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鳥を探しに 単行本 – 2010/1/1
- 本の長さ664ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日2010/1/1
- ISBN-104575236853
- ISBN-13978-4575236859
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登録情報
- 出版社 : 双葉社 (2010/1/1)
- 発売日 : 2010/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 664ページ
- ISBN-10 : 4575236853
- ISBN-13 : 978-4575236859
- Amazon 売れ筋ランキング: - 832,431位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

1950年、福岡県門司生れ。大学在学中に雑誌「ユリイカ」に詩と詩論を発表しデビュー。みずから極小の版元を構え、詩誌や詩書を刊行、戦後世代を代表する詩人のひとりとなる。その後、「詩の中から新しい散文を生む」(大江健三郎評)実験として、言語の諸形態の混じりあう領域での作品制作をつづける。広く知られた成果に『胡桃の戦意のために』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『左手日記例言』(読売文学賞)、『猫の客』(木山捷平文学賞)、『ベルリンの瞬間』(紀行文学大賞)がある。ほかに、加納光於、河原温、ドナルド・エヴァンズなどの美術家とのあいだに成った書物がある一方、田村隆一の詩集や伊良子清白全集など、詩書装幀の仕事も多い。自装による長篇評伝『伊良子清白』は、2005年春、ライプチヒでの国際ブックフェアにおける「世界でもっとも美しい本」賞の候補となった。1985年、アイオワ大学のInternational Writing Programに招待詩人として参加。1998-99年、ベルリン自由大学客員教授としてベルリンに居住。2005年、「大江健三郎の推奨する詩人」として、共にオーストリアでの文学祭Sprachsalzに参加。2006年、人類学者の中沢新一を多摩美術大学に招聘し、芸術人類学研究所を創設、《野外を行く詩学》部門を担当し、研究をとおして過去の詩人・作家・芸術家の居留地などを結び合わせる《フィールド・ミュージアム・ネット》の活動を展開。2008年と2010年、第1回及び第2回の日中韓・東アジア文学フォーラムに参加。批評家としては、『破船のゆくえ』『光の疑い』などの同時代詩批判からヴァルター・ベンヤミンを基軸とした長篇エッセイ『遊歩のグラフィスム』に至る批評的著作がある。2009年、中保佐和子訳の『胡桃の戦意のために』がアメリカで最優秀海外図書大賞(2009 Best Translated Book Award)を受賞。『葉書でドナルド・エヴァンズに』(飯野友幸による英語訳)、『猫の客』(末次エリザベートによるフランス語訳)などのほか、ドイツ語、韓国語、中国語、ロシア語に翻訳がある。近年の「造本としてのエクリチュール」の実践は、わずか8ページのミニマルな書籍『via wwalnuts』叢書を生み、大部の自装の著作『鳥を探しに』とともに話題を呼んでいる。(作家の写真=望月孝撮影)
カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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著者の自叙伝的性格、左手が(ほぼ)アナグラムということに気づいたのはやっと終盤に差し掛かってからだった。フィクションじゃないから、大団円が待ってる訳でもないしすごい謎が解き明かされる訳でもない。でもひとつひとつの家族にひっそりと潜む歴史と謎があるのだ。それを読ませてもらえるのは本当に光栄なことだと思うし、親子三代の歴史の流れに身を任せるのは心地よかった。
そしてその中でも種作氏が圧倒的だ。こんな人はそういない。未出版の膨大な遺稿。それを執拗なまでに拾い上げていきながら物語が進むのが最初は訳が分からなかったのが、どんどん腑に落ちてきた。私たちの五感の全てが、彼の生前の偉業に圧倒されるのだ。なんという作業、なんという孤独。そして… なんという翻訳だろう。アラスカの砂金採りの男たちの話は本当に引き込まれてしまった。学名へのこだわりなど学者らしい精確さもそこかしこにある。学者ではない?いや、彼を学者と言わずして何と呼べばいいというのか。
日の目を見ることなく眠っていた断片的な遺稿の束をこの本に蘇らせることには鎮魂の意味もあったのかもしれない。表紙の装丁も挿絵も全てが実際に存在した人間の生きた証である。
私も翻訳と校訂に人生を捧げた人間のひとりであるから、自らの境遇に重ね合わせながら読んでしまった。美しい本です。
一生手放したくない文章を手にいれることが出来ました。