有名な名探偵の著者として名高いドイルの生涯を
簡潔に綴った伝記。
薄い本ですが、図版も多数含まれ、スラスラ読めます。
一読して驚いたのは、ドイルが想像以上にマッチョな
人物で、とても作家という趣きではないこと。
彼自身アマチュアボクサーで、スポーツ万能。
かと思うと、思い立ったら戦争だろうが裁判だろうが
頭から飛び込んで決して後退しない熱血漢。
また、大英帝国を心から愛し、権力者を時に
無邪気なほど信奉する愛国者で、保守主義者。
婦人参政権や労働運動などもっての他で、偏見も根強く、
良くも悪くも古き良き道徳観の持ち主。
しかし、まぎれもない正義漢で男らしい男。
こう見ると、シャーロック・ホームズをはじめ、彼の
著書によく現れる、闘争的で時に動物的なほど冒険を
追い求める人物こそドイルその人だと納得できました。
その精力的で広範な活動力は驚嘆に値し、小説家という
より冒険のついでに本を書いてるんじゃないかと思える
くらい。
著者のジュリアン・シモンズは英国人としてホームズを
分析していますが、不思議なのは「英国中産階級の
偉大な擁護者」…つまりどこから見ても保守的なイギリス人を
満足させる人物の物語が、今日広く世界中に受け入れられている
という事実です。この辺の魅力は他の分析もあり得るかも
しれません。
いずれにせよ、コナン・ドイル自身、シャーロック・ホームズに
勝るとも劣らない魅力的な人物で、まるで物語のような生涯を
送ったことは間違いないようです。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
コナン・ドイル (創元推理文庫 100-6 Sogen Nonfiction) 文庫 – 1991/5/1
ジュリアン シモンズ
(著),
深町 真理子
(翻訳)
シャーロック・ホームズを生み出す一方、今やSFの古典となったチャレンジャー教授を主人公とする作品群や、得意の歴史もので持ち前のユーモア感覚を発揮したジェラール准将の活躍する短編等々、数多い傑作を世に遺したアーサー・コナン・ドイル卿。その生涯と作品を、カラーを含む豊富な図版を付して簡明に説いた恰好の書。
- 本の長さ182ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1991/5/1
- ISBN-104488100066
- ISBN-13978-4488100063
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1991/5/1)
- 発売日 : 1991/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 182ページ
- ISBN-10 : 4488100066
- ISBN-13 : 978-4488100063
- Amazon 売れ筋ランキング: - 225,619位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 869位創元推理文庫
- - 1,826位英米文学研究
- - 38,005位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年10月3日に日本でレビュー済み
本書は長らく品薄になっていたらしい名作の復刊ということで、文庫本で再登場した。
本書ではシャーロック・ホームズで有名なコナン・ドイルの「ホームズもの」以外の作品の紹介とか、あまり知られていない私生活がきわめて克明に明らかにされている。
本来歴史小説作家を志していた若き医学生時代の恩師ベル教授がホームズのモデルとなったことは有名な話だが、同級生と一緒に医師を開業することになり、その後、彼と袂を分かつことにもなる。そのことが、結局は作家コナンドイルが誕生し、シャーロック・ホームズが生まれることになる。
この経緯、この辺り、なかなか面白い。
また、冤罪被害者の弁護に立つなど社会派作家の一面も持ち合わせる一方、晩年には神秘主義への異常なまでの傾倒ぶりが明らかにされ、とりわけ、妖精とか心霊術にのめり込むことになる。
第一次大戦への参戦とか愛国主義者の一面が如実に出てくる。
ここ数年ホームズ物の新訳に再度挑戦している深町真理子氏の翻訳は読みやすく好感が持てる。
本書ではシャーロック・ホームズで有名なコナン・ドイルの「ホームズもの」以外の作品の紹介とか、あまり知られていない私生活がきわめて克明に明らかにされている。
本来歴史小説作家を志していた若き医学生時代の恩師ベル教授がホームズのモデルとなったことは有名な話だが、同級生と一緒に医師を開業することになり、その後、彼と袂を分かつことにもなる。そのことが、結局は作家コナンドイルが誕生し、シャーロック・ホームズが生まれることになる。
この経緯、この辺り、なかなか面白い。
また、冤罪被害者の弁護に立つなど社会派作家の一面も持ち合わせる一方、晩年には神秘主義への異常なまでの傾倒ぶりが明らかにされ、とりわけ、妖精とか心霊術にのめり込むことになる。
第一次大戦への参戦とか愛国主義者の一面が如実に出てくる。
ここ数年ホームズ物の新訳に再度挑戦している深町真理子氏の翻訳は読みやすく好感が持てる。