オーウェルの
一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)
の3回目の映像化作品です。まず、短い時間(91分)でありながら、原作の恋愛部分を軸に、非常に原作を尊重した良い映画化作品です。
主演のエドモンド・オブライエン(
裸足の伯爵夫人 [DVD
]でアカデミーとゴールデン・グローブを受賞)をはじめ、マイケル・レッドグレイブ(
空軍大戦略 [Blu-ray
]
バルカン超特急 (トールケース) [DVD
])、ジャン・スターリング(
地獄の英雄 [DVD
])など、俳優に予算をかけ、セットなどはそれこそ「知恵と工夫」でなんとかしたのが伝わります。日本でも
大脱走 (アルティメット・エディション) [DVD
]「刑事コロンボ 別れのワイン」で人気のあるドナルド・プレザンスも共演しています(どの時代のどの映画でも同じ風貌なのは流石。
ミクロの決死圏 (ベストヒット・セレクション) [DVD
]で、本作主演のエドモンド・オブライエンとまた共演しています)。
「1984年のロンドン」もキチンと小説の通りに描写され、丁寧な仕事をしているので、1956年の人が想像した1984年は、映像的にも興味深い物になっています。派手な特撮などはありませんが、丁寧な特殊技術とカメラワーク、スタジオ・セット、原作を巧く消化した脚本の効果、そして巧い俳優陣があいまった良い映画のDVD化は、歓迎されるべきでしょう。私も以前、学生のころに雑誌に掲載されたポスター画で、存在だけ知っていた本作を、自宅で鑑賞できる時代が来るとは、おもいませんでした。
独仏ではDVD化されていないので(まあ、かなりの確率で欧州の人は英語を解するでしょうが)、日本で本作が鑑賞できるのはすばらしいことだとおもいます。一九八四年を読み終わってからでも、読む前でも、鑑賞に値する作品だとおもいました。感謝を込めて、★は5つで。
1984 [DVD]
8パーセントの割引で¥2,713 -8% ¥2,713 税込
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フォーマット | ドルビー, ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | マイケル・アンダーソン, マイケル・レッドグレーヴ, ジャン・スターリング, エドモンド・オブライエン, ドナルド・プレザンス |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 31 分 |
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商品の説明
本作は、村上春樹の愛読書であり、「1Q84」の元ネタとも言われ題名にまで影響を与えた、ジョージ・オーウェルの世界的ロングセラー小説「1984」。今年2009年は小説初版の1949年から60周年。
世界核戦争の果てに、世界は三大国に大別され、常に戦争状態にさらされていた。大国のひとつオセアニアは、偉大なる指導者“ビッグ・ブラザー”の元で抑圧的な全体主義に支配されていた。首都ロンドンの“真理省”に勤める下級役人ウィンストン・スミス(E・オブライエン)は、四六時中、家でも街角でも常に“テレビジョン”によって監視される生活や、日々変わる党の方針に沿って、過去の全ての文書や記録、印刷物を書き換え、常に歴史を改変させていくという果てしない仕事に嫌気がさしていた。そんな時、ジュリア(J・スターリング)という女性と恋に落ちてしまう。それは禁断の恋愛であった。党の方針により、恋愛やセックスは反逆罪とみなされていたのだ。しかし、党に反抗するがごとく、二人は逢瀬を重ねる。ある日、二人は、ウィンストンの所属部署のトップである党幹部オコーナー(M・レッドグレーヴ)から、彼が実は反政府組織の一員であるという驚くべき事実を知らされる。さらに組織のために働くよう要請され、反政府活動にのめりこんでいく。そしてついに、愛を重ねる二人の部屋を思想警察の一団が襲いかかった.....。
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4560372461541
- 監督 : マイケル・アンダーソン
- メディア形式 : ドルビー, ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 31 分
- 発売日 : 2009/12/29
- 出演 : エドモンド・オブライエン, ドナルド・プレザンス, マイケル・レッドグレーヴ, ジャン・スターリング
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Mono)
- 販売元 : video maker(VC/DAS)(D)
- ASIN : B002W2N2H2
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 90,298位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は予算の少なさをフォローして余りある俳優陣の達者さ、まだ第二次大戦からの回復途中だった英国の市街を逆手にとって常に戦時体制下である作中設定へ昇華した美術、そして原作を上手く90分前後にまとめた脚本が見事です。
イギリスの一部SF・特撮映画にはアメリカ市場を狙って本国では助演級の渋い俳優を主演に据える伝統があり(クォーターマス博士シリーズのブライアン・ドンレヴィ、「怪獣ウラン」のディーン・ジャガー等。)、本作でも本国では名バイプレーヤーとして有名なエドモンド・オブライエンを主人公のウィンストン・スミス役に起用しています。
日本で言うと中年期の小林桂樹さんを思わせる朴訥な容貌で、彼の苦悩は平凡な私にも充分共感出来ました。
1984年に公開されたマイケル・ラドフォード版の1984も拝見していますが、本1956年版の方が観客の想像力に委ねるシーンが多い様です。
前作で主人公に拷問・洗脳を施す党幹部オブライエン役のリチャード・バートン(権力と任務に倦んで体中から疲労感を醸し出していた)と、本作で相同する役柄のオコナー役、凛々しいと言って良いマイケル・レッドグレーヴや、ヒロインジュリア役の比較も楽しみでした。
中でも骨の髄まで党に忠誠を誓っていながらおそらくスミスを洗脳転向させる為の見せしめとして逮捕される憐れなパーソンズ役のドナルド・プレザンスは少ない登場ながら場をさらっています。
ただ、昨今の廉価版DVDよりやや高額な設定でありながら画面や音声が粗いです。付録の解説は丁寧で助かりました。
「クォーターマス博士」等、50-60年代の英国特撮・SF物がお好きな方には文句無しにお薦めです。
原作をまだお読みで無い方は是非そちらの方も一読を。
イギリスの一部SF・特撮映画にはアメリカ市場を狙って本国では助演級の渋い俳優を主演に据える伝統があり(クォーターマス博士シリーズのブライアン・ドンレヴィ、「怪獣ウラン」のディーン・ジャガー等。)、本作でも本国では名バイプレーヤーとして有名なエドモンド・オブライエンを主人公のウィンストン・スミス役に起用しています。
日本で言うと中年期の小林桂樹さんを思わせる朴訥な容貌で、彼の苦悩は平凡な私にも充分共感出来ました。
1984年に公開されたマイケル・ラドフォード版の1984も拝見していますが、本1956年版の方が観客の想像力に委ねるシーンが多い様です。
前作で主人公に拷問・洗脳を施す党幹部オブライエン役のリチャード・バートン(権力と任務に倦んで体中から疲労感を醸し出していた)と、本作で相同する役柄のオコナー役、凛々しいと言って良いマイケル・レッドグレーヴや、ヒロインジュリア役の比較も楽しみでした。
中でも骨の髄まで党に忠誠を誓っていながらおそらくスミスを洗脳転向させる為の見せしめとして逮捕される憐れなパーソンズ役のドナルド・プレザンスは少ない登場ながら場をさらっています。
ただ、昨今の廉価版DVDよりやや高額な設定でありながら画面や音声が粗いです。付録の解説は丁寧で助かりました。
「クォーターマス博士」等、50-60年代の英国特撮・SF物がお好きな方には文句無しにお薦めです。
原作をまだお読みで無い方は是非そちらの方も一読を。
2017年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり古いので画像も音声もイマイチでした。残念。
著書があまりに優れていて、これをどのように映像化しているのか興味があったのだが。
「1984」は現代の世界の動向を未来学者よりも的確に予言(もちろん「1%」が、1984をシナリオとして強力に推し進めている可能性は高いが)していて、AIのビッグブラザーが世界を統治する日もそう遠くないと、特に311後の日本にいると感じざるを得ない。
著書があまりに優れていて、これをどのように映像化しているのか興味があったのだが。
「1984」は現代の世界の動向を未来学者よりも的確に予言(もちろん「1%」が、1984をシナリオとして強力に推し進めている可能性は高いが)していて、AIのビッグブラザーが世界を統治する日もそう遠くないと、特に311後の日本にいると感じざるを得ない。
2013年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
20世紀の預言者は、ジョージ・オゥエルだと唸らせます。
モノクロ作品で原作を簡略化したという感じがしますが、
収録時間が90分なので、原作の要点を上手に伝えています。
うまくまとまっています。
モノクロ作品で原作を簡略化したという感じがしますが、
収録時間が90分なので、原作の要点を上手に伝えています。
うまくまとまっています。
2019年12月20日に日本でレビュー済み
1949年刊行のジョージ・オーウェルの小説『1984年』が原作。全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いています。
監督は『イル・ポスティーノ』 (1994年)のマイケル・ラドフォード。主演はジョン・ハート、共演には リチャード・バートンなど。
男の仕事は国家の都合の良いように歴史記録を改竄すること。管理する部署はそれを「(単なる)スピーチや誤報の訂正だ」とします。独裁者によって率いられる党の局員である彼は監視カメラで監視され、夜間の外出や市民と話をすること、日記を書くことさえも禁止されます。そして国民は家族同士で監視し密告し合い、敵国や反乱分子に対して憎悪を叩き込まれます。
男は反政府運動の地下組織に参加するのですが、ある人物に裏切られ逮捕されて洗脳(これも改竄の一つ)されてしまいます。そして最後に、男は歓喜に燃えて独裁者の名前を連呼して終わります。
ファシズムや国家間の対立、核開発などに警鐘を鳴らす作品であり、同時に文書の改竄など、まるで゛某政権“を予感させるようで苦笑いせざるを得ませんでした。
ちなみにリチャード・バートンの遺作でもあります。
監督は『イル・ポスティーノ』 (1994年)のマイケル・ラドフォード。主演はジョン・ハート、共演には リチャード・バートンなど。
男の仕事は国家の都合の良いように歴史記録を改竄すること。管理する部署はそれを「(単なる)スピーチや誤報の訂正だ」とします。独裁者によって率いられる党の局員である彼は監視カメラで監視され、夜間の外出や市民と話をすること、日記を書くことさえも禁止されます。そして国民は家族同士で監視し密告し合い、敵国や反乱分子に対して憎悪を叩き込まれます。
男は反政府運動の地下組織に参加するのですが、ある人物に裏切られ逮捕されて洗脳(これも改竄の一つ)されてしまいます。そして最後に、男は歓喜に燃えて独裁者の名前を連呼して終わります。
ファシズムや国家間の対立、核開発などに警鐘を鳴らす作品であり、同時に文書の改竄など、まるで゛某政権“を予感させるようで苦笑いせざるを得ませんでした。
ちなみにリチャード・バートンの遺作でもあります。
2017年2月15日に日本でレビュー済み
最近映画化された、遠藤周作の「沈黙」とテーマは同じだと思います。
映画は、低コストの地味なイギリス映画の渋さを感じます。
ただ、1984自体は、歴史上、常に繰り替えされているテーマなので、特に新鮮味はありません。
主人公のように拷問されるのは、筋金入りの反骨者です。多くの人は、ある時点までは反抗していても、リスクを感じ取ると、靡きます。靡くのが悪い事ではありません。
映画は、低コストの地味なイギリス映画の渋さを感じます。
ただ、1984自体は、歴史上、常に繰り替えされているテーマなので、特に新鮮味はありません。
主人公のように拷問されるのは、筋金入りの反骨者です。多くの人は、ある時点までは反抗していても、リスクを感じ取ると、靡きます。靡くのが悪い事ではありません。
2009年11月23日に日本でレビュー済み
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有名な「1984」のDVD化で楽しみにしていますが、ウィンストン・スミス役をP・カッシングが演じたBBC版も是非DVD化して欲しいです。