第3巻について:
前巻で描かれた季節は夏でしたが、本巻ではもう秋へ!本巻では文化祭における出し物の話に始まり、
中秋の名月における月観測の話、他校天文部との交流が展開されます。
特に他校天文部との交流における秋の星座解説のシーンは、シリーズを通じて強く印象に残ります。
いつもは冴えないはずの路万(ろま)部長の流れるような星座解説には、登場人物のみならず読者までもが
その隠された実力に驚かされること間違いなしです。私が個人的にお気に入りである近江(おうみ)部長が
登場するのもこの巻から。次の4巻ではもう冬に突入します。秋の3巻もお見逃しなく。
作品の全体について:
素晴らしい作品です。先日、天体望遠鏡を購入したのを機に本書を手に取りましたが、
もし望遠鏡を買っていなければこの本とも出会うことがなかったと考えるとゾッとします。
それほどまでに、今までこの作品を知らずにいたことが悔やまれるほどの感激に巡り逢いました。
近頃では優れた漫画は少なくなっていますが、久々に誰にでも勧めたい作品に出会いました。
作品の内容は、主人公である男子高校生の朔(さく。星の知識なし)が、元気いっぱいの
幼なじみである美星(みほし。大の星好き)と、天文部、そして恋を形作っていく様を描いたものです。
魅力あるキャラクターがふんだんに登場し、どのキャラも個性にあふれているために
一度読み始めるとページをめくる手が止まりません。この作品には人を惹き付けてやまない、
もの静かながらも力強いパワーがあります。
そして登場する女の子がどれも可愛い!作者は女性ですが、よくぞここまで男性読者を虜にする
ツボにはまったキャラを幾つも立てられるものだと感心しました。読み進めていくうちに、
必ずやお気に入りの子が見つかるはずです。(個人的には近江さんがお気に入りです)
読み始めるにあたっては、天体や星空が好きか/知識があるかなどは関係のない構成となっています。
誰にでも手に取ることができ、いつの間にか天文部の一員として朔(さく)と一緒に成長していけます。
作者の星空に対する愛情と知識も十分。解説もふんだんにあり、安心して家族全員で楽しんでいます。
きわどい描写はないので、小学生レベルの子どもと一緒に楽しめる点も好印象です。
(大人が読めばニヤリとさせられる文章はありますのでご心配なく)
そして何よりも画力と構成力が素晴らしい。真面目一辺倒の絵ばかりでなく、コミカルな絵やギャグも
ふんだんに登場しますし、パロディ(例えば「あれが死兆星だ!」とか)やネット上のネタもあります。
元気が湧き出るストーリーが満載でありながらも、シリーズ中にはホロリとさせられる場面も登場し、
何巻読み進めても飽きません。というか、むしろ巻を重ねるごとに面白さが増してくる希有な作品です。
私もご多分に漏れず相当数の漫画を読破してきたクチですが、この「宙のまにまに(随に)」は
漫画として珠玉の出来。本当にスキのない完成度です。星空の好き嫌いなど関係なく、
どなたにもおすすめできます。まずは1巻だけを買ってみて自分に合う合わないを確かめるのも手です。
作者は自身の投影である美星を通じて、星空の素晴らしさ、そして何よりも星見の純粋な楽しさを
読者に伝えたかったのでしょう。事実、そのような描写は作品中のあちらこちらに登場します。
この漫画は、作者自身の願いと夢が込められた作品であるために、そこには一切の嘘がない。
この点が本作の一番の魅力であり、それこそ満天の星空のように、登場人物の描写を
いっそう煌(きら)びやかなものとしているのです。
このような素晴らしい作品を創ってくださった作者の方に心から感謝します。
そして何よりも、この作品との出会いを形作ってくれた夜空の星々に感謝します。
夜空の星々と同じように、我々もこの地面の上で人々の織りなす星座で結ばれている…
この作品との出会いを通してそう感じました。89番目の星座は我々の心の中にあるのかもしれません。
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宙のまにまに(3) (アフタヌーンKC) コミック – 2007/7/23
柏原 麻実
(著)
天空に輝く美しい星。仲間と見ればもっときれい!
幼なじみのハイテンション少女・明野美星(あけの・みほし)との奇跡の?再会から始まった、読書少年・大八木朔(おおやぎ・さく)のハイスクール・ライフ!
2人を中心に、個性的な部員たちが繰り広げる、ほのかな恋もちょっぴり詰まった、汗と涙と笑いの部活動!
2009年夏、テレビアニメ化もされて大好評を博した…「清く明るい天文部グラフィティ」!!
全力疾走で駆け抜けた人気連載、堂々完結です!
幼なじみのハイテンション少女・明野美星(あけの・みほし)との奇跡の?再会から始まった、読書少年・大八木朔(おおやぎ・さく)のハイスクール・ライフ!
2人を中心に、個性的な部員たちが繰り広げる、ほのかな恋もちょっぴり詰まった、汗と涙と笑いの部活動!
2009年夏、テレビアニメ化もされて大好評を博した…「清く明るい天文部グラフィティ」!!
全力疾走で駆け抜けた人気連載、堂々完結です!
- 本の長さ186ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/7/23
- ISBN-104063144615
- ISBN-13978-4063144611
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商品の説明
著者について
柏原 麻実
6月17日生まれ。福島県出身。漫画家、イラストレーター。1996年、『Hello,dear』でアフタヌーン四季賞・審査員特別賞を受賞し、デビュー。2001年にも『remain』で四季賞受賞。2005年より「アフタヌーン」にて『宙のまにまに』を連載中。
6月17日生まれ。福島県出身。漫画家、イラストレーター。1996年、『Hello,dear』でアフタヌーン四季賞・審査員特別賞を受賞し、デビュー。2001年にも『remain』で四季賞受賞。2005年より「アフタヌーン」にて『宙のまにまに』を連載中。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/7/23)
- 発売日 : 2007/7/23
- 言語 : 日本語
- コミック : 186ページ
- ISBN-10 : 4063144615
- ISBN-13 : 978-4063144611
- Amazon 売れ筋ランキング: - 162,535位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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漫画家、イラストレーター。福島県出身。双子座。10代で漫画家デビュー、現在「月刊アフタヌーン」にて高校の天文部を舞台にした青春ドラマ『宙のまにま に』を連載中。幼少の頃より星空を始めとする自然に興味を持ち、その知識と経験を取り入れた本格的天文部漫画として話題に。国際天文年である2009年に TVアニメ化も果たした(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『アフタヌーン新書012 宙のまにまに 天体観察「超」入門 機材ゼロでも大丈夫!』(ISBN-10:4063647838)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年2月23日に日本でレビュー済み
面白いです。
純粋に読んでいて楽しいし、
優しい気持ちになると言うか、、
星が好きだという一面、
好きな人がいるという一面、
マンガのテーマである天文と恋愛のマッチが自然で本当に楽しいです!
純粋に読んでいて楽しいし、
優しい気持ちになると言うか、、
星が好きだという一面、
好きな人がいるという一面、
マンガのテーマである天文と恋愛のマッチが自然で本当に楽しいです!
2007年7月31日に日本でレビュー済み
文化祭、そしてその後の展開を描く第三巻。
文化祭はまぁまぁの形で終わったんじゃないかなーと思います。
大八木と美星の仲直り話はなかなか綺麗でした。
でもお気に入りはその後。
新キャラを加えて、他学校との合同天体観測となるのですが、個々のキャラクターの魅力がしっかり出てていいです。
文化祭は美星がメインだっただけに、他のキャラクターにスポットを当ててのんびりというのは、かなり良でした。
新キャラの近江あゆみも良キャラ。部長とのコンビがいい感じ。
キャラデザインも、いままでこの漫画に無かったデザインで、不思議なかわいさがあります。
うん、やっぱバタバタしてるよりも、こういう風に落ち着いた雰囲気の方が面白いですね、この漫画。
畳み掛ける展開よりも、一歩ずつ着実に進む展開でやっていってほしいです。
文化祭はまぁまぁの形で終わったんじゃないかなーと思います。
大八木と美星の仲直り話はなかなか綺麗でした。
でもお気に入りはその後。
新キャラを加えて、他学校との合同天体観測となるのですが、個々のキャラクターの魅力がしっかり出てていいです。
文化祭は美星がメインだっただけに、他のキャラクターにスポットを当ててのんびりというのは、かなり良でした。
新キャラの近江あゆみも良キャラ。部長とのコンビがいい感じ。
キャラデザインも、いままでこの漫画に無かったデザインで、不思議なかわいさがあります。
うん、やっぱバタバタしてるよりも、こういう風に落ち着いた雰囲気の方が面白いですね、この漫画。
畳み掛ける展開よりも、一歩ずつ着実に進む展開でやっていってほしいです。
2007年7月24日に日本でレビュー済み
前回、文化祭の準備中に、青くさい嫉妬から天文部と距離をとってしまった、主人公の朔くん。
ほんとはさびしいのに、いつものハイテンションで誤魔化していた美星。
不器用なふたりのすれ違いは、文化祭直前になって軌道修正となりました。
もう少し、あれこれ欲しかったところですね。
文化祭のエピソードも、あまり波乱なく終了。
全体としては、ちょっと失速気味なので、星三つです。
まず、朔、美星の主人公・ヒロインがあまり話の中心に入らないこと。
また、1、2巻であったような「弱小部の悲哀と、それ故の楽しさ」の部分がかなり薄まっています。
新キャラの近江さんは結構イイんですがねぇ。
ほんとはさびしいのに、いつものハイテンションで誤魔化していた美星。
不器用なふたりのすれ違いは、文化祭直前になって軌道修正となりました。
もう少し、あれこれ欲しかったところですね。
文化祭のエピソードも、あまり波乱なく終了。
全体としては、ちょっと失速気味なので、星三つです。
まず、朔、美星の主人公・ヒロインがあまり話の中心に入らないこと。
また、1、2巻であったような「弱小部の悲哀と、それ故の楽しさ」の部分がかなり薄まっています。
新キャラの近江さんは結構イイんですがねぇ。