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丹生都比売 単行本 – 1995/11/1
梨木 香歩
(著)
- 本の長さ197ページ
- 言語日本語
- 出版社河出興産
- 発売日1995/11/1
- ISBN-104875990731
- ISBN-13978-4875990734
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
持統天皇の治世を舞台に、丹生都比売という姫神と、水と、銀とに彩られた、草壁皇子の少年の日々を描く。
登録情報
- 出版社 : 河出興産 (1995/11/1)
- 発売日 : 1995/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 197ページ
- ISBN-10 : 4875990731
- ISBN-13 : 978-4875990734
- Amazon 売れ筋ランキング: - 315,844位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 53,463位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年生れ。著書に『西の魔女が死んだ』『裏庭』『丹生都比売(におつひめ)』『エンジェル エンジェル エンジェル』『りかさん』『からくりからくさ』『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『f植物園の巣穴』『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』等がある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友達に勧められて購入しました。歴史がまったくダメな私でも引き込まれていく。銀色の世界がとても美しく表現されています。『浜千鳥』という冒頭に書いてある歌の意味を調べてぜひ曲も聴いてみてください。より一層じーんときますよ。
2002年10月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古代ものだということで、とてもわくわくして読みました。
このサイトでは写真がでませんが、草木色の和紙の綺麗な装丁です。
ストーリーとしては、とても好きなタイプの物語でしたが、
草壁皇子の苦悩や大津皇子との関係など、
なにかもっとくどくど書き綴られているものが読みたい、
という気持ちになりました。
文体を童話調にしているので、あえてあっさり書かれているのだとは
思うのですが、なにか少し物足りない気がしました。
でも、ラストの持統天皇が号泣するシーンでは
綺麗な文体であるあまりにすさまじさを感じて、
泣かずにはいられませんでした。
とにかく綺麗な装丁、綺麗な物語でした。
このサイトでは写真がでませんが、草木色の和紙の綺麗な装丁です。
ストーリーとしては、とても好きなタイプの物語でしたが、
草壁皇子の苦悩や大津皇子との関係など、
なにかもっとくどくど書き綴られているものが読みたい、
という気持ちになりました。
文体を童話調にしているので、あえてあっさり書かれているのだとは
思うのですが、なにか少し物足りない気がしました。
でも、ラストの持統天皇が号泣するシーンでは
綺麗な文体であるあまりにすさまじさを感じて、
泣かずにはいられませんでした。
とにかく綺麗な装丁、綺麗な物語でした。
2003年7月14日に日本でレビュー済み
厳選されたことばを紡いで書かれており、書かれていない部分に対する微妙に不安定な感覚が、独特の雰囲気を作り上げているお話です。
読者はその「すきま」に、山間をわたる風や湧き出る水の音を聞くような気がします。
読み返すたびに新たな感覚を抱かせる、とても不思議な世界。
装丁が、高級なお抹茶の包みのようで美しいです(笑)
読者はその「すきま」に、山間をわたる風や湧き出る水の音を聞くような気がします。
読み返すたびに新たな感覚を抱かせる、とても不思議な世界。
装丁が、高級なお抹茶の包みのようで美しいです(笑)
2004年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
持統天皇、天智天皇、草壁皇子、大津皇子、大海人皇子…。日本史で出てくる有名な人たちですよね。学生時代を終えてずいぶんたつので、久しぶりに出会った気がして懐かしかったです。
感情を抑えて、あっさりと書かれているので、物足りなさも残りました。兄弟の確執、我が子に対する親の思いなど、もっと知りたい!
梨木さんの本はいくつか読みましたが、日本の歴史小説的ファンタジーは初めてです。他にもあるなら読んでみたいと思ったし、できればこの話の詳細版を出して欲しいとも思いました。
感情を抑えて、あっさりと書かれているので、物足りなさも残りました。兄弟の確執、我が子に対する親の思いなど、もっと知りたい!
梨木さんの本はいくつか読みましたが、日本の歴史小説的ファンタジーは初めてです。他にもあるなら読んでみたいと思ったし、できればこの話の詳細版を出して欲しいとも思いました。
2002年6月28日に日本でレビュー済み
強き母を持つ幼き頃の草壁皇子を描く歴史ファンタジーといってよい物語。忠実に史実を再現したのではなく,強すぎる母を持つ子の苦悩というテーマは現代にも通じるものがあります。厳しい母の期待に応えようとする幼い皇子がけなげです。強くあること以外にも優しさや感受性豊かな一面を大切に思う皇子。不思議な少女との出会い。一夏の山に抱かれる体験をとおして少年は大人への第一歩を踏み出してゆく。自然の大いなる母=丹生都比売の懐に抱かれて・・・。もしあなたが井上靖の「天平の甍」などの歴史好きならひと味違った味わいに驚かれるはず。また,歴史は好きじゃないという方でも,教科書に載っていた程度の知識で十分楽しめます。なにせ強烈な女帝持統天皇が出てくるのですから。ご一読を!
2004年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大海人皇子(おおあまおうじ)と大友皇子が、天智天皇崩御の後、皇位継承権を巡って戦った壬申の乱。話はその前年、671年の秋、大海人皇子を父に、鵜野讃良皇女(うののさららのひめみこ ※鵜の字が違ってますが)を母に持つ草壁皇子が、恐ろしい夢を見るところから始まります。
不穏な空気が立ちこめる吉野の宮で、少年の草壁皇子は、キサと名づけた言葉の不自由な女の子と出会います。そして、草壁皇子はキサから、銀(しろがね)の光を放つ勾玉(まがたま)をもらうのですが……。
透明な静けさを帯びた空気の中で、草壁皇子の孤独な気持ちがひたひたと胸に迫ってきた物語でした。殊に、自分とは違う気質の母親、鵜野讃良皇女(後の持統天皇)に向けられた草壁皇子の眼差しに、哀しみと寂しさが湛えられていたところに、切ない気持ちにさせられました。
表題の「丹生都比売」(におつひめ)とは、水銀(みずがね)を産し、清らかな水が流れている吉野の地を統べているご神霊、姫神さまの名前です。
出版された梨木さんの作品としては、『西の魔女が死んだ』に続く二冊目になるのでしょうか。抹茶アイス色した本の装幀も素敵。でも、物語の色合いとしては、草壁皇子がキサからもらった勾玉の銀色、鏡のようなきらめきを放つその銀の色が心に残ります。
不穏な空気が立ちこめる吉野の宮で、少年の草壁皇子は、キサと名づけた言葉の不自由な女の子と出会います。そして、草壁皇子はキサから、銀(しろがね)の光を放つ勾玉(まがたま)をもらうのですが……。
透明な静けさを帯びた空気の中で、草壁皇子の孤独な気持ちがひたひたと胸に迫ってきた物語でした。殊に、自分とは違う気質の母親、鵜野讃良皇女(後の持統天皇)に向けられた草壁皇子の眼差しに、哀しみと寂しさが湛えられていたところに、切ない気持ちにさせられました。
表題の「丹生都比売」(におつひめ)とは、水銀(みずがね)を産し、清らかな水が流れている吉野の地を統べているご神霊、姫神さまの名前です。
出版された梨木さんの作品としては、『西の魔女が死んだ』に続く二冊目になるのでしょうか。抹茶アイス色した本の装幀も素敵。でも、物語の色合いとしては、草壁皇子がキサからもらった勾玉の銀色、鏡のようなきらめきを放つその銀の色が心に残ります。
2002年10月14日に日本でレビュー済み
歴史小説とか、児童文学とか、ファンタジーとか、そういうことは一切考えないで読んでみてください。史実も、どうでもいいです。忘れてしまって、心のなかをまっしろにして、この世界に入ってみてください。澄んだ水の音とか、失われた緑とか、そういうものがイメージできるはずです。枠に填めたくない、いつまでもこころのなかで反響するような、そんな物語です。確かに児童文学で、活字も大きめですが、子どもたちよりも大人に、よりお薦めしたいです。
2008年5月3日に日本でレビュー済み
明るい太陽のもとを歩むことが似合う輝く人がいる。
他方で、闇の中にひっそりと光る魂を練り上げる人もいる。
月光に慰められ、星の光に導かれ、陽光に憧れながらも諦める人もいる。
梨木香歩の鋭敏な感覚は、闇に隠れて身を守る人の痛みを、静かに掬い取る。
壊れやすいものをそうっと取り上げ、美しいまま紙の上に広げてみせる。
草壁皇子という歴史上にひっそりと名前を残す子どもが主人公だ。
他の梨木作品と共通して、母と子の葛藤と和解が大きな主題である。
実の母親と、どうにも折り合いがつかないことがある。
愛している。愛されている。それなのに、埋め尽くせない、鬼の巣食う隙間ができる。
草壁皇子は、母親の多面性に戸惑いながら、引き受けていく。
よい母でも、悪い母でもなく、その両方を持つ母親という世界を、我が身を賭して受け容れる。
もはやまったき母親はいないという諦念の哀しみだけが残されるとしても、おそらく哀しみだけが憎悪や怨恨を乗り越える力を持つのだ。
美しくも切ない物語だった。
他方で、闇の中にひっそりと光る魂を練り上げる人もいる。
月光に慰められ、星の光に導かれ、陽光に憧れながらも諦める人もいる。
梨木香歩の鋭敏な感覚は、闇に隠れて身を守る人の痛みを、静かに掬い取る。
壊れやすいものをそうっと取り上げ、美しいまま紙の上に広げてみせる。
草壁皇子という歴史上にひっそりと名前を残す子どもが主人公だ。
他の梨木作品と共通して、母と子の葛藤と和解が大きな主題である。
実の母親と、どうにも折り合いがつかないことがある。
愛している。愛されている。それなのに、埋め尽くせない、鬼の巣食う隙間ができる。
草壁皇子は、母親の多面性に戸惑いながら、引き受けていく。
よい母でも、悪い母でもなく、その両方を持つ母親という世界を、我が身を賭して受け容れる。
もはやまったき母親はいないという諦念の哀しみだけが残されるとしても、おそらく哀しみだけが憎悪や怨恨を乗り越える力を持つのだ。
美しくも切ない物語だった。