日本経済新聞の一貫性のなさ、危機に対処する際に右往左往した社説の展開は見事に証明された。この一貫性という点では日経は他紙に劣るだろう。だが、筆者は重大な勘違いを全編において展開する。
それは、新聞社は預言者であると勘違いしていることだ。筆者によれば日経は80年代の状況をバブルであると予測できなければならないらしい。そんなことが新聞社にできれば経済学者も官僚もいらない。新聞社は今世の中で起きていることを報じるのであり、予測するのではない。警鐘を促すのも役目だが、それが一貫性を保ってかつ正確である必要はないし不可能だ。あらゆる意見は新たな問題が出てきてから作られる。
さらには、筆者は記事を歪曲的に捉える傾向がある。新聞は世界でなにが起こっているかを伝え、読者がその価値を判断すれば良い。にも関わらず、著者は日経はIT革命を煽り、コーポレートガバナンスも煽ったという。煽ったのだろうか?ではIT技術の積極的導入や企業統治も必要ではなかったと?独自システムは据え置きにしろと?そんなことをしていたら日本は今よりも後進国になっていただろう。
はっきり言って駄文である。読むだけ無駄だった。日経の暗部を描くものならば日経新聞の黒い霧の方がよほど面白い。

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増補・日本経済新聞は信用できるか (ちくま文庫 ひ 18-2) 文庫 – 2010/4/7
東谷 暁
(著)
- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2010/4/7
- ISBN-104480427058
- ISBN-13978-4480427052
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2010/4/7)
- 発売日 : 2010/4/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 302ページ
- ISBN-10 : 4480427058
- ISBN-13 : 978-4480427052
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,122,606位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,659位ちくま文庫
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2013年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社説欄を中心に、日経の撒き散らす有害なオピニオンにつき、精緻に吟味し見事に批判しています。
著者が成果主義の章で触れられているように、実業に永く居る者であれば、日経の主張に対して一定の距離をおいて冷笑的にあしらうことはできしょう。しかし、学生や、経験の浅い社会人の場合どうでしょうか。上司なり先輩から言われて、半ば脅迫観念に駆られ、やむなく日経を読まざるを得ない。そんな状況の方が余りに多いのではないでしょうか。そして折角真面目に読んだその内容が、イイカゲンな記述だらけという訳です。
近時、若年層のメンタル病の増加が指摘されますが、一因は、日経とそれへの信仰を迫る空気ではないか、とさえ思います。
日経を読まざるを得ない若い方には、使用上の注意として、是非この書を部分的にでもご覧頂きたいと思います。
著者が成果主義の章で触れられているように、実業に永く居る者であれば、日経の主張に対して一定の距離をおいて冷笑的にあしらうことはできしょう。しかし、学生や、経験の浅い社会人の場合どうでしょうか。上司なり先輩から言われて、半ば脅迫観念に駆られ、やむなく日経を読まざるを得ない。そんな状況の方が余りに多いのではないでしょうか。そして折角真面目に読んだその内容が、イイカゲンな記述だらけという訳です。
近時、若年層のメンタル病の増加が指摘されますが、一因は、日経とそれへの信仰を迫る空気ではないか、とさえ思います。
日経を読まざるを得ない若い方には、使用上の注意として、是非この書を部分的にでもご覧頂きたいと思います。
2013年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日経新聞の裏側がよく見えます。なんとなく疑問に思ってることがわかります。
おすすめです。
おすすめです。
2010年7月6日に日本でレビュー済み
調査の基本原則の1つは、ダブルチェック。
少なくとも2つの情報源にあたることである。
ただ、日本には「日経しか」読むものがない。
国内の経済情報は日経に一番蓄積があるのが現状。
活用するには、本書で検証されている日本経済新聞社の
傾向を確認して、対策を立てる必要があるかもしれない。
本書では、少々議論は細かくなることもあるものの、
その傾向について詳述されており、読み応えがある。
少なくとも2つの情報源にあたることである。
ただ、日本には「日経しか」読むものがない。
国内の経済情報は日経に一番蓄積があるのが現状。
活用するには、本書で検証されている日本経済新聞社の
傾向を確認して、対策を立てる必要があるかもしれない。
本書では、少々議論は細かくなることもあるものの、
その傾向について詳述されており、読み応えがある。
2010年5月30日に日本でレビュー済み
普通のサラリーマンの記憶はたいしたことがありません。いや、経営者も研究者も政治家も同じかもしれません。「日経」を読むときも同じで過去の記事との整合性を問うことはしません。ところが、この著者のように紙面をちゃんと観察していると一貫性がなく、特定の考えを前提として記事がなりたっている現実があるようです。
下の目次からみても推測できるように事実の報道だけでは無いということがわかります。
2章 日本的経営の称賛から攻撃へ
3章 グローバル・スタンダード万歳
4章 アメリカ経済政策の代理店
読者が賢くなるしか対策はないのでしょうか。
日経新聞をよく読む(私もそうです)、日経新聞が好きだと思っている人にこそ読んで欲しい本です。
下の目次からみても推測できるように事実の報道だけでは無いということがわかります。
2章 日本的経営の称賛から攻撃へ
3章 グローバル・スタンダード万歳
4章 アメリカ経済政策の代理店
読者が賢くなるしか対策はないのでしょうか。
日経新聞をよく読む(私もそうです)、日経新聞が好きだと思っている人にこそ読んで欲しい本です。
2010年4月26日に日本でレビュー済み
一般に、メディアに長期的な展望や相互の記事の整合性を求めるのは八百屋で魚を求めるに等しいが、本書は日本経済新聞という日本で唯一の日刊経済新聞を対象に、主にバブル期以降の社説を中心とした記事・論説にメスをいれ、そのおどろくべき浅はかさ、一貫性のなさ、徹底した自省の不足、そして「日本の後進性」にといった見方に代表される硬直したイデオロギー的傾向をクリアーに暴き出す。痛快の一語に尽きる。
増補としてリーマンショック以降の言説にも目配りされている。
本当の意味で日経新聞の読み方を会得したい方にはぜひおすすめしたい。
増補としてリーマンショック以降の言説にも目配りされている。
本当の意味で日経新聞の読み方を会得したい方にはぜひおすすめしたい。