次郎さんの言葉、視点、それを受けて発せられる著者の言葉、視点。
それぞれがうまく作用し、抜群の含蓄を生んでいる。
寿司とか、職人とか、そういう次元ではくくることのできない奥深さがある。
謙虚、気配り、頑固、そうした次郎さんのパーソナリティーが生み出す教訓の数々、
次郎さんの言葉のほとんどすべてに、マーカーを入れてもいいくらい。
そして何よりも、意地っぱり。
次郎さんの年齢を考えれば、寿司を握り続けることも、
いいネタを仕込むことも、究極を言えばすべて意地なのだと思う。
この仕事に対する姿勢、見習いたい。
本当に、粋な本です。

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すきやばし次郎 鮨を語る (文春新書 722) 新書 – 2009/10/20
宇佐美 伸
(著)
大正生まれながら「今が一番鮨を握る数が多い」小野二郎の語る言葉には、鮨、職人、時代、そして日本についての箴言があふれている
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2009/10/20
- ISBN-104166607227
- ISBN-13978-4166607228
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/10/20)
- 発売日 : 2009/10/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 215ページ
- ISBN-10 : 4166607227
- ISBN-13 : 978-4166607228
- Amazon 売れ筋ランキング: - 910,019位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,487位文春新書
- - 108,178位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タバコを吸った手で握ったスシなんか旨いの?根本的に違うんじゃないかなー。
2009年11月8日に日本でレビュー済み
世界最高峰の職人というのはすごい。自分のこととはいえ、どうしてそんなにも昔のことを覚えているのだろう?
7歳で奉公に出された少年ががむしゃらに働いていたら、ひょんな縁から銀座に鮨屋を開く話が降ってくる――。そんな刺激的な人生だから?
いや、80年の間、いつの時代も一貫して一生懸命に生きてきたからだと思う。自分の選んだ道をひたすら真面目に生きてきた、きっとそれだけだ。
そんな職人が語る、鮨ネタへのこだわりや仕事に対する思いは、とても自然な言葉だった。
外出する時には手にしみができるのを気にして必ず手袋を着ける、というのも「この方なら」と素直にうなずけた。
大先輩から昔話を聴くつもりでゆったりと読むのもいいかもしれない。
7歳で奉公に出された少年ががむしゃらに働いていたら、ひょんな縁から銀座に鮨屋を開く話が降ってくる――。そんな刺激的な人生だから?
いや、80年の間、いつの時代も一貫して一生懸命に生きてきたからだと思う。自分の選んだ道をひたすら真面目に生きてきた、きっとそれだけだ。
そんな職人が語る、鮨ネタへのこだわりや仕事に対する思いは、とても自然な言葉だった。
外出する時には手にしみができるのを気にして必ず手袋を着ける、というのも「この方なら」と素直にうなずけた。
大先輩から昔話を聴くつもりでゆったりと読むのもいいかもしれない。
2013年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普段この手の本はあまり読まず、専門書ばかり読んでいます。
全く別の分野でためになる教訓や面白いエピソード、視野を広げる見識はないか、
そういう点に興味があって読みました。
結局、この本で見つかったのは次の2点くらいでした。
・100人以上の弟子がいて、ものになったのはほんの数人
・自分にあった仕事なんてそうそうない。自分が仕事に合わせること。
この2点は、1章か、まえがきあたりに全体を通した概略的な部分でも紹介されています。
要するに、著者にも全体を通してその2点しか目ざといものは見つからなかったのです。
それ以外は、何というか、昔話ですね。どこで働いてどういうことをしていたとか、
ちょっとした自慢話とか。
そういう話を聞くことが好きな方には良いと思います。
他の方が書いているような、生き様に学ぶとかビジネス本だとか、
残念ながらそういう風には感じませんでした。
全く別の分野でためになる教訓や面白いエピソード、視野を広げる見識はないか、
そういう点に興味があって読みました。
結局、この本で見つかったのは次の2点くらいでした。
・100人以上の弟子がいて、ものになったのはほんの数人
・自分にあった仕事なんてそうそうない。自分が仕事に合わせること。
この2点は、1章か、まえがきあたりに全体を通した概略的な部分でも紹介されています。
要するに、著者にも全体を通してその2点しか目ざといものは見つからなかったのです。
それ以外は、何というか、昔話ですね。どこで働いてどういうことをしていたとか、
ちょっとした自慢話とか。
そういう話を聞くことが好きな方には良いと思います。
他の方が書いているような、生き様に学ぶとかビジネス本だとか、
残念ながらそういう風には感じませんでした。
2013年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2月より上映されているドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』を観て、小野二郎さんに大変心惹かれ本書を購入した。
映画のパンフレットには山本益博氏の本が紹介されていたのだが(実際映画では山本氏が語りのような役割を果たしていた)、Amazonレビューでは山本氏の本の評価が全般的に悪く、宇佐美氏の本書を選んだ。結果的には大正解!映画で見た小野二郎さんの鮨職人としてのピュアで真摯な姿勢はどのような人生を歩んで来たからなのかを、大変読みやすい文章で書かれていた。それは二郎さんが語る手法だったので、私は映像と重なりどんどん読み進めてしまい、結局面白くて中断できず1日で読み終えてしまった。
ご苦労された幼少時代、戦中戦後も夢中で働きながら、鮨職人という仕事を選び全うしている人生。ただ大真面目にというだけでなく大変理論的に握り鮨に人生を賭けている姿に心が打たれた。
特に今回のドキュメンタリー映画をご覧になった方には、かなり面白く読める本としてお薦めします!
映画のパンフレットには山本益博氏の本が紹介されていたのだが(実際映画では山本氏が語りのような役割を果たしていた)、Amazonレビューでは山本氏の本の評価が全般的に悪く、宇佐美氏の本書を選んだ。結果的には大正解!映画で見た小野二郎さんの鮨職人としてのピュアで真摯な姿勢はどのような人生を歩んで来たからなのかを、大変読みやすい文章で書かれていた。それは二郎さんが語る手法だったので、私は映像と重なりどんどん読み進めてしまい、結局面白くて中断できず1日で読み終えてしまった。
ご苦労された幼少時代、戦中戦後も夢中で働きながら、鮨職人という仕事を選び全うしている人生。ただ大真面目にというだけでなく大変理論的に握り鮨に人生を賭けている姿に心が打たれた。
特に今回のドキュメンタリー映画をご覧になった方には、かなり面白く読める本としてお薦めします!
2010年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を2度読んだ。
1回目、なんだぁ?次郎さんの自慢話ではないか!
と口調やら文体やらになんだかしっくりこなくて・・・日常も多忙だったため流し読み。
でも、気になって2回読んだ。
2回読むということ自体、気になる本ということだろうか。
2回目を読み終わったら爽快感だった。パワーをもらった。次郎さんの言葉も胸にしみたし、自分がはたして70歳の時にこんな人間でいられるか、と考えさせられた。今では目標にしたい人物です。
もちろん「すきやばし次郎」の暖簾をくぐる勇気ももらえるけれど、お寿司屋がどうこうっていうんじゃなくって、次郎さんに会いたくなる、次郎さんの人生に近づきたくなる、そんな本。
仕事もやる気が出るし、生きていることに一生懸命になれます。
この著者の他の食べ物本もオススメです。食べることが楽しくなります。
1回目、なんだぁ?次郎さんの自慢話ではないか!
と口調やら文体やらになんだかしっくりこなくて・・・日常も多忙だったため流し読み。
でも、気になって2回読んだ。
2回読むということ自体、気になる本ということだろうか。
2回目を読み終わったら爽快感だった。パワーをもらった。次郎さんの言葉も胸にしみたし、自分がはたして70歳の時にこんな人間でいられるか、と考えさせられた。今では目標にしたい人物です。
もちろん「すきやばし次郎」の暖簾をくぐる勇気ももらえるけれど、お寿司屋がどうこうっていうんじゃなくって、次郎さんに会いたくなる、次郎さんの人生に近づきたくなる、そんな本。
仕事もやる気が出るし、生きていることに一生懸命になれます。
この著者の他の食べ物本もオススメです。食べることが楽しくなります。
2014年2月20日に日本でレビュー済み
すきやばし次郎の小野二郎さんへの聞き書き。
彼の人生と、店の歴史が語られている。鮨そのものの本というよりは、半生記である。
また、里見真三『すきやばし次郎 旬を握る』をまず読み、それから本書へ進むことを強くオススメする。本書は『旬を握る』の補完的な存在であり、また後日談ともなっているからである。
『鮨を語る』で語られる半生はなかなかすごい。7歳から奉公に出され、小学生のうちから板前のまねごとをしてたというのだから。戦争、大阪での雇われ店長時代、銀座の支店への出向、そして独立。なんだかんだあって、80歳を超えたいまがいちばん忙しいというのも驚きだ。鮨の技がそれだけ円熟してきたということか。
実際に訪問するにはハードルの高い店だけに、こういう本で楽しむのがちょうどいいのかも知れない。
彼の人生と、店の歴史が語られている。鮨そのものの本というよりは、半生記である。
また、里見真三『すきやばし次郎 旬を握る』をまず読み、それから本書へ進むことを強くオススメする。本書は『旬を握る』の補完的な存在であり、また後日談ともなっているからである。
『鮨を語る』で語られる半生はなかなかすごい。7歳から奉公に出され、小学生のうちから板前のまねごとをしてたというのだから。戦争、大阪での雇われ店長時代、銀座の支店への出向、そして独立。なんだかんだあって、80歳を超えたいまがいちばん忙しいというのも驚きだ。鮨の技がそれだけ円熟してきたということか。
実際に訪問するにはハードルの高い店だけに、こういう本で楽しむのがちょうどいいのかも知れない。
2023年1月19日に日本でレビュー済み
「すきやばし次郎」は、銀座の数寄屋橋至近のビル地下にある鮨店。2007年に日本で初めて出版されたミシュランガイド東京で三つ星を獲得して一躍有名になり(2019年版まで三つ星を獲得し続けていたが、2020年版より、一般客の予約が取れなくなったことを理由に掲載されなくなった)、2014年、オバマ大統領が訪日した際に、安倍元首相との会食を行ったことは、各メディアで報道された。
小野二郎(1925年~)氏は、「すきやばし次郎」を開き、現在も現役でつけ場に立つ鮨職人。黄綬褒章受章。
本書は、二郎氏が、静岡県天竜市(現・浜松市天竜区)に生まれ、7歳で地元の料理店に奉公に出て、その後東京と大阪で修業を重ねて鮨職人になり、1965年に「すきやばし次郎」を開店して、現在に至る半生記を聞き書きでまとめたもの。初出は、読売新聞で2008年に連載された「時代の証言者 小野二郎」22回分で、大幅に加筆修正の上、2009年に出版された。
宇佐美伸(1961年~)氏は、早大政経学部卒、読売新聞日曜版編集長(2009年時点)で、鮨屋通いを趣味とする。
二郎氏について書かれた本としては、1997年出版の『すきやばし次郎 旬を握る』(後に文庫化)があり、同書は、二郎氏の鮨作りのエッセンスを、仕込みの段取りまで連続写真で丁寧に説明した、ほぼオールカラーの大作であるが、本書は、二郎氏の人生を綴ったもので、全く趣を異にする。
私は、芸術でも科学技術でもビジネスでもスポーツでも、一芸に秀でた人の伝記・半生記が好きで、新古書店で偶々本書を見つけ、読んでみた。
読み終えて、二郎氏が、人並外れて我慢強く、頑固な人物であることがよくわかったし、それゆえに、「すきやばし次郎」はここまでの店になったのだと感じたが、第二次大戦前後の社会で、似たような境遇に置かれ、努力をした人はそれなりにいたと思われる(だからといって、その人たちが皆成功したわけではない)し、エピソードは地味なものが多いという印象は拭えない。
それでも、二郎氏の職人気質について説明した、「職人技とは、いついかなる場合でも同じものを同じレベルでこしらえる、あるいは表現する腕の確かさだ。そのレベルをどこまで高みに引き上げられるかが職人の力量であり、腕の冴えだ。」という一節は目から鱗だし、自らの仕事に関しても(私は普通の会社員だが)、心に留めておきたいと強く感じた。
(2023年1月了)
小野二郎(1925年~)氏は、「すきやばし次郎」を開き、現在も現役でつけ場に立つ鮨職人。黄綬褒章受章。
本書は、二郎氏が、静岡県天竜市(現・浜松市天竜区)に生まれ、7歳で地元の料理店に奉公に出て、その後東京と大阪で修業を重ねて鮨職人になり、1965年に「すきやばし次郎」を開店して、現在に至る半生記を聞き書きでまとめたもの。初出は、読売新聞で2008年に連載された「時代の証言者 小野二郎」22回分で、大幅に加筆修正の上、2009年に出版された。
宇佐美伸(1961年~)氏は、早大政経学部卒、読売新聞日曜版編集長(2009年時点)で、鮨屋通いを趣味とする。
二郎氏について書かれた本としては、1997年出版の『すきやばし次郎 旬を握る』(後に文庫化)があり、同書は、二郎氏の鮨作りのエッセンスを、仕込みの段取りまで連続写真で丁寧に説明した、ほぼオールカラーの大作であるが、本書は、二郎氏の人生を綴ったもので、全く趣を異にする。
私は、芸術でも科学技術でもビジネスでもスポーツでも、一芸に秀でた人の伝記・半生記が好きで、新古書店で偶々本書を見つけ、読んでみた。
読み終えて、二郎氏が、人並外れて我慢強く、頑固な人物であることがよくわかったし、それゆえに、「すきやばし次郎」はここまでの店になったのだと感じたが、第二次大戦前後の社会で、似たような境遇に置かれ、努力をした人はそれなりにいたと思われる(だからといって、その人たちが皆成功したわけではない)し、エピソードは地味なものが多いという印象は拭えない。
それでも、二郎氏の職人気質について説明した、「職人技とは、いついかなる場合でも同じものを同じレベルでこしらえる、あるいは表現する腕の確かさだ。そのレベルをどこまで高みに引き上げられるかが職人の力量であり、腕の冴えだ。」という一節は目から鱗だし、自らの仕事に関しても(私は普通の会社員だが)、心に留めておきたいと強く感じた。
(2023年1月了)