まず、著者は冒頭で、「相対的に出版産業が不況に強いから」、「会社はつぶれるけど、個人は死ぬまでつぶれません」との理由で、「こんな時代だからこそフリーライター」と勧めますが、読み進めていくと、「フリーライターの生活はとても不安定です」、「(雑誌は)簡単に休刊する」、「『遅配なんて』と笑うかもしれませんが、けっこうあります」、「印税生活なんて幻想」、「フリーライターは労働者ではなく超零細企業です」、「(住居探しも)『フリーランスと水商売と外国人はダメ』と、露骨に断る不動産屋もいます」など、「こんな時代だからこそ」という売り文句はいつの間にか吹き飛んでいきます。「フリーライターほど元手のいらない商売はない」はずなのに、「フリーライターになるなら、まずはアルバイトなどで200万円から300万円の現金を貯めてから」と強く勧めたり、本の題名や、帯のセールスコピー、冒頭の甘言に期待してると裏切られますのでご注意を。
本書を手にする方の多くは、多かれ少なかれ、今の出版業界の厳しい現状を肌で感じてる方だと思いますが、そういう読者にとって、何より知りたい情報は、どうやってライターとして最初の仕事を得るか、どうやって仕事を軌道に乗せるかではないでしょうか。残念ながら、その点では本書はかなり期待はずれです。
冒頭で、いきなり「十誌で連載していれば、一誌が休刊してしまっても、仕事は一割減るだけです」と出てきますが、駆け出しの人間に連載十誌というのは、かなり飛躍しています。おそらく、ほとんどの方は兼業しつつ、徐々に実績を重ねていくことになるはず。本書でも兼業について項目を割いていますが、わずかに7ページ。しかも、大半が筆者の経験談です。
「ライター業の手始め」も、筆者の何十年も前の経験談によるところが多く、どこまで今の現状に即しているのかわかりません。p.98〜100 の企画書の持ち込みに関する助言など、いい加減で投げやりな印象すらあります。本来なら、若手から中堅のライターを中心にできるだけ多くの事例を集め、それを分類・整理するくらいのことはやってしかるべきはず。
もちろん、「お金の話」や「リスク管理術」など、有益な話もあります。ただ、本書ならではという強みを見出すまでには至りませんでしたし、著者の経験談も現在の実情や一般的な事例として捉えるには不安が残ります。技術的なことについても、野村進『
調べる技術・書く技術
』(講談社現代新書)や、神足裕司『
空気の読み方 ―「できるヤツ」と言わせる「取材力」講座
』(小学館101新書)の方が、はるかに内容が濃くてオススメです。
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書いて稼ぐ技術 (平凡社新書 494) 新書 – 2009/11/14
永江 朗
(著)
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購入オプションとあわせ買い
ライターは名乗れば誰でもなれるが、それで食べていけるかが肝心。小説家や評論家になるための踏み台? 印税生活なんて幻想? 「文筆生活」を夢見る人におくる実践的キャリアデザイン術。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2009/11/14
- 寸法10.8 x 1 x 17.3 cm
- ISBN-10458285494X
- ISBN-13978-4582854947
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2009/11/14)
- 発売日 : 2009/11/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 458285494X
- ISBN-13 : 978-4582854947
- 寸法 : 10.8 x 1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,006,734位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,038位平凡社新書
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月2日に日本でレビュー済み
読了:2016年90冊(11月1冊)★3.3
2009/11/14 永江 朗 (著)
“(フリー)ライター”とは何か?という疑問にライターである著者が説明してくれる。ライターによるライターに関する本は何冊か読んできた。(『すぐに稼げる文章術』日垣隆、は良かったのは覚えている)
本書では、編集者をしていて、35歳でフリーランスになった著者が語ってくれるので、会社員とフリーとの違いにおいても良く分かる。一般的には謎?が多いであろうライターの仕事内容、儲けなどは面白かった。
中でも、「ゴーストライター」について。これを真っ向から書いてくれている。なんの衒いもなく、共同著者のように表現しているので、「確かにそうかぁ」とネガティブなイメージはほとんどなくなった。
過去に読んで感心した芸能人の本も実は誰かの執筆なのかなぁ、『非選抜アイドル』(仲谷明香)は「良く書けているなぁ」ととても関しながら読んでいたけれど、もしゴーストライターがいたら少し寂しい。苦笑
───フリーライターにとっても質問術とは、この鈍感力の裏返しといっていいでしょう。あたりまえのことを異常と感じ、自明なことをあえて問い直す。まずは過敏になることです。さらにいうならフリーライターにとって「あたりまえ」や「当然」は禁句です。「当たり前」「当然」「自然なこと」といった瞬間、思考停止に陥ってしまいます。(p.122)
2009/11/14 永江 朗 (著)
“(フリー)ライター”とは何か?という疑問にライターである著者が説明してくれる。ライターによるライターに関する本は何冊か読んできた。(『すぐに稼げる文章術』日垣隆、は良かったのは覚えている)
本書では、編集者をしていて、35歳でフリーランスになった著者が語ってくれるので、会社員とフリーとの違いにおいても良く分かる。一般的には謎?が多いであろうライターの仕事内容、儲けなどは面白かった。
中でも、「ゴーストライター」について。これを真っ向から書いてくれている。なんの衒いもなく、共同著者のように表現しているので、「確かにそうかぁ」とネガティブなイメージはほとんどなくなった。
過去に読んで感心した芸能人の本も実は誰かの執筆なのかなぁ、『非選抜アイドル』(仲谷明香)は「良く書けているなぁ」ととても関しながら読んでいたけれど、もしゴーストライターがいたら少し寂しい。苦笑
───フリーライターにとっても質問術とは、この鈍感力の裏返しといっていいでしょう。あたりまえのことを異常と感じ、自明なことをあえて問い直す。まずは過敏になることです。さらにいうならフリーライターにとって「あたりまえ」や「当然」は禁句です。「当たり前」「当然」「自然なこと」といった瞬間、思考停止に陥ってしまいます。(p.122)
2009年11月28日に日本でレビュー済み
自分も文筆で生活できるようになったらいいなと考えたことがあるが、実際には到底無理だと諦めている。
しかし、この手の本が出ると読むことにしている。
この本は、永江氏が書いて稼げるようになるまでの体験をベースに多少一般化して書いている。
本のタイトルには「技術」とあるが、具体的にああしろ、こうしろいうことは数多く触れてはいない。
この本の読み方としては、書いて稼げるようになるためには、どういう機会があるのか、その機会がめぐって来たときにどんな対処をすればいいかが書かれてある。こう思えばいいのではないか。
レビュアーとしては、永江氏の個性が出ていて面白かったし参考になることが多かった。
以下は参考になったことのメモ
・いやな仕事は断る
・テレビをみないことは大事
・名刺は持ち歩くこと
・楽な企画より他人がやらない苦労がまっている企画が編集者には好まれる
・単著があることが何よりも名刺になる
・得意分野を作ること
・タイトルが企画の命
・考え抜いて批評文を構想して書く
・検索したら下位のものをよく読むこと
しかし、この手の本が出ると読むことにしている。
この本は、永江氏が書いて稼げるようになるまでの体験をベースに多少一般化して書いている。
本のタイトルには「技術」とあるが、具体的にああしろ、こうしろいうことは数多く触れてはいない。
この本の読み方としては、書いて稼げるようになるためには、どういう機会があるのか、その機会がめぐって来たときにどんな対処をすればいいかが書かれてある。こう思えばいいのではないか。
レビュアーとしては、永江氏の個性が出ていて面白かったし参考になることが多かった。
以下は参考になったことのメモ
・いやな仕事は断る
・テレビをみないことは大事
・名刺は持ち歩くこと
・楽な企画より他人がやらない苦労がまっている企画が編集者には好まれる
・単著があることが何よりも名刺になる
・得意分野を作ること
・タイトルが企画の命
・考え抜いて批評文を構想して書く
・検索したら下位のものをよく読むこと
2009年11月22日に日本でレビュー済み
TBSラジオ「STREAM」書評のコーナーを楽しみに聞いていたので、
著書名「永江朗」に気づいたときには、
旧友と思いもかけない再会を果たしたような気分でした。
本書をフリーライターという職業のガイダンス本として読みました。
フリーライターという職業を始めるための段取り、
その仕事内容、仕事術、職業としての面白み、リスク、収入など、
出版界でのポジショニングも含めて、
フリーライターに関して網羅的にまとめられています。
これを読めば、フリーライターという職業の全体像は理解できます。
とは言え、具体的かと言えばそうではありません。
あくまでここに書かれているのは、
永江氏の経験や知見に基づく一般論(ガイダンス)です。
本書に書かれている通り、
フリーライターは色々な働き方ができて、
働きかたはこう、年収はこう、と書けない。
そういう当たり前の事実を説得力のある文章で説明してくれます。
永江氏のライター術的な読み方もできて、
資料集めやメモの取り方、取材術、本の処分のガイドラインなど、
プロの仕事ぶりが参考になりました。(4〜6章あたり)
極めて誠実な本です。
著書名「永江朗」に気づいたときには、
旧友と思いもかけない再会を果たしたような気分でした。
本書をフリーライターという職業のガイダンス本として読みました。
フリーライターという職業を始めるための段取り、
その仕事内容、仕事術、職業としての面白み、リスク、収入など、
出版界でのポジショニングも含めて、
フリーライターに関して網羅的にまとめられています。
これを読めば、フリーライターという職業の全体像は理解できます。
とは言え、具体的かと言えばそうではありません。
あくまでここに書かれているのは、
永江氏の経験や知見に基づく一般論(ガイダンス)です。
本書に書かれている通り、
フリーライターは色々な働き方ができて、
働きかたはこう、年収はこう、と書けない。
そういう当たり前の事実を説得力のある文章で説明してくれます。
永江氏のライター術的な読み方もできて、
資料集めやメモの取り方、取材術、本の処分のガイドラインなど、
プロの仕事ぶりが参考になりました。(4〜6章あたり)
極めて誠実な本です。
2009年11月25日に日本でレビュー済み
ずいぶん振りかぶったタイトルのわりには、中身は薄い。
フリーライターとして生きていくうえで必要なさまざまなこと;
どうやってなるか、どう仕事を得るか、取材の仕方、文章術、原稿料などの金銭面、などなど、
ひととおり解説しているのだが、そのどれもがつっこみ不足。
というか、なんだかエッセイのように、筆者の個人的経験や印象をかるーく書き流しているだけなので、
「技術」というわりには普遍的知識にならない。
もうちょっと自分の経験以外のことも「取材」しないと、説得力はないんじゃないか。
読んで得るところゼロとまでは思わないが、
全体に手抜き感がかなり漂う一冊。
フリーライターとして生きていくうえで必要なさまざまなこと;
どうやってなるか、どう仕事を得るか、取材の仕方、文章術、原稿料などの金銭面、などなど、
ひととおり解説しているのだが、そのどれもがつっこみ不足。
というか、なんだかエッセイのように、筆者の個人的経験や印象をかるーく書き流しているだけなので、
「技術」というわりには普遍的知識にならない。
もうちょっと自分の経験以外のことも「取材」しないと、説得力はないんじゃないか。
読んで得るところゼロとまでは思わないが、
全体に手抜き感がかなり漂う一冊。
2010年2月5日に日本でレビュー済み
書いて稼ぐ技術。
私に必要なのはそれなのよ、それ!と本など滅多に買わないのに
珍しくお金を出して書店にて購入。
しかし・・・。
新書だからといって簡単にお財布を開いてしまったのは
ちょっと早計だったかも知れません。
読めども読めども、書いて稼ぐ具体的な技術はないような・・・。
ご本人が「僕は左翼です」とか「僕はこういう雑誌で書いてます」とか
「僕の考え」は読むことが出来ます。
でも、読者である私たちは「僕」ではありません。
「僕」がどうやってライターとして現在までに至ったか、というのも
多少なりとも書かれていますが、それも「東京だからでしょ」とか
「たまたまでしょ」とか「そういう時代でしょ」という印象を
ぬぐうことが出来ませんでした。
多少なりとも得たこともありますが、
「書いて稼ぐ技術」と正々堂々と名乗っている以上、
もう少し具体的に書いて稼ぐ技術を教えていただきたかった、と思いました。
なので、ライターとしてこの1冊で!と思っている方には不向きで、
「ライターっつうのもちょっと関心があるけど、
どんなもんか読んでみるか」くらいの気持ちなら大丈夫だと思います。
それ以上を期待されるとちょっと厳しいかな、という印象です。
私に必要なのはそれなのよ、それ!と本など滅多に買わないのに
珍しくお金を出して書店にて購入。
しかし・・・。
新書だからといって簡単にお財布を開いてしまったのは
ちょっと早計だったかも知れません。
読めども読めども、書いて稼ぐ具体的な技術はないような・・・。
ご本人が「僕は左翼です」とか「僕はこういう雑誌で書いてます」とか
「僕の考え」は読むことが出来ます。
でも、読者である私たちは「僕」ではありません。
「僕」がどうやってライターとして現在までに至ったか、というのも
多少なりとも書かれていますが、それも「東京だからでしょ」とか
「たまたまでしょ」とか「そういう時代でしょ」という印象を
ぬぐうことが出来ませんでした。
多少なりとも得たこともありますが、
「書いて稼ぐ技術」と正々堂々と名乗っている以上、
もう少し具体的に書いて稼ぐ技術を教えていただきたかった、と思いました。
なので、ライターとしてこの1冊で!と思っている方には不向きで、
「ライターっつうのもちょっと関心があるけど、
どんなもんか読んでみるか」くらいの気持ちなら大丈夫だと思います。
それ以上を期待されるとちょっと厳しいかな、という印象です。
2011年12月7日に日本でレビュー済み
「不良のための読書術」「本の現場」などの著書があり、
雑誌に多数連載を持つ永江朗さんによる「フリーライターのすすめ」です。
永江さんがいうには出版不況の今だからこそ、フリーライターを目指すべき、と言います。
雑誌媒体も出版社自体も潰れる昨今は、身軽なフリーランスの方が良いと。
また「ライター」という肩書きにこだわらず、人々の「好奇心代行業」だとおもえば、
ネットやテレビやラジオなどいくつでも仕事場はあると主張されています。
それで、肝心要の「書いて稼ぐ技術」に関しては、批評やルポやゴーストライターの心得を書いたところはなるほどと思いましたが、ほかは「メモをこまめに取る」とか「編集者のところにこまめに足を運ぶ」といった基本的なことばかりで、特に目新しくはないです。ただ、よく考えるとこうした「当たり前のこと」(あと約束や時間を守るとか)をきちっとすれば、フリーライターという稼業はとりあえず成り立つのかも?と思いました。もちろんそこからステップアップするには、永江さんが指摘するように得意分野(永江さんの場合は出版業界やエロ)を持つなど、ハードルが高くなっていくのだと思いますが。
編集者という人間と向き合って成り立つ仕事である以上、フリーライターにとっても大事なのは人柄なのだと思います。
全文を通じて「こうしろ!」「これはダメ!」など押し付けがましい記述がないことも、永江さんがずっとフリーでやってこられている人柄というか、バランス感覚の表れじゃないかなと思いました。
雑誌に多数連載を持つ永江朗さんによる「フリーライターのすすめ」です。
永江さんがいうには出版不況の今だからこそ、フリーライターを目指すべき、と言います。
雑誌媒体も出版社自体も潰れる昨今は、身軽なフリーランスの方が良いと。
また「ライター」という肩書きにこだわらず、人々の「好奇心代行業」だとおもえば、
ネットやテレビやラジオなどいくつでも仕事場はあると主張されています。
それで、肝心要の「書いて稼ぐ技術」に関しては、批評やルポやゴーストライターの心得を書いたところはなるほどと思いましたが、ほかは「メモをこまめに取る」とか「編集者のところにこまめに足を運ぶ」といった基本的なことばかりで、特に目新しくはないです。ただ、よく考えるとこうした「当たり前のこと」(あと約束や時間を守るとか)をきちっとすれば、フリーライターという稼業はとりあえず成り立つのかも?と思いました。もちろんそこからステップアップするには、永江さんが指摘するように得意分野(永江さんの場合は出版業界やエロ)を持つなど、ハードルが高くなっていくのだと思いますが。
編集者という人間と向き合って成り立つ仕事である以上、フリーライターにとっても大事なのは人柄なのだと思います。
全文を通じて「こうしろ!」「これはダメ!」など押し付けがましい記述がないことも、永江さんがずっとフリーでやってこられている人柄というか、バランス感覚の表れじゃないかなと思いました。
2013年5月7日に日本でレビュー済み
出版業界やライターの日常が伝わってくる。名刺をつくる、できれば早めに自費出版でない著作を一冊出しそれを本当の名刺とするというのにはなるほどなぁと思った。
ただ、おそらくこういう本を読む人の最大の疑問はどう最初のコネをつくるかであると思うが、著者についてのどうライターになったかは書いてあるものの、これを読んだ人達がどう最初の取っ掛かりを手に入れるかについては満足いく内容ではないのではないかと感じた。
ただ、おそらくこういう本を読む人の最大の疑問はどう最初のコネをつくるかであると思うが、著者についてのどうライターになったかは書いてあるものの、これを読んだ人達がどう最初の取っ掛かりを手に入れるかについては満足いく内容ではないのではないかと感じた。