世間の枠からはみ出してしまう人々への愛情に満ちた作品。
作者の優しさがどのページにもあふれています。

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世界の果てに生まれる光 単行本 – 2007/10/31
ジョンを背負って7000メートル,ナッツ,プリズムの記憶
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2007/10/31
- ISBN-104048737910
- ISBN-13978-4048737913
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2007/10/31)
- 発売日 : 2007/10/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 315ページ
- ISBN-10 : 4048737910
- ISBN-13 : 978-4048737913
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,499,599位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,646位日本文学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三作が収録されています。
「ジョンを背負って7000メートル」
ジョン・レノンの追悼番組で使われた巨大パネルを徒歩で運ぶ主人公。
ジョン・レノンはオノ・ヨ―コとの間にできた息子を「土曜の夜の子」じゃないと誇らしげに言いました。
ではジュリアンはどうなのか?
カリスマだったジョンを心の中で昇華させた物語だと感じました。
「ナッツ」
バーのマスターは店を潰してしまい、自分の部屋にひきこもっています。
自分に残されたのは山ほどのナッツだけ。
闇金からの借金があり、家賃を滞納し、電気も止められています。
そこにデリヘル嬢の奈々が訪れ、癌のハムスターを預けていきます。
怪我をして帰ってきた奈々。
彼は奈々とハムスターを看取りました。
「プリズムの記憶」
写真家の麻里と待ち合わせた多摩川の橋の上。
洋介は飛び跳ねる鮭らしき魚を発見します。
何時間待っても麻里は来ません。
この物語は、「え!」という意外な真実がありました。
2年間の記憶があやふやだった洋介に起きたことは・・・
これは涙なしには読めませんでした。
川沿いで飲み屋をやっている芸術家のホームレスの言葉が印象に残りました。
「いつ果てるとも分からぬ生活をしていると、人間は二つに分かれるな。酷なことに対してどんどん鈍感になっちまう奴。それからもうひとつは俺のようにね、不憫なことに敏感になっちまうタイプだよ」
三作とも喪失の向こうに見える光の話で、ぴったりなタイトルだと思いました。
最初はいまいちだと思いましたが、読み終えた時は、購入を決めていました。
作者は日の当らない部分に敏感な人だと思います。
作者のプロフィールを見て、この人が「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川だと知りました。
こんな印象深い本を書いていたなんて知りませんでした。
今後もチェックです。
「ジョンを背負って7000メートル」
ジョン・レノンの追悼番組で使われた巨大パネルを徒歩で運ぶ主人公。
ジョン・レノンはオノ・ヨ―コとの間にできた息子を「土曜の夜の子」じゃないと誇らしげに言いました。
ではジュリアンはどうなのか?
カリスマだったジョンを心の中で昇華させた物語だと感じました。
「ナッツ」
バーのマスターは店を潰してしまい、自分の部屋にひきこもっています。
自分に残されたのは山ほどのナッツだけ。
闇金からの借金があり、家賃を滞納し、電気も止められています。
そこにデリヘル嬢の奈々が訪れ、癌のハムスターを預けていきます。
怪我をして帰ってきた奈々。
彼は奈々とハムスターを看取りました。
「プリズムの記憶」
写真家の麻里と待ち合わせた多摩川の橋の上。
洋介は飛び跳ねる鮭らしき魚を発見します。
何時間待っても麻里は来ません。
この物語は、「え!」という意外な真実がありました。
2年間の記憶があやふやだった洋介に起きたことは・・・
これは涙なしには読めませんでした。
川沿いで飲み屋をやっている芸術家のホームレスの言葉が印象に残りました。
「いつ果てるとも分からぬ生活をしていると、人間は二つに分かれるな。酷なことに対してどんどん鈍感になっちまう奴。それからもうひとつは俺のようにね、不憫なことに敏感になっちまうタイプだよ」
三作とも喪失の向こうに見える光の話で、ぴったりなタイトルだと思いました。
最初はいまいちだと思いましたが、読み終えた時は、購入を決めていました。
作者は日の当らない部分に敏感な人だと思います。
作者のプロフィールを見て、この人が「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川だと知りました。
こんな印象深い本を書いていたなんて知りませんでした。
今後もチェックです。
2008年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯文にいくつかこの小説を象徴する言葉があります。
「喪失の悼みを抱え、もがき苦しむ人間を優しく包みこむ、
静かな救済の物語」
「どうしてこんなに苦しいのだろう。いつかまた輝く日は来るのだろうか。」
「おそらく光とは、生の実感の隠喩である」(杉江松恋)
「我々が抱きしめたものは、全部ホンモノだ!」(宮沢和史)
これほどにぎやかな帯文もすごいですが、小説の内容を、
きれいに言い当てた練られた言葉だったと、読み終えて思います。
3つの話はどれも人生の陰、苦しみの中にあるように思われ、
それが明川哲也でしか書けない身近というか、
おこがましい言い方ですが、人生の底を知っている、
というか、そのようなテーマの広がりで包まれています。
ジョン=レノンの巨大看板を7000mも持ち運ぶ青年、
バーをつぶしてしまったおじさん、
記憶の波にのまれた青年、
いずれも人それぞれの苦しみを抱えていて、もがく姿が印象的です。
もがいて、もがいて、いたたまれない姿であがき続けるその中で
ふと登場する優しい人たち。
象徴的なジョンと、ハムスターと、野球・鮭の描写。
絶妙なバランスで、抜け出せない闇の中に淡い光を描き出しています。
『ブーの国』や、『オーロラマシーンに乗って』の、ファンタジックで、
少しリアルで怖い世界観を、日常に流し込んだような物語です。
ブーの国のような、最後のドキドキも期待通りです。
私も、中学時代、大学時代と先の見えないの闇を経験し、家出をして
ジョン=レノンを聞いたり、おじさんのように悩んだりした
記憶があり、何か、心に残る話でした。
だれもが、少しずつ抱えるような、苦しみを振り返ることが
できるようになる、そんな作品だと思います。
少し独特なので好き嫌いは出るでしょうが、お勧めです。
「喪失の悼みを抱え、もがき苦しむ人間を優しく包みこむ、
静かな救済の物語」
「どうしてこんなに苦しいのだろう。いつかまた輝く日は来るのだろうか。」
「おそらく光とは、生の実感の隠喩である」(杉江松恋)
「我々が抱きしめたものは、全部ホンモノだ!」(宮沢和史)
これほどにぎやかな帯文もすごいですが、小説の内容を、
きれいに言い当てた練られた言葉だったと、読み終えて思います。
3つの話はどれも人生の陰、苦しみの中にあるように思われ、
それが明川哲也でしか書けない身近というか、
おこがましい言い方ですが、人生の底を知っている、
というか、そのようなテーマの広がりで包まれています。
ジョン=レノンの巨大看板を7000mも持ち運ぶ青年、
バーをつぶしてしまったおじさん、
記憶の波にのまれた青年、
いずれも人それぞれの苦しみを抱えていて、もがく姿が印象的です。
もがいて、もがいて、いたたまれない姿であがき続けるその中で
ふと登場する優しい人たち。
象徴的なジョンと、ハムスターと、野球・鮭の描写。
絶妙なバランスで、抜け出せない闇の中に淡い光を描き出しています。
『ブーの国』や、『オーロラマシーンに乗って』の、ファンタジックで、
少しリアルで怖い世界観を、日常に流し込んだような物語です。
ブーの国のような、最後のドキドキも期待通りです。
私も、中学時代、大学時代と先の見えないの闇を経験し、家出をして
ジョン=レノンを聞いたり、おじさんのように悩んだりした
記憶があり、何か、心に残る話でした。
だれもが、少しずつ抱えるような、苦しみを振り返ることが
できるようになる、そんな作品だと思います。
少し独特なので好き嫌いは出るでしょうが、お勧めです。
2007年11月24日に日本でレビュー済み
新聞などで「人生相談」をしている人が書いた小説です。だから、気持ちの中に、「読書で楽になりたい、助けてほしい」という願いが少し(たくさん)ある読者のほうが共鳴しやすいかも。ところで、人生相談の回答者が、よい小説家になれるかどうか。ほとんどの場合、答えはノーです。明川さんの本作は小説としてとても読みやすく、味わい深いです。どうしてそうなるのでしょうか。きっと、明川さんがご自身の精神的な彷徨の後に、ひとつふっきれた状態にあるからなのでしょう。どうふっきれたのか。これは評者の妄想ですが、申し上げます。「一度出会った人とは、かならずどこかでまた出会う」と、骨身にしみて感じていらっしゃるのではないでしょうか。「どこか」をうんと広く考えるならば、上記は間違いではない認識です。そしてそうであるならば、出会う人を大事にしなければならないことが、自明に思えてくるでしょう。あとはただ、平易な言葉を連ねれば、読者には確実にとどきます。明川さん、読み終えて私も楽になりました。ありがとう。
2007年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
またまたやってまいりました明川哲也ワールド。
何よりも先に読まいと落ち着けない自分。
ジョンを愛し、心の奥深〜い所まで知ろうという想いが強いからこそ出来た行為だと思いました。
登場人物のミレイの気持ちが理解出来、まるで若き日の自分をみているようでした。
ゴールデン街は一度探険しに行った事があるので、想像しながら読ませていただきました。
ナッツを読み終えて安堵のため息がでました。
二人をとりまく環境が、痛みや苦しみの中に可笑しさやホットするものがあり癒しを感じました。今にも逝って
いまいそうな小さな命に救われ、ピーナッツを潰しながら一生懸命小さな命に話し掛ける主人公に心打たれ
奈々がおデブちゃんだった事には以外でした。
この以外性がいいんですよね。あたたまります。
プリズムの記憶は大人の許されない愛の物語。過去に経験の在る方、進行形の方、興味のある方などお勧めです。いいえ。許される愛であっても、心の想いはこういう事が本物の ”愛”なのでしょう!
夜長にこの本をお勧めいたします。
何よりも先に読まいと落ち着けない自分。
ジョンを愛し、心の奥深〜い所まで知ろうという想いが強いからこそ出来た行為だと思いました。
登場人物のミレイの気持ちが理解出来、まるで若き日の自分をみているようでした。
ゴールデン街は一度探険しに行った事があるので、想像しながら読ませていただきました。
ナッツを読み終えて安堵のため息がでました。
二人をとりまく環境が、痛みや苦しみの中に可笑しさやホットするものがあり癒しを感じました。今にも逝って
いまいそうな小さな命に救われ、ピーナッツを潰しながら一生懸命小さな命に話し掛ける主人公に心打たれ
奈々がおデブちゃんだった事には以外でした。
この以外性がいいんですよね。あたたまります。
プリズムの記憶は大人の許されない愛の物語。過去に経験の在る方、進行形の方、興味のある方などお勧めです。いいえ。許される愛であっても、心の想いはこういう事が本物の ”愛”なのでしょう!
夜長にこの本をお勧めいたします。