あまりに酷評されているから、「どんなに酷い朝ドラか」と興味が湧いて、怖い物見たさでTSUTAYAでDVDを取り寄せて、第1巻で第2週まで観てみた。
【脚本】
第1話でストーリーが完全に破綻していた。第1話を観て「何だ、こりゃ?」と思ったもん。
第1週で仙台の七夕祭りを取り上げていたが、万引き話を入れて有耶無耶にしてしまった。普通は祭りのシーンは盛り上がるんですよ。比べてはいけないかもしれないが、『カーネーション』では第1話の岸和田のだんじり祭りで盛り上がっていた。今作『天花』は酷過ぎます。
ヒロイン・天花(藤澤恵麻)と相手役の鈴木竜之介(平山広行)より、ヒロインの父親 (香川照之)とヒロインの祖父 (財津一郎)の親子の方がドラマが有りそうだ。
【キャスト】
ヒロイン・佐藤天花役の藤澤恵麻は、清潔感も眼力も有るし、大物になりそうなオーラを感じた。少し男に媚びている感じは有るけれど。表情は豊かだし、台詞回しも抑揚が付いているし、女優デビュー作にしてはそれなりに演技が出来ているのではないかと思う。朝ドラは作品によっては「新人女優の発掘や育成」という性格もあるから、大根なのは大目に見てあげましょうよ。今作で女優デビューした藤澤恵麻に、『ちりとてちん』の貴地谷しほりや『カーネーション』の尾野真千子のような完成形の演技力を求めるのは酷でしょう。藤澤恵麻演じる天花が仙台弁を話していないと批判している人もいますが、市川実日子や木村佳乃だって仙台弁を話していないんだから、藤澤恵麻を責めるのは間違いでは?滑舌が悪くて、DVDの設定で字幕付きで観ていたから良かったが、字幕が無かったら何を言っているのかサッパリ聴き取れなかったのは問題だと思うが。
ヒロインの父親役の香川照之とヒロインの祖父役の財津一郎は、仙台弁も上手いし、これぞ東北人という感じだった。片平なぎさ・中村梅之助・富司純子・加賀まりこ・木村佳乃・内海桂子の演技も良かった。若手は市川実日子が健闘していた。サエコはこの頃の方が可愛かった(溜息)。