この本が出版されてから、すでに5年経ちます。しかし、問題解決どころか
超高齢社会を支える社会システム自体が追いつかず、未だ模索状態です。
今年から団塊の世代の皆さんが数字上では高齢者世代に加わります。
2005年から高齢化率が世界1位をKeepしたままの日本の行方を世界の国々が
そっと見つめています。
【本の内容とは別ですが^^;】
1. 昔の日本のように家族3世代で生活ができたら、高齢者のかたも愛する家族や
友人たちと離れ離れに暮らさなくても済むのにという思いがあります。住宅事情
や結婚や就労場所などの色々な事情があり、核家族化が進み世代の違う家族が
離れ離れに暮らしているのだと思います。家族だって本当は、施設で暮らす親に
対して後ろめたい気持ちや悲しさをもっいるのだと思います。
2. 現在、都知事選で各候補が超高齢社会の対策を述べておりますが、理想論だけ
はなく実現するための具体的な方法を明確に示してほしいです。
候補者A氏
土地を購入して、設備の整った建物をたて、高齢者は低層階・若い世帯は高層階
に住めるように。とおっしゃっていました。
それだけで問題解決できるのでしょうか?同じ建物に住む若い世帯に期待するの
であれば、まず高齢者の特徴(身体的・精神的・疾病など)を理解していただく必要が
あるのではないでしょうか?行政として、どのようにすれば高齢者と若い世帯の人々
が安心・安全に生活できるのか、その基盤作りをしなければ混乱を生みます。
最近では、介護福祉施設での介護者による利用者への虐待が問題になっています。
何故、福祉職(人が幸せになるお手伝いをすることを志す人)が虐待をしてしまうのか?
それは介護者個人の資質も関係あると思いますが、一番の原因は「虐待を許す、環境」
だと考えます。職員が自分の職務に対する意識・責任を理解できていない、あるいは
理解していても実践できる環境ではないということが考えられます。
専門職の集まる施設において虐待があるのですから、高齢者を理解できていない
集団の中に交えたらどうなってしまうのか?リスクマネジメントをして、そこで生活
する高齢者・若い世帯の皆さんのストレスマネジメントもできる環境を整えることも
必要だと思います。
各候補者の超高齢社会の対策の理想論と一緒に具体的な方法を知りたいです。
候補者B氏
24時間対応の訪問看護・介護ので高齢者の地域生活を支える。とおっしゃっていま
した。
24時間対応するための人材を確保できるのでしょうか?すでに熱い心で取り組んで
いた人達もいます。しかし、働く人も「人」です。その人自身の家族や生活があります。
取り組む人数が少ないうえに、過酷な労働で人は去り、組織は撤退または潰れてしまう。
それでも新たにチャレンジする志の高い人達もいます。
問題は、その人達だけに頼っていてもいいのでしょうか?
国は「介護は、施設から在宅へ」という目標をもち、推し進めています。その目標を
実現するためには、在宅介護についての問題収集および解決方法などもお考えでしょうか?
介護は、在宅(地域)でするための基盤作りができるまで、その人たちの取組みが継続
できるよう支援する必要があると思います。
そのための制度や協力する人やシステム構築が必要なのではないでしょうか?
3. そして一番問題なことは、高齢者を支える専門職の人材が不足していることです。
国は、介護福祉士を増やしたいと考えているのに入口を狭くしています。実際に養成校へ
入学する生徒は年々減少しています。国は何をしたいのでしょうか?
もし私が関係者なら入口は広くして、介護福祉士を増やし、その中で一人一人の強みを
活かせる部門を任せ、さらにランク別にして知識や技術が向上する楽しみをもてる環境
作りを致します。また、要介護者や家族、関係者と協力しながら地域の人にも高齢者を
理解していただけるよう交流会や勉強会を開催します。
今の私には、これ位しか思い浮かびませんが、もっと色々な方々のアイデアを集めれば
良い方が見つかると思います。
厚生労働省で国民の意見を集められるようH/Pに超高齢社会に関してのアイデアを募集したり、
ある一般市民を集い交流会をすれば良いのにと思ってしまう、今日この頃です。

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高齢者医療難民 (PHP新書 569) 新書 – 2008/12/16
吉岡 充 村上 正泰
(著)
構造改革、財政再建=「病気のお年寄りは早く死んでください」!?
医療と介護の分断をただちに止めよ!
施行直後から大混乱が生じている後期高齢者医療制度。見直しの目途が
いまだ立たないなか、財政再建の名の下に、今度は療養病床の大幅削減が
ひそかに実施されようとしている。十分なケアを受けられないまま行き場をなくす
11万人の“医療難民”。まるで「病気のお年寄りは、無駄な医療費を使わずに
早く死んでください」と言っているかのように……。いったいなぜなのか?
高齢者医療の難問に立ち向かってきた現場の医師と、医療制度改革に携わった
元官僚が、「医療崩壊」が叫ばれる危機的な状況に一石を投じる。
【項目例】
1章)「介護療養病床の廃止」問題とは何か
2章)「介護療養病床の廃止」になぜ反対なのか
3章)「医療・介護難民」を生じさせないために
4章)療養病床23万床削減決定の舞台裏
5章)後期高齢者医療制度の問題点etc.
医療と介護の分断をただちに止めよ!
施行直後から大混乱が生じている後期高齢者医療制度。見直しの目途が
いまだ立たないなか、財政再建の名の下に、今度は療養病床の大幅削減が
ひそかに実施されようとしている。十分なケアを受けられないまま行き場をなくす
11万人の“医療難民”。まるで「病気のお年寄りは、無駄な医療費を使わずに
早く死んでください」と言っているかのように……。いったいなぜなのか?
高齢者医療の難問に立ち向かってきた現場の医師と、医療制度改革に携わった
元官僚が、「医療崩壊」が叫ばれる危機的な状況に一石を投じる。
【項目例】
1章)「介護療養病床の廃止」問題とは何か
2章)「介護療養病床の廃止」になぜ反対なのか
3章)「医療・介護難民」を生じさせないために
4章)療養病床23万床削減決定の舞台裏
5章)後期高齢者医療制度の問題点etc.
- ISBN-10456970591X
- ISBN-13978-4569705910
- 出版社PHP研究所
- 発売日2008/12/16
- 言語日本語
- 本の長さ203ページ
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2008/12/16)
- 発売日 : 2008/12/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 203ページ
- ISBN-10 : 456970591X
- ISBN-13 : 978-4569705910
- Amazon 売れ筋ランキング: - 788,420位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月4日に日本でレビュー済み
高齢者の医療問題を立場の違う2人が記述している。
本書により法改正の様子を追体験することで、読者は高齢者の医療問題が抱える構造的な欠陥を実感できるだろう。
1人目の著者である吉岡充氏は医療従事者である。
介護療養病床を極端に、しかも急激に減らすことにより、高齢の患者が強制的に退院させられ、受け入れ先が亡くなる問題を取り上げている。
厚生労働省の諮問会議や検討会などで、医療側の提出データが異なる目的で利用されたり、何度も厚労省に陳情したりした経験を実名入りで告発している。それは、結論ありきで進められる医療制度改悪を止められなかった悔しさと本気で医療に取り組む関係者の苦悩を丁寧に描いている。
2人目の著者である村上正泰氏は元財務官僚である。厚労省に出向中に、ちょうど介護療養病床削減の法律作成の現場を目の当たりにした。その様子を当時の小泉総理や奥田経団連会長の名前を出して生々しく語る。厚労省の縦割り、骨太の方針という名の財政再建計画、経団連や財政諮問会議が打ち出す要求に、次第に追い詰められて削減の目標数値を出すことを余儀無くされた様子が描いている。
初めて医療問題に関する本を読んだので、制度の名称などの馴染みのない用語に戸惑った。しかし、まずはそこを理解しないことには複雑すぎる問題を理解できない。複雑さを隠れ蓑に国民の目をそらそうとする人がいるなら、国民も現状を良く知ったほうが良い。
本書により法改正の様子を追体験することで、読者は高齢者の医療問題が抱える構造的な欠陥を実感できるだろう。
1人目の著者である吉岡充氏は医療従事者である。
介護療養病床を極端に、しかも急激に減らすことにより、高齢の患者が強制的に退院させられ、受け入れ先が亡くなる問題を取り上げている。
厚生労働省の諮問会議や検討会などで、医療側の提出データが異なる目的で利用されたり、何度も厚労省に陳情したりした経験を実名入りで告発している。それは、結論ありきで進められる医療制度改悪を止められなかった悔しさと本気で医療に取り組む関係者の苦悩を丁寧に描いている。
2人目の著者である村上正泰氏は元財務官僚である。厚労省に出向中に、ちょうど介護療養病床削減の法律作成の現場を目の当たりにした。その様子を当時の小泉総理や奥田経団連会長の名前を出して生々しく語る。厚労省の縦割り、骨太の方針という名の財政再建計画、経団連や財政諮問会議が打ち出す要求に、次第に追い詰められて削減の目標数値を出すことを余儀無くされた様子が描いている。
初めて医療問題に関する本を読んだので、制度の名称などの馴染みのない用語に戸惑った。しかし、まずはそこを理解しないことには複雑すぎる問題を理解できない。複雑さを隠れ蓑に国民の目をそらそうとする人がいるなら、国民も現状を良く知ったほうが良い。
2010年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
医療崩壊の真犯人 (PHP新書) を書いた
村上 正泰 氏のデビュー作
4章)療養病床23万床削減決定の舞台裏
5章)後期高齢者医療制度の問題点etc.
を担当している。
1章)「介護療養病床の廃止」問題とは何か
2章)「介護療養病床の廃止」になぜ反対なのか
3章)「医療・介護難民」を生じさせないために
は介護療養病床での医療を実践され、若月賞も受賞された
吉岡 充氏が書かれている。
抑制廃止の議論もされている方。それに関しては当方の
不勉強もありここでは言及はしない。
当方は急性期脳卒中を診ているが、
急性期と亜急性期のみをカバーしているのみで、
長期にわたる慢性期に関してはズブの素人。
慢性期の管理が行き届かなくなると、当然脳卒中の再発や
肺炎などをきたしてまた急性期病院へ逆戻りということになるのはわかる。
他の文献にあたっていないので、本書で挙げられている問題点
を把握しただけで随分知識が増えた気がした。
補強となる文献や逆に対立軸となる文献にもあたろうかと思う。
村上 正泰 氏のデビュー作
4章)療養病床23万床削減決定の舞台裏
5章)後期高齢者医療制度の問題点etc.
を担当している。
1章)「介護療養病床の廃止」問題とは何か
2章)「介護療養病床の廃止」になぜ反対なのか
3章)「医療・介護難民」を生じさせないために
は介護療養病床での医療を実践され、若月賞も受賞された
吉岡 充氏が書かれている。
抑制廃止の議論もされている方。それに関しては当方の
不勉強もありここでは言及はしない。
当方は急性期脳卒中を診ているが、
急性期と亜急性期のみをカバーしているのみで、
長期にわたる慢性期に関してはズブの素人。
慢性期の管理が行き届かなくなると、当然脳卒中の再発や
肺炎などをきたしてまた急性期病院へ逆戻りということになるのはわかる。
他の文献にあたっていないので、本書で挙げられている問題点
を把握しただけで随分知識が増えた気がした。
補強となる文献や逆に対立軸となる文献にもあたろうかと思う。
2018年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村上先生の生の声を聴き、大変興味を持ちました。
2008年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルに惹かれて購入したが、高齢者医療・介護に長年携わってきた医師と医療制度改革を担当した元官僚が高齢者医療の問題点を赤裸々に綴っており、大変読み応えがあった。こういう組み合わせで書かれた本は他に見たことがなく、きわめてユニークだ。著者の一人の村上正泰氏は、厚生労働省に出向した経験を持つ元財務官僚であり、霞が関の政策決定現場の実態を紹介しながら、療養病床削減がいかに縦割り行政の中で十分な議論のないままに、机上の空論で決められたかを論じていて、興味深かった。高齢者医療が国民的な問題になっているが、この医療現場と政策決定現場からの問題提起は、すべての国民に読まれるべきだろう。
2009年6月1日に日本でレビュー済み
これからの介護・医療にどのような現象が起きるのかを知っておきたくて購入通読
読んでみると、行政が医療・介護についてどのような方向を目指しているかを、社会的入院、病床是正、後期高齢者医療制度などをキーワードに説明してくれていいて、それがこれからの医療・介護にどのように影響を与えていくかを説明してくれている。病床を是正することにより、社会的入院の数を減らす。その基準として介護病床の医療区分を基準としていることに問題があり、もし、病床数を減らすことを実施すると、最適な施設に患者が入院できなくなる。その数が10万人以上にあたると。現状でそれらの人々を受け入れる、受け皿施設は有料介護施設、介護施設にあたるが、それらの整備も利用者に満足のいくサービスが提供できる状態ではないと述べている。
現在、そして未来に起きる医療・介護業界の問題を適格に説明してくれている書籍になっていると思います。
読んでみると、行政が医療・介護についてどのような方向を目指しているかを、社会的入院、病床是正、後期高齢者医療制度などをキーワードに説明してくれていいて、それがこれからの医療・介護にどのように影響を与えていくかを説明してくれている。病床を是正することにより、社会的入院の数を減らす。その基準として介護病床の医療区分を基準としていることに問題があり、もし、病床数を減らすことを実施すると、最適な施設に患者が入院できなくなる。その数が10万人以上にあたると。現状でそれらの人々を受け入れる、受け皿施設は有料介護施設、介護施設にあたるが、それらの整備も利用者に満足のいくサービスが提供できる状態ではないと述べている。
現在、そして未来に起きる医療・介護業界の問題を適格に説明してくれている書籍になっていると思います。
2010年5月10日に日本でレビュー済み
吉岡充氏による第1部『 医療と介護の現場から(「介護療養病床の廃止」問題とは何か;「介護療養病床の廃止」になぜ反対なのか;「医療・介護難民」を生じさせないために)』と、村上正泰による第2部『医療制度改革の現場から(療養病床23万床削減決定の舞台裏;後期高齢者医療制度の問題点)』からなる新書です。
ご紹介したいのは、村上氏による第2部です。
村上氏は、当時勤務していた財務省から厚生労働省に出向し、厚生労働省保険局総務課において医療計画適正化計画を担当し「療養病床を15万床にに削減する計画」を担当し方です。この療養病床削減計画が実際に進められた現場で、何が起こっていたのか、政策の背景の医療保険財政の問題点、人口構成(被保険者)、産業構造の変化等々は勿論ですが、政策立案の現場の右往左往が、赤裸々に描かれている。
小泉政権の「国民的人気」を力の源泉として、社会保障費削減のターゲットとなった「療養病床」問題が描かれる。さらに、小泉政権でプログラムされた「後期高齢者医療制度」が後継政権で姿を現した際の、国民との亀裂と政策の迷走が記述される。
政策の迷走が生んだ「高齢者医療難民」を考える上で、必要となる一冊です。
医療政策、社会保障政策を考える上で是非一読をお勧めします。
ご紹介したいのは、村上氏による第2部です。
村上氏は、当時勤務していた財務省から厚生労働省に出向し、厚生労働省保険局総務課において医療計画適正化計画を担当し「療養病床を15万床にに削減する計画」を担当し方です。この療養病床削減計画が実際に進められた現場で、何が起こっていたのか、政策の背景の医療保険財政の問題点、人口構成(被保険者)、産業構造の変化等々は勿論ですが、政策立案の現場の右往左往が、赤裸々に描かれている。
小泉政権の「国民的人気」を力の源泉として、社会保障費削減のターゲットとなった「療養病床」問題が描かれる。さらに、小泉政権でプログラムされた「後期高齢者医療制度」が後継政権で姿を現した際の、国民との亀裂と政策の迷走が記述される。
政策の迷走が生んだ「高齢者医療難民」を考える上で、必要となる一冊です。
医療政策、社会保障政策を考える上で是非一読をお勧めします。