良い時期に読んだと思った。
ちょうど母が、入院、手術、退院そしてまた入院(現在も入院中)の最中の事。
独身の頃に比べて、目が悪くなってしまったのもあるが、自分自身に以前のように時間を割くことが難しくなってきた今、
日数はかかったが、空いた時間で少しづつ読み進めていった。
両親は決して、心が通じ合った夫婦ではないが、母が長期入院する事で、父は一人で生活する事が始まり、私たち子供たち(&連れ合い)が住む場所を違えた両親に、手助けをする時間が増えて行った。
住んでいる場所によって、母の看病や見舞いに行くチーム、父の身の周りや食事を作りに行くチームと別れたが、メールを通して情報を共有するように提案し、それらを実践している。
母も病気するだけあって、自分自身を抑圧し、自分の病気の最大のきっかけは夫であると言っていた。
はたしてそうだろうか。
父は確かに横暴で、こうと思ったら決して意見を曲げない、子供たちへの教育方針としてはスパルタ(これは先の戦争の体験が大いに影響しているのだが)。
戦争がまだ、色濃く左右した人生を送っているように思う。
傷ついた心を正直に表現できなが故(自分自身に厳しく、許す事をしかった故)、苦虫を噛んだような顔になり、苦い人生をずっと送ってきたように人である。
その父に大いに振り回され、恐怖を与えらえた母や私たちでもあった。
とにかく、私も生きづらい人生ではあった。素直から遠い、苦虫の心の人生ではあったが(途中までは)、夫に出会い、結婚を通し、子育てを通して恨んでいた父や母が、そのまま私自身である事を突き付けられながら、恨んでいたのは結局、自由になれない(自由になろうとしない)自分自身であったと気がついてくる。
母はまだ恨みや辛みの中におり、治りも遅い。
「自分がいかに踏みにじられた人生を送らされてきたのか・・・」
それにまだ縛られている。
縛ったのは父だけど、それを振りほどけない母もいるのだ。
人はだれ一人として、縁やカルマから逃れられず、意味があって家族であったり、夫婦や子供であったりと縁のもとで生活していると言う事を、若いころに比べてよリアルに実感として納得が行けるように思う年齢になったように思う。
著者のルシャッド・フィールドのような、悲喜こもごもの人生を誰しもが体験している。
苦しい中に真実をヒントが隠されており、喜びがある。
だからどんな苦しい事の中にも、そこから学び、知り、気づくことへの道があるから、人生は何であっても輝かしい道であると思う。
渦の只中にいるときは、正直本当に苦しい。
誰だって苦しい。
しかしこの苦しんでいる「私」の中に、答えはあるのだから、その時こそ、周りのせいにするのをいったん横に置き、「私が感じているこの感情はどこから来たのか?」と自分に問うしか抜け道はないように思う。
生きているからこそ、関われて、感じられる現実がある。
知ることの喜びがあり、変わって行ける道がある。

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見えない道: 愛する時、そして死ぬ時 単行本 – 1999/3/1
- 本の長さ239ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1999/3/1
- ISBN-104047913154
- ISBN-13978-4047913158
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
死に臨むとき、愛の扉が開かれる。ひとりの老人が私たちに残してくれた、類まれなる魂の遍歴。著者ルシャッド・フィールドの自伝的小説。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1999/3/1)
- 発売日 : 1999/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 239ページ
- ISBN-10 : 4047913154
- ISBN-13 : 978-4047913158
- Amazon 売れ筋ランキング: - 208,005位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2013年7月26日に日本でレビュー済み
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2018年9月26日に日本でレビュー済み
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包装はしっかりしていましたが、ページの真ん中に、丸く穴があいた(避けた)ページがありました。ショックでした。
2013年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラストバリアで、てっきり覚醒かと思いきや、まだまだ続く 道、、
ハッとさせられた再会。 H.エンド。
一番印象に残った部分は”輪廻転生”に関しての記述でした。
否定はしていないものの、その解釈は????????
え? え? え? え? え? え? え? え? え? え?
今もわかりません。
ハッとさせられた再会。 H.エンド。
一番印象に残った部分は”輪廻転生”に関しての記述でした。
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今もわかりません。
2007年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は一作目の、ラストバリアを何年か前に読んだ後、この本に出逢いました。
習慣を変えず、宿命にもてあそばれるか、それとも運命の潮の流れに乗って、自分の可能性を見いだし、
生まれて来た目的を成就するか、といった事、意識的に生きる事、について、物語調に進んで行きます。
この作品の中では、女性性について、セックスについて、など、細かいディテールにも及んでいます。
主人公が、一作目、トルコで学んだ事を、この2作目で、実際の生活に活かす、といった展開でしょうか。
題名のとうり、死について、又は、死から学ぶ生という(ちょっと武士道みたいですねえ)展開でもあります。
山川夫妻による訳の本は共通してそうだと思うのですが、読んでいて心強く感じる作品です。
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主人公が、一作目、トルコで学んだ事を、この2作目で、実際の生活に活かす、といった展開でしょうか。
題名のとうり、死について、又は、死から学ぶ生という(ちょっと武士道みたいですねえ)展開でもあります。
山川夫妻による訳の本は共通してそうだと思うのですが、読んでいて心強く感じる作品です。