何故このような邦題を付けたのか日本の配給会社のセンスを疑うが、今作は戦争映画と言うよりもシルヴィオ・コルバリというパルチザンの英雄を描いた人間ドラマである。
派手なドンパチシーンは皆無、小火器による戦闘シーンがチラホラで戦車のような戦闘車両も殆ど姿を見せず。つまりアクションは地味。
ゆえに邦題に釣られていつもの無国籍アクションを期待すると肩透かしを食らうが、伊太利亜パルチザンの光と影を描いた非常に珍しい作品である。
独逸の傀儡政権伊太利亜社会共和国(RSI)の兵士たちが捕虜の素っ裸の男を追跡していたところへ偶然居合わせたコルバリ。
その捕虜を助けた事を切っ掛けにRSIの国家警察部隊打倒に立ち上がり、たった1人で地下抵抗運動(レジスタンス)を開始する。
親友のカザディ(アントニオ・ピオヴァネッリ)も加わり、最初は拳銃一丁と僅かな手榴弾だったが、次第に武器を奪い、やがて仲間がドンドン増えていく。
そこには後に恋人になる看護婦のイオス(ティナ・オーモン、大きな瞳!)もいた。
北イタリアのトレニヤノの町を最初の解放区とする事に成功したコルバリだったが国家警察部隊もコルバリに脅威を感じるようになり...と言うのが大まかな粗筋。
カサディが狂言回しのような役柄を演じ物語は進んでいきます。
内容はかなり悲惨で流石マカロニ作品だと変なところで唸らされます。
特に敵の銃撃で負傷したイオスがいきなり銃口を咥え、引き金を引くシーンは愕然とします。
実際は逮捕された他の同志と共に殺されるそうですが、映画では脚色されドラマチックに描かれています。
そしてラスト。TV放映時にはカットされていたコルバリと仲間たちの絞首刑シーンはやはり衝撃的。
しかし生き残った仲間であろう若者がじーっと眺めているそのシーンはパルチザンの抵抗運動は終わらせないという暗示的なエンディングとなっています。
特典映像のデジタル復刻パンフレットは字が余りにも小さくて何が書いてあるのか判別できず残念。
しかし「荒野の大活劇」のオリジナル予告編が収録されておりヴェリー・グッド!