![フェーズ7 [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/81USa1Y07HL.__AC_SX300_SY300_QL70_ML2_.jpg)
‘０７年、フランス映画、原題「ミュータンツ」。亀忍者の４人組、ではありません。
いや、本作のモンスターは、顔が似ている気もしますが････意図したデザインなのかは不明です。
人間がウィルスによる突然変異で、凶暴な食人鬼と化す話。要するに、感染系ゾンビの亜流です。
オリジナリティに乏しく、『またこういうのか』とウンザリする人も多いかと。
しかしながら、出来は悪くありません。シリアスで悲愴なホラーを好むなら、一見の価値はあるでしょう。
食人鬼による災禍のさなか、救急医のソニアは、負傷した恋人マルコを連れ、無人の病院に逃げ込みます。
マルコは感染しており、ソニアは必死に介抱しながら、軍の救助を待つのですが････。
前半は、マルコの肉体と精神が変容していく様をじっくり見せ、奇病ホラーの趣。
髪が抜け、歯が抜け、血尿が出て････病状の進む過程が痛々しく、地味ながらも見応えあり。
なすすべのないソニアの悲しみも、シンボリックな冬景色の寒々しさと相まって、丁寧に描かれます。
その中で、雪に耐える木の芽は、秘められた未来の希望を暗示していました。
後半には、新キャラの登場、お約束のゾンビハザードもありますが、これらはどうでもよろしい。
別に話は拡がらず、アクションホラーとしても力不足。映画の低予算を露呈するだけとなっています。
やはり本作はソニアとマルコ、２人の悲劇のドラマ。
終盤のマルコの行動は泣かせます。しかし彼が、金網の中で嗅ぎ取った臭いとは？
ソニアは免疫があり、自身は感染しない。ただし････。不吉なラストの、繊細な演出に味がありました。
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