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観想力 空気はなぜ透明か 単行本 – 2006/10/20
アクセンチュアの戦略グループ統括エグゼクティブパートナーだった著者が真の
ブレークスルーにつながる戦略コンサルタントの発想法を解説する。
物事をいかに観るか、そのポイントが視点、高さが視座、見透し方が切り口だ。
これらを物事を正しく理解し見透す力として「観想力」と名付けよう。大きく広
く物事を見て、本質を見抜き、発想を大きくジャンプさせる。そこにしかおそら
く、次の時代への突破、ブレークスルーはない。自由で正しい視点・視座・切り
口を持つために、貴方の中の隠れた常識、思考の檻を破壊する。
そこでの最初の問いが、「空気はなぜ透明か」だ。
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2006/10/20
- ISBN-104492555676
- ISBN-13978-4492555675
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商品の説明
著者からのコメント
「跳ぶ」ことの重要性
この本の副題 『空気はなぜ透明か』 は、第一章 常識の破壊、での例題から
とったものだ。
この一見不可思議な「問い」の意味はなんなのか、一体まともな「答え」なぞあ
るのか、その辺りは本文の中でおいおい語られる。ただ、ここではなぜこんなナ
ゾナゾを作ったのかということを述べよう。
これはもともと、私が新卒学生の採用面接向けに考えだしたものだ。
私との面接に辿り着くまでに、学生さんたちも大抵のことは試されている。ケー
ススタディをやってもらって情報処理能力や論理性を試される、グループ面接で
リーダーシップやコミュニケーション力を試される、適性試験で性格や志向を見
られる等々。皆さんよくぞ、くぐり抜けてくるものだ。そして最終関門として
私が待ち構える。
しかし敵(学生さん)もさるもの、準備は万端だ。応募先が20社、面接回数が40
回なんてヒトがザラにいる。大抵の質問に対して、模範解答がきちんと準備され
ている。「曖昧な問いに対しては、敢えて相手に問い返すべし」なんてことま
で、ちまたではノウハウ化・マニュアル化されているのだから驚きだ。
ただ、記憶力と演技力のテストをしているわけでないので、そんな典型的問いを
発して、典型的答えを聞いても仕方ない。
ならばどうするか。それなら受け身のとれないような、投げ方をしてみよう。ビ
ジネスでもなんでもない、知識の差も準備の差も出ないような「問い」を考えよ
う。それが「空気はなぜ透明か」だった。
そこで私が問うたものは、常識に縛られぬ「発想」の力だ。
私自身、19年の間、経営コンサルタント、戦略コンサルタントとして仕事をして
きて痛感してきたことがある。それは発想のジャンプの必要性だ。これは問題を
発見し、そして解決する、あらゆる局面でそうだ。
最近、問題発見力や問題解決力に関する色々な啓発書があるが、一般には問題
「解決」能力より問題「発見」能力の方が磨きにくい。
より対象とするモノの幅が広く、定型化が難しいからだ。
しかし、経営コンサルティングのように、解決手段の幅や種類が非常に広い場
合、問題解決も実は簡単ではない。そこには独創的な発想や新しい切り口が必要
になる。
ピラミッドや仮説だけでは大きく跳べない
戦略コンサルティングや企業戦略企画の実務において、ピラミッド式論理性と
分析で「答え」にたどり着くことはほとんどない。緻密な積み上げ方式では発想
のジャンプを得にくいからだ。発想のジャンプを得にくいだけでなく、限りな
い財力と人材を必要とするからだ。
仮の答え(仮説)をおいて、その検証という形で考えや作業を進めていく「仮説
思考」は、もちろん必須の方法だ。しかしこれまた、仮説の「質」次第で効
率的にもなれば非効率にもなる。
効率云々だけでなく、正しいか誤るかの問題もある。良い仮説を立てるというこ
とは、情報不足の中で答えを見透すことで、本質的に非常に高度な「技」であ
り、故に自分の今の思考能力・発想力以上には「跳べない」。発想力が貧しけれ
ば、その中での「正解」は創造的なものとはなりにくい。
では、実際の「戦略的かつ創造的な思考プロセス」において最も大事なもの
は何だろうか。もちろん基礎としての「論理」性や「重要」性(論点・議論
対象の重みを常に明確にすること)は言うまでもない。そして、その先にあるも
のは「視点・視座・切り口」と言われるものだ。
同じ事象を見ても人それぞれに感じ方は違う。常識的に見れば常識的な問題点や
結論しか出てこない。
物事をいかに観るか、そのポイントが視点、高さが視座、見透し方が切り口、と
言えるだろう。これらを、物事を正しく理解し見透す力として「観想力」と名付
けよう。
この書では、「ビジネス以外」「数字」というものを中心に、様々なタイプ
の戦略的な視点・視座・切り口を紹介していく。
特に第一章では、読者の中の隠れた常識、思考の檻を破壊する。そこでの最初の
例題が、「空気はなぜ透明か」だ。
この問いでは、ほとんどの人が、そもそも「何を聞かれているのかわからな
い」。常識的視点に囚われているが故である。他にも問いが「東京はなぜマン
ハッタンに比べて低層なのか」「イワシは何故値段が高くなったのか」と続く。
自由で正しい視点・視座・切り口を持つために、まずは常識発想を破壊しなけれ
ばならない。いかに自分が常識に縛られ、思い込みの捕囚(ほしゅう)となってい
るか、これらの問いを通じて、よく認識しよう。そしてそれを打破しよう。それ
なくして創造的戦略思考はありえない。
出版社からのコメント
号までの4回にわたって連載された「戦略コンサルタントの観想力」を基点にし
ています。
連載当初から、多くのThink!読者からご質問が寄せられましたが、皆、「なん
としても大きな発想のジャンプを理解したい」「もっと練習をして観想力スキル
を得たい」という前向きなものでした。
読者アンケートなどでも高い評価がなされ、著者にとって連載時の原稿に10万余
文字を書き足して本書と成す、大きな原動力となったと思います。
「観想力」という「考え方」は今、この日本社会において必須、必然なのでしょ
う。大きく広く物事を見て、本質を見抜き、発想を大きくジャンプさせる。
そこにしかおそらく、次の時代への突破、ブレークスルーはないのでしょう。
著者について
1964年大阪で生まれ、2歳半から福井で育つ。
福井県立藤島高校卒業後、浪人し上京。駿河台予備校を経て東京大学理科一類
に入学。
理学部物理学科に進学するも、学部卒での「文系就職」の途を選ぶ。
87年~96年、ボストン コンサルティング
グループ勤務。
内、91年夏~92年末までINSEAD留学。1年半のフランス、欧州生活を送る。
96年~2006年7月までアクセンチュア勤務。
03年~06年まで同社戦略グループ統括エグゼクティブ・パートナー。
現在、グロービス経営大学院客員助教授。企業研修、執筆・講演。企業アドバイ
ザー、大学及び高校、中学、小学校での教育活動などを手掛ける。
妻、長女、次女、三女と東京都世田谷区に在住
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2006/10/20)
- 発売日 : 2006/10/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 280ページ
- ISBN-10 : 4492555676
- ISBN-13 : 978-4492555675
- Amazon 売れ筋ランキング: - 327,512位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,242位仕事術・整理法
- カスタマーレビュー:
著者について
1964年大阪生まれ、福井育ち。小学校入学直後40日間の入院中に差し入れられた100冊の本を読破。読みかじりを人に教える快感に目覚める。大学浪人時に通った駿台予備校では、教えることの技術に衝撃を受ける。
東京大学理学部物理学科卒業後、直接、外資系コンサルティング会社に就職。以来19年半、ボストン コンサルティング グループ、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。
途中、INSEADでMBA修了。1年半の欧州暮らしを経験する。
仕事と並行して28才頃から社会人教育に携わり始め、32才からグロービスで「経営戦略」等の講師を務める。
2006年から教育の世界に転じ、地元小学校でのPTA会長などを経て、07年からKIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授に。同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。テーマは「決める力」「発想力」と「生きる力」。
現在KIT教授の他に、早稲田大学ビジネススクール・女子栄養大学 客員教授、放課後NPO アフタースクール 理事、NPO 3keys 理事、前田工繊 社外取締役、永平寺町ふるさと大使を務める。 HPは「三谷宏治」で検索を。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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しかし、この本が売れるということに今のビジネス環境が現れていると思う。
この本の中で言われていることは、何か自分の頭で考えようとする人、考えたことがある人には当たり前すぎることであるからだ。
これは教えてもらうことではないのである。
考え方、頭の使い方すら人に教えてもらった方法しかしない、教えてもらわないとできない、そんな時代になったしまったのかなと感じざるを得ない本である。
三谷さんが本の中でページを割かれているケーススタディでありいくつかの例題を流して進めていけば読むのにそれほど時間はかからないだろう。一方でその1 つ1つについて自分で頭を動かし、三谷さんの記述からどのように思考したかを読み解いていけば、かなりの時間を要するだろう。
私の場合は半々。興味深いケースについては考え、そうでない部分は素直に読み進めていった。
今までの自分の思考をもう1歩、2歩深く踏み込むことができるきっかけを与えてくれる本だと思う。本の中で三谷さんがいわれているとおり、自分もこの本で得られたものを意識して、日々思考を繰り返し続けることで、”観想力”を鍛えていきたいと思う。
印象深かった言葉を挙げる。
”全ては(センスと)意識的・継続的な努力次第だ。そこでは、ただの盲目的努力ではなく、極めて「意識的な努力」が求められるだろう。それを24時間(寝る時間の管理も含めて)、365日、3年、10年と積み重ねて、初めて得られる力、それが「観想力」だ。
(略)
必要なのは「効率的に教わる力」ではなく、「自ら学ぶ力」である。”
これは巻末にある三谷さんの日記から。
”自らを不要にする。それが我々コンサルタントの究極の存在意義だ。もちろん簡単にはそうならないように、常に自らを鍛え、相手の先を行き、追いつかれるべき存在であり続けよう。”
学びの源泉として経営に関する本を100冊読もう、常識から離れるためにジャンルを選ばず本を乱読しようといった主張は当たり前のようだが心に響いた。
私は結局のところ何をするにも知識と論理は両方重要で、車の両輪だと思う。
今の社会は知識重視の社会なので、方便の一つとしてコンサルタントは論理の重要性を強調しているが、知識の重要性を忘れないためにもたまにはこういった本を読む意義はあるだろう
仮説に関しても興味深いことが書いてある。
『仮説検証型思考とは仮説を証明することではなく、仮説に対する最も強い反証を立てて、それを検証することである』といった持論である。
人間は自分が正しいと思っていることを補強する情報は探すが、反証となるような証拠は無視する傾向があるので仮説証明という姿勢は危ういと説明しており納得のいくものであった。
全体を通じてこの著者は人と同じ思考をすることが好きではないのだな、という印象を受けた。
読む人によってはあまのじゃくに感じる人もいるかもしれないが、常識に捕らわれないためにもこういった姿勢は学ぶべきだと思う。
文章は少し読みづらく、章のバランスも悪いなど多少の不満はあるが、個性の強さを買って☆5つとした。
問題をどう解くかの前段階で、多くのデータが並べられていて、解決策に説得力が生まれています。
でも、観想力について、短時間で要点を把握したい読者にとってはちょっと事例が冗長するぎるかなという感じを受けました。
要は、多くの問題に対峙することで悩んで多くの視点を持て、ということですよね。
著者が用意している回答に到達するには、どんなに優れた論理的思考能力があっても、
一般的な知識だけでは不十分で、ドメインエキスパートなみの知識を必要とします。
問題解決の本質は、一般的な知識+αを元に、論理的思考を展開することで、多くの人に納得感のある回答を引き出すことだと思います。
実際のコンサルテーションの現場では、短期間でドメイン知識を蓄えることで、+αの部分を極限まで高め、
ドメインエキスパートであるクライアントの琴線に触れる回答を出す必要があるのだと思います。
しかし、そのレベルのことを一般書籍の例題として用いるのは全く不適切だと思いました。
また、ある事象を説明する仮説はひとつではないはずですが、本書では著者の用意した回答が唯一無二の正解であり、
それ以外の回答は完全な間違いであると著者は考えているようです。
多様な価値観を認めないのこのような著者のスタンスには違和感を感じます。
2章以降はさらに悲惨で、様々な実際の事例のケーススタディとなっていますが、
ほとんどが事後的な説明を与えるものとなっています。
実際の問題解決の現場では、“その時点”で合理的な努力の範囲で得られる情報のみから、
可能な限り妥当な意思決定をしなければならないはずです。
後になってから「実はこのときはこういう事情があったので、最適施策はこれでした」と言われても、
そこから得られる示唆は極めて限定的で普遍性のないものになると思います。
事例研究集として見ても、得られる示唆に乏しく、意味のある解説になっているとは思えませんでした。
この本から学びがあったとすれば1章の「思考の偏向」に関する部分です。
例えば、
「人間は、自分が本当だと思っていることを補強する材料を集めがちで、それ故、思い込みが増強され、時に誤った判断をしてしまう。」
という部分はなるほどそうだなと思いました。