小林多喜二原作の『蟹工船』は、最初に「まんがで読破」版で読み、次にビデオで山村総監督の映画を見た。いずれ原作も読もうと思っていたら、週刊金曜日が雨宮処凛の解説付きで新刊を出した。どうせ読むならコレがイイ、ってんで読んでみた。
まず最初に雨宮の解説を読んだが、ん〜さすが処凛!よく現在のワーキングプア問題に蟹工船を引き付けて書いている。それも例の如く勢いのある口語日本語だ。「それって、カニコーじゃん!」ってフレーズは収穫だった。
次に愈々、多喜二の本文だ。かつて文庫本で読もうとしたが、そのキツイ方言だらけの晦渋な文体に数ページで挫折したシロモノ。が、、、今回は活字も大きく語注も本文ページ末に組み込んであり、うん、読める読める♪一週間くらいかけて、少しずつ読んでいこうかと覚悟していたが、なんと二晩で通読してしまった。
確かに方言だらけの読みにくい文章だが、先に漫画や映画でイメージをつかんでいると、かなり読み進めるのが楽になる。漫画も中々面白かったが、やはりラストはこの原作版が一番だね。だって希望あるもん!心の中で「よーし、やったぜ〜♪」と叫んだ。
最後に野崎氏の解題を読んだが、なんだか専門的で独りよがりの文章であらでもがなであった。そおいえば、語注のほうもなんだか恣意的・趣味的で、分かりにくい語句に必ずしも注が無く、別に本文読解に必ずしも必要無さそうな、書誌学的注釈が多かった。
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小林多喜二蟹工船 単行本 – 2008/7/1
小林 多喜二
(著)
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- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社金曜日
- 発売日2008/7/1
- ISBN-104906605443
- ISBN-13978-4906605446
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登録情報
- 出版社 : 金曜日 (2008/7/1)
- 発売日 : 2008/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 190ページ
- ISBN-10 : 4906605443
- ISBN-13 : 978-4906605446
- Amazon 売れ筋ランキング: - 48,152位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,159位日本文学
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年2月16日に日本でレビュー済み
2013年11月19日に日本でレビュー済み
プロレタリア文学という冠を外して、一人でも多くの人に一日でも早く読んでほしい。
「おい、地獄さ、行くんだで!」東北訛りの冒頭の一行からぐいぐいと作品世界にひきこまれた。
船内の様子、労働者の体臭、荒れ狂う極北の海、すべてを見事に描ききっている。
まず一篇の小説として先入観をすてて読んでみよう。作品の力が時代背景、小林多喜二の
人物像、現代社会の闇へとあなたの興味を広げるだろう。
雨宮処凛の解説は的を得ているが、野崎六助の文は少々迷路のようだ。要素を盛りすぎて視点がぼやけてしまった。
蟹工船は読み継がれ、第二第三の雨宮らを生みだし、その時代時代の解説文が書きつなげられるだろう。
それは本当は悲しむべき現象に違いない。
出来ればプロレタリア文学の冠そのままに古典として扱える社会が築かれるのが望ましいのだ。
「おい、地獄さ、行くんだで!」東北訛りの冒頭の一行からぐいぐいと作品世界にひきこまれた。
船内の様子、労働者の体臭、荒れ狂う極北の海、すべてを見事に描ききっている。
まず一篇の小説として先入観をすてて読んでみよう。作品の力が時代背景、小林多喜二の
人物像、現代社会の闇へとあなたの興味を広げるだろう。
雨宮処凛の解説は的を得ているが、野崎六助の文は少々迷路のようだ。要素を盛りすぎて視点がぼやけてしまった。
蟹工船は読み継がれ、第二第三の雨宮らを生みだし、その時代時代の解説文が書きつなげられるだろう。
それは本当は悲しむべき現象に違いない。
出来ればプロレタリア文学の冠そのままに古典として扱える社会が築かれるのが望ましいのだ。
2008年7月22日に日本でレビュー済み
「蟹工船」というタイトルは歴史の授業で一度は聞いたことがあると思います。プロレタリア文学の代表作として複数の出版社から出版され、最近ではワーキングプアなどの問題からブームが再燃してますが、こちらではブームの火付け役であり、ワーキングプア、プレカリアートの問題で活躍している雨宮処凛先生の解説が付いてます。
実際に読む以前の「蟹工船」の認識は、戦前の労働現場の悲惨さを書いたものという程度で、読んだら鬱になると思ってましたが、悲惨さの他に希望もあるというので読んでみました。
作中では予想した通り、労働者が蟹工船内の劣悪な環境でこき使われた挙げ句、死ぬと水葬、つまり海に投げ捨てられるという、地獄のような有様ですが、そんな中で労働者たちが団結して会社側の監督たちに対抗し、ラストではささやかな勝利を収めるという話で、確かに希望はありますね。
けど、この本は本編が終わったら、更に雨宮先生ともう一人による解説がありまして、解説とは言ってもブームの火付け役によるものですからもう一つの目玉と言っていいでしょう。こちらでは戦前の「蟹工船」と、現代のワーキングプアなどの問題との対比について様々な実例を交えて書いてあります。これらを見ると、「蟹工船」は未だに過去の話ではないのだとつくづく思い知らされます。
実際に読む以前の「蟹工船」の認識は、戦前の労働現場の悲惨さを書いたものという程度で、読んだら鬱になると思ってましたが、悲惨さの他に希望もあるというので読んでみました。
作中では予想した通り、労働者が蟹工船内の劣悪な環境でこき使われた挙げ句、死ぬと水葬、つまり海に投げ捨てられるという、地獄のような有様ですが、そんな中で労働者たちが団結して会社側の監督たちに対抗し、ラストではささやかな勝利を収めるという話で、確かに希望はありますね。
けど、この本は本編が終わったら、更に雨宮先生ともう一人による解説がありまして、解説とは言ってもブームの火付け役によるものですからもう一つの目玉と言っていいでしょう。こちらでは戦前の「蟹工船」と、現代のワーキングプアなどの問題との対比について様々な実例を交えて書いてあります。これらを見ると、「蟹工船」は未だに過去の話ではないのだとつくづく思い知らされます。