哲学の訓練もしていない私が、哲学とはなにかということを探求しよう!などという大それたことはあまり考えていなかったのです。
しかし、田中美知太郎先生の平明な言葉に導かれ、自分なりに丁寧に文字を追い、内容を考えていく作業はとても楽しいものでした。
その結果が、添付の図のとおりです。
今後は、この図に書き足したり修正したりして色々と手を加えていって正確なものにしていき、いつになるかはわかりませんが、自分で考えたことが、ここから溢れ出てきたらいいなぁと思っています。
4頁で紹介されている、麻生義輝著『近世日本哲学史』の序文を、田中美知太郎先生が書かれています。
私はまだ総説しか読んでいませんが、ついつい引き込まれてしまいますよー(^^)
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「したがってこの書物は、流行語の早わかり解説を求めるような読者のためには、失望のほか何も与えることはできないであろう。また不正確な歴史展望と、勝手な歴史評論にもとづいて、何か最新型の哲学的立場を、読者に提供したりするのも、本書の任務ではない。そのような哲学評論は、学会消息通の自己満足にはなっても、哲学とは何の関係もないことを知らねばならない。わたしたちは与えられた公式や図式に、無理やりわたしたちの思考をあてはめようとして、思想の難解を歎いたりするけれども、そのようなものは思想でもなければ、哲学でもないのである。ギリシア以来の本物の哲学者が、歩いてきた大道について見るならば、哲学の思想はもっと自由で、明るいものであることが知られるであろう。この書物の著者は、一人でも多くの読者が、このような哲学の公道を歩むようになるための、なんらかの機縁がつくられることを、この貧しい仕事にかけて、心から希望したい思っている。」
「それらの古典に書かれてあることは、必ずしも意味の捕捉しやすいものとは限られず、読者自身の気持からも離れていることが多いのではないかと思われるけれども、しかしそのような距離を克服しようとする努力が、かえって思考の勉強になるのではないかとも考えられる。すぐに私たちが納得するような、今日の問題を論じた言葉だけに耳を傾けていると、わたしたちはいつまでたっても、自分たち自身の先入見や思想的盲点に気がつかず、自分の気に入ったようにしか、ものが考えられないで、かえって時流に乗る他の者どもに支配され、自分自身の本当に独立した考えをもつことが出来なくなるのではないかと恐れられる。」
(はしがきより抜粋)
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哲学初歩 (岩波現代文庫 学術 169) 文庫 – 2007/1/16
田中 美知太郎
(著)
- ISBN-10400600169X
- ISBN-13978-4006001698
- 出版社岩波書店
- 発売日2007/1/16
- 言語日本語
- 本の長さ266ページ
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5 星
哲学…まずここから(^^)
哲学の訓練もしていない私が、哲学とはなにかということを探求しよう!などという大それたことはあまり考えていなかったのです。しかし、田中美知太郎先生の平明な言葉に導かれ、自分なりに丁寧に文字を追い、内容を考えていく作業はとても楽しいものでした。その結果が、添付の図のとおりです。今後は、この図に書き足したり修正したりして色々と手を加えていって正確なものにしていき、いつになるかはわかりませんが、自分で考えたことが、ここから溢れ出てきたらいいなぁと思っています。4頁で紹介されている、麻生義輝著『近世日本哲学史』の序文を、田中美知太郎先生が書かれています。私はまだ総説しか読んでいませんが、ついつい引き込まれてしまいますよー(^^)------------「したがってこの書物は、流行語の早わかり解説を求めるような読者のためには、失望のほか何も与えることはできないであろう。また不正確な歴史展望と、勝手な歴史評論にもとづいて、何か最新型の哲学的立場を、読者に提供したりするのも、本書の任務ではない。そのような哲学評論は、学会消息通の自己満足にはなっても、哲学とは何の関係もないことを知らねばならない。わたしたちは与えられた公式や図式に、無理やりわたしたちの思考をあてはめようとして、思想の難解を歎いたりするけれども、そのようなものは思想でもなければ、哲学でもないのである。ギリシア以来の本物の哲学者が、歩いてきた大道について見るならば、哲学の思想はもっと自由で、明るいものであることが知られるであろう。この書物の著者は、一人でも多くの読者が、このような哲学の公道を歩むようになるための、なんらかの機縁がつくられることを、この貧しい仕事にかけて、心から希望したい思っている。」「それらの古典に書かれてあることは、必ずしも意味の捕捉しやすいものとは限られず、読者自身の気持からも離れていることが多いのではないかと思われるけれども、しかしそのような距離を克服しようとする努力が、かえって思考の勉強になるのではないかとも考えられる。すぐに私たちが納得するような、今日の問題を論じた言葉だけに耳を傾けていると、わたしたちはいつまでたっても、自分たち自身の先入見や思想的盲点に気がつかず、自分の気に入ったようにしか、ものが考えられないで、かえって時流に乗る他の者どもに支配され、自分自身の本当に独立した考えをもつことが出来なくなるのではないかと恐れられる。」(はしがきより抜粋)------------
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2019年6月17日に日本でレビュー済み
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哲学の訓練もしていない私が、哲学とはなにかということを探求しよう!などという大それたことはあまり考えていなかったのです。
しかし、田中美知太郎先生の平明な言葉に導かれ、自分なりに丁寧に文字を追い、内容を考えていく作業はとても楽しいものでした。
その結果が、添付の図のとおりです。
今後は、この図に書き足したり修正したりして色々と手を加えていって正確なものにしていき、いつになるかはわかりませんが、自分で考えたことが、ここから溢れ出てきたらいいなぁと思っています。
4頁で紹介されている、麻生義輝著『近世日本哲学史』の序文を、田中美知太郎先生が書かれています。
私はまだ総説しか読んでいませんが、ついつい引き込まれてしまいますよー(^^)
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「したがってこの書物は、流行語の早わかり解説を求めるような読者のためには、失望のほか何も与えることはできないであろう。また不正確な歴史展望と、勝手な歴史評論にもとづいて、何か最新型の哲学的立場を、読者に提供したりするのも、本書の任務ではない。そのような哲学評論は、学会消息通の自己満足にはなっても、哲学とは何の関係もないことを知らねばならない。わたしたちは与えられた公式や図式に、無理やりわたしたちの思考をあてはめようとして、思想の難解を歎いたりするけれども、そのようなものは思想でもなければ、哲学でもないのである。ギリシア以来の本物の哲学者が、歩いてきた大道について見るならば、哲学の思想はもっと自由で、明るいものであることが知られるであろう。この書物の著者は、一人でも多くの読者が、このような哲学の公道を歩むようになるための、なんらかの機縁がつくられることを、この貧しい仕事にかけて、心から希望したい思っている。」
「それらの古典に書かれてあることは、必ずしも意味の捕捉しやすいものとは限られず、読者自身の気持からも離れていることが多いのではないかと思われるけれども、しかしそのような距離を克服しようとする努力が、かえって思考の勉強になるのではないかとも考えられる。すぐに私たちが納得するような、今日の問題を論じた言葉だけに耳を傾けていると、わたしたちはいつまでたっても、自分たち自身の先入見や思想的盲点に気がつかず、自分の気に入ったようにしか、ものが考えられないで、かえって時流に乗る他の者どもに支配され、自分自身の本当に独立した考えをもつことが出来なくなるのではないかと恐れられる。」
(はしがきより抜粋)
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しかし、田中美知太郎先生の平明な言葉に導かれ、自分なりに丁寧に文字を追い、内容を考えていく作業はとても楽しいものでした。
その結果が、添付の図のとおりです。
今後は、この図に書き足したり修正したりして色々と手を加えていって正確なものにしていき、いつになるかはわかりませんが、自分で考えたことが、ここから溢れ出てきたらいいなぁと思っています。
4頁で紹介されている、麻生義輝著『近世日本哲学史』の序文を、田中美知太郎先生が書かれています。
私はまだ総説しか読んでいませんが、ついつい引き込まれてしまいますよー(^^)
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「したがってこの書物は、流行語の早わかり解説を求めるような読者のためには、失望のほか何も与えることはできないであろう。また不正確な歴史展望と、勝手な歴史評論にもとづいて、何か最新型の哲学的立場を、読者に提供したりするのも、本書の任務ではない。そのような哲学評論は、学会消息通の自己満足にはなっても、哲学とは何の関係もないことを知らねばならない。わたしたちは与えられた公式や図式に、無理やりわたしたちの思考をあてはめようとして、思想の難解を歎いたりするけれども、そのようなものは思想でもなければ、哲学でもないのである。ギリシア以来の本物の哲学者が、歩いてきた大道について見るならば、哲学の思想はもっと自由で、明るいものであることが知られるであろう。この書物の著者は、一人でも多くの読者が、このような哲学の公道を歩むようになるための、なんらかの機縁がつくられることを、この貧しい仕事にかけて、心から希望したい思っている。」
「それらの古典に書かれてあることは、必ずしも意味の捕捉しやすいものとは限られず、読者自身の気持からも離れていることが多いのではないかと思われるけれども、しかしそのような距離を克服しようとする努力が、かえって思考の勉強になるのではないかとも考えられる。すぐに私たちが納得するような、今日の問題を論じた言葉だけに耳を傾けていると、わたしたちはいつまでたっても、自分たち自身の先入見や思想的盲点に気がつかず、自分の気に入ったようにしか、ものが考えられないで、かえって時流に乗る他の者どもに支配され、自分自身の本当に独立した考えをもつことが出来なくなるのではないかと恐れられる。」
(はしがきより抜粋)
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2021年11月8日に日本でレビュー済み
本書の通読には、今まで2度挫折しており、3度目でようやく読み終えた。
挫折の原因は、「哲学初歩」という書名から、「哲学とは何か」という答え
を性急に求めすぎたことにある。本書は「哲学とは何か」にはすぐには答え
てくれないが、「哲学するとはどういうことか」をしっかりと教えてくれる。
「哲学とは何か」「哲学は生活の上に何の意味をもっているのか」「哲学を
学ぶことができるか」「哲学の究極において求められているもの」の4つの
章から本書は成る。それぞれの問いを吟味していくわけだが、結論にたどり
着きそうになると、その都度結論らしきものを吟味し直し、さらに結論が先
延ばしにされ、長く回りくねった道を歩かされているような気分になる。
3度目で気づいたのは、結論らしきものを吟味しつづけるこのプロセスこそ
「哲学をするということ」だということ。そのような著者の意図がわかると、
ともに考えながら読み進めることができるようになった。その意味で、本書
を読むことは、ひとつの哲学的実践である。ただ著者は次のことに気をつけ
なければならないという。
わたしたちは、思慮分別のあまり、哲学のエロースを消してしまってはなら
ないだろう。分別くさく、人間のすることはもう知れ切っているように言う
のも愛智者のことではあるまい。自分の狭い経験から、誇張的に絶望を語り、
深刻そうなしかめっ面をすることも、哲学とは関係がない。愛智はもっと愚
かに、甘く甘いものなのである。なぜなら、それはエロースだからである。
「哲学をすること」を学びたい人にオススメの1冊である。
挫折の原因は、「哲学初歩」という書名から、「哲学とは何か」という答え
を性急に求めすぎたことにある。本書は「哲学とは何か」にはすぐには答え
てくれないが、「哲学するとはどういうことか」をしっかりと教えてくれる。
「哲学とは何か」「哲学は生活の上に何の意味をもっているのか」「哲学を
学ぶことができるか」「哲学の究極において求められているもの」の4つの
章から本書は成る。それぞれの問いを吟味していくわけだが、結論にたどり
着きそうになると、その都度結論らしきものを吟味し直し、さらに結論が先
延ばしにされ、長く回りくねった道を歩かされているような気分になる。
3度目で気づいたのは、結論らしきものを吟味しつづけるこのプロセスこそ
「哲学をするということ」だということ。そのような著者の意図がわかると、
ともに考えながら読み進めることができるようになった。その意味で、本書
を読むことは、ひとつの哲学的実践である。ただ著者は次のことに気をつけ
なければならないという。
わたしたちは、思慮分別のあまり、哲学のエロースを消してしまってはなら
ないだろう。分別くさく、人間のすることはもう知れ切っているように言う
のも愛智者のことではあるまい。自分の狭い経験から、誇張的に絶望を語り、
深刻そうなしかめっ面をすることも、哲学とは関係がない。愛智はもっと愚
かに、甘く甘いものなのである。なぜなら、それはエロースだからである。
「哲学をすること」を学びたい人にオススメの1冊である。
2012年12月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
田中先生の読みやすくわかりやすい文章で、内容は深く含蓄あり感銘。
2007年7月28日に日本でレビュー済み
西洋哲学者のチンプンカンプンの翻訳本とは全く違います。読み始めると、自然に丹念に文字を追っている自分に気が付きます。そして、そう読み進めると、わかるんです! 大哲学者の文章が。こういう哲学書、40数年生きてきて、初めて出会いました。