全て面白いのですがどれが最も好きかと問われたなら今作と答えます。
珠子失踪の謎が頼央の穏やかな語りで解けていく過程が怖い。
そして彼に害をなす人物をなんの躊躇もなく排除していく意志に恐ろしさを感じる反面なぜか感動もしてしまうのです。
もはや意思にとって人間の価値観や道徳やモラルなど何の意味ももたないからこそ純粋に母性の本質を感じさせるからなのでしょう。
その後の ナナちゃん ナナちゃん・・・(改訂前)から
全ての伏線が回収され本当の謎が解けることとなる衝撃のラストまでの描写が駆け足気味で無機質なタッチに変わります。
虚人たちを思わせる描写が不安と不気味さを醸し出し背筋がゾクゾクする感覚を覚えました。
タバコを能力の妨げになることで避けていたはずの七瀬でしたが今作では喫煙者として描かれており
七瀬らしくないと大きな違和感を覚えた読者も多かったはずです。
ラストでその違和感も作者の意図するものとわかります。
七瀬ふたたびばかり映像化されていますが今作こそなんとか映像化されてほしいと願います。
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エディプスの恋人 (新潮文庫) 文庫 – 1981/9/29
筒井 康隆
(著)
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ある日、少年の頭上でボールが割れた。強い“意志"の力に守られた少年の謎を探るうち、テレパス七瀬は、いつしか少年を愛していた。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1981/9/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101171130
- ISBN-13978-4101171135
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狂気の沙汰も金次第 | おれに関する噂 | 笑うな | 富豪刑事 | エロチック街道 | くたばれPTA | |
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価格 | ¥781¥781 | ¥572¥572 | ¥737¥737 | ¥737¥737 | ¥693¥693 | ¥572¥572 |
【新潮文庫】筒井康隆 作品 | 独自のアイディアと乾いた笑いで、狂気と幻想に満ちたユニークな世界を創造する著者のエッセイ集。すべて山藤章二のイラスト入り。 | テレビが突然、おれのことを喋りはじめた。そして新聞が、週刊誌がおれの噂を書き立てる。黒い笑いと恐怖が狂気の世界へ誘う 11 編。 | タイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺める「笑うな」など、ユニークな発想とブラックユーモアのショートショート集。 | キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくわえた富豪刑事こと、神戸大助が難事件を解決してゆく。金を湯水のように使って。 | 裸の美女の案内で、奇妙な洞窟の温泉を滑り落ちる……エロチックな夢を映し出す表題作ほか、「ジャズ大名」など変幻自在の全 18 編。 | マスコミ、主婦連、PTAから俗悪の烙印を押された漫画家の怒りを描く表題作ほか現代を痛烈に風刺するショート・ショート全 24 編。 |
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虚航船団 | 旅のラゴス | ロートレック荘事件 | 敵 | パプリカ | ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集― | |
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価格 | ¥869¥869 | ¥605¥605 | ¥781¥781 | ¥605¥605 | ¥935¥935 | ¥605¥605 |
鼬族と文房具の戦闘による世界の終わり──。宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ驚異の文学、鬼才が放つ、世紀末への戦慄のメッセージ。 | 集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か? | 郊外の瀟洒な洋館で次々に美女が殺される史上初のトリックで読者を迷宮へ誘う。二度読んで納得、前人未到のメタ・ミステリー。 | 渡辺儀助、 75歳。悠々自適に余生を営む彼を「敵」が襲う──。「敵」とはなにか?意識の深層を残酷なまでに描写する長編小説。 | ヒロインは他人の夢に侵入できる夢探偵パプリカ。究極の精神医療マシンの争奪戦は夢と現実の境界を壊し、世界は未体験ゾーンに! | 乳白色に張りめぐらされたヨッパグモの巣を降下する表題作の他、夢幻の異空間へ読者を誘う天才・筒井の魔術的傑作短編 12 編。 |
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最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集 1― | 傾いた世界―自選ドタバタ傑作集 2― | 懲戒の部屋―自選ホラー傑作集 1― | 愛のひだりがわ | 銀齢の果て | 聖痕 | |
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「ドタバタ」とは手足がケイレンし、耳から脳がこぼれるほど笑ってしまう小説のこと。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾! | 正常と狂気の深~い関係から生まれた猛毒入りユーモア七連発。永遠に読み継がれる傑作だけを厳選した自選爆笑傑作集第二弾! | 逃げ場なしの絶望的状況。それでもどす黒い悪夢は襲い掛かる。身も凍る恐怖の逸品を著者自ら選び抜いたホラー傑作集第一弾! | 母を亡くし、行方不明の父を探す旅に出た月岡愛。次々と事件に巻き込まれながら、力強く生きる少女の成長を描く傑作ジュヴナイル。 | 70歳以上の国民に殺し合いさせる「老人相互処刑制度(シルバー・バトル)」が始まった!長生きは悪か?「禁断の問い」をめぐる老人文学の金字塔。 | あまりの美貌ゆえ性器を切り取られた少年は救い主となれるか?現代文学の巨匠が小説技術の粋を尽して描く数奇極まる「聖人伝」。 |
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夢の検閲官・魚籃観音記 | 世界はゴ冗談 | 家族八景 | 七瀬ふたたび | エディプスの恋人 | 夢の木坂分岐点 | |
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やさしさに満ちた感動の名品「夢の検閲官」から小説版は文庫初収録の「 12 人の浮かれる男」まで傑作揃いの 10 編。文庫オリジナル。 | 異常の連続を描く表題作、午後四時半を征伐に向かった男が国家プロジェクトに巻き込まれる「奔馬菌」等、狂気が疾走する傑作10編。 | テレパシーをもって、目の前の人の心を全て読みとってしまう七瀬が、お手伝いさんとして入り込む家庭の茶の間の虚偽を抉り出す。 | 旅に出たテレパス七瀬。さまざまな超能力者とめぐりあった彼女は、彼らを抹殺しようと企む暗黒組織と血みどろの死闘を展開する! | ある日、少年の頭上でボールが割れた。強い”意志”の力に守られた少年の謎を探るうち、テレパス七瀬は、いつしか少年を愛していた。 | サラリーマンか作家か? 夢と虚構と現実を自在に流転し、一人の人間に与えられた、ありうべき幾つもの生を重層的に描いた話題作。 |
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【単行本】ジャックポット | モナドの領域 | 【単行本】カーテンコール | |
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コロナ禍、戦争、ジャズ、映画、文学、嫌=民主主義、そして息子の死――。かつてなく「筒井康隆の成り立ち方」を明かす最前衛にして超弩級の〈私小説〉爆誕! 亡き息子との〈再会〉を描いた感動の話題作「川のほとり」収録。 | 河川敷で発見された片腕、不穏なベーカリー、全知全能の創造主を自称する老教授。著者がその叡智の限りを注ぎ込んだ歴史的傑作。 | 著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」。巨匠が紡いだ、痙攣的笑いから限りなき感涙まで25もの傑作掌篇小説集! |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1981/9/29)
- 発売日 : 1981/9/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4101171130
- ISBN-13 : 978-4101171135
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 147,177位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。
1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月25日に日本でレビュー済み
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七瀬シリーズは筒井作品では異色の存在で、お笑い要素が一切なく、全編に緊張感が溢れている。得意のドタバタコメディでも書けそうなモチーフだけど、三作目で遂に壮大な構想が明らかになった。全宇宙を支配する「意志」を描こうと言う哲学的思弁SFを直球勝負で描き切ったのは評価に値する。
ただし、エンタメ性を犠牲にしているのは否めないと思う。今巻早々に先が読め、予想通りの展開で終わるので、少しひねりが欲しいと言ったら贅沢だろうか。タイトル含めて直球勝負で、豪速球ではあるんだけど。
ただし、エンタメ性を犠牲にしているのは否めないと思う。今巻早々に先が読め、予想通りの展開で終わるので、少しひねりが欲しいと言ったら贅沢だろうか。タイトル含めて直球勝負で、豪速球ではあるんだけど。
2020年7月10日に日本でレビュー済み
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筒井先生の小説に初めて触れたのは中学生の頃で、それ以来、彼の作品の虜になっています。
超能力といったSFの面白みというよりは、主人公七瀬の感情に心が動かされます。そして、文章の美しさ。
彼女の状況への哀しみや漠然とした不安を、読者の心の底に沈めるのが狙いであるとすれば、それは成功していると思います。
名作です。
超能力といったSFの面白みというよりは、主人公七瀬の感情に心が動かされます。そして、文章の美しさ。
彼女の状況への哀しみや漠然とした不安を、読者の心の底に沈めるのが狙いであるとすれば、それは成功していると思います。
名作です。
2020年8月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「家族八景」「七瀬ふたたび」で超能力者の存在が紹介され、彼らが現在の社会から阻害されている状況を伝えてきたが、第3作ではいきなり「神」の存在が出てきて、ストーリーの流れとしてはあり得るとは思いますが、かなり飛躍しすぎているようにも感じられます。今まで、個々の超能力者がそれぞれ自らのスキルの限界を意識しながら、ぶつかり合ったり、協力し合ったりしながら生きてきた背景があり、第2作で現代の普通の人達から排除・抹殺されてゆく様を表しており、イメージとしては超能力者達が持てる能力で必死に生き続け、徐々に現代社会の中に人権を得てゆく、と思っていましたが、意外でした。神を表に出してくるのはちょっと早すぎないかな、と考えます。
2018年12月28日に日本でレビュー済み
三部作のようで、三部作ではなく、三部作ではないようで、三部作です(笑)。
読めばわかります。
『七瀬ふたたび』が前作『家族八景』とはスケールが異なるように、
この『エディプスの恋人』は全2作とは世界観がまるっきり違います。
そこに違和感を覚えるかもしれません。
主人公の火田七瀬は確かに登場するのですが、
そこで『七瀬ふたたび』を引きずると
本作を楽しめないかもしれません。
でもこれはたしかに三部作なんです。
最後の最後、残り8頁目くらいでわかりますが…。
逆に言うとその部分は『七瀬ふたたび』を読んでいない人には
意味不明だと思います。
私はその文章(この作品が確実に『七瀬ふたたび』の続編だと知った箇所)を
読んだとき不覚にも泣いてしまいました。
古い作品なので、今読むと文章の表現に違和感はあります。
でも、インターネットもない時代に私たちを異界に連れて行ってくれる
筒井先生に出逢えたこと、感謝しています。
読めばわかります。
『七瀬ふたたび』が前作『家族八景』とはスケールが異なるように、
この『エディプスの恋人』は全2作とは世界観がまるっきり違います。
そこに違和感を覚えるかもしれません。
主人公の火田七瀬は確かに登場するのですが、
そこで『七瀬ふたたび』を引きずると
本作を楽しめないかもしれません。
でもこれはたしかに三部作なんです。
最後の最後、残り8頁目くらいでわかりますが…。
逆に言うとその部分は『七瀬ふたたび』を読んでいない人には
意味不明だと思います。
私はその文章(この作品が確実に『七瀬ふたたび』の続編だと知った箇所)を
読んだとき不覚にも泣いてしまいました。
古い作品なので、今読むと文章の表現に違和感はあります。
でも、インターネットもない時代に私たちを異界に連れて行ってくれる
筒井先生に出逢えたこと、感謝しています。
2013年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今回は今までとは作風がかなり違います。
前作とのつながりも一応あるので順番通り読んでいくことをおすすめします。
前作とのつながりも一応あるので順番通り読んでいくことをおすすめします。
2018年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
家族八景、七瀬ふたたびに比べて、SF感の強い作品でした。
宇宙や神といった存在が主な内容となっていて、前作とのつながりはは?と思いながら読んでいましたが最後でなんとなくまとまっていました。
いくつか新しい視点で考えることができ楽しめる1冊でした。
宇宙や神といった存在が主な内容となっていて、前作とのつながりはは?と思いながら読んでいましたが最後でなんとなくまとまっていました。
いくつか新しい視点で考えることができ楽しめる1冊でした。
2017年10月5日に日本でレビュー済み
前作ラストで命を失ったかに見えた七瀬が、何事も無かったかのように高校の事務職員として再登場している。美貌とテレパシー能力は健在とはいえ、これは本当に「あの七瀬」なのか? 『ふたたび』とは別の世界の出来事なのか……? そう訝りながら読んでいくと、クライマックスで思いもよらぬ真実が明かされる。いい意味で、これほど「ぶっ飛んだ」ものになるとは驚愕したものだった。
七瀬三部作は作品人気を受けて続編が連ねられていって出来たものだが、この三部作だけで完結するのは実に惜しい作品世界だ。たとえば『家族八景』はこの設定のままあと本2冊分ぐらい各家庭を渡り歩く物語を紡いでも十分飽きずに楽しめるものになるだろう。『七瀬ふたたび』にしても、たとえばラストで暗殺者集団に追い詰められた七瀬がかろうじて一人生き延びて、まだ見ぬ超能力者の仲間たちを探してレジスタンスを組織する……とでもすれば、いくらでもこの世界観のまま面白い物語を展開することは可能である。筒井康隆の筆力をもってすればこうしたことは容易だったはずだ。にもかかわらず、そうなってはいない。第一、続編である本作でも、あの秘密組織の正体や全貌は全く解明されていない。謎解きはされないまま物語全体の幕が下ろされている。
筒井が三部作で完結させた―本作『エディプスの恋人』は、実質「絶対に続編が作れない作品」になっている―のは、「七瀬の物語」としてのエッセンシャルな部分は、これで完全に尽くされているからだと評者は考える。
言ってみれば「異なるもの」として生まれついた火田七瀬が、その自らの運命をどのように受け止めていくかだ。『家族八景』では当初、テレパスである七瀬の視点から見て平穏に見える家庭はどう映るのか、が主眼に描かれていた。彼女の立場は傍観者、あるいはせいぜいトリックスターだった。だが途中から彼女自身の超能力を持ったがゆえのトラブル、疎外、孤独へも物語の力点は置かれていく。そしてそして超能力者の同胞たちとの出会いを通して、逆説的にその孤独さと悲哀を、抹殺されるに至るまで徹底して描いたのが『七瀬ふたたび』。これが三部作の中でも中心的な位置を占めるのも当然である。
こうした数奇な運命を背負った七瀬の物語は、最終作では宇宙意志に選ばれ、死から復活させられるという特異な立場を通して、どうにも逃れがたい形でかみしめられることで結ばれている。そのように考えると、確かにこれ以上のエピソードを付け足すことは蛇足になる。七瀬自身を描き切るには、もう加えるものはないといっていいのだ。
七瀬三部作は作品人気を受けて続編が連ねられていって出来たものだが、この三部作だけで完結するのは実に惜しい作品世界だ。たとえば『家族八景』はこの設定のままあと本2冊分ぐらい各家庭を渡り歩く物語を紡いでも十分飽きずに楽しめるものになるだろう。『七瀬ふたたび』にしても、たとえばラストで暗殺者集団に追い詰められた七瀬がかろうじて一人生き延びて、まだ見ぬ超能力者の仲間たちを探してレジスタンスを組織する……とでもすれば、いくらでもこの世界観のまま面白い物語を展開することは可能である。筒井康隆の筆力をもってすればこうしたことは容易だったはずだ。にもかかわらず、そうなってはいない。第一、続編である本作でも、あの秘密組織の正体や全貌は全く解明されていない。謎解きはされないまま物語全体の幕が下ろされている。
筒井が三部作で完結させた―本作『エディプスの恋人』は、実質「絶対に続編が作れない作品」になっている―のは、「七瀬の物語」としてのエッセンシャルな部分は、これで完全に尽くされているからだと評者は考える。
言ってみれば「異なるもの」として生まれついた火田七瀬が、その自らの運命をどのように受け止めていくかだ。『家族八景』では当初、テレパスである七瀬の視点から見て平穏に見える家庭はどう映るのか、が主眼に描かれていた。彼女の立場は傍観者、あるいはせいぜいトリックスターだった。だが途中から彼女自身の超能力を持ったがゆえのトラブル、疎外、孤独へも物語の力点は置かれていく。そしてそして超能力者の同胞たちとの出会いを通して、逆説的にその孤独さと悲哀を、抹殺されるに至るまで徹底して描いたのが『七瀬ふたたび』。これが三部作の中でも中心的な位置を占めるのも当然である。
こうした数奇な運命を背負った七瀬の物語は、最終作では宇宙意志に選ばれ、死から復活させられるという特異な立場を通して、どうにも逃れがたい形でかみしめられることで結ばれている。そのように考えると、確かにこれ以上のエピソードを付け足すことは蛇足になる。七瀬自身を描き切るには、もう加えるものはないといっていいのだ。