ポール・トーマス・アンダーソン監督の長編第1作(1996年)。もともと監督自身の意向は “Sydney” というタイトルだったにもかかわらず、制作会社により現在のタイトルに変更させられたうえ上映時間もカットさせらたため、アンダーソンにとっては不本意な作品になったと言われます。
アンダーソンの長編第2作『ブギーナイツ』(1997年)、第3作『マグノリア』(1999年)と、今では90年代を代表する作品に数えられる2作の群像劇とは異なり、話の筋はいたって単純。ウダツの上がらない若者とカリスマ性ある初老の男が出会い、一度は幸福な師弟関係を築くものの、次第にふたりのあいだに綻びが生じていく様がシンプルに描かれています。
物語ははじめ若者の成長を描くと見せかけて、徐々に転調。若者の恋人が破滅のきっかけをつくるファム・ファタルとして機能したり、主人公の精神が追いつめられ自暴自棄な行動をとらざるをえなくなったりと、ノワール的な暗い影を帯びていきます。
そして最後に、この物語の本当の「主人公」が誰だったのか。それが罪と贖罪というテーマとともに明らかになります。その意味でやはり本作のタイトルにふさわしいのは “Sydney” なのでしょう。
処女作には作家のすべてがつまっているとよく言われます。それは本作でも同じ。一見すると屈強ながらも、裏に未成熟さと欺瞞を抱えた「父性」。「(疑似)家族」という関係をとおして、アンダーソンが絶えず描き続けるモチーフが表れています。
「父性」とはアメリカ映画において強迫観念的に反復されるモチーフですが、しかしながらアンダーソンにとってそれを乗り越えることで成長させてくれる対象にはなりえません。彼の作品において「息子」はつねに威厳ある「父」と対峙するものの、権威ある「父」の姿は虚像にすぎず、実像はすでに去勢されており、「父殺し」による「息子」の成長は挫折させられるよう運命づけられています。
それでもアンダーソンが描く物語の本質は「愛」にある、と個人的には思います。相手の心身をすり減らすほど絶対的な帰依を求め、極端な潔癖さゆえにわずかな心移りも許さない。あまりに純粋な一方、あまりに独りよがりで、じっさいには成就しえない「愛」。アンダーソン作品を観るたび、そんな実現不可能な関係性への果てなき渇望にいつも心を動かされてしまいます。
ハードエイト(コレクターズ・エディション) [DVD]
フォーマット | 色, ワイドスクリーン, ドルビー |
コントリビュータ | ポール・トーマス・アンダーソン, ジョン・C・ライリー, フィリップ・ベイカー・ホール |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 41 分 |
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商品の説明
レビュー
『マグノリア』のポール・トーマス・アンダーソンが贈るサスペンス・ドラマ。『恋におちたシェイクスピア』のグウィネス・パルトロウが、主人公が惹かれる美女を好演。
-- 内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
製作総指揮: ハンス・ブロックマン/フランソワ・デュプラ
製作: ロバート・ジョーンズ/ジョン・リオンズ
監督・脚本: ポール・トーマンス・アンダーソン
撮影: ロバート・エルスウィット
音楽: マイケル・ペン
出演: フィリップ・ベイカー・ホール/ジョン・C.ライリー/グウィネス・パルトロウ/サミュエル・L.ジャクソン/フィリップ・シーモア・ホフマン
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988107158076
- 監督 : ポール・トーマス・アンダーソン
- メディア形式 : 色, ワイドスクリーン, ドルビー
- 時間 : 1 時間 41 分
- 発売日 : 2000/10/27
- 出演 : ジョン・C・ライリー, フィリップ・ベイカー・ホール
- 字幕: : 日本語, 英語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 2.0 Surround)
- 販売元 : ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- ASIN : B00005LMDH
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 174,344位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 6,417位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 17,539位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月16日に日本でレビュー済み
2018年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているASIN:B00005LMDH、JAN:4988107158076(2000年、日ソニーDVD)コレクターズ・エディションのレビュー。
原題:Hard Eight、96年、101分。フィリップ・ベイカー・ホール、J・C・ライリー、グィネス・パルトロウ、サミュエル・ジャクソン出演。P・T・アンダーソン監督。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。本作は日本ではなぜか劇場未公開でVHS→ DVDでのお目見えとなった。
アンダーソン監督はすでに他の凡百の監督以上に「監督」であり、すでにアンダーソンであった。アンダーソンが描くのはたいてい「家族」であり「贖罪」「救済」。とても孤独な存在である「個人」がどうしようもなくこれらを望む。しかしたいてい、これは成就しない。アンダーソン監督のどの登場人物もみな繋がりを意識して、あるいは意識せずに求める。それはtwitter, FB, インスタグラム、ラインなどで「繋がっている」と誤解している人々のようなレベルのものではない。「贖罪」もひとつの繋がりであり、多くの体の、そして心の血が流れる。
監督が当初に望んだ原題は「Sydney」という。これは主人公の役名。本作は詰まるところシドニー(ホール)の物語である。元マフィアだが今は足を洗っている。片方で を手厚く支え、ジョン(ライリー)もシドニーを慕う。しかしまた他方で〇〇・・。人はなんて不可解で矛盾した存在なのか。ミレニアム以降の(一部の監督を除き)大手スタジオ作品は(作品と呼べるレベルのものかはともかく)人間を描かない、描けない。アンダーソンはどこまでも人間を描く、突き詰める。どんな大規模娯楽作品であろうと人間を描かない限りエモーションは生まれない。
映画に筋は必須ではない。またオチ、どんでん返し、クライマックスは多くの場合、映画を駄目にしてしまう。アンダーソンの脚本はとても練に練られたもの。これほどのホンを書ける監督は今、米に少ない。悪い映画はセリフが筋を語る。良い映画はセリフが人物を浮かび上がらせ、その行動が映画を前に進める。監督による脚本は、何を登場人物に語らせるかの線引きを心得ている。
しかしこの4人の質感・現実味の濃さは何だろう。これも監督の人間観察と共同作業の賜物。かつ、脚本を画と音により具体化する手腕のなんという厳しさ。構図やトーンに甘さがない。的確なビジョンによる演技指導。本作は4人を観る、特にやはりホールを観る映画でもある。
再見時、ホールとライリーの電話のシーンではジーンと胸に迫るものがあった。まるで〇と〇の会話ではないか。さて、彼ら、彼女らは「家族」を手にしたのだろうか・・。悪徳の栄える西部の欲望と虚無の町における明と暗が観る者をうつ。
全編を貫くいぶし銀の(乱暴に言うとノワールか)ルックと展開。この時からすでに素晴らしいロバート・エルスウィットのカメラ(「激流」やアンダーソン作品)。スコープサイズの使い方もまったく遜色ない。音楽も静謐で渋い。
ライリーのうぶさ・不器用さ、パルトロウ(美しい)のだらしなさと足らなさといじらしさ、ジャクソンのチンピラ具合。そして何より、深い瞳の堕天使のようなベイカー・ホールの振る舞いが焼き付く。ラストの〇〇。彼ら彼女らは幸福になって欲しい。
監督はこの後「ブギーナイツ」を生み、極北の孤独である「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を撮り、「家族」「贖罪」「救済」(とその挫折)を深化させる。映画好きは観るべき映画と思う。
★オリジナルデータ:
Hard Eight, US, 1996, 配給MGM, 101min. Color 、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比を指す)1.85 : 1 (negative ratio) &2.39:1、Super 35、Dolby, ネガ35mm, ポジ35 mm (anamorphic)
★このレビューのコードのDVDについてASIN:B00005LMDH、JAN:4988107158076(2000年、日ソニーDVD):
DVD初期のCDケース商品だが、画質は驚くほど良い。傷・パラ等はなく、鮮明でエッジあり、諧調あり。スキントーンや色が適切。32型モニターで観る限りDVDとして最高画質といえるかも。音響も明瞭かつ厚みがある。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9、画面アスペクト比:スコープ
片面 2層、101min、カラー. MPEG2
本編音声:英語 Stereo, Dolby Digital サラウンド。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く。ホールの地声はキキモノ。
字幕:日本語、英語On ・Off 可
メインメニュー、チャプターメニューあり
〇映像特典:
1. 未公開シーン「ザ・キス」(米盤VHSには含まれている。4:3でスコープ、日本語字幕あり、画質は良くない。3分半)
2. 米劇場予告編2種(4;3仕様。ひとつはスコープ。ひとつはフルフレーム。画質は本編に劣る。字幕なし)
3. カメラリハーサル3種(オープニングシーン、シドニーが脅されるシーン、電話シーン)
4;3のフルフレーム、画質は良くない。字幕あり。本編とやや異なる部分があり興味深い。
4. タレントファイル
〇音声特典:アンダーソンと主演ホールの解説その1と、その2(2種。字幕あり)
〇付属物:ライナーノーツ
5頁にわたる物語とそれについての考察(海外の批評家)。デザインも秀逸。そうか、ホールとライリー、パルトロウという「疑似」親子関係に、「婚姻」関係が持ち込まれた時の危いバランスという視点・・。脚本と演出の秀逸さはお墨付きのようだ。
2017年のパラマウントDVDが同一仕様、マスターか否かは不明。
発売・販売:日ソニー、2000年 SDD24666
★邦盤BDは本サイトでヒットせず。本国でも出ていないのかなあ。
★import盤:邦盤DVDが廉価で入手可能なので略。下記の画像は英語字幕選択時のもの。
原題:Hard Eight、96年、101分。フィリップ・ベイカー・ホール、J・C・ライリー、グィネス・パルトロウ、サミュエル・ジャクソン出演。P・T・アンダーソン監督。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。本作は日本ではなぜか劇場未公開でVHS→ DVDでのお目見えとなった。
アンダーソン監督はすでに他の凡百の監督以上に「監督」であり、すでにアンダーソンであった。アンダーソンが描くのはたいてい「家族」であり「贖罪」「救済」。とても孤独な存在である「個人」がどうしようもなくこれらを望む。しかしたいてい、これは成就しない。アンダーソン監督のどの登場人物もみな繋がりを意識して、あるいは意識せずに求める。それはtwitter, FB, インスタグラム、ラインなどで「繋がっている」と誤解している人々のようなレベルのものではない。「贖罪」もひとつの繋がりであり、多くの体の、そして心の血が流れる。
監督が当初に望んだ原題は「Sydney」という。これは主人公の役名。本作は詰まるところシドニー(ホール)の物語である。元マフィアだが今は足を洗っている。片方で を手厚く支え、ジョン(ライリー)もシドニーを慕う。しかしまた他方で〇〇・・。人はなんて不可解で矛盾した存在なのか。ミレニアム以降の(一部の監督を除き)大手スタジオ作品は(作品と呼べるレベルのものかはともかく)人間を描かない、描けない。アンダーソンはどこまでも人間を描く、突き詰める。どんな大規模娯楽作品であろうと人間を描かない限りエモーションは生まれない。
映画に筋は必須ではない。またオチ、どんでん返し、クライマックスは多くの場合、映画を駄目にしてしまう。アンダーソンの脚本はとても練に練られたもの。これほどのホンを書ける監督は今、米に少ない。悪い映画はセリフが筋を語る。良い映画はセリフが人物を浮かび上がらせ、その行動が映画を前に進める。監督による脚本は、何を登場人物に語らせるかの線引きを心得ている。
しかしこの4人の質感・現実味の濃さは何だろう。これも監督の人間観察と共同作業の賜物。かつ、脚本を画と音により具体化する手腕のなんという厳しさ。構図やトーンに甘さがない。的確なビジョンによる演技指導。本作は4人を観る、特にやはりホールを観る映画でもある。
再見時、ホールとライリーの電話のシーンではジーンと胸に迫るものがあった。まるで〇と〇の会話ではないか。さて、彼ら、彼女らは「家族」を手にしたのだろうか・・。悪徳の栄える西部の欲望と虚無の町における明と暗が観る者をうつ。
全編を貫くいぶし銀の(乱暴に言うとノワールか)ルックと展開。この時からすでに素晴らしいロバート・エルスウィットのカメラ(「激流」やアンダーソン作品)。スコープサイズの使い方もまったく遜色ない。音楽も静謐で渋い。
ライリーのうぶさ・不器用さ、パルトロウ(美しい)のだらしなさと足らなさといじらしさ、ジャクソンのチンピラ具合。そして何より、深い瞳の堕天使のようなベイカー・ホールの振る舞いが焼き付く。ラストの〇〇。彼ら彼女らは幸福になって欲しい。
監督はこの後「ブギーナイツ」を生み、極北の孤独である「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を撮り、「家族」「贖罪」「救済」(とその挫折)を深化させる。映画好きは観るべき映画と思う。
★オリジナルデータ:
Hard Eight, US, 1996, 配給MGM, 101min. Color 、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比を指す)1.85 : 1 (negative ratio) &2.39:1、Super 35、Dolby, ネガ35mm, ポジ35 mm (anamorphic)
★このレビューのコードのDVDについてASIN:B00005LMDH、JAN:4988107158076(2000年、日ソニーDVD):
DVD初期のCDケース商品だが、画質は驚くほど良い。傷・パラ等はなく、鮮明でエッジあり、諧調あり。スキントーンや色が適切。32型モニターで観る限りDVDとして最高画質といえるかも。音響も明瞭かつ厚みがある。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9、画面アスペクト比:スコープ
片面 2層、101min、カラー. MPEG2
本編音声:英語 Stereo, Dolby Digital サラウンド。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く。ホールの地声はキキモノ。
字幕:日本語、英語On ・Off 可
メインメニュー、チャプターメニューあり
〇映像特典:
1. 未公開シーン「ザ・キス」(米盤VHSには含まれている。4:3でスコープ、日本語字幕あり、画質は良くない。3分半)
2. 米劇場予告編2種(4;3仕様。ひとつはスコープ。ひとつはフルフレーム。画質は本編に劣る。字幕なし)
3. カメラリハーサル3種(オープニングシーン、シドニーが脅されるシーン、電話シーン)
4;3のフルフレーム、画質は良くない。字幕あり。本編とやや異なる部分があり興味深い。
4. タレントファイル
〇音声特典:アンダーソンと主演ホールの解説その1と、その2(2種。字幕あり)
〇付属物:ライナーノーツ
5頁にわたる物語とそれについての考察(海外の批評家)。デザインも秀逸。そうか、ホールとライリー、パルトロウという「疑似」親子関係に、「婚姻」関係が持ち込まれた時の危いバランスという視点・・。脚本と演出の秀逸さはお墨付きのようだ。
2017年のパラマウントDVDが同一仕様、マスターか否かは不明。
発売・販売:日ソニー、2000年 SDD24666
★邦盤BDは本サイトでヒットせず。本国でも出ていないのかなあ。
★import盤:邦盤DVDが廉価で入手可能なので略。下記の画像は英語字幕選択時のもの。
2018年6月26日に日本でレビュー済み
間違えなく俺にも書ける、誰にもでもかける脚本です。どう見ても薄っぺらいでしょ?
2011年12月26日に日本でレビュー済み
でてくる俳優がみんな素晴らしいなあ 後に有名になる俳優ばかりだ この監督はいろいろな評価があるけど、まあ才能はあるんだろう 低予算なかんじだがなかなか迫力のある映画だ
2018年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品を観れば、以後の彼の作品の根底に流れるものを理解できる気がします。
2009年12月7日に日本でレビュー済み
P.T.Aの作品はどれも好きなんだけれどもこれは見逃していた。
単純にファンなんで多少は贔屓目もあるかもしれないが、コメンタリーも含めて非常に興味深かった。
ファーストショットの構図と色彩で「あぁやっぱPTA」と思わせられる時点でもうヤラレてる。
で、ジョン・C・ライリーとフィリップ・ベイカー・ホールの顔だ。
私の好きな映画作家は例えばポン・ジュノにしても、役者の顔(味のある顔といったら良いか?)を見事に魅力的に映す。
常連のフィリップ・シーモア・ホフマン、それからいつもどおりサミュエル・L・ジャクソン、くたびれきった役を見事に演じたグゥイネス・パルトロウといった人々の顔はその人々の生活に思いを馳せたくなる魅力を画面から発散させている。
ストーリーも秀逸ではあるが、かといって突出しているかというとそれほどでもない。
やっぱり役者の選択と明確なビジョンだろう。
コメンタリー2種類も合わせて観たけれど、やっぱり何度でも観たいし、味わい深いなぁ。音楽もいい。
作品としてはこれも大好きな一本となったが、そろそろDVDとしてはリニューアルして廉価で出しなおして欲しい。(「パンチ・ドランク・ラブ」も出してくれないかな?)
単純にファンなんで多少は贔屓目もあるかもしれないが、コメンタリーも含めて非常に興味深かった。
ファーストショットの構図と色彩で「あぁやっぱPTA」と思わせられる時点でもうヤラレてる。
で、ジョン・C・ライリーとフィリップ・ベイカー・ホールの顔だ。
私の好きな映画作家は例えばポン・ジュノにしても、役者の顔(味のある顔といったら良いか?)を見事に魅力的に映す。
常連のフィリップ・シーモア・ホフマン、それからいつもどおりサミュエル・L・ジャクソン、くたびれきった役を見事に演じたグゥイネス・パルトロウといった人々の顔はその人々の生活に思いを馳せたくなる魅力を画面から発散させている。
ストーリーも秀逸ではあるが、かといって突出しているかというとそれほどでもない。
やっぱり役者の選択と明確なビジョンだろう。
コメンタリー2種類も合わせて観たけれど、やっぱり何度でも観たいし、味わい深いなぁ。音楽もいい。
作品としてはこれも大好きな一本となったが、そろそろDVDとしてはリニューアルして廉価で出しなおして欲しい。(「パンチ・ドランク・ラブ」も出してくれないかな?)
2005年2月12日に日本でレビュー済み
まず単刀直入にいってこの作品は観るたびに味の出る良作です。まあサミュエルさんとグエンさんが出演しているので典型的な「ハリウッド映画」を期待して観ると肩透かしを食らうことでしょう。PTAさん本人が言っているように「家族の絆」がテーマになっています。もちろん現代アメリカ社会の中での家族ですから、私たち日本人の感覚からはずいぶんかけ離れたかたちで描かれていますけれど。ラスベガスを舞台にフィリップ・ベイカー・ホール演じる年老いたギャンブラーを中心として複雑な人間ドラマが繰り広げられてゆきます。細部に渡る人間関係の描写が淡々と繰り広げられてゆきますから、別の方が評されているように「ヨーロッパ映画のよう」という感触もあながち的外れではないでしょう。
ちなみに、PTAさんはこの映画がようやく劇場公開にこぎ着いた1996年時点で若干26歳でした。PTAさんはその後、ブギーナイツ(1997)、マグノリア(1999)、パンチドランク・ラブ(2002)と立て続けに商業面での成功も収め、またその間にPVを撮ってあげたフィオナ・アップルをちゃっかり彼女にしちゃったりと大車輪の活躍です。こうした密かな良作がもっと多くの人の目に留まればいいなあと思います。
ちなみに、PTAさんはこの映画がようやく劇場公開にこぎ着いた1996年時点で若干26歳でした。PTAさんはその後、ブギーナイツ(1997)、マグノリア(1999)、パンチドランク・ラブ(2002)と立て続けに商業面での成功も収め、またその間にPVを撮ってあげたフィオナ・アップルをちゃっかり彼女にしちゃったりと大車輪の活躍です。こうした密かな良作がもっと多くの人の目に留まればいいなあと思います。
2007年9月28日に日本でレビュー済み
ラスベガスのカジノ攻略法など、最初から
興味をそそられ引き込まれる映画だった。
グウィネス・パルトロウのだらしなさや、
ジョン・C・ライリーのダメっぽさもいい。
存在感あるフィリップ・ベイカー・ホール、
フィリップ・シーモア・ホフマンも良かった。
いい持ち味の役者さん達が揃っていたので、
次に何が起こるんだろうと妙な面白さがあった。
最後、もっと何かあるかと思っていたので
意外とあっけない結末が拍子抜けでした〜。
興味をそそられ引き込まれる映画だった。
グウィネス・パルトロウのだらしなさや、
ジョン・C・ライリーのダメっぽさもいい。
存在感あるフィリップ・ベイカー・ホール、
フィリップ・シーモア・ホフマンも良かった。
いい持ち味の役者さん達が揃っていたので、
次に何が起こるんだろうと妙な面白さがあった。
最後、もっと何かあるかと思っていたので
意外とあっけない結末が拍子抜けでした〜。