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グローカル公共哲学―「活私開公」のヴィジョンのために (公共哲学叢書 9) 単行本 – 2008/1/24

4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

グローカル公共哲学とは、個人一人ひとりが自ら生きる「現場性」や「地域性」という意味でのローカリティに根ざしながら、グローバルかつローカルな公共的諸問題を論考する学問・思想である。その探究を通じて人間が「私」を活かし、政府や国家の「公」を開いていくことによって、真に豊かな社会を構想しようと問いかける。
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商品の説明

出版社からのコメント

第I部 グローカル公共哲学のフレームワーク
第1章 人間論・公共世界論と思想的展望
第2章 倫理学の刷新----二一世紀のグローカル倫理
第3章 学問論と方法論の転換----「ポスト専門化」時代の学際的アプローチ
第4章 現代グローカル公共社会論----第II部への架橋
第II部 グローカル公共哲学の活動圏
第5章 政治・法・公共政策----民主主義・正義・人権・平和の公共哲学
第6章 経済・福祉・環境----それらを関連付ける公共哲学
第7章 メディア・教育・宗教----公共哲学の焦眉のテーマ

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京大学出版会 (2008/1/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/1/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 250ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4130101072
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4130101073
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

著者について

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山脇 直司
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カスタマーレビュー

星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
2グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2008年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、ユネスコが主催する地域間哲学対話や、国連大学主催のグローバルセミナーの企画に携わってきた論者の「実践的な哲学書」である。4年前に出た『公共哲学とは何か』は新書であったため自ずと学術的な詰めがやや甘かったのに対し、本書は、「べき(規範)論」を機軸としつつ、「ある(現状分析)論」「できる(政策)論」の統合・協働による新たな学問的ヴィジョンを明確な仕方で展開している。新書での学問横断性の叙述に不満を覚えた読者は、緻密で深い学識に裏付けられた本書と対決してから、著者を批判するべきであろう。いずれにせよ、島国日本だけでしか通用しない夜郎自大的な流行思想が多い中、広義の哲学書である本書は、英訳されてもインパクトを与えるだけの水準と内容を有している。値段が高いのが欠点だが、激動するグローバル化の中で新しい知のあり方を模索している方々に是非一読を薦めたい。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年10月10日に日本でレビュー済み
「グローカル」という言葉は、1990年代に日本で生まれた「グローバル」と「ローカル」をプラスした造語で、「公共哲学」はアリストテレスを祖とし、ハンナ・アーレントにより問題提起され、21世紀に確立されつつある学問だ。その2つを合成した「グローカル公共哲学」は、今後の個人、企業、日本、世界、地球を考える上で、重要なものになる。

 戦前戦中の国家と個人の関係は、国家に忠誠を尽くす。戦後の企業と個人の関係は滅私奉公として尽くす。これらの20世紀の価値観で成功してきた企業は衰退を迎え、日本の従業員エンゲージメント指数はダントツ世界最低だ。世界最高はインドで77%。以下、デンマーク67%、メキシコ63%、アメリカが59%で5位。中国57%、ブラジル55%、ロシア48%など。イギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ先進国も40%台後半で弱い。韓国は40%、日本は31%なのだ。

 企業経営もESG投資により、地球を意識せざるを得なくなり、エネルギーが自給できない日本のような国家は、持続性を意識せざるを得なくなった。グローバルでつながった経済は、遠くで起きたウクライナ戦争に大きく影響する。つまり、他のローカル地域を意識せざるを得なくなる。個人、企業、地域、国家、地球の関係を再定義する新しい哲学の必要性がますます高まる。そしてそれは、外国人の増加による多文化共生、人口減少による地方創生などの課題では必須の存在になる。

 公共哲学の研究者によるミニマムな合意は以下になる。

1)公共性の担い手が国家だけでなく、種々の中間団体や個人ひとりひとりであること
2)個人を犠牲にする「滅私奉公」ではなく、個人を活かしつつ公共性を開く「活私開公」という考えに立脚しなければならないこと
3)学問としての公共哲学は、既存の専門に収まりきらない「諸学問横断的な」営みであること

 グローカル公共哲学のベースは、「自己ー他者ー公共世界」という関係性になる。そして、「自己理解」と「他者理解」は切り離せず、自己と他者のコミュニケーションを通じて「公共世界」の活性化が自覚される。「グローカル公共哲学」は、ドメスティックな滅私奉公のライフスタイルが産んだ過労死や過労自殺、グローバルな格差が生んだ慢性化した貧困、水不足などの人間の安全保障をバラバラに論じるのではなく、地球環境を含めた「公共性」で捉える。
 こういう哲学の必要性は高い。