上杉昇さんが、「世界が終わるまでは」で一区切りがついたとおっしゃっている通り、これまでのJポップ路線から変わり、グランジ色が入ったハードロック調の楽曲が多く収録されています。人間の持つ影や底辺の部分を綴った歌詞にダークめな曲調が多いのは、当時、上杉さんが好きだったニルヴァーナの影響を受けているようです。 好き嫌いが別れるアルバムかと思いますが、上杉さんの歌唱力と表現力は一段と磨きがかかり、とても素晴らしいです!中でも、「PEACE OF MY SOUL」「MILLION MILES AWAY」は、心酔していたカートコバーンの突然の死により、WANDSでの存続意義を悩み始めた上杉さんの葛藤や、魂の叫びのようなものが伝わってきます。
このアルバムを最後に上杉と柴崎のWANDSが終わってしまった事を、 ずっと残念に思っていた。このPIECE OF MY SOULの次のアルバムが聴きたかった。 だけど、それも今となってはわからない。 確かに、同時期に作られた「太陽のため息」は良い曲だと思う。 だけど一枚のアルバムとして上がってきたら、 もしかしたら、PIECE OF MY SOULの方が好きだな、と思うかもしれない。 それほど、このアルバムは無限リピートに耐えられる絶妙な出来になっている。 「時の扉」という曲は大好きだが、 アルバムの「時の扉」を丸々聴く事は個人的にはもう二度と無い。 が、このアルバムだけは発売後20年以上経ても、 10曲まるまる、それもサラサラと流れるように聴けてしまう。 本当に消化の良いアルバムだ。