看板タイトルの勇者30のほかに、魔王30、王女30、騎士30、などのゲームモードがあり、それぞれ独立したゲームです。どれも「30秒」をベースに各ステージが非常に短時間でプレイ可能です。それぞれおもしろいのですが、看板タイトルの勇者30の完成度が1つ飛び抜けています。残り時間を考慮したプレイが常に求められ、むやみやたらにプレイしてもクリアはできません。例えば「隣の村へ行く」「洞窟に向かう」「魔王城に特攻」と常に目的をはっきりさせて行動していかなければなりません。そのゲーム性から言えば、RPGではなくアクションパズルゲームと呼ぶのが正しいと思います。
それ以外の、魔王30、王女30、騎士30、ですが、こちらには正直勇者30ほどの深さは感じられず、プレイパターンも単調になりがちです。オマケゲームのレベルは確実に上回っていますがメインとなりうるゲームモードではないでしょう。
気になる点が2つあり、1つはボリューム不足があげられます。電車内プレイのみで1週間でほぼ全てクリアしてしまいました。1ステージ1〜5分でクリアできてしまうので仕方ありませんが、やはり物足りなく感じます。
もう1つは全体的な難易度の低さです。ほぼ全てクリアしましたが、6割のステージが1発クリア、9割のステージが3プレイ以内でクリア可能です。1ステージ1〜5分であれば再プレイも苦にならないので、もっと難しくして、初プレイなら2〜3回やり直すのが当然であるぐらいの難易度でも全く問題ないはずですし、そうすればボリューム不足の問題もある程度解決できたはずです。現状の難易度ですとあまりにもあっさりとクリアできてしまい、ボリューム不足を増長しています。
一見ストーリーがなさそうですが、各ゲームモード全てをまとめるストーリーが存在し、ラストバトルまでつながる様子はそれなりに壮大で、有名RPGのオマージュも多く、期待していなかったので逆に結構楽しめました。過度は期待は禁物ですが。
まとめると、決してネタではなく、(勇者30に限れば)完成度の高いアクションパズルゲームです。ただし、ボリュームも難易度も物足りないのでコストパフォーマンスは悪いのですが、それでもこのやたらデカイドット絵の世界にビビ〜ンときてしまったなら買いだと思います。