何となくこの作者の本を敬遠してきたところがあって、今回直木賞を受賞したと言うことで、初めてこの本を手にしました。
この本を読んで、ようやく何故今までこの作者の本を読まなかったのか解ったような気がします。
それは、余りに「純粋」過ぎる恋愛観についてゆけないからです。
「ほかならぬ人へ」「かけがいのない人へ」は、共に「ベストの相手」探しの小説です。
でも、作者が作中で語るように、本当に「ベストの相手」がみつかるのでしょうか。
「ベストの相手」かどうかは、結果論だと思います。
人生の中で様々な人に出会う訳で、その時点では「ベスト」かもしれないけれど、その先では解らない。
それが人生でしょう。
「ベター」なら解りますが、「ベスト」となると疑問です。
それに比べると、「人間はさ、そうやって毎回自分に裏切られながら生きていくしかないんだよ」と言う言葉の方は良く解ります。
完全な人間はいませんから、必ずその時々に「ベスト」の決断をすることなどありえません。
だから、「ベター」な決断を求めながら「自分に裏切られない」ように生きてゆくのでしょう。
それにしても、この作者の文章は精緻で読ませます。
研ぎ澄まされたと言う表現が良いのかも知れません。
その意味では、楽しい小説でした。
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ほかならぬ人へ 単行本 – 2009/10/27
白石 一文
(著)
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愛するべき真の相手は、どこにいるのだろう?
「恋愛の本質」を克明に描きさらなる高みへ昇華した文芸作品。第二十二回山本周五郎賞受賞第一作! 祥伝社創立40周年記念出版。
「ほかならぬ人へ」
二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。
サッカー好きの明生は周囲の反対を押し切ってスポーツ用品メーカーに就職し、また二年前に接待のため出かけた池袋のキャバクラで美人のなずなと出会い、これまた周囲の反対を押し切って彼女と結婚した。
しかし、なずなは突然明生に対して、「過去につき合っていた真一のことが気になって夜も眠れなくなった」と打ち明ける。真一というのは夫婦でパン屋を経営している二枚目の男だ。「少しだけ時間が欲しい。その間は私のことを忘れて欲しいの」となずなはいう。
その後、今度は真一の妻から明生に連絡が入る。彼女が言うには、妻のなずなと真一の関係は結婚後もずっと続いていたのだ、と。真一との間をなずなに対して問いただしたところ、なずなは逆上して遂に家出をしてしまう。
失意の明生は一方で、個人的な相談をするうちに、職場の先輩である三十三歳の東海倫子に惹かれていく。彼女は容姿こそお世辞にも美人とはいえないものの、営業テクニックから人間性に至るまで、とにかく信頼できる人物だった。
やがて、なずなの身に衝撃的な出来事が起こり、明生は…。
「かけがえのない人へ」
グローバル電気に務めるみはるは、父を電線・ケーブル会社の社長に持ち、同じ会社に勤める東大出の同僚・水鳥聖司と婚約を控えて一見順風満帆に見えるが、一方でかつての上司・黒木ともその縁を切れずにいる。黒木はいつも夜中に突然電話を寄越し、みはるの部屋で食事を要求した後、彼女の身体を弄ぶのだ。みはるはみはるで、聖司という婚約者がいながら、何故か野卑とも言える黒木に執着している。黒木が言うには、五歳から大学に入るまでの十三年間、都内の養護施設を渡り歩いていたというが、黒木を見ていると、苦労が必ずしも人を成長させるとは限らない、とみはるは思う。
一方で、社内では業績不振も相俟って、他社との合併話が進行していたが、それを巡る社内の政争のあおりを受けて、黒木の後ろ盾である藪本常務の立場が危うくなっていた…。
「恋愛の本質」を克明に描きさらなる高みへ昇華した文芸作品。第二十二回山本周五郎賞受賞第一作! 祥伝社創立40周年記念出版。
「ほかならぬ人へ」
二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。
サッカー好きの明生は周囲の反対を押し切ってスポーツ用品メーカーに就職し、また二年前に接待のため出かけた池袋のキャバクラで美人のなずなと出会い、これまた周囲の反対を押し切って彼女と結婚した。
しかし、なずなは突然明生に対して、「過去につき合っていた真一のことが気になって夜も眠れなくなった」と打ち明ける。真一というのは夫婦でパン屋を経営している二枚目の男だ。「少しだけ時間が欲しい。その間は私のことを忘れて欲しいの」となずなはいう。
その後、今度は真一の妻から明生に連絡が入る。彼女が言うには、妻のなずなと真一の関係は結婚後もずっと続いていたのだ、と。真一との間をなずなに対して問いただしたところ、なずなは逆上して遂に家出をしてしまう。
失意の明生は一方で、個人的な相談をするうちに、職場の先輩である三十三歳の東海倫子に惹かれていく。彼女は容姿こそお世辞にも美人とはいえないものの、営業テクニックから人間性に至るまで、とにかく信頼できる人物だった。
やがて、なずなの身に衝撃的な出来事が起こり、明生は…。
「かけがえのない人へ」
グローバル電気に務めるみはるは、父を電線・ケーブル会社の社長に持ち、同じ会社に勤める東大出の同僚・水鳥聖司と婚約を控えて一見順風満帆に見えるが、一方でかつての上司・黒木ともその縁を切れずにいる。黒木はいつも夜中に突然電話を寄越し、みはるの部屋で食事を要求した後、彼女の身体を弄ぶのだ。みはるはみはるで、聖司という婚約者がいながら、何故か野卑とも言える黒木に執着している。黒木が言うには、五歳から大学に入るまでの十三年間、都内の養護施設を渡り歩いていたというが、黒木を見ていると、苦労が必ずしも人を成長させるとは限らない、とみはるは思う。
一方で、社内では業績不振も相俟って、他社との合併話が進行していたが、それを巡る社内の政争のあおりを受けて、黒木の後ろ盾である藪本常務の立場が危うくなっていた…。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2009/10/27
- ISBN-104396633289
- ISBN-13978-4396633288
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2009/10/27)
- 発売日 : 2009/10/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 304ページ
- ISBN-10 : 4396633289
- ISBN-13 : 978-4396633288
- Amazon 売れ筋ランキング: - 485,268位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2010年2月9日に日本でレビュー済み
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2023年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の方のレビューで良くないものも御座いますが、
仮に直木賞を受賞していなかったとしても当方は素晴らしい作品だと思います。
恋愛小説を読まない方でも、
人間という生き物の人生の機微を読み取れる作品です。
素敵な作品です。
結末が分かりかねるので読了後にまた再レビュー投稿致します。
仮に直木賞を受賞していなかったとしても当方は素晴らしい作品だと思います。
恋愛小説を読まない方でも、
人間という生き物の人生の機微を読み取れる作品です。
素敵な作品です。
結末が分かりかねるので読了後にまた再レビュー投稿致します。
2019年11月15日に日本でレビュー済み
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両編とも、結婚をあくまで一つの「経験」として捉え、男女の関係で重要なことは相手の中いる自分と、自分の中にいる相手を認められること。それが結婚相手かもしれないが、そこに固執する必要もなく、その時その時で心にあるものを大切にするべきなのではないかと問いかけられる。後編の、統合する会社の存在は、上述のような関係が必ず男女に限ったものではなく、個人と会社の関係をも含めるものを示唆するものだというのは思い込みすぎだろうか。
2012年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結局人間も動物ってことだと言いたいのかなと感じました。読み物としては面白かったです。
2018年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題の「ほかならぬ人へ」は、面白かったですが、ラストの香水のネタバラしのところは、なぜ噓をついていたのか?など少し釈然としない部分がありました。
個人的には「かけがえのない人へ」が大変気に入りました。
「結婚というものは、今の自分で○と思った時にするもんだ」という台詞がとても好きです。
ラストシーンはなんともいえない気持ちになりましたが、二人のその後についての想像をかき立てられました。
何度でも繰り返し読みたい、自分にとっては大切な話になりました。
個人的には「かけがえのない人へ」が大変気に入りました。
「結婚というものは、今の自分で○と思った時にするもんだ」という台詞がとても好きです。
ラストシーンはなんともいえない気持ちになりましたが、二人のその後についての想像をかき立てられました。
何度でも繰り返し読みたい、自分にとっては大切な話になりました。
2014年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
平成21年の直木賞です、はい。
説明の通り、「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」の2つの恋愛物語
どちらも不倫のお話なんですけど。
まあ・・・不倫に至る必然というのが、「組み合わせの間違いでは?」ってことで。
そりゃまあ、主人公からしたらそうなんでしょうけど。
それに巻き込まれた「善意の第三者」はたまらないだろうな。
運命の人と巡り合えて結ばれたらすべてはまるく収まる・・・
本当だろうか?
運命の相手ならば、気持ちは移ろわないのか?
偽りの妥協の愛が情に変わることもあるだろうし、
是こそ真実と思った愛が時の移ろいとともに薄れてしまうこともあるのでは?
まあ、そんなことをいろいろ考えさせられた時点で、作者の罠に嵌ったのかもですけどwww
アマゾン中古なのでそれなりの価値はありました♪
説明の通り、「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」の2つの恋愛物語
どちらも不倫のお話なんですけど。
まあ・・・不倫に至る必然というのが、「組み合わせの間違いでは?」ってことで。
そりゃまあ、主人公からしたらそうなんでしょうけど。
それに巻き込まれた「善意の第三者」はたまらないだろうな。
運命の人と巡り合えて結ばれたらすべてはまるく収まる・・・
本当だろうか?
運命の相手ならば、気持ちは移ろわないのか?
偽りの妥協の愛が情に変わることもあるだろうし、
是こそ真実と思った愛が時の移ろいとともに薄れてしまうこともあるのでは?
まあ、そんなことをいろいろ考えさせられた時点で、作者の罠に嵌ったのかもですけどwww
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2022年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
話に深みがない。我慢して最後まで読んだががっかりした。
2010年2月7日に日本でレビュー済み
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人がその生涯の中で、恋愛に割く時間は少なくはない。
振り返れば、恋に掛ける時間がスムーズであったとすれば、我が人生はもっと穏やかに過ごせたのではないだろうか。
そもそも恋愛とは、波乱に満ち、思うように成らないと言うか情けない結果に陥ることが多い。
反面、痛みを経験したからこそ、まま成らぬ人生を悟り、緩やかな優しさを生み出すのではないだろうか。
全ての恋愛の結果を「良し」とするのであれば、著者の書く恋愛は優の部類に入るのかもしれない。
今までの恋愛小説に見られるような、主人公が社会的底辺の者でもないし、周りの人々を巻き込んでドロドロの人間模様がそこには無い。
裕福な家庭に生まれ、そこそこのキャリアならびに社会的地位を与えられた主人公が自分で悩み自分で答えを導き出そうとする。
物語はドラマチックに進行していき、最後の最後には、読者と主人公の温度差がそんなに違いないんだよと、解き放された気分になった。
振り返れば、恋に掛ける時間がスムーズであったとすれば、我が人生はもっと穏やかに過ごせたのではないだろうか。
そもそも恋愛とは、波乱に満ち、思うように成らないと言うか情けない結果に陥ることが多い。
反面、痛みを経験したからこそ、まま成らぬ人生を悟り、緩やかな優しさを生み出すのではないだろうか。
全ての恋愛の結果を「良し」とするのであれば、著者の書く恋愛は優の部類に入るのかもしれない。
今までの恋愛小説に見られるような、主人公が社会的底辺の者でもないし、周りの人々を巻き込んでドロドロの人間模様がそこには無い。
裕福な家庭に生まれ、そこそこのキャリアならびに社会的地位を与えられた主人公が自分で悩み自分で答えを導き出そうとする。
物語はドラマチックに進行していき、最後の最後には、読者と主人公の温度差がそんなに違いないんだよと、解き放された気分になった。