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ポスト消費社会のゆくえ (文春新書 633) 新書 – 2008/5/20

3.5 5つ星のうち3.5 22個の評価

戦後日本の消費社会の実像と、ポスト産業社会のあるべき姿を問う。社会学者・上野千鶴子氏と元セゾングループ総帥の白熱の対談!
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2008/5/20)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/5/20
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 321ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4166606336
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4166606337
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 22個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2013年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
バブルが始まる前ぐらいの時期、西武セゾングループが
大変輝いて見えた時期があった。その当時、セゾングループ
の経営者:堤清二氏が書かれたものを拝読すると、
時にひどく抽象的、形而上学的で難解な文言にぶつかり、
頭の悪い筆者などは理解不能?な部分もあった

この本は、堤氏がそういった言辞を弄する度に、
上野氏がやさしく言い直してくれているので、
私のような、お馬鹿でも分かり易くて助かります。

やっと私のような全くの外部のものでも、彼が
経営者として何を考え、何を行ってきたのかが
少し分かってきました。

この本を読んで、私なりに理解したことは以下の通り

1)堤氏が共産党に入党し、除名された過去を持っていたこと。

2)滋賀県知事として、当時主流だったリンを使用した
  合成洗剤を禁止し、いわゆる無リン洗剤が使用される
  契機となった条例を策定して名を馳せ、後に中央政界に
  進出して新党さきがけ代表を務めた、武村正義氏と
  仲が良いこと

3)経営者としては、社会民主主義的な理想に燃えた経営を
  実践したこと

4)バブルが崩壊前は、自分の経営に自信を持っており、
  上野氏のような外部の気鋭の学者を登用して、西武に
  批判的に書いても良い、異例の社史を刊行していたこと

5)まだ、バリバリの経営者現役時代、劇場という
  ハコモノだけ作ってしまったが、上演する
  ソフトが無く、困り果てた友人武村氏の懇請を受け、
  知り合いの有名劇団に連絡を取って、上演にこぎ
  つけたこと。つまり、超多忙な経営者でありながら、
  元々、彼のやりたかった、文化、芸能方面に
  相当に時間を割き、そちらの交友関係も相当な
  ものであったこと

6)共産党への入党も、西武百貨店で実行した社会民主
  主義的な改革も、父である堤康次郎への反発が多分に
  あったこと。父親が亡くなり、西武百貨店が一流企業と
  目されるようになってきてからは、本当は文学の世界で
  生きていきたかった人なので、引退の機会を伺ってきたが、
  バブルの崩壊が重なって引き際を逸してしまったこと

7)経営者としての堤清二と文人、辻井喬の二重生活を
  続けるため、時間を生み出すには、グループ企業の
  役員をしていると、取締役会に毎日出席することに
  なりかねず都合が悪かったため、グループ総帥だが
  どの企業の役員にもならなかったのではないか?と
  思われるのだが、「女性を安く使い倒してきましたね!」
  みたいな容赦ない切り込みを見せる上野氏もこの件に
  関しては腰が引けていて、「私は借金して土地を買うな
  と言っていたのだが、グループ企業の筆頭株主であっても、
  取締役でもないので、誰も言うことを聞かなかった」
  という堤氏の他人事のような弁明をそのまま受け入れて
  いるのが残念である

「ポストと消費社会のゆくえ」なんて、いかにも
堤氏の喜びそうではあるが、一般の方の琴線には
触れそうも無い題名にしたせいで、売れ行きが
芳しくなく、再販されないので、
内容は非常におもしろいですが、☆−2とします
担当編集者は☆1個でも良いくらいですね
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
堤清二と上野千鶴子の対談。ある時代状況が企業や文化の興隆・没落をもたらす過程を鋭くえぐり出す。堤清二が28歳で店長に就任した西武百貨店は、1975年から82年を経て黄金時代を迎え、「じぶん、新発見」「不思議、大好き」「おいしい生活」「ほしいものが、ほしいわ」といったパルコのポスターは、特定の商品宣伝ではなく、指示対象をもたない広告シニフィアンそのものが大受けした。これは稀有の現象であり、多様な商品を一定の空間に集め(百貨店)、一流ブランドのテナントを一箇所に集める(パルコ)という「空間プロデュース」が消費者の欲望にマッチしたからである。だが「時代に乗っかった者は、必ず時代に追い越される」(上野 p106)。エルメスもヴィトンもサンローランも、百貨店から出て独立の専門店舗をもち、他方では、スーパー、コンビニ、量販店などが、目的に応じた機能を果たすようになると、「空間プロデュース」としての百貨店はその輝きを失う。一方の上野は、彼女個人の成長期が日本社会の高度成長期と重なったことに、「将来は現在よりもよくなるという楽観論」を伴う「団塊世代のメンタリティ」を見る。全共闘世代の上野は連合赤軍事件によって、また、軍国少年だった堤は敗戦によって、ともにある時代の「理想」崩壊を体験したシニシズムを共有した。堤と三島由紀夫は親友で、「楯の会」の制服は堤と西武のプロデュースだが(p278)、二人を結び付けるのもある種の複雑なシニシズムなのだ。本書は、よくある世代還元論とは違い、まさにセゾンの当事者が、人間や企業の「形成期メンタリティ」と時代との共振やズレを多角的に捉えているので、優れた消費社会論、文化社会論になっている。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年8月10日に日本でレビュー済み
「本書は『セゾンの失敗』の、たんなる検証ではない。日本の近代がどう成り立ち、戦後
消費社会がどのように誕生し、爛熟し、崩壊したか、それを一企業の歴史、一企業人の
生涯を通じて、追体験してもらうためのものだ」。

「堤清二さんは対談を拒否し、代わって辻井喬さんが対談を受けいれてくださった。その
とおり、本書の共著者名は、辻井喬となっている」。
 本書の真価はまさにこの点にある。めくっていくとひたすらに印象的なのは、回顧の
いちいちがポジティヴな意味で他人事。私小説が退屈な私語りへと帰着することなく、
一般性、共有可能性へと開くための客観性が辻井、あるいは堤を支配していることを
知らされる。上野はこのことを辻井の堤に対する「自己批評意識の人格化」として説明
するが、それは若干正確性を欠く。
「流されて、流されて」との自己分析がすべてで、彼においては行為主体としての意識が
そもそも欠落していて、すべてが観察されるべき対象として把握されることとなる。無論、
観察対象としては己とてその例外にあたるものではない。この性質が辻井の作家性を
幸運にも担保しているのだ(こうした事態を指して、例えば
加藤周一 は「私はそもそもの
はじめから、生きていたのではなく、眺めていた」と見事に表現している)。
 辻井がこの喪失感を埋め合わせんとすれば、それはただひとつ、本書でも認めている
ように、父・康次郎を持ち出さずには決着すまい。その限りにおいて、このテキストは
父の肖像 』と併せて読まれるべき一冊。

「権力の正当性は統治される側の国民」との表現は「正統性」の誤りだし、「旧世代型の
中間組織は全部信頼をなくした」としてその一例に「家族」を組み入れるが、それは
あくまでイエ制度、家父長制の瓦壊であって、現代的な核家族モデルは必ずしも
その範疇にはない、ボトムアップの優位性、
wisdom of crowds の理解、称賛の仕方が
やや極端すぎる、など粗さは至る所に目立つものの、消費社会、ポスト消費社会の
解釈としては総じて概ね適当で、
宮台 の言っていることが実はあまりよく分かって
いないという方への手引きなんかにも役立つことがあるかもしれない。
 少なくとも本書の上野はそこまでバカじゃない、それもまた密かな収穫のひとつ。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年6月7日に日本でレビュー済み
 上野千鶴子を聞き役(ナビゲーター)として、セゾングループの総帥だった
辻井喬(=堤清二)に百貨店という大衆消費社会の仕組み(成り立ち)や経営
思想等を語らしめた一冊。

 上野先生の切れ味は(ちょっと遠慮しているかなと感じるところもありますが)
鋭いです。それがより奥深いところを聞き出すことに成功しています。

 類書で語られている話題もあるのでしょうが、一マーケティング論との面白さ
は言うに及ばす(ターゲットの明確化とそれに応じたマーケティングの取組。
趣味を兼ねたたとは言え、文化方面に投資することで企業イメージの向上にも
繋がった)、一企業の歴史としても(セゾンの歴史も多角化の歴史だ)、そして
一社会論(思想といった方が正しいか?)としても面白いです。

・百貨店は何故伸びて、そして今は縮んでいるのか?
・文化事業に手を出した理由−メセナでは無く
・言われる前から男女同権をめざした西武百貨店
・宣伝の重要性
・セゾンが失敗した理由
・ナショナリズムや共産主義に資本主義、思想を巡る冒険

 ・・・等。

 ただ、どうも思想を扱う本(部分)というのはその形態を問わず、一般人を
寄せ付けない感があります。「メタ何々」とか「シニシズム」とか普通の人は
分かるのか?

 辞書で調べればいいでしょ、という指摘は理解出来ます。確かに知らない
言葉は自分で辞書を引かないと覚えません。でも、新書といった一般向けの
本で学術用語っぽい言葉を使う必要があるのか?とも思うのです。
そこが(本の内容とは関係ありませんが)読み易さの面でちょっと不親切だと
感じた次第です。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート