司馬遼太郎の本は坂の上の雲から始まり,かなり読んでおりますが,”竜馬がゆく”は避けていました。
ただ幕末から明治にかけての歴史の知識もかなり積み上がってきたので,今回ついに挑戦することにしました。
毎週週末に1冊のペースで読んでいて早6冊目です。過ぎし世の面影で著名な渡辺京二氏が司馬氏は小説家で
あり,歴史家ではない,と彼の著作に書いてありました。確か,”坂の上の雲”批判であったかな,と思います。
その通りだよ,と司馬氏は答えるかと思います。本作は幕末・明治の歴史に興味ある方には,素晴らしく面白い
小説です。ちなみに私は長州出身?の63歳,小さい頃は日和山の高杉晋作の銅像に放尿していたものであります。
偉い人に小便をかけていたのですね。なんか,もう少しで読み終えるのか,とちょっと寂しい思いをして
おります。歴史を知りたい方は,井沢元彦氏の”逆説の日本史”シリーズをおすすめします。
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新装版 竜馬がゆく (4) (文春文庫) (文春文庫 し 1-70) 文庫 – 1998/9/10
司馬 遼太郎
(著)
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長州の没落、薩摩の保守化、土佐の勤王政権の瓦解する。反動の時代をむかえたが、竜馬はついに一隻の軍艦を手に入れた――シリーズ累計2500万部超、歴史青春小説の金字塔、第4巻
- 本の長さ425ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1998/9/10
- ISBN-104167105705
- ISBN-13978-4167105709
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1998/9/10)
- 発売日 : 1998/9/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 425ページ
- ISBN-10 : 4167105705
- ISBN-13 : 978-4167105709
- Amazon 売れ筋ランキング: - 53,590位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語部卒。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、『梟の城』で直木賞を受賞。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂 の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。この他『街道をゆく』『風塵抄』『この国のかたち』な どの紀行、エッセイも多数。’96年逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 司馬遼太郎と寺社を歩く (ISBN-13: 978-4334747213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年8月17日に日本でレビュー済み
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神戸に日本海軍の基を造る竜馬。それを引き継ぎ、三菱重工の造船を起こした岩崎弥太郎。歴史は現代にも色濃く生きている。この時代の長州藩の革命熱は凄い。桂、西郷、竜馬の物語が始まる。
2014年12月16日に日本でレビュー済み
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竜馬の行動力 カバーする範囲 人との関わり。
ますます虜になっていく。
ますます虜になっていく。
2016年8月21日に日本でレビュー済み
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竜馬の尊王攘夷論はとても興味深いし、また現代社会においても重要な考え方だと感じた。
幕府や藩の利益のためではなく、日本人の利益を最優先する政治の仕組みを作ることの手段として尊王攘夷を位置付けているところが素晴らしいと感じた。加えて、自分の考えが世の中に受け入れるかどうか、そのタイミングを大局的に見据える能力、こちらもまた素晴らしい能力だ。
次巻(5巻)では、竜馬を取り巻く環境がどのうように変化していくのか、またその変化の好機をどのように捉えていけるのか、楽しみである。
幕府や藩の利益のためではなく、日本人の利益を最優先する政治の仕組みを作ることの手段として尊王攘夷を位置付けているところが素晴らしいと感じた。加えて、自分の考えが世の中に受け入れるかどうか、そのタイミングを大局的に見据える能力、こちらもまた素晴らしい能力だ。
次巻(5巻)では、竜馬を取り巻く環境がどのうように変化していくのか、またその変化の好機をどのように捉えていけるのか、楽しみである。
2009年9月19日に日本でレビュー済み
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教科書というのは何なのだろうと思う。幾分のデフォルメがあるとはいえ、幕末の数年間にはや1700ページもかけて向き合っていると、人ごと、歴史ごととは思えない当事者意識が芽生えてくる。
思い叶わねば切腹、反逆の嫌疑で命じられ切腹、今の時代自殺はあっても、自分の腹を自ら割いて自害するなどということは、今の私からは考えにくい。思想の違い、主義の進め方の違いで、多くの志が若くしてその命を散らしていった。
今を生きる者として、当時の散った魂の無念さを少しでも感じ取り、彼らが目指した地位に差別なく、自由に生きれる世の中が今であることの有難さを静かに感じ、感謝する。
参考になった個所は以下の通り、
→なまなかなことで、世の中は変わらぬ。間崎らは死んだが、いつかはこの天下をわが手で覆して彼らの霊を慰めてやる
→昭和初期の陸軍軍人は、この暴走型の幕末志士を気取り、テロを起こし、内政、外政を壟断し、ついには大東亜戦争を引き起こした
→攘夷活動
外国政府に対して、日本人が他のアジア人と違い異常な緊張力をもっていることだけは十分に示現した。
日本は、トルコ以東において西洋人侵略されなかった唯一の国であるといういい結果
→高杉晋作
士農工商の階級を撤廃した志願兵軍隊を創設
→人間の文明の発展というものに参加すべきだ。そうあれば、三上ヶ岳の不滅の燈明のように、その生命は不滅になるであろう。
→政治というのは、庶人の暮らしを立てさせてゆくためにあるものだ
→「もっとも」
と竜馬は言葉をつづけた。
「こんな時勢に悩んでいてもはじまらない。自分の信念だけが頼りなのだが」
→が、時勢は動いている。
それを横目で見ながら、こういうまわりくどい道をひとり歩くというのは、よほどの忍耐力が要った。
思い叶わねば切腹、反逆の嫌疑で命じられ切腹、今の時代自殺はあっても、自分の腹を自ら割いて自害するなどということは、今の私からは考えにくい。思想の違い、主義の進め方の違いで、多くの志が若くしてその命を散らしていった。
今を生きる者として、当時の散った魂の無念さを少しでも感じ取り、彼らが目指した地位に差別なく、自由に生きれる世の中が今であることの有難さを静かに感じ、感謝する。
参考になった個所は以下の通り、
→なまなかなことで、世の中は変わらぬ。間崎らは死んだが、いつかはこの天下をわが手で覆して彼らの霊を慰めてやる
→昭和初期の陸軍軍人は、この暴走型の幕末志士を気取り、テロを起こし、内政、外政を壟断し、ついには大東亜戦争を引き起こした
→攘夷活動
外国政府に対して、日本人が他のアジア人と違い異常な緊張力をもっていることだけは十分に示現した。
日本は、トルコ以東において西洋人侵略されなかった唯一の国であるといういい結果
→高杉晋作
士農工商の階級を撤廃した志願兵軍隊を創設
→人間の文明の発展というものに参加すべきだ。そうあれば、三上ヶ岳の不滅の燈明のように、その生命は不滅になるであろう。
→政治というのは、庶人の暮らしを立てさせてゆくためにあるものだ
→「もっとも」
と竜馬は言葉をつづけた。
「こんな時勢に悩んでいてもはじまらない。自分の信念だけが頼りなのだが」
→が、時勢は動いている。
それを横目で見ながら、こういうまわりくどい道をひとり歩くというのは、よほどの忍耐力が要った。
2008年9月12日に日本でレビュー済み
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それにしてもこの時代の志士達は尋常な神経ではやっていけない。
真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。
竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。
そりゃ胆力もつくわな。
土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。
そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。
観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。
その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。
4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。
「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。
司馬さんの竜馬評も楽しい。
「竜馬ほどおしゃれな男はまずすくない。ただおしゃれの才能が皆無なだけで、その気分は満々とあるのである」思わず声をあげて笑ってしまった。
真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。
竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。
そりゃ胆力もつくわな。
土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。
そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。
観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。
その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。
4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。
「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。
司馬さんの竜馬評も楽しい。
「竜馬ほどおしゃれな男はまずすくない。ただおしゃれの才能が皆無なだけで、その気分は満々とあるのである」思わず声をあげて笑ってしまった。
2017年6月4日に日本でレビュー済み
竜馬は、まんまと松平春嶽から海軍学校設立費用を引き出す。この海軍学校には若き日の陸奥宗光もいる。竜馬は土佐藩にとっくに見切りをつけている。山内容堂は、自分の才能や度胸にうぬぼれている。しかし、この時勢においては、わずかに他人よりすぐれているというだけの智恵や知識はなににもならないし、とらわれた人間は愚物でしかない。山内容堂は、ついに土佐勤皇党潰しを始める。武市半平太は投獄される。
長州藩は馬関で米国船に発砲。京都朝廷はこれに大喜び。この無謀な攘夷が無意味だったかといえばそうとも言い切れないという。内陸戦争になると無数のサムライと戦わねばならないことを認識させたため、これは諸外国の侵略を躊躇させる。
おりょうは竜馬に求婚するが、竜馬はいなす。
長州、薩摩は勤皇意識が強く、競って京都工作をしたが、こういうときには長州の方が上手。姉小路公知の暗殺事件は、長州が自派の公卿を殺して薩摩に罪をなすりつけようとした、という説もある。ともあれ、この事件のあと、薩摩は京都政界から脱落する。孝明天皇は佐幕派であり、会津藩が一番好きで、二番目は穏健な薩摩藩。長州藩や過激志士は大嫌い。しかし、公卿は長州色に染まっていくため、押し切られてしまう。薩摩藩は会津藩とむすんで長州を京都政界から駆逐するべく動く。八月十八日の政変が起こり、長州勢力は駆逐される。もっとも、この数年後に今度は薩摩と長州は手を結んで会津藩を討伐することになるのだが。
土佐勤皇党は、在藩主義の武市派、脱藩武力蜂起主義の吉村寅太郎派、海軍創設を目指す竜馬派に分かれる。武市派は潰え、吉村派も倒れる。武市は吉田東洋暗殺の罪について尋問を受ける。尋問にあたったのは板垣退助と後藤象二郎。一味の岡田以蔵は拷問に絶えきれずに白状したが、武市は耐える。結局、山内容堂は罪状否認のまま、武市に切腹を命じる。後に山内容堂はこのことをひどく後悔したという。武市は、腹を三文字に切って果てる。37歳。
竜馬は、幕府からついにお古の軍艦を手に入れる。千葉貞吉は、竜馬の剣術は天才的だし、さな子と結婚して欲しいと思っている。さな子も老父の夢がそこにあるから竜馬をあきらめきれない。さな子は意を決して竜馬に告白。竜馬は志士。形見として片袖をさな子に与える。竜馬はこれをさな子の気持ちに対する「感激のしるし」という。さな子はこれで恋が実ったと解釈。結局、掛け違う。
竜馬は長州びいき。理知的には勝の開国主義に同調し、感情的には長州の勇敢な攘夷活動を支持している。心情は複雑。
徳川幕府は長州憎し。いっそ、外国軍が長州を痛めつけてくれればいいと思っている。長州はこのときの恨みがあるので、江戸攻撃のときには将軍を斬首しようとさえした。明治維新が長州人のみによって行われていたら流血革命になっていたかもしれないという。ともあれ、幕府も一応は仲介し、外国をなだめるためには、幕府の手で長州を武力攻撃しなければならないと考える。これが第一次長州征伐へとつながる。
さな子、田鶴、おりょう・・・竜馬は深入りはしない。淡きこと水のごとし。恋愛は心ののめりこみであり、愛情の泥沼にのめりこんで精神と行動の自由を失いたくない。好いてはいるが惚れてはいない。
その他・・・
武士の切腹が「美」にまで高まり、かつその例がもっとも多かったのは戦国時代と幕末であって、徳川中期の泰平の世にはうとんぜられた。扇腹というのがあって、短刀がわりに扇を腹に当てるだけで、背後から介錯人が首を落としてくれた。元禄の赤穂浪士でさえ、切腹の前夜、その仕方を知らず、ひとに教えを乞う者があったという。
旗本は暖衣飽食で堕落し、百姓・町人は徳川政策のおかげで無責任階級となっている。武士のうち高級武士が腐敗しているとすれば、期待されるのは下級武士ということになる。武士としての教養、道徳があるうえ、飲まず食わずの家庭の出だけに、あふれるような野性と気概をもっている者が多かった。
長州藩は馬関で米国船に発砲。京都朝廷はこれに大喜び。この無謀な攘夷が無意味だったかといえばそうとも言い切れないという。内陸戦争になると無数のサムライと戦わねばならないことを認識させたため、これは諸外国の侵略を躊躇させる。
おりょうは竜馬に求婚するが、竜馬はいなす。
長州、薩摩は勤皇意識が強く、競って京都工作をしたが、こういうときには長州の方が上手。姉小路公知の暗殺事件は、長州が自派の公卿を殺して薩摩に罪をなすりつけようとした、という説もある。ともあれ、この事件のあと、薩摩は京都政界から脱落する。孝明天皇は佐幕派であり、会津藩が一番好きで、二番目は穏健な薩摩藩。長州藩や過激志士は大嫌い。しかし、公卿は長州色に染まっていくため、押し切られてしまう。薩摩藩は会津藩とむすんで長州を京都政界から駆逐するべく動く。八月十八日の政変が起こり、長州勢力は駆逐される。もっとも、この数年後に今度は薩摩と長州は手を結んで会津藩を討伐することになるのだが。
土佐勤皇党は、在藩主義の武市派、脱藩武力蜂起主義の吉村寅太郎派、海軍創設を目指す竜馬派に分かれる。武市派は潰え、吉村派も倒れる。武市は吉田東洋暗殺の罪について尋問を受ける。尋問にあたったのは板垣退助と後藤象二郎。一味の岡田以蔵は拷問に絶えきれずに白状したが、武市は耐える。結局、山内容堂は罪状否認のまま、武市に切腹を命じる。後に山内容堂はこのことをひどく後悔したという。武市は、腹を三文字に切って果てる。37歳。
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竜馬は長州びいき。理知的には勝の開国主義に同調し、感情的には長州の勇敢な攘夷活動を支持している。心情は複雑。
徳川幕府は長州憎し。いっそ、外国軍が長州を痛めつけてくれればいいと思っている。長州はこのときの恨みがあるので、江戸攻撃のときには将軍を斬首しようとさえした。明治維新が長州人のみによって行われていたら流血革命になっていたかもしれないという。ともあれ、幕府も一応は仲介し、外国をなだめるためには、幕府の手で長州を武力攻撃しなければならないと考える。これが第一次長州征伐へとつながる。
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旗本は暖衣飽食で堕落し、百姓・町人は徳川政策のおかげで無責任階級となっている。武士のうち高級武士が腐敗しているとすれば、期待されるのは下級武士ということになる。武士としての教養、道徳があるうえ、飲まず食わずの家庭の出だけに、あふれるような野性と気概をもっている者が多かった。
2015年11月14日に日本でレビュー済み
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とても面白いです。
おかげで様で幕末の歴史にも明るくなりました。
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