<対象読者>
・ 自分の子供も含め、現在の学校教育に疑問・関心がある人
・ 物理学や哲学の簡単な基礎知識がある人
・ 今後必要となる「知的思考力」とは何か興味がある人
・ 鈴木光司さんの小説や考え方が好きな人
<非対象読者>
・ 知的思考をするためのトレーニング方法を知りたい人
・ 現在の日本社会、教育現場、企業競争力などに満足している、あるいは興味がない人
・ 物理とか哲学とか、物事の本質とか難しそうなテーマには拒絶反応を示してしまう人
日本の和を重んじる文化、教育方法などが日本人の知的思考力低下を招いているという議論は最近盛り上がっており、本書も基本的にはメッセージは同じである。
ただし、巷にありふれた書籍と異なる点は、文化的背景や教育方法という知的思考力低下を招いている要因をもう1歩掘り下げ、物理学や哲学に関する知見不足に根本的な原因を見出しており、新しい。
著者2人は知的思考力を、「社会や人生で大きな失敗をしないようにするための唯一の手段」と位置づけている。それが何かというと、「物事を突き詰めて考え、その本質を見抜くこと」である。
このような知的思考力を獲得するためには、3つの勇気が必要だという。(勇気という言葉を筆者は使っていないが。)それは、
・ (小さな)失敗をする勇気
・ 答えのない問題に取り組む勇気
・ 知ることで自分のこれまでの常識が覆されるかもしれないが、それを怖れずに向かう勇気
である。
そして、本来これらを獲得するための場所であるはずの学校教育現場が、適切に機能していないことが、日本人の知的思考力低下の大きな阻害要因と位置づけている。ただし、教育問題を学校の責任とするような安直な議論ではなく、家庭での親の教育のあり方から大人として子供の教育をどのように考えるのかという広い視点からの問題提起となっている。
また、本書の中心はあくまでも哲学と物理学が中心となっているため、少なくとも物理の最低限の知識がないと内容を追えないかもしれない。物理の「知識」と私が書いているとおり、数式などは全く理解できなくてもよいが、相対性理論が何か、量子論が何か、現在の宇宙論がどのような展開をしているのか、くらいは分かったほうが理解は深まる。
ただ心配しないでもらいたい。私は完全に文系人間だが、十分楽しめた。
蛇足かもしれないが、もし著者の書くような物理や宇宙論の話をもう少し理解したければ、東大教授の佐藤勝彦さんが出しているPHP文庫のシリーズは有益だと思う。非常に難しい物理学の最先端の研究に関して、天才的というほど簡単に噛み砕いて書いている。
(以下は参考まで)
「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫)
「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫)
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知的思考力の本質 (ソフトバンク新書 101) 新書 – 2009/3/17
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知的思考力の源を解き明かす!
哲学と物理学に精通する賢人の議論が、物事の見方・考え方を根底から変える
知的思考力の本質は、哲学と物理学に通じる。
一般的には縁遠く避けて通られがちな両学問が、なぜ「本質」なのか?
それは人間、生命、宇宙など、物事の根源を追求する思考力を養うからである。
これを論じ合うのは、哲学・物理学とホラーを融合した野心的小説を世に問う作家・鈴木光司と、
物理学・科学哲学の賢人であるサイエンスライター・竹内薫。
盟友による議論は、われわれの物事の見方、考え方を根底から変える。
そして、人生や仕事において問題解決を導く知的思考力の真髄を導く。
◎「常識を疑い固定観念の壁を崩す」
◎「普段の生活にはない特有の概念を知る」
◎「仮説・検証・立証の論理的段取り」
◎「反証可能性の大前提」
物事の本質的な洞察に通じるさまざまな科学・哲学のエピソードをテコにして、柔軟な「思考力」の基礎を養ってもらうのが本書の目的となる。
固定的で狭い思考に陥りがちな日本人には、より流動的で幅広い思考法とのバランスを身につける必要がある。
物理学と哲学の間にある、実社会で大いに役立つ思考法の本質に触れることで、良質の"知的ショック"を促す。
哲学と物理学に精通する賢人の議論が、物事の見方・考え方を根底から変える
知的思考力の本質は、哲学と物理学に通じる。
一般的には縁遠く避けて通られがちな両学問が、なぜ「本質」なのか?
それは人間、生命、宇宙など、物事の根源を追求する思考力を養うからである。
これを論じ合うのは、哲学・物理学とホラーを融合した野心的小説を世に問う作家・鈴木光司と、
物理学・科学哲学の賢人であるサイエンスライター・竹内薫。
盟友による議論は、われわれの物事の見方、考え方を根底から変える。
そして、人生や仕事において問題解決を導く知的思考力の真髄を導く。
◎「常識を疑い固定観念の壁を崩す」
◎「普段の生活にはない特有の概念を知る」
◎「仮説・検証・立証の論理的段取り」
◎「反証可能性の大前提」
物事の本質的な洞察に通じるさまざまな科学・哲学のエピソードをテコにして、柔軟な「思考力」の基礎を養ってもらうのが本書の目的となる。
固定的で狭い思考に陥りがちな日本人には、より流動的で幅広い思考法とのバランスを身につける必要がある。
物理学と哲学の間にある、実社会で大いに役立つ思考法の本質に触れることで、良質の"知的ショック"を促す。
- 本の長さ216ページ
- 言語日本語
- 出版社ソフトバンククリエイティブ
- 発売日2009/3/17
- ISBN-104797352531
- ISBN-13978-4797352535
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商品の説明
著者について
鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。90年、デビュー作の『楽園』(新潮社)が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。その後、『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』(以上、角川書店)が計800万部のベストセラーとなり、一大ホラーブームを巻き起こす。著作は世界20カ国語に翻訳されている。また、"文壇最強の子育てパパ"の異名の通り、二人の娘を育て上げた経験から、政府の諮問機関「少子化への対応を推進する国民会議」や東京都青少年問題協議会の委員などを歴任。作家になる前、塾の講師や家庭教師をして子どもたちに勉強を教えた経験もある。2008年12月、サイエンスホラー小説『エッジ』(角川書店)を発刊。
竹内 薫(たけうち・かおる)
1960年、東京都生まれ。サイエンスライター。東京大学教養学部教養学科、同理学部物理学科卒。マギル大学大学院修了。Ph.D.(理学博士)。専攻は科学史・科学哲学と高エネルギー物理学。科学書、新聞・雑誌のコラム、書評、テレビやラジオなど、幅広く科学の啓蒙活動を展開。主な著訳書に『99.9%は仮説』(光文社)、『世界が変わる現代物理学』(筑摩書房)、『宇宙のかけら』(講談社)、『奇跡の脳』(新潮社)、主な出演番組に、国際エミー賞にノミネートされた『たけしのコマ大数学科』(フジテレビ系)、『JAM THE WORLD』(J-WAVE)などがある。
1957年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。90年、デビュー作の『楽園』(新潮社)が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。その後、『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』(以上、角川書店)が計800万部のベストセラーとなり、一大ホラーブームを巻き起こす。著作は世界20カ国語に翻訳されている。また、"文壇最強の子育てパパ"の異名の通り、二人の娘を育て上げた経験から、政府の諮問機関「少子化への対応を推進する国民会議」や東京都青少年問題協議会の委員などを歴任。作家になる前、塾の講師や家庭教師をして子どもたちに勉強を教えた経験もある。2008年12月、サイエンスホラー小説『エッジ』(角川書店)を発刊。
竹内 薫(たけうち・かおる)
1960年、東京都生まれ。サイエンスライター。東京大学教養学部教養学科、同理学部物理学科卒。マギル大学大学院修了。Ph.D.(理学博士)。専攻は科学史・科学哲学と高エネルギー物理学。科学書、新聞・雑誌のコラム、書評、テレビやラジオなど、幅広く科学の啓蒙活動を展開。主な著訳書に『99.9%は仮説』(光文社)、『世界が変わる現代物理学』(筑摩書房)、『宇宙のかけら』(講談社)、『奇跡の脳』(新潮社)、主な出演番組に、国際エミー賞にノミネートされた『たけしのコマ大数学科』(フジテレビ系)、『JAM THE WORLD』(J-WAVE)などがある。
著者について
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1960年、東京都生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。カナダ・マギル大学大学院博士課程修了。理学博士。ノンフィクションとフィクションを股にかける 科学作家。小三から小五までニューヨークの現地校に通ったせいで、帰国後、カルチャーショックに悩まされ、学業も落ちこぼれる。現在は妻子とともに裏横浜 に在住(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『思考のレッスン』(ISBN-10:4062165082)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2009年3月26日に日本でレビュー済み
2009年7月21日に日本でレビュー済み
二人とも有名な著者だが、読んだことがなかった。
鈴木氏自体は『リング』とかのホラー小説の著者だが、ホラーは好きじゃないから読んだことがなかった。
でも去年の12月に出版された新作『エッジ』は面白そうなので、買った(まだ読んでいないけど)。
竹内氏も1冊持っているけど、こちらも未読。
そもそもこの本の題名にひかれた。
自分も知的でありたいと願っているが、どのような思考力が知的であるのか興味がある。
ただ、対談という形式のためか、それほど明確に、あるいは論理的に知的思考力の本質に迫っているようには思えないのが残念。
むしろ、日本社会や日本の教育で物理学や哲学の教育がないがしろにされていて、日本人は物事の根本原理を突き詰めて考えないという批判が主。
基本原理の存在を前提にしつつ、しかもそれが絶対ではないと理解すること、これこそが知的思考力の本質なのか。
そのとおりのような気もするが、なんか物足りないな。
うーん、誤読しているのかな?
自分の教養不足かしら。
鈴木氏自体は『リング』とかのホラー小説の著者だが、ホラーは好きじゃないから読んだことがなかった。
でも去年の12月に出版された新作『エッジ』は面白そうなので、買った(まだ読んでいないけど)。
竹内氏も1冊持っているけど、こちらも未読。
そもそもこの本の題名にひかれた。
自分も知的でありたいと願っているが、どのような思考力が知的であるのか興味がある。
ただ、対談という形式のためか、それほど明確に、あるいは論理的に知的思考力の本質に迫っているようには思えないのが残念。
むしろ、日本社会や日本の教育で物理学や哲学の教育がないがしろにされていて、日本人は物事の根本原理を突き詰めて考えないという批判が主。
基本原理の存在を前提にしつつ、しかもそれが絶対ではないと理解すること、これこそが知的思考力の本質なのか。
そのとおりのような気もするが、なんか物足りないな。
うーん、誤読しているのかな?
自分の教養不足かしら。