脳に障害を患うと時として自分の身体が空間に溶け込むように液体のような感覚になることがあるそうですが、まさに般若心経の説くものというのは己そのものの境界を捨てこの世界にただ馴染みあるがままに存在するという事な気がします。
逆に言えば、脳というものの進化が自己という誤った「私」という存在を確立させ、その私自身が「苦」を生むという皮肉な結果になっている事が分かります。
絶対的二元論的な欧米的キリスト教の短絡的な思考によって支配されている日本の中で、生きにくいのは当然だろうというのが本書を読むとよく理解できます。
私たち日本人や仏教的感覚とは彼らの思想は相いれず、相いれないことに無自覚なために苦しむという事が非常に悲しい負のスパイラルを生んでいる気がします。
「理知的な分析知は必ずや全体性を分断する方向に働く。全体性とは観ずるものであって分析するものではない」
「全体とはこの集合ではない。全体とは常に総和以上の何か。仏教ではその全体性を先に見つめそこに溶け込みつつ関係している個を認識する」
「我を固定的実態だと思いこむことからくる傲慢さを我慢と言います。」
「アイデンティティやパーソナリティなど仏教は認めない」
「インドには太古から分割できない元素という考え方がありそれを極微といい、それが七つ集まると微塵となる」
「クォークや超ひもとう物質まで理論上で発見されていますが、これはどうしても世界を粒子で構成させたいという彼らの執念の結果と言える」
「量子力学では軌道という考え方そのものが存在しない。物体は観測者とモノとの間の出来事」
「科学はキリスト教の跡継ぎ。」
「第二次世界大戦以降の物理学における日本の大きな貢献は、おそらく極東の伝統的哲学思考と量子論の哲学的本質との間にはある種の近似性を示している。ハイゼンベルク」
「人は名づけによって物事を確定的に受け止めてしまう生き物」
「インドの宗教者たちが文字情報をひとつも残していない真意」
「真理は常にだれかに向けられた聖者の言葉に宿るのであって万人向けな一般的真理ということはあり得ない」
「真理の言葉は響きとして初めて命を宿す」
「名づけの中で最も罪深いのは私です」
「名は実の賓なり」
「私という名が自動的に誉を求めることを荘子はしりつくしていた」
「苦痛は私が感じるものですから私が無くなれば苦痛は無くなります。」
「さびしいならさびしいままにそれを味わっていればいい」
「因果ばかりで現象同士の理解を関係を理解していることは、愚かとしかいいようがない」
「いのちを送れて発生した私が支配しようとすることが土台おかしい」
「命はこれ以上ないほどに既に足りている」
「概念で勝手にでっち上げた私が勝手に恐怖を感じ死にたいと思ったりする。そんな私の思いを真に受けて自殺したりする。死にたい私と関係なく体は藻搔く。死にたいのは私だけです。ほかの細胞は皆生きたがっているのです」
「私が身体を支配しようとするのが一番厄介」
「植物のあらゆる勝土嚢窮極的な目的は、個体のではなく全体の最大の快。グイスフ・フェヒナー」
「声の響きと一体になっているのは私というより体、命」
「知的に明確に知ることで得られるのは安らぎではなく満足。知的の主体が私だからです」
「安らぎが苦悩とは同居できない」
今苦しんでいるのであれば、それはただ私という勘違いに囚われているから。
振り返って私自身の事を考えれば、明らかに30歳くらいから一切の苦しみが無くなったのは、ここに書かれているようなことを実践しているからな気がしました。
日本人が本来培ってきたものに回帰するだけの事なのですが、今の文化形成の中では非常にややこしくなってしまっています。
それを紐解く大きな力になってくれる気がします。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
よく一緒に購入されている商品
+
+
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
