プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥2,200¥2,200 税込
ポイント: 132pt
(6%)
無料お届け日:
4月5日 金曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥2,200¥2,200 税込
ポイント: 132pt
(6%)
無料お届け日:
4月5日 金曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥6
中古品:
¥6

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
金賞よりも大切なこと〜コンクール常勝校 市立柏高等学校吹奏楽部 強さの秘密 単行本(ソフトカバー) – 2009/9/28
山崎 正彦
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,200","priceAmount":2200.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,200","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"ul%2BSzTQt9%2Fj1baDS7g6GcLWZR9SHQyMyOlKL3QZH7OrMP87AmZaD1uO2oiq4vpj0TcbQwos0V3W2%2Fbzbhru9ylLHdp3bqTXsO65OuQ5DMgiuymmfE0YOGhqBKXJvsxNO","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥6","priceAmount":6.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"6","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"ul%2BSzTQt9%2Fj1baDS7g6GcLWZR9SHQyMy3W8so1hRA9QVe1woaxAGAAhjHXfQzLK7k9OKitsebjG1dupJVnVlgFP64z1oMsXXjeLVUIRetwGoGCUn6xuTTNVZDhLWkQpj1wT4yG1K%2BAUvwngwzQACcJP1kwraGjpciK%2BlgqwPYocq37qPQeWSGQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
千葉県柏市。人口約40万人のこの市にある柏市立柏高等学校吹奏楽部(ブラスバンド)は全国の様々な吹奏楽コンクールで金賞を獲得し続ける金賞常連校だ。この市立柏吹奏楽部を創立から率いてきた教師、石田修一氏が楽器もない新設校時代からいかにして吹奏楽部をここまでにしたか。創設当初から少ない部員でコンクールに出場。そこからあっという間に常に上位を狙う吹奏楽部に育て上げた。コンクールだけではない。日本全国のイベントに呼ばれての遠征演奏は数知れず、テレビ出演やプロ野球の開幕式での演奏経験もある。さらには、アメリカや中国をはじめ世界各地からも招聘されるほどの知名度がある。毎年部員が入れ替わる普通高校で、常に優れた吹奏楽部をどうやって維持していくのか。部員はごく普通の高校生。こうした優秀な演奏を維持し続ける吹奏楽部を持つ高校は全国各地にある。その代表校の1つと言える市立柏の1年を追い、演奏技術よりも大切な人間教育に主眼を置く石田氏の教育が結果的に金賞につながっている背景を記録したのがこの本である。 教育荒廃が叫ばれる中で、こんなにすばらしい高校生が現にいることを。それが学校教育の現場の成果であることの驚きを本書は語っている。学校教育も捨てたもんじゃない。こんなすごい先生や生徒が現実にいることが本書を読むとわかる。これからの教育を考えるためにも必読の書だ。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社スタイルノート
- 発売日2009/9/28
- ISBN-104903238369
- ISBN-13978-4903238364
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 金賞よりも大切なこと〜コンクール常勝校 市立柏高等学校吹奏楽部 強さの秘密
¥2,200¥2,200
最短で4月5日 金曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥2,080¥2,080
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1957年長野県生まれ。中学校、高等学校、小学校の教員を経てから武蔵野音楽大学大学院音楽研究科に入学し音楽教育学を専攻。修了後、武蔵野音楽大学音楽教育学科講師として後進の指導にあたり現在に至る。主な研究領域は教員養成と音楽鑑賞指導。これまでに小学1年生から大学生までのすべての学年での教育経験があり、現在、幼児教育現場における指導アドバイサーもおこなっている。
登録情報
- 出版社 : スタイルノート (2009/9/28)
- 発売日 : 2009/9/28
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 304ページ
- ISBN-10 : 4903238369
- ISBN-13 : 978-4903238364
- Amazon 売れ筋ランキング: - 695,069位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,215位ワールドミュージック
- - 1,332位ワールド楽譜・スコア・音楽書
- - 13,269位その他楽譜・スコア・音楽書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吹奏楽経験者の嫁と娘が読んでいました。娘は読書感想文にしていたので興味深い内容だったようです。
2009年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中高時代にブラスバンド部に入っていたので思わず購入しました。この本を読んで、部活動ってこんなに意味のあることだったのかと考えさせられました。いままでは、趣味を学校で応援している程度の意識しかありませんでしたが、授業では得ることのできない経験ができる場なのだとわかりました。しかも、その経験が今後の自分に役立つ場になるとは思ってもみませんでした。
金賞よりも大切なことと金賞は相関関係にあって、金賞よりも大切なことができていないと決して金賞はとれないし、金賞をとるような学校はみんな金賞よりも大切なことが分かっているのではないかと感じました。
教育の問題がいろいろ言われている昨今ですが、こんな現実的な教育も非常に大切なことだと感じました。全国にこうした生徒達が増えてくれたら、ずいぶんと学校なんかもかわるんじゃないでしょうか。
この本の中で印象的だった内容のひとつが、野球部の生徒さん達の対応でした。ブラスバンド部だけじゃなくて、学校全体がそういう雰囲気になっていくのだなということに驚きました。やっぱり教育って大事なんだなと思い知らせてくれた本です。
ぜひ続編も読みたいです。
金賞よりも大切なことと金賞は相関関係にあって、金賞よりも大切なことができていないと決して金賞はとれないし、金賞をとるような学校はみんな金賞よりも大切なことが分かっているのではないかと感じました。
教育の問題がいろいろ言われている昨今ですが、こんな現実的な教育も非常に大切なことだと感じました。全国にこうした生徒達が増えてくれたら、ずいぶんと学校なんかもかわるんじゃないでしょうか。
この本の中で印象的だった内容のひとつが、野球部の生徒さん達の対応でした。ブラスバンド部だけじゃなくて、学校全体がそういう雰囲気になっていくのだなということに驚きました。やっぱり教育って大事なんだなと思い知らせてくれた本です。
ぜひ続編も読みたいです。
2018年6月6日に日本でレビュー済み
本書は高校吹奏楽コンクールの金賞常連校「市立柏高等学校吹奏楽部(いちかし)」顧問・石田修一とその部員達の一年間を追ったルポルタージュで、第一章の「吹奏楽にすべてを捧げてしまった人」の時点で「良い本オーラ」が漂う。
いちかしは部員200人、顧問5人。平日はAM6:30から部活が始まり、放課後から21:00まで、休日はAM7:00から18:00まで費やす。各コンクールへのエントリーはもちろん、内閣総理大臣賞や文部大臣賞も受賞している有名校なので、土日は国内・国外での演奏会が年間20~30回入る。彼らは高密度な時間を経過して、濃厚な関係を築いていく。
緊張感溢れる練習風景、サポートメンバーの活躍、石田の高い要求とそれに応えようと努力し限界を超えて成長していく部員達、移動中のバス内でも自然に実行する歌練習、普門館に着き先輩達と同じ場所に立てたことへの誇り、本番直前の思わぬトラブル、先輩達が無事に演奏を終えることを控え室で泣きながら祈る後輩達、勝負が終わりライバル達にエールを送るいちかしメンバー、などなど、全体を通して内容が熱い。
なかでも中盤の全日本吹奏楽コンクールの金賞を目指すエピソードが飛び切り熱い。
本書が伝えたい「金賞よりも大切なこと」とは何か?ざっくり言えば、それは「正しく生きる力」だ。「吹奏楽にすべてを捧げてしまった」石田は、人間がそもそも持っているその力を、部活を通して育てていく。
別途思うこととして、本書のタイトルは思い切ったものだ。金賞を獲ったことが無い学校にとっては、このタイトルはどう思うだろうか。吹奏楽のコンクールについては、『響け!ユーフォニアム』第二期第3話でデカリボンこと吉川優子はこう言う。(コンクールについては)中学最後の大会は(その是非が)納得できていない。でもそれは結果が悪かったから。結果がよかったら納得していると思う。部活動は金賞を獲ることがすべてではない、ぜんぜん。
ただ、金賞を獲ったから言えること、見えてくることってのはあるのだろう。
昨年の全日本吹奏楽コンクールも、いちかしは金賞を受賞した。
いちかしは部員200人、顧問5人。平日はAM6:30から部活が始まり、放課後から21:00まで、休日はAM7:00から18:00まで費やす。各コンクールへのエントリーはもちろん、内閣総理大臣賞や文部大臣賞も受賞している有名校なので、土日は国内・国外での演奏会が年間20~30回入る。彼らは高密度な時間を経過して、濃厚な関係を築いていく。
緊張感溢れる練習風景、サポートメンバーの活躍、石田の高い要求とそれに応えようと努力し限界を超えて成長していく部員達、移動中のバス内でも自然に実行する歌練習、普門館に着き先輩達と同じ場所に立てたことへの誇り、本番直前の思わぬトラブル、先輩達が無事に演奏を終えることを控え室で泣きながら祈る後輩達、勝負が終わりライバル達にエールを送るいちかしメンバー、などなど、全体を通して内容が熱い。
なかでも中盤の全日本吹奏楽コンクールの金賞を目指すエピソードが飛び切り熱い。
本書が伝えたい「金賞よりも大切なこと」とは何か?ざっくり言えば、それは「正しく生きる力」だ。「吹奏楽にすべてを捧げてしまった」石田は、人間がそもそも持っているその力を、部活を通して育てていく。
別途思うこととして、本書のタイトルは思い切ったものだ。金賞を獲ったことが無い学校にとっては、このタイトルはどう思うだろうか。吹奏楽のコンクールについては、『響け!ユーフォニアム』第二期第3話でデカリボンこと吉川優子はこう言う。(コンクールについては)中学最後の大会は(その是非が)納得できていない。でもそれは結果が悪かったから。結果がよかったら納得していると思う。部活動は金賞を獲ることがすべてではない、ぜんぜん。
ただ、金賞を獲ったから言えること、見えてくることってのはあるのだろう。
昨年の全日本吹奏楽コンクールも、いちかしは金賞を受賞した。
2022年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
落書きや書き込み等もかなりありました。安いので仕方ないのかもしれないし、返品するのも大変なので、仕方ないとあきらめました。
2017年3月30日に日本でレビュー済み
柏市民の年末は「第九」でもなければ、「芝浜」でもなければ、「いちかし」のチャリティーコンサートで暮れるというが定番なんだそうだ。「アド街ック天国!」や「TOKYOディープ!」で柏を取り上げたときにもこの「いちかし」が取り上げられていた。でも、この吹奏楽部に関しては、さるバラエティ番組で「いちかし」が取り上げられたときに「つまようじ」(何のことかはわかる奴だけわかればいい)で興ざめしてしまったが、ブラバンから足を洗って暫らく経って、図書館でこの本があったので、熟読する機会があった。
日本において、吹奏楽の名指導者というのは、10月下旬に行われる「全日本吹奏楽コンクール」に出場実績があること。そこで「指揮者賞」を授賞した人のことを言うのではないだろうか。日本で吹奏楽に関わる限り、吹奏楽コンクールから逃れることができない。コンクールで金賞を取ることが目的ではない、と書こうものならば「全国大会に行けないやっかみか」とか、ネガティブなイメージでとらえられてしまう。あくまでも音楽には正解はないし、「いちかし」のようにそこまでやる必要があるんだろうかという疑問があるためだ。本書を読む限り、彼らはいつ勉強しているのかと言いたくなるほどに楽器と楽譜に向き合っている。石田先生から厳しい言葉が飛ぶが、それは生徒の可能性を信頼しているからであり、彼らならばできるという「確信」があるからだろう。パート譜には「30↓」という書き込みを見ることがある。これは、純正調の和音のために30セント下げるという意味である。理想の音を手にするために、石田先生はそこまで要求しているのである。無論、できることを織り込み済みでだ。
ただ、彼らはコンクールを利用しなくても充分にやっていけるバンドである。金賞よりも大切なことと謳いながらも、コンクールに出場し続け、東関東から先の「名古屋」(執筆当時は普門館)行きのきっぷを「いちかし」と習志野で独占し、残り1枠を争っているというのが現実である。それでも「3出1休」があった頃は、いちかしか習志野が休みにあたった回くらいしか全国の枠は回ってこないという皮肉を生んでいる。金賞よりも大切なこと、とありながらもなぜ彼らは「名古屋」を目指すのか。そして、社会人としてうまくやっていけるようなことを部で学べるとするならば、他の「名古屋」に行きたがっている部をライバルに育て上げて、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げたもらった方が東関東支部の吹奏楽のレベルはもっと上がるのではないのだろうか。ライバルが出演したとき、「いちかし」だってうかうかしていられないはずである。「3出1休」が廃止になったとき、連盟も愚かな判断をしたものだと憤慨したものである。だが、連盟の重役はこういった全国常連校の先生方だ。彼らの意見が優先されるのはいうまでもない。コンクールでどんな名演奏をしても、タイムオーバーをすれば失格、タイムオーバーせずに審査してもらえれば、銅は確定で、そこに金紙だの銀紙がついて出場者側に戻ってくるだけである。
私は吹奏楽部の紹介に「コンクールの実績」が全面に出るのは正直嫌である。時間と人数が制限されるコンクールのために吹奏楽をやっているわけではなく、例えば喫緊の演奏会(小さな演奏会でもいい、人がまばらな演奏会でもいい)でいかに「最高の演奏」が披露できるか評価してほしいというのが本音だ。ちなみにこの年の「いちかし」は高昌帥の「ウインドオーケストラのためのマインドスケイプ」を自由曲にセレクトしている。高昌帥は「ラメント」がコンクール課題曲として選ばれ、プロアマ問わずに楽曲を提供し、吹奏楽のみならず、室内楽や管弦楽曲も発表しているという、現代の作曲家として確固たる地位を築いている人だ。「マインドスケイプ」は15分もかかる大曲である。『俺の管』にも「いちかし」の演奏がアップされているが、なんと6分程度に短縮されている。実施規定には自由曲のカットの項目はない。「アルトサックス奏者が自由曲ではピアノを演奏するために、自分の席から上手側にあるピアノに移動する時間云々」はあるが、カットの問題については触れていない。この回は全国大会で金賞を授賞している。作曲者からカットの許諾があったのかどうかも触れられておらず、それで金賞。それでも「金賞よりも大切なこと」なのか。
ちなみに、「いちかし」ができた頃、1年生だけでコンクールに出場したことがあるのだそうだ。これは新聞記事にもなっており、本書にも転載されている。楽曲は「イシターの凱旋」。オールドファンにはなつかしい曲だろう。本書の前半は「仰げば尊し」のモデルとなった野庭高校吹奏楽部と、その顧問であった故・中澤忠雄とのやりとりを連想させる。名バンドとなるには誰もが同じ道を通るのだ。「イシターの凱旋」とはふるっているね。自身の名前にちなんだ曲を選んでこようとは。個人的には完成された「いちかし」を指導する石田先生よりも、名バンドに上りつめていく、髪の毛が多く、血気盛んな頃の石田先生の下で演奏したかったな。白いタキシードを着て棒を振る写真も掲載されているが、あれが石田先生の原点だろうと思うね。
日本において、吹奏楽の名指導者というのは、10月下旬に行われる「全日本吹奏楽コンクール」に出場実績があること。そこで「指揮者賞」を授賞した人のことを言うのではないだろうか。日本で吹奏楽に関わる限り、吹奏楽コンクールから逃れることができない。コンクールで金賞を取ることが目的ではない、と書こうものならば「全国大会に行けないやっかみか」とか、ネガティブなイメージでとらえられてしまう。あくまでも音楽には正解はないし、「いちかし」のようにそこまでやる必要があるんだろうかという疑問があるためだ。本書を読む限り、彼らはいつ勉強しているのかと言いたくなるほどに楽器と楽譜に向き合っている。石田先生から厳しい言葉が飛ぶが、それは生徒の可能性を信頼しているからであり、彼らならばできるという「確信」があるからだろう。パート譜には「30↓」という書き込みを見ることがある。これは、純正調の和音のために30セント下げるという意味である。理想の音を手にするために、石田先生はそこまで要求しているのである。無論、できることを織り込み済みでだ。
ただ、彼らはコンクールを利用しなくても充分にやっていけるバンドである。金賞よりも大切なことと謳いながらも、コンクールに出場し続け、東関東から先の「名古屋」(執筆当時は普門館)行きのきっぷを「いちかし」と習志野で独占し、残り1枠を争っているというのが現実である。それでも「3出1休」があった頃は、いちかしか習志野が休みにあたった回くらいしか全国の枠は回ってこないという皮肉を生んでいる。金賞よりも大切なこと、とありながらもなぜ彼らは「名古屋」を目指すのか。そして、社会人としてうまくやっていけるようなことを部で学べるとするならば、他の「名古屋」に行きたがっている部をライバルに育て上げて、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げたもらった方が東関東支部の吹奏楽のレベルはもっと上がるのではないのだろうか。ライバルが出演したとき、「いちかし」だってうかうかしていられないはずである。「3出1休」が廃止になったとき、連盟も愚かな判断をしたものだと憤慨したものである。だが、連盟の重役はこういった全国常連校の先生方だ。彼らの意見が優先されるのはいうまでもない。コンクールでどんな名演奏をしても、タイムオーバーをすれば失格、タイムオーバーせずに審査してもらえれば、銅は確定で、そこに金紙だの銀紙がついて出場者側に戻ってくるだけである。
私は吹奏楽部の紹介に「コンクールの実績」が全面に出るのは正直嫌である。時間と人数が制限されるコンクールのために吹奏楽をやっているわけではなく、例えば喫緊の演奏会(小さな演奏会でもいい、人がまばらな演奏会でもいい)でいかに「最高の演奏」が披露できるか評価してほしいというのが本音だ。ちなみにこの年の「いちかし」は高昌帥の「ウインドオーケストラのためのマインドスケイプ」を自由曲にセレクトしている。高昌帥は「ラメント」がコンクール課題曲として選ばれ、プロアマ問わずに楽曲を提供し、吹奏楽のみならず、室内楽や管弦楽曲も発表しているという、現代の作曲家として確固たる地位を築いている人だ。「マインドスケイプ」は15分もかかる大曲である。『俺の管』にも「いちかし」の演奏がアップされているが、なんと6分程度に短縮されている。実施規定には自由曲のカットの項目はない。「アルトサックス奏者が自由曲ではピアノを演奏するために、自分の席から上手側にあるピアノに移動する時間云々」はあるが、カットの問題については触れていない。この回は全国大会で金賞を授賞している。作曲者からカットの許諾があったのかどうかも触れられておらず、それで金賞。それでも「金賞よりも大切なこと」なのか。
ちなみに、「いちかし」ができた頃、1年生だけでコンクールに出場したことがあるのだそうだ。これは新聞記事にもなっており、本書にも転載されている。楽曲は「イシターの凱旋」。オールドファンにはなつかしい曲だろう。本書の前半は「仰げば尊し」のモデルとなった野庭高校吹奏楽部と、その顧問であった故・中澤忠雄とのやりとりを連想させる。名バンドとなるには誰もが同じ道を通るのだ。「イシターの凱旋」とはふるっているね。自身の名前にちなんだ曲を選んでこようとは。個人的には完成された「いちかし」を指導する石田先生よりも、名バンドに上りつめていく、髪の毛が多く、血気盛んな頃の石田先生の下で演奏したかったな。白いタキシードを着て棒を振る写真も掲載されているが、あれが石田先生の原点だろうと思うね。
2009年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一気に読んでしまいました。「金賞よりも大切なこと」というタイトルから最初は気持ちとかそういうことが大切なのかと思ったのですが、読んでみてそんなことじゃないとうことに納得しました。私自身もブラスバンドにいた経験がありますが、ここまで厳しい訓練ではなかったし、ここまで大人扱いされた記憶もありません。高校生はもう子どもじゃない。けれども、親にとっては子どもなんですね。私も子どもがいますが、この本の中に出てくる、自立する子どもを育てていくために大切なことの部分はとても役に立ちました。この先生のように、子どもたちがどうやって自立していくかを常に考えていてくれる先生というのは貴重だと思います。子どもを育てることに迷ったら、またこの本を読んでみようと思います。私もこんな先生に出会いたかったです。
2015年1月29日に日本でレビュー済み
吹奏楽に青春をかける生徒、情熱を傾ける教師、その関係を読んでいたら、涙が。人気のあるところでは読めません。
結果を残すには練習も大切だが、日常生活のあり方がもっと大切と説く。
巷にあふれるビジネス書を多く読むより、この本一冊を読んだほうが良いと思う。
読書普及協会会員な
結果を残すには練習も大切だが、日常生活のあり方がもっと大切と説く。
巷にあふれるビジネス書を多く読むより、この本一冊を読んだほうが良いと思う。
読書普及協会会員な