ジュール・ヴェルヌと彼の作品と、それを取り巻く「科学」の世界。
科学者と冒険者が切り開いた新たな世界である「科学」を愛したジュール・ヴェルヌを、彼の作品と共に描いています。
作品を読み込み、検証し、図版と共に解説する大変な力作で、それを和訳する作業はそれはそれは大変な事であったでしょう。
大空、地中、海底・・・そして宇宙へと旅する事が出来ますよ。

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ジュール・ヴェルヌの世紀: 科学・冒険・〈驚異の旅〉 単行本 – 2009/3/1
- 本の長さ335ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋書林
- 発売日2009/3/1
- ISBN-104887217471
- ISBN-13978-4887217478
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登録情報
- 出版社 : 東洋書林 (2009/3/1)
- 発売日 : 2009/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 335ページ
- ISBN-10 : 4887217471
- ISBN-13 : 978-4887217478
- Amazon 売れ筋ランキング: - 313,603位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 49,614位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年10月19日に日本でレビュー済み
ジュール・ヴェルヌ没後100年の記念の年に、母国フランスで出版された作品の翻訳。
図版が豊富で、手にずっしりと重い豪華本である。
ヴェルヌの作品の土壌となった19世紀の科学技術や産業の発展を概観することによって、
それらと有機的につながっていた彼の作品をみずみずしく浮かび上がらせてゆく。
今日の科学的な”事実”や産業技術が確立されるまでに19世紀の人々が重ねた仮説と実証、成功と失敗が語られ、
まず平明な自然科学史としてとてもおもしろい。
そして何よりヴェルヌの作品にわくわくさせられた読者として、
当時の科学の最先端の知識を果敢に吸収し、それを咀嚼して第一級のエンターテインメントへと仕立てあげた
彼の才能にあらためて感嘆するとともに、作品の随所に滲み出る彼のペシミズムもやはり時代背景と無縁ではなかったのではないかと
ほろ苦く感じたりもした。
ヴェルヌ作品に気球が多く登場する理由が判明したり、ヴェルヌの作品に親しんだ人なら膝を打つ場面がいくつもある。
個人的には、初読の際にそのあまりのトンデモぶりに声が出なかった『地軸変更計画』の発想が、実は人類が火星に対して行おうと目論む計画
と大差ないと看破されているのが衝撃であった。
読後、すぐヴェルヌが読みたくなって、図書館で40年前のヴェルヌ名作全集を借りてきた。
願わくば「ヴェルヌの子供」が21世紀も増え続けんことを。
図版が豊富で、手にずっしりと重い豪華本である。
ヴェルヌの作品の土壌となった19世紀の科学技術や産業の発展を概観することによって、
それらと有機的につながっていた彼の作品をみずみずしく浮かび上がらせてゆく。
今日の科学的な”事実”や産業技術が確立されるまでに19世紀の人々が重ねた仮説と実証、成功と失敗が語られ、
まず平明な自然科学史としてとてもおもしろい。
そして何よりヴェルヌの作品にわくわくさせられた読者として、
当時の科学の最先端の知識を果敢に吸収し、それを咀嚼して第一級のエンターテインメントへと仕立てあげた
彼の才能にあらためて感嘆するとともに、作品の随所に滲み出る彼のペシミズムもやはり時代背景と無縁ではなかったのではないかと
ほろ苦く感じたりもした。
ヴェルヌ作品に気球が多く登場する理由が判明したり、ヴェルヌの作品に親しんだ人なら膝を打つ場面がいくつもある。
個人的には、初読の際にそのあまりのトンデモぶりに声が出なかった『地軸変更計画』の発想が、実は人類が火星に対して行おうと目論む計画
と大差ないと看破されているのが衝撃であった。
読後、すぐヴェルヌが読みたくなって、図書館で40年前のヴェルヌ名作全集を借りてきた。
願わくば「ヴェルヌの子供」が21世紀も増え続けんことを。
2011年8月11日に日本でレビュー済み
ジュール・ヴェルヌというと、洋の東西を問わず、男の子なら、いや男の子の心を持ったいい年こいたおっさんまでも、わくわくドキドキする。子供の頃なら文句なく「十五少年漂流記」「地底探検」であり、少し大きくなったら「八十日間世界一周」かな・・・・・
この本は、このジュール・ヴェルヌが生きた1828年から1905年という同時代は果たしていかなる時代で、いかなることが起こり、また起こらなかったのかを微に入り細に入り、科学的事実をふんだんに加え、これに塩と胡椒をペッパー気味に加えて、混ぜこぜにしたごった煮風の面白本である。
この手の本はまとまった休みがとれる夏休み・お盆休み等に一気に読むのがいい。いや暑苦しい夏こそ読むべき涼味満点の本だろう。といってもスリラーではない、興奮して手に汗握る楽しさ、面白さなのだ。
電気がどうして起こるのか、だれがどのようにして発見・発明したのか、当時の最先端の技術が今ここに明らかにされる・・・・と言ったら大袈裟だが、当時の偉いセンセ方の発明・発見が今21世紀に生きる我々の生活の基礎となっているのだ。
ページを繰るごとに現れる精細な挿絵がいい、写真にはないリアルさでアナログな雰囲気はなかなか捨てがたい。
この本は、このジュール・ヴェルヌが生きた1828年から1905年という同時代は果たしていかなる時代で、いかなることが起こり、また起こらなかったのかを微に入り細に入り、科学的事実をふんだんに加え、これに塩と胡椒をペッパー気味に加えて、混ぜこぜにしたごった煮風の面白本である。
この手の本はまとまった休みがとれる夏休み・お盆休み等に一気に読むのがいい。いや暑苦しい夏こそ読むべき涼味満点の本だろう。といってもスリラーではない、興奮して手に汗握る楽しさ、面白さなのだ。
電気がどうして起こるのか、だれがどのようにして発見・発明したのか、当時の最先端の技術が今ここに明らかにされる・・・・と言ったら大袈裟だが、当時の偉いセンセ方の発明・発見が今21世紀に生きる我々の生活の基礎となっているのだ。
ページを繰るごとに現れる精細な挿絵がいい、写真にはないリアルさでアナログな雰囲気はなかなか捨てがたい。
2021年7月22日に日本でレビュー済み
購入の決め手は何かと問うに、それは、この美麗の本作りにあった!まず巻頭、カラー口絵のヴェルヌの笑顔に殺られる。「絶えずもっと高く!…空へ」の気球だ~「海、それは神秘の宝庫」~「地上あるいは地底の探索」~「宇宙という奇想」~「機械時代の到来と予測」…。原著にあった百余点の図版はすべて本文中に掲載されているというこの驚異の書を買わずに済まされようか!
序文で、ミシェル・セールは次のように宣言する。
<われわれの日常とコミュニケーションが科学によって構造化される一方で、科学とわれわれを隔てる溝は拡大している。リアルタイムで進行するこの社会の再編成を描き出してくれる小説家が、現代のわれわれには不足している。私の世代を含む何世代にもわたって、ジュール・ヴェルヌこそが、その架け橋インターフェイスであり、身近な存在としての科学、そして諸関係の再編を平易に示してくれたのだ>
と。更に的確な指摘
<大学は、教養があっても無知な文科系と教養なき科学者を育成し、このふたつの集団はますます懸け離れていくのだ>
とも書いている。そして…
<つまりわれわれが目にする美は、知識にひたされる時、さらに千のきらめきを帯びて光り輝くのだ>!<世界はあまりにも奇蹟に輝くため、知覚され、そして知識となったそれらを語ること、いや、謳うことができるのは、現実とは思われない物語だけなのだ>!!
なんという美しい詩だろう!
この本の原著は、2005年はヴェルヌ没後百年にあたって2004年に仏で出版された。執筆を兼ねた監修者は、フィリップ・ド・ラ・コタルディエールというひとで、元天文学会長の科学ジャーナリスト。執筆者は他に、ヴェルヌの専門家、一流の科学者が揃っているとのこと。
序文で、ミシェル・セールは次のように宣言する。
<われわれの日常とコミュニケーションが科学によって構造化される一方で、科学とわれわれを隔てる溝は拡大している。リアルタイムで進行するこの社会の再編成を描き出してくれる小説家が、現代のわれわれには不足している。私の世代を含む何世代にもわたって、ジュール・ヴェルヌこそが、その架け橋インターフェイスであり、身近な存在としての科学、そして諸関係の再編を平易に示してくれたのだ>
と。更に的確な指摘
<大学は、教養があっても無知な文科系と教養なき科学者を育成し、このふたつの集団はますます懸け離れていくのだ>
とも書いている。そして…
<つまりわれわれが目にする美は、知識にひたされる時、さらに千のきらめきを帯びて光り輝くのだ>!<世界はあまりにも奇蹟に輝くため、知覚され、そして知識となったそれらを語ること、いや、謳うことができるのは、現実とは思われない物語だけなのだ>!!
なんという美しい詩だろう!
この本の原著は、2005年はヴェルヌ没後百年にあたって2004年に仏で出版された。執筆を兼ねた監修者は、フィリップ・ド・ラ・コタルディエールというひとで、元天文学会長の科学ジャーナリスト。執筆者は他に、ヴェルヌの専門家、一流の科学者が揃っているとのこと。