大学教授という仕事は「研究」と「教育」のみならず、それに付随して多岐にわたるのだということを実感。
これが現代の大学教授像なのでしょうか。忙しそうですね。
著者の方が日本のみならず海外まで手を伸ばし、精力的に活動してこられたということはよくわかりますが、自分の研究したいことにじっくり時間をかけて取り組む…ということが本当にできるのだろうか?と思ってしまうほどに仕事量が多いのですね。
本そのものは項目がすっきりと整理され、とても読みやすかったです。

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大学教授という仕事 単行本(ソフトカバー) – 2010/1/25
杉原 厚吉
(著)
「院に入る前に読んでおけば良かった……」大学院生
「同業者として自身の仕事を振り返ることに役立つ」大学教員など
多くの感想が寄せられています。
最高学府……国公立私立大学の正規教員数は約18万人、そのうちの40%以上が「大学教授」である。
驚くべきことに、教授には教員資格がいらない。では彼等はどのようにキャリアを形成したのか? 学務をどのようにこなしているのか? 研究時間をどう割り振っているのか? 私生活は?
これまで語られなかったなじみの薄いこの職業と仕事を、NHK、民放「世界一受けたい授業」の出演でおなじみの名物教授が、軽快な筆致で独白する。
本書は、入試問題作成、学生指導、学会活動、著作活動、マスコミ出演などまで踏み込み、
つぶさに紹介し、大学教授になりたい人はもちろん、大学教授という社会的存在がいかなるものかを知りたい方々に是非読んで欲しい一冊です。
【目次】
大学教授の仕事がわかる15章
1- ストレスの少ない職業
1-1一国一城の主 1-2卒業から大学教授までの道
2- 講義の担当
2-1教え方を教わっていない先生 2-2教壇は最良の勉強の場
3- 研究と学生指導
3-1研究者としての大学教授 3-2学生の獲得 3-3研究指導 3-4研究室のスタイルづくり 3-5秘書
4- 研究資金の獲得
4-1経常研究費と外部資金 4-2不正防止
5- 論文の精算
5-1原稿の執筆 5-2学生の原稿の添削
6- 管理運営の仕事
7- 入学試験
7-1入試問題の作成 7-2出題ミスとその対策 7-3試験監督と採点
8- 学会活動
8-1研究交流・研究発表の場 8-2研究業績蓄積の場 8-3学会の役員
9- 国際会議活動
9-1学会活動の国際版 9-2学生指導と国際会議 9-3会議運営・国際交流
10- 審査
11- 他大学の非常勤講師
12- 著作活動
13- 研究成果の社会還元
13-1ソフトウェアの公開 13-2幾何計算駆け込み寺 13-3研究成果と知的財産
14- 専門知識の社会還元
14-1講演などの依頼 14-2マスコミへの協力
15- 大学教授のセルフマネージメント
「同業者として自身の仕事を振り返ることに役立つ」大学教員など
多くの感想が寄せられています。
最高学府……国公立私立大学の正規教員数は約18万人、そのうちの40%以上が「大学教授」である。
驚くべきことに、教授には教員資格がいらない。では彼等はどのようにキャリアを形成したのか? 学務をどのようにこなしているのか? 研究時間をどう割り振っているのか? 私生活は?
これまで語られなかったなじみの薄いこの職業と仕事を、NHK、民放「世界一受けたい授業」の出演でおなじみの名物教授が、軽快な筆致で独白する。
本書は、入試問題作成、学生指導、学会活動、著作活動、マスコミ出演などまで踏み込み、
つぶさに紹介し、大学教授になりたい人はもちろん、大学教授という社会的存在がいかなるものかを知りたい方々に是非読んで欲しい一冊です。
【目次】
大学教授の仕事がわかる15章
1- ストレスの少ない職業
1-1一国一城の主 1-2卒業から大学教授までの道
2- 講義の担当
2-1教え方を教わっていない先生 2-2教壇は最良の勉強の場
3- 研究と学生指導
3-1研究者としての大学教授 3-2学生の獲得 3-3研究指導 3-4研究室のスタイルづくり 3-5秘書
4- 研究資金の獲得
4-1経常研究費と外部資金 4-2不正防止
5- 論文の精算
5-1原稿の執筆 5-2学生の原稿の添削
6- 管理運営の仕事
7- 入学試験
7-1入試問題の作成 7-2出題ミスとその対策 7-3試験監督と採点
8- 学会活動
8-1研究交流・研究発表の場 8-2研究業績蓄積の場 8-3学会の役員
9- 国際会議活動
9-1学会活動の国際版 9-2学生指導と国際会議 9-3会議運営・国際交流
10- 審査
11- 他大学の非常勤講師
12- 著作活動
13- 研究成果の社会還元
13-1ソフトウェアの公開 13-2幾何計算駆け込み寺 13-3研究成果と知的財産
14- 専門知識の社会還元
14-1講演などの依頼 14-2マスコミへの協力
15- 大学教授のセルフマネージメント
- 本の長さ170ページ
- 言語日本語
- 出版社水曜社
- 発売日2010/1/25
- ISBN-104880652296
- ISBN-13978-4880652290
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商品の説明
著者について
1948年生まれ。名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻助教授
東京大学大学院情報理工学研究科数理情報学専攻教授などを経て、
2009年より明治大学研究・知財戦略機構特任教授。
東京大学大学院情報理工学研究科数理情報学専攻教授などを経て、
2009年より明治大学研究・知財戦略機構特任教授。
登録情報
- 出版社 : 水曜社 (2010/1/25)
- 発売日 : 2010/1/25
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 170ページ
- ISBN-10 : 4880652296
- ISBN-13 : 978-4880652290
- Amazon 売れ筋ランキング: - 355,479位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
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本書は,以下の15章において,大学教授のなすべき仕事について,著者の実践例に即して丁寧に解説しています。
1 ストレスの少ない職業/2 講義の担当/3 研究と学生指導/4 研究資金の獲得/5 論文の生産/6 管理運営の仕事/7 入学試験/8 学会活動/9 国際会議活動/10 審査/11 他大学の非常勤講師/12 著作活動/13 研究成果の社会還元/14 専門知識の社会還元/15 大学教授のセルフマネージメント
***
これらの膨大な仕事を1人の教授が実際に立派にやり遂げているのを知った読者は,先行書評にもあるように,一方では,著者が行なった仕事を素晴らしいと感じると同時に,他方では,自らの立場を顧みて,これらの仕事は,「東大の先生」だからできることだとか,「理系」の教授には当てはまっても,「文系」の教授には当てはまらないとかいって,一般化することを躊躇してしまいます。
***
しかし,このような仕事は,東大等の「国立大学法人」や「理系」の教授だけでなく,「私立大学」の教授であれ,「文系」の教授であれ,教授としてやるべき仕事であり,著書は,すべての教授に対して,その手本(規範)を示していると考えるべきだと思います。その理由は,以下の通りです。
第1に,ひと昔前であれば,国立大学と私立大学とで事情が異なる点がありました。しかし,現在では,国立大学は国立大学法人として,独立採算制が義務づけられており,その仕組みと環境は,私立大学とほぼ同じになっています。
第2に,ひと昔前までは,「理系」とは異なり,「文系」の場合は,博士号は,「功成り名を遂げた」教授が,名だたる出版社(例えば,岩波書店とか,有斐閣とか)から2冊以上の本を出版した後に,はじめて博士の学位を取ることができると考えられていました(論文博士の尊重)。確かに,その時代の課程博士の学生は,博士号を取らずに単位を修得して退学するだけで,問題なく研究職に就職することができたのであり(例えば,団塊の世代では,「課程博士」の段階で「博士号」を取得した「文系」の教授は例外的存在で,「修士号」しか有していないのが多数派です),つまり,その時代の教授たちは,課程博士の間に博士号を取得させる必要はないと考えていました。
しかし,現在では,「理系」の場合と同様,「課程博士」を取得せずに,研究職に就職することは困難となっており,課程博士の学生に「博士号」を取得させることは,教授のやるべき仕事の一つと考えるべきでしょう。
第3に,同様のことは,科研費等の外部資金(競争資金)の調達についてもいえます。ひと昔前であれば,共同研究と実験等で費用のかさむ「理系」の教授は,経常的な研究費の外に,外部資金を調達して,業績を挙げる必要があるが,「文系」の場合には,「書籍」の購入と,文献のコピー費用があれば,単独研究によって十分な業績を挙げることができ,それは研究費の範囲でまかなえるのであるから,外部資金を調達するまでもないと考えられてきました。
しかし,現在では,「文系」でも,コンピュータの活用,社会調査,共同研究が不可欠となっており,経常的な研究費だけでは,十分な研究成果を挙げることが困難となっており,「理系」と「文系」との差は縮まりつつあります。したがって,現在では,外部資金の調達は,「文系」の教授にとっても,やるべき仕事の1つとカウントすべきでしょう。
***
このように考えると,本書で示された15の仕事(最初の「ストレスの少ない仕事」というのも,教授職の特色だけでなく,そのようなストレスの少ない環境を維持することが教授の大切な仕事であると考えるべきでしょう)は,程度の差はあるといえ,すべての大学教授のなすべき仕事であり,少なくとも,それを目標に掲げて,実現の努力をすべきであると思われます。
***
著者が述べているように,大学教授の仕事は,上司を持たない上に,何をすべきかをすべて自分の判断で行うことができるという点で,「個性的」で,かつ,「ストレスの少ない」希有の職業であるということができます。
しかし,そのような素晴らしい職業環境は,大学教授が,世の中で「まだ誰もやっていないことに挑戦し,新しい知識・技術・思想などを作り出す」という仕事に従事し,その中で,「教育と研究を通じて学問の発展に貢献している」からこそ,それが社会的に認められていることを忘れてはならないと思います。
だからこそ,大学教授の仕事はストレスのない「個性的な職業」であると同時に,大学教授は,本書が示す15の仕事をやり遂げていく必要があるのです。その中でも,第1に,「コンスタントに論文を作成し」,それを公表して,学問の発展に貢献すること,第2に,独立研究能力のある学生を育て,「博士号を取得させる」こと,第3に,以上の目的を達成するために,「外部資金を調達すること」は,大学教授の「普遍的な責務」と考えるべき時代になっていることを自覚すべきでしょう。
***
今や,自己評価・自己点検がどこの大学でも義務づけられるようになってきています。それは,見方によっては,「学問の自由」に対する侵害であるとも考えることができまし,その危険性も見過ごすべきではありません。しかし,そのような自己評価・自己点検は,「外部からの強制」として見るだけではなく,大学の使命を考えた場合に,個々の大学教授が自発的になすべき「責務」であると考えることもできると思います。
本書は,ストレスの少ない「個性的」な職業を「享受」してきた教授が,学問の発展に貢献するためになすべき,「普遍的」な責務(論文作成,課程博士の輩出,外部資金の調達等)を明らかにしたものであり,大学の教授,および,大学教授をめざす人々,並びに,大学教授の資質を評価する側に立つ,すべての人に推薦できる良書であると思います。
本書は,以下の15章において,大学教授のなすべき仕事について,著者の実践例に即して丁寧に解説しています。
1 ストレスの少ない職業/2 講義の担当/3 研究と学生指導/4 研究資金の獲得/5 論文の生産/6 管理運営の仕事/7 入学試験/8 学会活動/9 国際会議活動/10 審査/11 他大学の非常勤講師/12 著作活動/13 研究成果の社会還元/14 専門知識の社会還元/15 大学教授のセルフマネージメント
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これらの膨大な仕事を1人の教授が実際に立派にやり遂げているのを知った読者は,先行書評にもあるように,一方では,著者が行なった仕事を素晴らしいと感じると同時に,他方では,自らの立場を顧みて,これらの仕事は,「東大の先生」だからできることだとか,「理系」の教授には当てはまっても,「文系」の教授には当てはまらないとかいって,一般化することを躊躇してしまいます。
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しかし,このような仕事は,東大等の「国立大学法人」や「理系」の教授だけでなく,「私立大学」の教授であれ,「文系」の教授であれ,教授としてやるべき仕事であり,著書は,すべての教授に対して,その手本(規範)を示していると考えるべきだと思います。その理由は,以下の通りです。
第1に,ひと昔前であれば,国立大学と私立大学とで事情が異なる点がありました。しかし,現在では,国立大学は国立大学法人として,独立採算制が義務づけられており,その仕組みと環境は,私立大学とほぼ同じになっています。
第2に,ひと昔前までは,「理系」とは異なり,「文系」の場合は,博士号は,「功成り名を遂げた」教授が,名だたる出版社(例えば,岩波書店とか,有斐閣とか)から2冊以上の本を出版した後に,はじめて博士の学位を取ることができると考えられていました(論文博士の尊重)。確かに,その時代の課程博士の学生は,博士号を取らずに単位を修得して退学するだけで,問題なく研究職に就職することができたのであり(例えば,団塊の世代では,「課程博士」の段階で「博士号」を取得した「文系」の教授は例外的存在で,「修士号」しか有していないのが多数派です),つまり,その時代の教授たちは,課程博士の間に博士号を取得させる必要はないと考えていました。
しかし,現在では,「理系」の場合と同様,「課程博士」を取得せずに,研究職に就職することは困難となっており,課程博士の学生に「博士号」を取得させることは,教授のやるべき仕事の一つと考えるべきでしょう。
第3に,同様のことは,科研費等の外部資金(競争資金)の調達についてもいえます。ひと昔前であれば,共同研究と実験等で費用のかさむ「理系」の教授は,経常的な研究費の外に,外部資金を調達して,業績を挙げる必要があるが,「文系」の場合には,「書籍」の購入と,文献のコピー費用があれば,単独研究によって十分な業績を挙げることができ,それは研究費の範囲でまかなえるのであるから,外部資金を調達するまでもないと考えられてきました。
しかし,現在では,「文系」でも,コンピュータの活用,社会調査,共同研究が不可欠となっており,経常的な研究費だけでは,十分な研究成果を挙げることが困難となっており,「理系」と「文系」との差は縮まりつつあります。したがって,現在では,外部資金の調達は,「文系」の教授にとっても,やるべき仕事の1つとカウントすべきでしょう。
***
このように考えると,本書で示された15の仕事(最初の「ストレスの少ない仕事」というのも,教授職の特色だけでなく,そのようなストレスの少ない環境を維持することが教授の大切な仕事であると考えるべきでしょう)は,程度の差はあるといえ,すべての大学教授のなすべき仕事であり,少なくとも,それを目標に掲げて,実現の努力をすべきであると思われます。
***
著者が述べているように,大学教授の仕事は,上司を持たない上に,何をすべきかをすべて自分の判断で行うことができるという点で,「個性的」で,かつ,「ストレスの少ない」希有の職業であるということができます。
しかし,そのような素晴らしい職業環境は,大学教授が,世の中で「まだ誰もやっていないことに挑戦し,新しい知識・技術・思想などを作り出す」という仕事に従事し,その中で,「教育と研究を通じて学問の発展に貢献している」からこそ,それが社会的に認められていることを忘れてはならないと思います。
だからこそ,大学教授の仕事はストレスのない「個性的な職業」であると同時に,大学教授は,本書が示す15の仕事をやり遂げていく必要があるのです。その中でも,第1に,「コンスタントに論文を作成し」,それを公表して,学問の発展に貢献すること,第2に,独立研究能力のある学生を育て,「博士号を取得させる」こと,第3に,以上の目的を達成するために,「外部資金を調達すること」は,大学教授の「普遍的な責務」と考えるべき時代になっていることを自覚すべきでしょう。
***
今や,自己評価・自己点検がどこの大学でも義務づけられるようになってきています。それは,見方によっては,「学問の自由」に対する侵害であるとも考えることができまし,その危険性も見過ごすべきではありません。しかし,そのような自己評価・自己点検は,「外部からの強制」として見るだけではなく,大学の使命を考えた場合に,個々の大学教授が自発的になすべき「責務」であると考えることもできると思います。
本書は,ストレスの少ない「個性的」な職業を「享受」してきた教授が,学問の発展に貢献するためになすべき,「普遍的」な責務(論文作成,課程博士の輩出,外部資金の調達等)を明らかにしたものであり,大学の教授,および,大学教授をめざす人々,並びに,大学教授の資質を評価する側に立つ,すべての人に推薦できる良書であると思います。
2016年2月7日に日本でレビュー済み
大学教授が普段どんな仕事をしているのかを、大学教授がまとめたもの。
言われてみれば、普段大学教授がどんなことをしているのか、意外と知らなかった。
読んでみてナルホドとも思った。
もちろん所属している大学によって仕事内容が大幅に変わることも分かる。
ただ大筋は変わらない以上、この本は読んでいて損はない。
研究室に所属しているだけでは分からない教授の「お仕事」。
あぁ、教授はこんなことをしているんだなぁ、と思いながら読むと楽しいだろう。
言われてみれば、普段大学教授がどんなことをしているのか、意外と知らなかった。
読んでみてナルホドとも思った。
もちろん所属している大学によって仕事内容が大幅に変わることも分かる。
ただ大筋は変わらない以上、この本は読んでいて損はない。
研究室に所属しているだけでは分からない教授の「お仕事」。
あぁ、教授はこんなことをしているんだなぁ、と思いながら読むと楽しいだろう。
2010年4月15日に日本でレビュー済み
私も大学教授です。この本は一般に知られにくい大学教授の仕事全般について、やさしく明解に書かれていると感じます(こういう本はこれまでありそうでなかった気がします)。ただし、この著者は一流大学の一流教授であり、ここに書かれていることが今の日本の大学教授の標準的な仕事ぶりだとはとてもいえません。著者が認めるように理科系であること、指導して来た学生の質が高いこと、彼自身が専門分野でも国際的にトップレベルの研究者であるらしいこと等から、著者の仕事ぶりが大学教授という職業にある者の目標とすべきモデルであるとは思います。しかし、こういう教授人生を歩める人は稀でしょう。日本の大学教授7万人のうち、上位5%位にしかあてはまらないだろうと思います。つまりこの本の内容は、あくまで理想モデルであって、これが平均的な大学教授像だと一般の人が誤解しないか心配です。しかし、著者の書きぶりにはまるでいやみがなく、成功者にありがちな説教調や自己宣伝調でもなく、自分の体験してきた教授職について淡々と記述しています。著者のように優秀ではない、つまり大多数の平凡な教授たちのことがあまりわかっていない(ある意味で幸せな、「世間知らず」な、教授になるべくしてなった)人なのかもしれません。一読後、こういう人の仕事ぶりには遠くおよびそうもないけれど、自分ももう少し頑張ろうと思いました。
2011年6月23日に日本でレビュー済み
講義、研究、学生指導、研究資金の獲得、論文の生産のような、いかにも教授らしい仕事から、大学の管理運営の仕事、入学試験、学会の会議運営、テレビへの出演、著書の執筆などなど多岐にわたる理系(工学部)の大学教授の仕事についてバランスよく記述した本です。
私のような文系出身で理系の世界がわからない人間にとっては、「こんな世界を理系の人は生きているのか」と感じながら、興味深く読める本でした。
このての本は、非常に個性的な同僚教授が描写されていたり、びっくりするようなエピソードが紹介されており「どうだ、おもしろいだろう」というタッチの本が多いですが、この本は、奇をてらわず、淡々と自らの経験を綴っておられます。なので、「エキサイティングなびっくりするような大学教授の姿」を求める人にはこの本は向きません。
むしろ、東京大学の教授として最高レベルの学生・院生を指導したり、世界や日本の学会を相手にしたりという、エリート教授の生活を垣間見れる本です。淡々と書かれた本でありながら、著者の研究への熱意や学生指導面での誠実さや温かみが感じられる本であり、印象のよい本でもあります。
これから理系大学に進もうと考えている人にとっては、理系の世界とはどんなものかを知るためにも、読んでおいたほうがよい本と思います。
私のような文系出身で理系の世界がわからない人間にとっては、「こんな世界を理系の人は生きているのか」と感じながら、興味深く読める本でした。
このての本は、非常に個性的な同僚教授が描写されていたり、びっくりするようなエピソードが紹介されており「どうだ、おもしろいだろう」というタッチの本が多いですが、この本は、奇をてらわず、淡々と自らの経験を綴っておられます。なので、「エキサイティングなびっくりするような大学教授の姿」を求める人にはこの本は向きません。
むしろ、東京大学の教授として最高レベルの学生・院生を指導したり、世界や日本の学会を相手にしたりという、エリート教授の生活を垣間見れる本です。淡々と書かれた本でありながら、著者の研究への熱意や学生指導面での誠実さや温かみが感じられる本であり、印象のよい本でもあります。
これから理系大学に進もうと考えている人にとっては、理系の世界とはどんなものかを知るためにも、読んでおいたほうがよい本と思います。
2010年3月14日に日本でレビュー済み
筆者の人柄が読み取れ,読んでいて心が和むというか,本来の高等教育における(本業でないとしても)教育者はこういう人がなるべきだと思いました.日本の高等教育の最高峰と言える東大教授は当然研究の最前線にいるべき人なのですが,やはり教育者としても最前線にいて欲しいと思うのです(現実と理想は一致しにくい?).筆者はどちらをも成し遂げた方のようで,『講義』,『学生指導と研究』に関する記述は率直に大学教授の教育者としての非も認め,どうあるべきかを述べている点に共感しました.
大学教授と言えば憧れの職種,有る水準の知的レベルを超えた人にとっては最終ゴールとして目指す人も多いのですが,なかなかなれない職業と言えるでしょう.ただ,本書を読んで誰でもなれないことはよく分かったし,人の能力に応じて職業も適材適所,単なる憧れで仕事を決めるのではなく,自身にあった仕事を探す,あるいは与えられた仕事に順応すべきであることも分かったような気がします.
『論文の生産』のところで原稿執筆に当たっては,読み手の気持ちをどう惹き付けられるか,「流行作家になってエンターテイメント小説を書く気分になる...」の記述も正にそうであろうと思いました.これはビジネスに通じるところ,顧客がどう考えるのか,相手の気持ちになって自分の立ち位置を考えることに相通じると思うのです.これができる大学教授はそれほど多くないかもしれません.また,多忙な日常業務について,全般的に言えることはポジティブに捉えて楽しむこと,これを苦痛と考えるとどんな仕事でも続かないわけです.仕事とプライベートを分ける事ができないのも大学教授の特徴であり,そんな多忙であることも前向きに捉えることができるヒトしかなれない職種でもあるのでしょうね.
大学教授と言えば憧れの職種,有る水準の知的レベルを超えた人にとっては最終ゴールとして目指す人も多いのですが,なかなかなれない職業と言えるでしょう.ただ,本書を読んで誰でもなれないことはよく分かったし,人の能力に応じて職業も適材適所,単なる憧れで仕事を決めるのではなく,自身にあった仕事を探す,あるいは与えられた仕事に順応すべきであることも分かったような気がします.
『論文の生産』のところで原稿執筆に当たっては,読み手の気持ちをどう惹き付けられるか,「流行作家になってエンターテイメント小説を書く気分になる...」の記述も正にそうであろうと思いました.これはビジネスに通じるところ,顧客がどう考えるのか,相手の気持ちになって自分の立ち位置を考えることに相通じると思うのです.これができる大学教授はそれほど多くないかもしれません.また,多忙な日常業務について,全般的に言えることはポジティブに捉えて楽しむこと,これを苦痛と考えるとどんな仕事でも続かないわけです.仕事とプライベートを分ける事ができないのも大学教授の特徴であり,そんな多忙であることも前向きに捉えることができるヒトしかなれない職種でもあるのでしょうね.