2008年初版。脳科学の茂木健一郎氏と武術からカラダを知る甲野善紀氏の対談本です。推薦文を書かれている養老孟司氏のどうやら取り持ったご縁の様な気もする。科学的な事を専門とする茂木氏と、世間からはむしろ科学的な事から一番離れた処に居る様に感じられる甲野氏の組み合わせだが、前半はどうも話しが乗って来ない。
バカ社長とバカ社長に贔屓されている出しゃばり社員の話しをかなり丁寧に甲野氏が説明して居る部分が有り、この部分は他の本より分り易かった。体幹力(胴体力)を如何に引き出すか、と言うポイントであったのだが、甲野氏が技をかけ解説をしたが、茂木氏にはどうもお分かり頂けなかったようだ。第一章「カラダの同時並列性と化学」は茂木氏の発言が甲野氏の発言の二分の1に終わリ、やや押され気味か、関心が薄かったのか…。
第二章「欲望の力」では少し乗りが見える。火事場の馬鹿器用辺りから歯車が噛み合い、正直読んでいる方もホッとした。虐め、笑い、生命力の発露、とモチーフは面白いが、折角乗り掛けたお二人なので、もう少し掘り下げる事が面白さを倍増したのではないでしょうか。以降は対談本としてはサラリ、と読めますが、読んだ後に何が残ったか、と言うと…。
結局、お互いの面白さを発見し得なかったのではないでしょうか。言葉では大人ですから合わせていますが、伝わって来るものが少なかったのです。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
響きあう脳と身体 (木星叢書) 単行本(ソフトカバー) – 2008/10/3
養老孟司氏推薦!
「二人で“バカの壁”の取扱説明書を書いてもらったような、そんな印象を受けた」
脳科学の知見と、武術の奥義が響きあって、人間の能力が極限まで開花する!
かたや脳科学者、かたや武術家。脳のプロフェッショナルと身体のプロフェッショナルが、人間が持つ無限の可能性について、がっぷり四つに組んで語り合った。
現代科学のはらむ問題、脳科学の可能性と限界、「火事場のばか力」が生まれるメカニズム、脳のリミッターをはずす方法、身体を通した教育の必要性、Google的知性と身体知との対決……などなど、脳と身体にかかわるさまざまなトピックが飛び交う、脳科学の最前線を知る男と、武術的身体運用を究めた男の、知の交響楽。
「二人で“バカの壁”の取扱説明書を書いてもらったような、そんな印象を受けた」
脳科学の知見と、武術の奥義が響きあって、人間の能力が極限まで開花する!
かたや脳科学者、かたや武術家。脳のプロフェッショナルと身体のプロフェッショナルが、人間が持つ無限の可能性について、がっぷり四つに組んで語り合った。
現代科学のはらむ問題、脳科学の可能性と限界、「火事場のばか力」が生まれるメカニズム、脳のリミッターをはずす方法、身体を通した教育の必要性、Google的知性と身体知との対決……などなど、脳と身体にかかわるさまざまなトピックが飛び交う、脳科学の最前線を知る男と、武術的身体運用を究めた男の、知の交響楽。
- 本の長さ209ページ
- 言語日本語
- 出版社バジリコ
- 発売日2008/10/3
- ISBN-104862381103
- ISBN-13978-4862381101
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
甲野善紀(こうの・よしのり)
東京都生まれ。1978年、武術稽古研究会松聲館を設立。以来、他流儀や異分野との交流を通して、現在では失われた精妙な古伝の術理を探求しつつ、武術の研究を行っている。著書に『身体を通して時代を読む』(小社)、『身体から革命を起こす』(新潮文庫)、『古武術で毎日がラクラク』(祥伝社)など多数。
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)
1962年東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。著書に『脳を活かす勉強法』(PHP)、『ひらめき脳』(新潮新書)など多数。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。
東京都生まれ。1978年、武術稽古研究会松聲館を設立。以来、他流儀や異分野との交流を通して、現在では失われた精妙な古伝の術理を探求しつつ、武術の研究を行っている。著書に『身体を通して時代を読む』(小社)、『身体から革命を起こす』(新潮文庫)、『古武術で毎日がラクラク』(祥伝社)など多数。
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)
1962年東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。著書に『脳を活かす勉強法』(PHP)、『ひらめき脳』(新潮新書)など多数。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : バジリコ (2008/10/3)
- 発売日 : 2008/10/3
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 209ページ
- ISBN-10 : 4862381103
- ISBN-13 : 978-4862381101
- Amazon 売れ筋ランキング: - 625,616位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,702位教育学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1962年、東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学特別研究教授。東京大学理学部、法学部卒業後、 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。2005年、『脳と仮 想』で、第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 15歳の寺子屋 ひとり遊びのススメ (ISBN-13: 978-4062162678 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2009年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
甲野師範の対談本を読むと、稽古会で技の効きを試されている姿を思い浮かべてしまう。
甲野師範の近年の他の対談に比べると、異なる領域の人に対して間合いを計りつつ丁寧に踏み込んでいる感があっておもしろい。その結果、茂木さんがついつい引き込まれて「ほんとうのこと」をちらっと見せる瞬間がある。茂木さんのふわーっとした語り口が苦手で、今ひとつつかみ所がなかったのだが、この本で茂木さんのコアをちょっとだけ見た気がした。
ただ、この対談の成果としてはいまひとつ。
未知の領域の手前に立ちふさがる壁(バカの壁ではない)の前まで行って、2人でわからんねえとうなずきあって帰ってきたと言う程度。茂木さんは甲野師範の身体感覚をつかみきることはできず、甲野師範は茂木さんの核心の問いを理解することができないままお開きを迎えたという感があり、それで星4つ。
甲野師範が「脳の身体運動」のような概念について、誤解を恐れずに踏み込んで言及されると相当におもしろかったのではないかと思う。
(大変わかりにくいレビューになってしまいました。反省。。)
甲野師範の近年の他の対談に比べると、異なる領域の人に対して間合いを計りつつ丁寧に踏み込んでいる感があっておもしろい。その結果、茂木さんがついつい引き込まれて「ほんとうのこと」をちらっと見せる瞬間がある。茂木さんのふわーっとした語り口が苦手で、今ひとつつかみ所がなかったのだが、この本で茂木さんのコアをちょっとだけ見た気がした。
ただ、この対談の成果としてはいまひとつ。
未知の領域の手前に立ちふさがる壁(バカの壁ではない)の前まで行って、2人でわからんねえとうなずきあって帰ってきたと言う程度。茂木さんは甲野師範の身体感覚をつかみきることはできず、甲野師範は茂木さんの核心の問いを理解することができないままお開きを迎えたという感があり、それで星4つ。
甲野師範が「脳の身体運動」のような概念について、誤解を恐れずに踏み込んで言及されると相当におもしろかったのではないかと思う。
(大変わかりにくいレビューになってしまいました。反省。。)
2012年4月22日に日本でレビュー済み
甲野氏が本書で言っている「同時並列性」。
よく考えてみれば当たり前の内容だが、日頃の生活では気づきにくいことを教えてくれる。
また、記憶に残った言葉としては、
「運命は完璧に決まっていると同時に完璧に自由である。」
自分の中の無意識を感化してくれる本です。
よく考えてみれば当たり前の内容だが、日頃の生活では気づきにくいことを教えてくれる。
また、記憶に残った言葉としては、
「運命は完璧に決まっていると同時に完璧に自由である。」
自分の中の無意識を感化してくれる本です。
2010年11月7日に日本でレビュー済み
現在、科学や社会や精神を扱う分野で、ある限界が見えてきている。
それは論理的で時系列があり言語で記述できるものの限界である。
「こうするとこうなる」に対しての信仰が強くなりすぎ、
この法則にあてはめることの出来ない、複雑な事象を無視している弊害といえる。
人の脳や身体はコンピューターではとても処理しきれない莫大な情報を、同時並列的に無意識に処理してしまうのである。
膨大な情報量を持つ「複雑系」を人の意識が認識することができれば、各分野の限界が解除され劇的に変化するだろう。
その鍵は脳を含めた自分の身体が握っている。
「集中と拡散が同時にあるような感覚じゃないかと思うんです。」P54
それは論理的で時系列があり言語で記述できるものの限界である。
「こうするとこうなる」に対しての信仰が強くなりすぎ、
この法則にあてはめることの出来ない、複雑な事象を無視している弊害といえる。
人の脳や身体はコンピューターではとても処理しきれない莫大な情報を、同時並列的に無意識に処理してしまうのである。
膨大な情報量を持つ「複雑系」を人の意識が認識することができれば、各分野の限界が解除され劇的に変化するだろう。
その鍵は脳を含めた自分の身体が握っている。
「集中と拡散が同時にあるような感覚じゃないかと思うんです。」P54
2011年3月5日に日本でレビュー済み
何となく手に取ったので(失礼ながら)
さしたる期待もせず読み進めたが、
見事に裏切られた。
身体の同時並列性という、途方もなく複雑なメカニズムに
比べれば、現代の科学が解明できていることは
あまりに少ないという。
にもかかわらず、社会に蔓延する異常とも思える科学信仰、
マニュアル化に著者たちは疑問の目を向ける。
生半可な理解で「とりあえず」わかっても、
それは本質的な解決から遠ざかるばかりだ、と。
甲野氏が実践しているような、
いろんな筋肉を同時にパラレルに動かすということを
知的なレベルでもやっていく必要がある、
という茂木氏の指摘はなるほどと思った。
対談本にありがちな薄味な読後感はまったくなく、
多くの刺激と気付きを与えてくれる一冊。
だがこの面白さを言葉にするのは難しい。
世間の「常識」に染まりがちで、
自分は小さくまとまっているという
自覚症状がある人に、ぜひおすすめしたい。
さしたる期待もせず読み進めたが、
見事に裏切られた。
身体の同時並列性という、途方もなく複雑なメカニズムに
比べれば、現代の科学が解明できていることは
あまりに少ないという。
にもかかわらず、社会に蔓延する異常とも思える科学信仰、
マニュアル化に著者たちは疑問の目を向ける。
生半可な理解で「とりあえず」わかっても、
それは本質的な解決から遠ざかるばかりだ、と。
甲野氏が実践しているような、
いろんな筋肉を同時にパラレルに動かすということを
知的なレベルでもやっていく必要がある、
という茂木氏の指摘はなるほどと思った。
対談本にありがちな薄味な読後感はまったくなく、
多くの刺激と気付きを与えてくれる一冊。
だがこの面白さを言葉にするのは難しい。
世間の「常識」に染まりがちで、
自分は小さくまとまっているという
自覚症状がある人に、ぜひおすすめしたい。
2009年1月12日に日本でレビュー済み
最初は甲野氏の科学批判からはじまり、少し話がかみ合ってないのかなと感じもしたが、後半になるに従って議論が深まり、現代文明の問題点を克服するための身体性の重要性について示唆に富む対談になっている。
いくらでも代替可能なデジタル情報をベースとした現代文明は、かけがえのない「個人」という存在を脅かしている。そのような現代文明に対して、代替不可能でそのままデジタル情報に変えて伝えることのできない生身の人間が持つ身体性が対抗軸としていかに重要か。それを甲野氏は武術家の視点から、茂木氏は科学者の視点から明らかにしていく。
ネットサーフィンしてメールしてipodで音楽聞くばっかりしてないで、直接色んな人に会って、自分で料理作ったり、野山に入ってみたり、自分の身体で感じることが絶対必要なのだ。
誰もが持っている脳と身体の潜在力に気付き、自由になるために。
いくらでも代替可能なデジタル情報をベースとした現代文明は、かけがえのない「個人」という存在を脅かしている。そのような現代文明に対して、代替不可能でそのままデジタル情報に変えて伝えることのできない生身の人間が持つ身体性が対抗軸としていかに重要か。それを甲野氏は武術家の視点から、茂木氏は科学者の視点から明らかにしていく。
ネットサーフィンしてメールしてipodで音楽聞くばっかりしてないで、直接色んな人に会って、自分で料理作ったり、野山に入ってみたり、自分の身体で感じることが絶対必要なのだ。
誰もが持っている脳と身体の潜在力に気付き、自由になるために。
2018年6月29日に日本でレビュー済み
養老孟司氏推薦!
「二人で“バカの壁”の取扱説明書を書いてもらったような、そんな印象を受けた」
だって?
二人ともバカだということでしょうか?
確かにこの対談はお互いに一家言ある者同士ですが、
話は深くならず、お互いに相手の言うことは聞き流しながら、
言いたいことを言っているだけのような気がします。
主に茂木さんが甲野さんの話の聞き役になっていて、
ただ感心しているだけです。
武術以外の甲野さんの科学、哲学についての意見はちょっと稚拙です。
茂木さんの哲学、人間についての意見もちょっと稚拙です。
対談も後半になって、いつもの「クオリア」の話が出てきますが、
言っていることは、ジョージ・エドワード・ムーアの「外界の存在証明」以上のものではありません。
もっとも、甲野さんの昔の日本人の身体運動の研究はもっと注目を集めて、広がってもいいと思います。
他の国にも現代の西洋体育的でない身体運動があるのか非常に気になります。
文字だけで残すのも難しいでしょうから、後継者は必須ですね。
息子さんがやられているようですので、ちょっと安心しました。
「二人で“バカの壁”の取扱説明書を書いてもらったような、そんな印象を受けた」
だって?
二人ともバカだということでしょうか?
確かにこの対談はお互いに一家言ある者同士ですが、
話は深くならず、お互いに相手の言うことは聞き流しながら、
言いたいことを言っているだけのような気がします。
主に茂木さんが甲野さんの話の聞き役になっていて、
ただ感心しているだけです。
武術以外の甲野さんの科学、哲学についての意見はちょっと稚拙です。
茂木さんの哲学、人間についての意見もちょっと稚拙です。
対談も後半になって、いつもの「クオリア」の話が出てきますが、
言っていることは、ジョージ・エドワード・ムーアの「外界の存在証明」以上のものではありません。
もっとも、甲野さんの昔の日本人の身体運動の研究はもっと注目を集めて、広がってもいいと思います。
他の国にも現代の西洋体育的でない身体運動があるのか非常に気になります。
文字だけで残すのも難しいでしょうから、後継者は必須ですね。
息子さんがやられているようですので、ちょっと安心しました。
2010年7月11日に日本でレビュー済み
茂木健一郎、甲野善紀というそれぞれの分野の第一人者の対談は、二人の言説が上手くスイングして(編集の妙もあってのことだとは思いますが)、スリリングな知の発見に満ち溢れています。
他の媒体でも発言しているかもしれませんが、各人がそれぞれよくされる批判に関しての回答、を示しているのは興味深い。
両者とも、自分の専門領域に関しての研究の途上にいることを自覚しているので、発言していることは今現在での「正解と思われるものである」ということでは共通している。なので、これを読んだら知識の習得は完了、というような了見ではこの本に書かれた内容は生かせない、と思います。
他の媒体でも発言しているかもしれませんが、各人がそれぞれよくされる批判に関しての回答、を示しているのは興味深い。
両者とも、自分の専門領域に関しての研究の途上にいることを自覚しているので、発言していることは今現在での「正解と思われるものである」ということでは共通している。なので、これを読んだら知識の習得は完了、というような了見ではこの本に書かれた内容は生かせない、と思います。