小泉八雲の作品は絵本からハードカバーまでいろいろと出版されていますし、訳者のかたもたくさんお見えですが、私はこの上田和夫/訳版が一番好きです。
淡々とした語り口で、物語に引き込まれます。何度も読み返せる名著だと思います。
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小泉八雲集 (新潮文庫) 文庫 – 1975/3/18
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ろくろ首、雪おんな、耳なし芳一、日本の怪しを旅する。
ラフカディオ・ハーンの代表作48編を収録。
日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
【目次】
『影』(Shadowings)
和解(The Reconciliation)
衝立の乙女(The Screen-Maiden)
死骸にまたがる男(The Corpse-Rider)
弁天の同情(The Sympathy of Benten)
鮫人の恩返し(The Gratitude of the Samebito)
『日本雑記』(A Japanese Miscellany)
守られた約束(Of a Promise Kept)
破られた約束(Of a Promise Broken)
果心居士のはなし(The Story of Kwashin Koji)
梅津忠兵衛のはなし(The Story of Umetsu Chubei)
漂流(Drifting)
『骨董』(Kotto)
幽霊滝の伝説(The Legend of Yurei-Daki)
茶碗の中(In a Cup of Tea)
常識(Common Sense)
生霊(Ikiryo)
死霊(Shiryo)
おかめのはなし(The Story of O-kame)
蠅のはなし(Story of a Fly)
雉子のはなし(Story of a Pheasant)
忠五郎のはなし(The Story of Chugoro)
土地の風習(A Matter of Custom)
草ひばり(Kusa-Hibari)
『怪談』(Kwaidan)
耳なし芳一のはなし(The Story of Mimi-Nashi-Hoichi)
おしどり(Oshidori)
お貞のはなし(The Story of O-Tei)
乳母ざくら(Ubazakura)
かけひき(Diplomacy)
食人鬼(Jikininki)
むじな(Mujina)
ろくろ首(Rokuro-Kubi)
葬られた秘密(A Dead Secret)
雪おんな(Yuki-Onna)
青柳のはなし(The Story of Aoyagi)
十六ざくら(Jiu-Roku-Zakura)
安芸之助の夢(The Dream of Akinosuke)
力ばか(Riki-Baka)
『天の川物語その他』(The Romance of the Milky Way and Other Studies and Stories)
鏡の乙女(The Mirror Maiden)
『知られぬ日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan)
弘法大師の書(The Writing of Kobodaishi)
心中(Shinju)
日本人の微笑(The Japanese Smile)
『東の国より』(Out of the East)
赤い婚礼(The Red Bridal)
『心』(Kokoro)
停車場にて(At a Railway Station)
門付け(A Street Singer)
ハル(Haru)
きみ子(Kimiko)
『仏陀の国の落穂』(Gleanings in Buddha-Fields)
人形の墓(Ningyo-no-Haka)
『霊の日本にて』(In Ghostly Japan)
悪因縁(A Passional Karma)
因果ばなし(Ingwa-Banashi)
焼津にて(At Yaidzu)
注解・解説・年譜:上田和夫
小泉八雲(1850-1904)
本名ラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn)。ギリシア生れ。父親はアイルランド出身のイギリス陸軍軍医。イギリスとフランスで教育を受け、1869年に渡米し、各地で新聞記者を務めた。1890年「ハーパー」誌特派員として来日。松江中学教師に転じ、小泉セツと結婚。熊本の五高に転任後、神戸に移り執筆に専心する。1895年日本に帰化し、小泉八雲と改名する。その後、東京帝国大学、早稲田大学の講師として英文学を教え、精力的に日本紹介の筆をとった。
上田和夫
1928年金沢生れ。東大英文科卒業。元研究社出版編集担当、元明星大学教授。訳書に『小泉八雲集』『シェリー詩集』『D.H.ロレンス詩集』A.L.モートン『イギリス・ユートピア思想』など多数。編著に『イギリス文学辞典』『20世紀英語文学辞典(共編)』がある。
ラフカディオ・ハーンの代表作48編を収録。
日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
【目次】
『影』(Shadowings)
和解(The Reconciliation)
衝立の乙女(The Screen-Maiden)
死骸にまたがる男(The Corpse-Rider)
弁天の同情(The Sympathy of Benten)
鮫人の恩返し(The Gratitude of the Samebito)
『日本雑記』(A Japanese Miscellany)
守られた約束(Of a Promise Kept)
破られた約束(Of a Promise Broken)
果心居士のはなし(The Story of Kwashin Koji)
梅津忠兵衛のはなし(The Story of Umetsu Chubei)
漂流(Drifting)
『骨董』(Kotto)
幽霊滝の伝説(The Legend of Yurei-Daki)
茶碗の中(In a Cup of Tea)
常識(Common Sense)
生霊(Ikiryo)
死霊(Shiryo)
おかめのはなし(The Story of O-kame)
蠅のはなし(Story of a Fly)
雉子のはなし(Story of a Pheasant)
忠五郎のはなし(The Story of Chugoro)
土地の風習(A Matter of Custom)
草ひばり(Kusa-Hibari)
『怪談』(Kwaidan)
耳なし芳一のはなし(The Story of Mimi-Nashi-Hoichi)
おしどり(Oshidori)
お貞のはなし(The Story of O-Tei)
乳母ざくら(Ubazakura)
かけひき(Diplomacy)
食人鬼(Jikininki)
むじな(Mujina)
ろくろ首(Rokuro-Kubi)
葬られた秘密(A Dead Secret)
雪おんな(Yuki-Onna)
青柳のはなし(The Story of Aoyagi)
十六ざくら(Jiu-Roku-Zakura)
安芸之助の夢(The Dream of Akinosuke)
力ばか(Riki-Baka)
『天の川物語その他』(The Romance of the Milky Way and Other Studies and Stories)
鏡の乙女(The Mirror Maiden)
『知られぬ日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan)
弘法大師の書(The Writing of Kobodaishi)
心中(Shinju)
日本人の微笑(The Japanese Smile)
『東の国より』(Out of the East)
赤い婚礼(The Red Bridal)
『心』(Kokoro)
停車場にて(At a Railway Station)
門付け(A Street Singer)
ハル(Haru)
きみ子(Kimiko)
『仏陀の国の落穂』(Gleanings in Buddha-Fields)
人形の墓(Ningyo-no-Haka)
『霊の日本にて』(In Ghostly Japan)
悪因縁(A Passional Karma)
因果ばなし(Ingwa-Banashi)
焼津にて(At Yaidzu)
注解・解説・年譜:上田和夫
小泉八雲(1850-1904)
本名ラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn)。ギリシア生れ。父親はアイルランド出身のイギリス陸軍軍医。イギリスとフランスで教育を受け、1869年に渡米し、各地で新聞記者を務めた。1890年「ハーパー」誌特派員として来日。松江中学教師に転じ、小泉セツと結婚。熊本の五高に転任後、神戸に移り執筆に専心する。1895年日本に帰化し、小泉八雲と改名する。その後、東京帝国大学、早稲田大学の講師として英文学を教え、精力的に日本紹介の筆をとった。
上田和夫
1928年金沢生れ。東大英文科卒業。元研究社出版編集担当、元明星大学教授。訳書に『小泉八雲集』『シェリー詩集』『D.H.ロレンス詩集』A.L.モートン『イギリス・ユートピア思想』など多数。編著に『イギリス文学辞典』『20世紀英語文学辞典(共編)』がある。
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1975/3/18
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101094012
- ISBN-13978-4101094014
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1975/3/18)
- 発売日 : 1975/3/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 496ページ
- ISBN-10 : 4101094012
- ISBN-13 : 978-4101094014
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 108,942位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2022年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本に古くから伝わる民話、説話、怪談などを集めた小品集。着想は『今昔物語』や『日本霊異記』などの古典によっているものが多いようだ。ただどこまでがオリジナルでどの部分が八雲によるアレンジなのかは不明。他に日本人の風俗や習慣に関する考察を述べたものなど小泉八雲の業績の多様さを反映した内容となっている。代表作はすべて網羅されているようなので初めて八雲の作品に触れるには丁度いいかも。民話などには所謂オチのあるものもあればないものもあり、オチのない話には肩透かしをくらったような気分になるが、まそれはそれで魅力。読みやすい口語体。なのだけれど(原文は英語)度量衡が英語のままとはどういうのことなのだろう?ポンドとかフィートとかそのまま出てきて興ざめさせられた。泉鏡花作品のような幻想文学的な雰囲気には乏しいものの、子どもの頃、大正生まれの祖母が寝室で語ってくれた昔話をふと思い出させてくれた。
2022年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
不勉強で知らなかったのですが、小泉八雲は怪談を英文で書いており、日本で知られているのは、その翻訳です。
そして、例えばある箇所では他の翻訳で「大蛙」となっているところが、この書の翻訳では「蝦蟇(ガマ)」となっていて、翻訳の違いが物語の雰囲気をかなり変えるように思われます。
そういう点でこの書の翻訳の信頼度は高いのではないかと思います。
そして、例えばある箇所では他の翻訳で「大蛙」となっているところが、この書の翻訳では「蝦蟇(ガマ)」となっていて、翻訳の違いが物語の雰囲気をかなり変えるように思われます。
そういう点でこの書の翻訳の信頼度は高いのではないかと思います。
2020年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数-十数ページの短い日本の怪談・伝説(フィクション)と、明治期の人々の習慣や物語(おそらくノンフィクション)がいくつかまとめられています。
怪談パートは言い伝えがたくさん紹介されていて面白いです。すごい短かったりオチがつかめないものがあったりしますが、言い伝えなので。
後半は、西洋人への日本文化の紹介という形をとっていますが、今となっては逆に日本人にとって(感情は理解できるけれども)エキゾチックにすら感じられるのではないでしょうか。
怪談パートは言い伝えがたくさん紹介されていて面白いです。すごい短かったりオチがつかめないものがあったりしますが、言い伝えなので。
後半は、西洋人への日本文化の紹介という形をとっていますが、今となっては逆に日本人にとって(感情は理解できるけれども)エキゾチックにすら感じられるのではないでしょうか。
2017年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小泉八雲は大好きです。どの作品も凄く楽しく読めて良かったです😆🎵🎵
2013年8月18日に日本でレビュー済み
本書には、1和解、2衝立の女、3死骸にまたがる男、4弁天の同情、5鮫人の恩返し、6守られた約束、7破られた約束、8果心居士のはなし、9梅津忠兵衛のはなし、10漂流、11幽霊滝の伝説、12茶椀の中、13常識、14生霊、15死霊、16おかめのはなし、17蝿のはなし、18雉子のはなし、19忠五郎のはなし、20土地の風習、21草ひばり、22耳なし芳一のはなし、23おしどり、24お貞のはなし、25乳母ざくら、26かけひき、27食人鬼、28むじな、29ろくろ首、30葬られた秘密、31雪おんな、32青柳のはなし、33十六ざくら、34安芸之介の夢、35力ばか、36鏡の乙女、37弘法大師の書、38心中、39日本人の微笑、40赤い婚礼、41停車場にて、42門付け、43ハル、44きみ子、45人形の墓、46悪因縁、47因果ばなし、48焼津にて、以上48の話が収められています。
まず有名な「耳無し芳一」の部分を比べてみます。「小泉八雲集」新潮文庫では、「数百年前、この赤間が関に、芳一という盲人が住んでいた。この男は、琵琶の弾きがたりで名を知られていた。幼時から、琵琶を教え込まれたのである。そして、まだ子供のうちから、すでに師をしのいでいた。本職の琵琶法師として彼は、おもに平家と源氏の物語をかたることで有名になった。そして、壇ノ浦の合戦の段をかたらせると、『鬼神も涙をとどめえなかった』といわれている。」となってますが。
「怪談・奇談」講談社学術文庫 怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集) では、「何百年か前に赤間関には芳一という名の盲人が住んでいた。琵琶を弾いて語るのが上手なことで名が知られた。幼い時から芸を仕込まれていたので、まだ若者のうちに師匠たちを凌駕してしまったのだという。琵琶法師として身を立てたが、源平の物語を語るのがとくに上手で、芳一が壇ノ浦の戦さの段を語る様子は、『鬼神ヲモ泣カシム』といわれたほどである。」となってます。
「妖怪・妖精譚 小泉八雲コレクション」ちくま文庫 妖怪・妖精譚 小泉八雲コレクション (ちくま文庫) では、「数何百年か前、赤間関に芳一という名の盲が住んでおりました。芳一は、琵琶を奏でながら吟じるのが巧みなことで知られていました。幼い頃から、琵琶の弾き語りを学び、少年の頃には、早くも師匠たちを凌ぐ腕前になっていました。本職の琵琶法師となってからは、なによりも源平の物語を吟じることで名を馳せるようになりました。ことに、壇の浦の合戦の段を語るときには、『鬼神も涙を流さずにいられぬ』と言われるほどでした。」となってます。
読者によって好き嫌いはあるでしょうが、本書も悪くないと思います。
ところで6番目の「守られた約束」は、他二つの書では「菊花の約」とか「菊花の契り」と題され、26番目の「かけひき」は「策略」と題され、36番目の「鏡の乙女」は「鏡の少女」と題され、46番目の「悪因縁」は「宿世の恋」とか「牡丹燈籠」と題されています。
「とうとう、わたしどもは別荘を出て、谷中の三崎の小さな家へ移りました。いまでは、ささやかな内職などして、どうにかかつかつ暮らしをつけております。」これは「悪因縁」からの一節ですが、講談社学術文庫の「怪談・奇談」の「宿世の恋」の一説では「それで私どもはあの別荘を出まして、今は谷中の三崎の、雨露をしのぐばかりの小さな家に隠れ住み、つまらぬ内証ごとを致しております。」個人的には後者の訳の方が好みなのだが。
さて、15番目の死霊、18番目の雉子のはなし、20番目の土地の風習、21番目の草ひばり、35番目の力ばか、36番目の鏡の乙女、37番目の弘法大師の書、38番目の心中、39番目の日本人の微笑、40番目の赤い婚礼、41番目の停車場にて、42番目の門付け、43番目のハル、44番目のきみ子、45番目の人形の墓、48番目の焼津にての16の話は、本書文庫だけの掲載です。「日本人の微笑」は八雲の日本人論です。『外国人で、日本人の顔の特徴が、たいてい幸せそうに微笑んでいるのに気づかぬものはない。〜。−苦痛や、恥辱や、失望に陥ったときなど−にさいしても、同じ微笑を浮かべている〜。〜。実際、在留外人と日本人の使用人とのあいだのいざこざの多くは、この微笑のためなのである。』「焼津にて」は八雲の私小説とでもいうことでしょうか。
まず本書新潮文庫の良い点は、他の二書と異なって”日本”の記述しかないのがよいです。また、一番高価なちくま文庫が2.8センチの厚さ、講談社学術文庫が2.1センチの厚さに対し、本書新潮文庫は1.8センチの厚さと薄いものの値段が一番安く他の二書と比較して高価でなく購入しやすい価格設定という点も良い点です。
まず有名な「耳無し芳一」の部分を比べてみます。「小泉八雲集」新潮文庫では、「数百年前、この赤間が関に、芳一という盲人が住んでいた。この男は、琵琶の弾きがたりで名を知られていた。幼時から、琵琶を教え込まれたのである。そして、まだ子供のうちから、すでに師をしのいでいた。本職の琵琶法師として彼は、おもに平家と源氏の物語をかたることで有名になった。そして、壇ノ浦の合戦の段をかたらせると、『鬼神も涙をとどめえなかった』といわれている。」となってますが。
「怪談・奇談」講談社学術文庫 怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集) では、「何百年か前に赤間関には芳一という名の盲人が住んでいた。琵琶を弾いて語るのが上手なことで名が知られた。幼い時から芸を仕込まれていたので、まだ若者のうちに師匠たちを凌駕してしまったのだという。琵琶法師として身を立てたが、源平の物語を語るのがとくに上手で、芳一が壇ノ浦の戦さの段を語る様子は、『鬼神ヲモ泣カシム』といわれたほどである。」となってます。
「妖怪・妖精譚 小泉八雲コレクション」ちくま文庫 妖怪・妖精譚 小泉八雲コレクション (ちくま文庫) では、「数何百年か前、赤間関に芳一という名の盲が住んでおりました。芳一は、琵琶を奏でながら吟じるのが巧みなことで知られていました。幼い頃から、琵琶の弾き語りを学び、少年の頃には、早くも師匠たちを凌ぐ腕前になっていました。本職の琵琶法師となってからは、なによりも源平の物語を吟じることで名を馳せるようになりました。ことに、壇の浦の合戦の段を語るときには、『鬼神も涙を流さずにいられぬ』と言われるほどでした。」となってます。
読者によって好き嫌いはあるでしょうが、本書も悪くないと思います。
ところで6番目の「守られた約束」は、他二つの書では「菊花の約」とか「菊花の契り」と題され、26番目の「かけひき」は「策略」と題され、36番目の「鏡の乙女」は「鏡の少女」と題され、46番目の「悪因縁」は「宿世の恋」とか「牡丹燈籠」と題されています。
「とうとう、わたしどもは別荘を出て、谷中の三崎の小さな家へ移りました。いまでは、ささやかな内職などして、どうにかかつかつ暮らしをつけております。」これは「悪因縁」からの一節ですが、講談社学術文庫の「怪談・奇談」の「宿世の恋」の一説では「それで私どもはあの別荘を出まして、今は谷中の三崎の、雨露をしのぐばかりの小さな家に隠れ住み、つまらぬ内証ごとを致しております。」個人的には後者の訳の方が好みなのだが。
さて、15番目の死霊、18番目の雉子のはなし、20番目の土地の風習、21番目の草ひばり、35番目の力ばか、36番目の鏡の乙女、37番目の弘法大師の書、38番目の心中、39番目の日本人の微笑、40番目の赤い婚礼、41番目の停車場にて、42番目の門付け、43番目のハル、44番目のきみ子、45番目の人形の墓、48番目の焼津にての16の話は、本書文庫だけの掲載です。「日本人の微笑」は八雲の日本人論です。『外国人で、日本人の顔の特徴が、たいてい幸せそうに微笑んでいるのに気づかぬものはない。〜。−苦痛や、恥辱や、失望に陥ったときなど−にさいしても、同じ微笑を浮かべている〜。〜。実際、在留外人と日本人の使用人とのあいだのいざこざの多くは、この微笑のためなのである。』「焼津にて」は八雲の私小説とでもいうことでしょうか。
まず本書新潮文庫の良い点は、他の二書と異なって”日本”の記述しかないのがよいです。また、一番高価なちくま文庫が2.8センチの厚さ、講談社学術文庫が2.1センチの厚さに対し、本書新潮文庫は1.8センチの厚さと薄いものの値段が一番安く他の二書と比較して高価でなく購入しやすい価格設定という点も良い点です。
2023年4月6日に日本でレビュー済み
どれも15分程度で読める短編・随想だが、内容は極めて濃密で、永く記憶に残りそうな傑作ばかり。
完全オリジナルではないとはいえ、これだけ面白く創作できるというのはやはり凄い。
こういうのを読むと、無駄な描写や修辞だらけの長ったらしい小説を読むのが馬鹿らしくなってしまう。
有名な「怪談」には、ドッキリ映像の元ネタと思しき怖い(時には笑える)小話も収録されている。
「怪談」以外にも、例えば心中についてのエッセイがあり、これがまた日本人の琴線に触れる素晴らしい出来栄えとなっている。
当時の日本文化を西洋人目線で考察している評論などからは、当たり前すぎて普段は気にも留めない日本人の性向にも気づかされた。
松江の記念館を訪れた際に興味をそそられ、その勢いで久方ぶりにこの著者の作品群に接したが、結果的に旅も読書も非常に実りある体験となりました。
完全オリジナルではないとはいえ、これだけ面白く創作できるというのはやはり凄い。
こういうのを読むと、無駄な描写や修辞だらけの長ったらしい小説を読むのが馬鹿らしくなってしまう。
有名な「怪談」には、ドッキリ映像の元ネタと思しき怖い(時には笑える)小話も収録されている。
「怪談」以外にも、例えば心中についてのエッセイがあり、これがまた日本人の琴線に触れる素晴らしい出来栄えとなっている。
当時の日本文化を西洋人目線で考察している評論などからは、当たり前すぎて普段は気にも留めない日本人の性向にも気づかされた。
松江の記念館を訪れた際に興味をそそられ、その勢いで久方ぶりにこの著者の作品群に接したが、結果的に旅も読書も非常に実りある体験となりました。