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公共哲学とは何か (ちくま新書 469) 新書 – 2004/5/1

3.8 5つ星のうち3.8 33個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2004/5/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/5/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 238ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 448006169X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480061690
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 33個の評価

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山脇 直司
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年10月6日に日本でレビュー済み
日本でこれから問題が表面化する「多文化共生社会」と「地域創生社会」に対して必要な公共哲学という考え方をまとめた入門書。公共哲学とは、「政府=公」と考える従来の国家哲学ではなく、人々を担い手とするのが公共哲学である。著者は公共哲学を、タコツボ的な従来の学問に対するイノベーションだとし、トランス・ディシプナリー(学問横断的)と包括的な視座を必要とするものとしている。公共哲学をはっきり定義した哲学者はハンナ・アーレントで、彼女は公共的なものを以下の2つの意味で定義した。

1)万人によって見られ、開かれ、可能な限り最も広く公示されている現れ
2)私達すべてに共通する世界

 注意すべきは、1)の万人を「独自性をもつ多種多様な人々の構成体」としている点で、これが「多文化共生社会」につながり、2)は「地域創生」につながる。当然のことながら、公共性は「私」を「公」に従属させるものではない。アーレントが公共性を主張する理由は、師匠で、かつ愛人であったハイデガーの公共性が、個性を失った人(ダス・マン)の集合体とみなすことの逆手をとったものなのだろう。

 原始キリスト教からのパウロの思想は、奴隷も自由人も、ギリシア人も、ユダヤ人も区別なく平等に原罪から開放されるという意味で、公共性だとしている。しかし、モスク(アッラー)を媒介したザカート、シーア派のフムス、ウシュル、ハラージュ、ジズヤ、サダカ、カルド・ハサン、ワクフなどのイスラームの公共性についての解説はない。

 本書から学んだ点は2つある。
 ひとつは、明示国家に抗して、地方自治の確立のための独創的な公共哲学(足尾銅鉱山毒事件への抗議運動)を行動した田中正造の存在と、カントの「世界市民=地球市民」と多文化共生社会を対立させない「グローカルな公共哲学」の存在だ。いずれも興味深く、さらに学んでみたいと思う。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
公共哲学というのは、話題となるキーワードですが、掴みどころとらえどころが難しい。本書は2004年に出版されているが、日本での公共哲学を考える際に必要なキーワードが多く入っている。忌憚のない表現で事実に迫っているので、読後感は爽やかであり参考になった。
2014年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
入門書としてはいいかもしれません。専門的な内容もわかりやすく書かれているので、大学院生には読みやすいと思います。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年11月22日に日本でレビュー済み
哲学の知識があるのかないのかもよくわからない人間の断定口調の判断を、簡単に信頼するわけにもいかないでしょう。
とはいえ、私なら買う時に、ぜひとも参考にしたい情報に触れている人はほとんどいませんでした。結局、レビュー(書評)のはずが「自分語り」になっているものは辟易しますよね(ブーメラン)

なので、ぜひとも参考にしたいはずの目次をあげますね。

目次

はじめに

第1章 公共哲学は何を論じ、何を批判し、何をめざすのか
1 公共的なものとは何か
2 アメリカにおける公共哲学の展開―リップマンとベラー
3 公共哲学としての社会科学
4 ゆがんだ公私観とタコツボ的学問状況
5 公私二元論の克服と「活私開公」の理念
6 学問の構造改革
7 イデオロギーなき時代の「理念と現実」の統合
8 「自己―他者―公共世界」の理解

第2章 古典的公共哲学の知的遺産
1 古代アテナイのポリスの政治
2 公共哲学の祖としてのアリストテレス
3 ストア派とキリスト教の公共哲学
4 近代の政治的公共哲学の展開―ホッブズ、ロック、ルソー
5 経済をめぐる公共哲学
6 カントとフィヒテの公共哲学
7 そして、ヘーゲル
8 儒教などにおける公共哲学的要素
9 近世日本における公共哲学の端緒

第3章 日本の近・現代史を読みなおす
1 明治維新と自由民権運動の挫折
2 福沢諭吉の国民主義的公共哲学
3 田中正造のエコロジカルな公共哲学
4 大正デモクラシーの公共哲学―吉野作造と福田徳三
5 反面教師としての昭和初期思想
6 戦後の革新的公共哲学―南原繁と丸山真男
7 岐路としての一九七〇年代
8 戦後社会科学と哲学批判
9 「思想」の失われた現代

第4章 公共世界の構成原理
1 社会理論のフレームワークと公共世界
2 コミュニケーション
3 正義(公正)
4 人権・徳・責任―「活私開公」の基本原理
5 善く生きるための福祉
6 平和と和解
7 グローバル・パブリック・グッズ

第5章 公共哲学の学問的射程
1 政治社会と公共世界
2 経済社会と公共世界
3 社会学理論と公共世界
4 科学技術・環境問題の公共哲学
5 教育の公共哲学のために
6 宗教の公共哲学のために

第6章 グローカルな公共哲学へ向けて
1 いま必要なのは「グローカル」な公共哲学
2 「地域性」と「現場性」
3 地球市民的な自己理解と他文化共存の論理
4 応答的で多次元的な「自己―他者―公共世界」論
5 「民の公共」の多次元性
6 「ある・べき・できる」の統合

参考文献
おわりに

「〜〜が書いていない」式の批判は、ものを書いたこともなければ、十分な訓練を受けてもいない趣味の人の言葉のように思えます。
それにあんた、新書になに要求してんだ、みたいに思ったりもします。
「完璧な入門書」なんてあるわけないのです。「狭き門より入れ」、知りたければ不断に探求せねばなりません。「一冊でわかる」わけがないのです。
29人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年6月4日に日本でレビュー済み
哲学・政治・法・経済・科学技術・環境・教育・宗教など
もろもろの社会現象を公共性という観点から統合的に考察する学問
としての公共哲学全体を新書一冊にコンパクトに収めています。
まず、公共哲学という学問の特性を (1)個別的専門分野の横断
(2)公・民・私の相関関係 (3)「活私開公」という個人ー社会観
の3つの観点から説明します(第1章)。
そして、公共哲学の視点から、西洋政治思想・日本政治思想を
レビューしています(第2章・3章)。
さらに、公共哲学の重要概念として、コミュニケーション・正義・
人権・福祉・平和についても検討します(第4章)。
政治・経済・科学技術・教育・宗教など個別的分野における
公共性の関わりについても言及されています(第5章)。
最後に、公共哲学の目指すべきあり方として、(1)グローカルな公共哲学
(2)理想主義的現実主義・現実主義的理想主義 を打ち出しています(第6章)。

非常に広範な範囲を新書一冊に収めているため
個々の内容は比較的あっさりと書かれています。
専門知識を前提としないやさしい文章で書かれているので
万人に薦められる本だと思います。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年1月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
公共哲学を初歩から理解するためには、良書といえるだろう。公共哲学を客観的に語るというよりは、著者の考える公共哲学を主張しているわけだが、それだけに読んでいて面白いように思う。大学(東大?)の一般教養で語られる講義内容のようで、一般人にも分かりやすく書いてあるが、専門的には物足りなさも感じる。公共哲学として近年注目を集める熟議民主主義との関わりをもっと知りたかったように思う。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思想史を紐解き個人と社会の関係性を探り、さらに著者自ら「開私開公」なる概念を提示する。
おおざっぱにいうとこういう本だが、その学問的業績以前に著者のイデオロギーをさも「公共哲学」の中では自明であるかのような記述をし、それに疑問を呈する人間を「ドイツで学位を取った私の思考は、知的訓練を受けていない人間にはわからない」と排除する。(嘘だと思うのなら著者のtwitterのログを見るとよい)

このように中身のない学問、中身のない学者が存在することに疑問を感じる。
27人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この新書は約4年前に出たようだが、今までアマゾンに10以上出たレビューを見ると、ヨイショ臭い5つ星から、難癖臭い1つ星に至るまで、評価が分かれている。評者が思うに、この本は、いろいろな大学で科目が設けられ始めた公共哲学という学問を、「著者なりのスタンス」からわかりやすく啓蒙・展開したものと考えるのが妥当だろう。だからこの本と一緒に、桂木隆夫の『公共哲学とは何だろう』や斎藤純一の『公共性』を読んで、公共哲学にも色々な立場があることを知ったほうがよい。また、公共哲学の多様性や論争状況を理解する上で、東大出版会から出ている全20巻の『公共哲学』シリーズも参考になるだろう。そして、この新書の学問横断論に不満を感じる読者は、最近同じ著者が出した学術書『グローカル公共哲学』を、また思想史的な叙述に不満な読者は、同じ著者の『ヨーロッパ社会思想史』を別個に読むべきだろう。いずれにせよ、この書には一つのフロンティア的な位置づけが与えられて然るべきという意味で、星4つを与えたい。
40人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート