそれ?私の愛はいつも誠実一本です、とでもいわんばかりに。
その燦爛たるランバードが公開時には神に召されていたなんていったい……(絶句)!
以前観た「メル・ブルックスの大脱走」はもちろん、このさい思い切ってハーマン・G・ワインバーグの『ルビッチ・タッチ』も購入してしまった!
2023年9月26日に日本でレビュー済み
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知らなかった。
メル・ブルックス版は面白くて何度も見ていたのですが……
このオリジナル版の画像がツイッターのTLに何故か出てきて、こんな映画があることを初めて知って
アマゾンプライムにあったので慌てて鑑賞しました。
凄い。これを戦時中に作っていたというのも凄いし、メル・ブルックス版に劣らぬ良くできたコメディ。
リメイク版も、また見てみたくなった。
メル・ブルックス版は、ドタバタコメディ要素が大きいけど、その世界観だからこそ最後の犬の救出が
許される感じもあって、そこが一番感動する。
メル・ブルックス版は面白くて何度も見ていたのですが……
このオリジナル版の画像がツイッターのTLに何故か出てきて、こんな映画があることを初めて知って
アマゾンプライムにあったので慌てて鑑賞しました。
凄い。これを戦時中に作っていたというのも凄いし、メル・ブルックス版に劣らぬ良くできたコメディ。
リメイク版も、また見てみたくなった。
メル・ブルックス版は、ドタバタコメディ要素が大きいけど、その世界観だからこそ最後の犬の救出が
許される感じもあって、そこが一番感動する。
2022年1月8日に日本でレビュー済み
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まあ、なんだね、チャップリン同様にヒトラーを揶揄したのでしょうかね。
だけどポーランドの地下組織メンバーが簡単に忍び込めてしまうってどうなのかな?
そこが映画ってこと?
結局はトゥーラ夫人が最高の役回りだったみたいだよね、彼女のおかげで旦那も助かっているし。
ポーランドの中尉が若き日のロバート・スタックなんだね。
後日の「アンタッチャブル」のエリオット・ネスとはだいぶ違っていたな。
なんにしても「収容所のエアハルト」を徹底的にこき下ろしているのが面白い。
無能な副官シュルツ大尉。
だけど、肝心のヒトラーが似てないんだよね。
兵卒なんかは騙せても、上級将校は騙せないと思うけどなあ。
これもひとつの皮肉かも。
ドイツの連中は見わけもつかないくらいの節穴といった感じで。
だけどポーランドの地下組織メンバーが簡単に忍び込めてしまうってどうなのかな?
そこが映画ってこと?
結局はトゥーラ夫人が最高の役回りだったみたいだよね、彼女のおかげで旦那も助かっているし。
ポーランドの中尉が若き日のロバート・スタックなんだね。
後日の「アンタッチャブル」のエリオット・ネスとはだいぶ違っていたな。
なんにしても「収容所のエアハルト」を徹底的にこき下ろしているのが面白い。
無能な副官シュルツ大尉。
だけど、肝心のヒトラーが似てないんだよね。
兵卒なんかは騙せても、上級将校は騙せないと思うけどなあ。
これもひとつの皮肉かも。
ドイツの連中は見わけもつかないくらいの節穴といった感じで。
2021年12月31日に日本でレビュー済み
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もちろん現実にはあり得ない話だ。
英語、ドイツ語、ポーランド語が重要なのだから。英語だけで演じているからこそ成り立つ脚本。
それにしても大戦中にこんな映画を、それも喜劇仕立てで作ってしまうとはエルンスト・ルビッチ恐るべし。
《ニノチカ》はソ連型ファシズムを笑いのめし、今作はナチズムを徹底しておちょくる。そしてシェークスピアのセリフでヒューマニズムを謳歌する。
最後は演じること=演劇、俳優、筋立てを考えること=脚本への讃歌にもなっているのが本当にすごいと思う。
何度も見返す価値のある大傑作!
英語、ドイツ語、ポーランド語が重要なのだから。英語だけで演じているからこそ成り立つ脚本。
それにしても大戦中にこんな映画を、それも喜劇仕立てで作ってしまうとはエルンスト・ルビッチ恐るべし。
《ニノチカ》はソ連型ファシズムを笑いのめし、今作はナチズムを徹底しておちょくる。そしてシェークスピアのセリフでヒューマニズムを謳歌する。
最後は演じること=演劇、俳優、筋立てを考えること=脚本への讃歌にもなっているのが本当にすごいと思う。
何度も見返す価値のある大傑作!
2022年3月13日に日本でレビュー済み
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ナチス政権を痛烈に皮肉ったコメディーですが、単なるアイロニーではなくスリル要素とコメディー要素が秀逸でハラハラしながらお腹の底から笑える作品でした。特にタイトルになっているハムレットの「生きるべきか、死ぬべきか」のシーンはいま思い出しても笑えます。
2021年5月10日に日本でレビュー済み
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いい作品なので買いましたが、まだ見ていません。
2013年6月3日に日本でレビュー済み
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I read all of the five star reviews here and was hoping that the movie would be a hidden gem. I paid the price, watched the movie and here's what I found.
It's a movie about a Polish actress who chooses to have an affair with a young soldier. The woman tells her lover to come to her dressing room when her husband, also an actor, begins his "To Be Or Not To Be" speech. The Hamlet soliloquy takes time and apparently there will be enough time to do whatever they want while the husband is busy.
Eventually, Hitler invades Poland, and the young soldier who is now in England, is sent back into Poland to try and assassinate a spy. The plot becomes complex and part of it involves the group of actors the husband and wife are members of playing the parts of different generals and Hitler himself. In time, the troop manages to escape from Poland to safety.
It wasn't that funny. The drama wasn't that dramatic. The acting was all pretty tepid. It was a very average movie for its time period. Due to changing fashions, it is less than average nowadays. Some may love this movie, but, for my own part, no part of me thought it was great or even adequate. I was kind of bored.
It's a movie about a Polish actress who chooses to have an affair with a young soldier. The woman tells her lover to come to her dressing room when her husband, also an actor, begins his "To Be Or Not To Be" speech. The Hamlet soliloquy takes time and apparently there will be enough time to do whatever they want while the husband is busy.
Eventually, Hitler invades Poland, and the young soldier who is now in England, is sent back into Poland to try and assassinate a spy. The plot becomes complex and part of it involves the group of actors the husband and wife are members of playing the parts of different generals and Hitler himself. In time, the troop manages to escape from Poland to safety.
It wasn't that funny. The drama wasn't that dramatic. The acting was all pretty tepid. It was a very average movie for its time period. Due to changing fashions, it is less than average nowadays. Some may love this movie, but, for my own part, no part of me thought it was great or even adequate. I was kind of bored.