小諸警察署長さんが、署員の小諸の町のレポート集のはじめの所でこの本のことに触れていた。先輩署員が見習い警察官に語る
「地図や統計を眺めるだけじゃなくて、どれくらい歩き回ってるかってことだ」「自分が、どういう町の治安を守ってるか、それを知らなきゃ、どうしようもないぞ。どんな人が暮らしていて、どういう雰囲気で、どこに何があるか、昼と夜で、どんな風に変わって見えるか、そういうことを肌で覚えろ」「それでな、まず、この町を好きになれ。この町に住んでる人たちの生活を守りたいと思えるようになれ」「俺たちはな、この町の何でも屋なんだ」(95p)
というところは自治体職員にも言えることだと思う。
それと先輩の婦警が同じく新人に
「気がついた人が動けば、いいのよ。皆に同じことを要求するわけには、いかないわ」(371p)
というところも共感した。

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ボクの町 (新潮文庫) 文庫 – 2001/11/28
乃南 アサ
(著)
警視庁城西署・霞台駅前交番に巡査見習いとして赴任した高木聖大は、研修初日から警察手帳に彼女のプリクラを貼っていたことがバレるような、今風のドジな若者。道案内、盗難届の処理、ケンカの仲裁などに追われるが、失敗の連続でやる気をなくしていた。が、所轄の同期見習いが犯人追跡中に大ケガを負ったことで俄然、職務に目覚める。聖大の成長をさわやかに描くポリス・コメディ!
- 本の長さ516ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2001/11/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101425221
- ISBN-13978-4101425221
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2001/11/28)
- 発売日 : 2001/11/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 516ページ
- ISBN-10 : 4101425221
- ISBN-13 : 978-4101425221
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 489,120位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。1988年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。1996(平成8)年『凍える牙』で直木賞受賞。他に『ボクの町』『団欒』『風紋』『晩鐘』『鎖』『嗤う闇』『しゃぼん玉』『ウツボカズラの夢』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ニサッタ、ニサッタ』『犯意』(共著)、エッセイ集『いのちの王国』『ミャンマー』など著書多数。巧みな人物造形、心理描写が高く評価されている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんと言っても読みやすい。一気に最後まで読んでしまう。読んでいくうちに、主人公の成長が自分のことのように思える。そして、最後の感動がたまらない。
2019年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公が“型破りな新人警察官”という設定なのですが、この口の悪さや生意気な態度を維持して警察学校を卒業することはできません。主人公とその同僚たちも若いからといってこんなに子どもっぽいのは違和感があります。あと、女性作家が男社会を描く難しさも表れているでしょう。小中学生くらいなら楽しめるかもしれません。
2010年6月26日に日本でレビュー済み
普通「警察小説」というと、大事件があって、犯人を探して・・・、という筋のものが大多数ではないかと思う。
そこから見る、犯人象にいきつくまでのところとか、警察の政治的部分を見ることが警察小説の本質ではないかと思っている。
しかし本作は、それらのモノとは少し違った作品となっている。
警察官になった理由は振られた彼女を見返すため、警察手帳には元カノのプリクラを貼っている等、普通の警察小説の主人公では考えられないことを次々に起こす。
だが、主人公・高木聖大や、上司、先輩、同僚などの言動からは「あるある」とうなずかされることが多い。
小説とは、「娯楽」である。
読者に「面白い」と思わせる作品を作ること、これが作者がまず考えなければいけないことだ。
だが、それと並行して考えなければいけないことがあると思う。
それは「共感」と「教え」だと思っている。
例えば、登場人物が失敗をして、説教をされているシーンを読んで、「そうだよな」「自分も同じようなことがないよう反省しよう」と思わせること、これが小説家に課せられた使命だといってもいい。
その点では、本作は非常に優秀な作品の一つであると思う。
きっと誰でも共感することが数多くある。
だから多くの人に読んで欲しい、そんな作品だ。
そこから見る、犯人象にいきつくまでのところとか、警察の政治的部分を見ることが警察小説の本質ではないかと思っている。
しかし本作は、それらのモノとは少し違った作品となっている。
警察官になった理由は振られた彼女を見返すため、警察手帳には元カノのプリクラを貼っている等、普通の警察小説の主人公では考えられないことを次々に起こす。
だが、主人公・高木聖大や、上司、先輩、同僚などの言動からは「あるある」とうなずかされることが多い。
小説とは、「娯楽」である。
読者に「面白い」と思わせる作品を作ること、これが作者がまず考えなければいけないことだ。
だが、それと並行して考えなければいけないことがあると思う。
それは「共感」と「教え」だと思っている。
例えば、登場人物が失敗をして、説教をされているシーンを読んで、「そうだよな」「自分も同じようなことがないよう反省しよう」と思わせること、これが小説家に課せられた使命だといってもいい。
その点では、本作は非常に優秀な作品の一つであると思う。
きっと誰でも共感することが数多くある。
だから多くの人に読んで欲しい、そんな作品だ。
2010年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
珍しいですよね。おまわりさんが主人公の小説って。警察もので出てくるのは刑事か、最近は鑑識か。
だいたい、警察官になろうと思った動機が不純。彼女にふられて、って。目標もない。義務感、正義感もない。根無し草のようで、警察官には全く向いていないと思えるような高木聖大。しかし、どうしてか憎めない。彼の中にある、どこかスレていない部分なのかな。ナンパに明け暮れ、おもしろおかしく生きていけりゃそれでいいじゃん、なんて口では言いながら、本心では(自分は気がついていないかもしれないが)、誰かがきっかけをくれるのを待っているようなところがある。きっかけさえあれば何かに目覚めることのできる若者って、けっこう多いのではないかな、と思います。聖大もその一人だと思います。ピアスをしてださいかっこなんて死んでも嫌だ、みたいなことを言っていても、根はわりと素直で正直な普通の人間。だからこそ、交通事故の現場で心ない言葉を口にする野次馬に腹を立てたり、人の死に遭遇してその理不尽さにむなしさを感じたり。一歩間違えば単なる”お馬鹿さん”になってしまいそうなキャラクターをここまで魅力的に描けるのは、さすが乃南さんです。
いつも乃南作品を読んでいると思うのですが、キャラクターの描き方が素晴らしい。ほんとに、どこかにいそうな感じがするんです。しかも、かっこよくない、強さと弱さを併せ持った普通の人間。音道貴子も高木聖大も、ほんとにどこかの町にいるんじゃないか、と思えるほど生き生きと描かれてるんですよね。私のボキャブラリーが少なくて、乃南作品の素晴らしさが伝えきれなくて残念。
この作品を読んでから、交番のおまわりさんに妙に親近感を感じてしまったりして。あー、ああやって交番の前にじっと立っているのを「立番(りつばん)」というのね、とか、2人で自転車でパトロールしているおまわりさんを見て、一人が特に若いと、もしかしたら研修中なのかしら、なんて。交番勤務は派手な事件に遭遇することは少ないかもしれないが、あれこれ小さい事件を持ち込まれて、それはそれは大変なんでしょうね。小説なのに、読んだことがすべて”ほんと”にあったことのように感じてしまう、それが乃南作品です。
だいたい、警察官になろうと思った動機が不純。彼女にふられて、って。目標もない。義務感、正義感もない。根無し草のようで、警察官には全く向いていないと思えるような高木聖大。しかし、どうしてか憎めない。彼の中にある、どこかスレていない部分なのかな。ナンパに明け暮れ、おもしろおかしく生きていけりゃそれでいいじゃん、なんて口では言いながら、本心では(自分は気がついていないかもしれないが)、誰かがきっかけをくれるのを待っているようなところがある。きっかけさえあれば何かに目覚めることのできる若者って、けっこう多いのではないかな、と思います。聖大もその一人だと思います。ピアスをしてださいかっこなんて死んでも嫌だ、みたいなことを言っていても、根はわりと素直で正直な普通の人間。だからこそ、交通事故の現場で心ない言葉を口にする野次馬に腹を立てたり、人の死に遭遇してその理不尽さにむなしさを感じたり。一歩間違えば単なる”お馬鹿さん”になってしまいそうなキャラクターをここまで魅力的に描けるのは、さすが乃南さんです。
いつも乃南作品を読んでいると思うのですが、キャラクターの描き方が素晴らしい。ほんとに、どこかにいそうな感じがするんです。しかも、かっこよくない、強さと弱さを併せ持った普通の人間。音道貴子も高木聖大も、ほんとにどこかの町にいるんじゃないか、と思えるほど生き生きと描かれてるんですよね。私のボキャブラリーが少なくて、乃南作品の素晴らしさが伝えきれなくて残念。
この作品を読んでから、交番のおまわりさんに妙に親近感を感じてしまったりして。あー、ああやって交番の前にじっと立っているのを「立番(りつばん)」というのね、とか、2人で自転車でパトロールしているおまわりさんを見て、一人が特に若いと、もしかしたら研修中なのかしら、なんて。交番勤務は派手な事件に遭遇することは少ないかもしれないが、あれこれ小さい事件を持ち込まれて、それはそれは大変なんでしょうね。小説なのに、読んだことがすべて”ほんと”にあったことのように感じてしまう、それが乃南作品です。
2008年8月30日に日本でレビュー済み
面白かった。
たしかに警察官ってみんな警察官
顔なんかもろくに見ない気がする。
でもあたりまえにみんなそれぞれいろいろに考えているんだよなあって感じた。
この主人公はどんどん成長して、いい男になっていくんだろうなあ…
うらやましいです。
たしかに警察官ってみんな警察官
顔なんかもろくに見ない気がする。
でもあたりまえにみんなそれぞれいろいろに考えているんだよなあって感じた。
この主人公はどんどん成長して、いい男になっていくんだろうなあ…
うらやましいです。
2012年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の乃南アサさんは近親者に警察官がいるの?と思うくらいリアルな警察官です。
もちろんフィクションなんですが,この方はかなり下調べしてから書いているんでしょう。私は近親者なのでわかります。その後そのほかの乃南さんの作品にもハマッています。
もちろんフィクションなんですが,この方はかなり下調べしてから書いているんでしょう。私は近親者なのでわかります。その後そのほかの乃南さんの作品にもハマッています。
2016年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公の話し言葉にイライラさせられるし、主人公に共感もできなかった。最後に頑張ってめでたしめでたし、でも、ありがちな終わらせ方だなあ、と主人公の成長を喜ぶことができなかった。多分、作品以前に、主人公が嫌いだからダメだったんだと思う。主人公が嫌いでなかったら面白い作品なのかも。