1.内容
赤木智弘さんから、宇多田ヒカルさんまで、多岐にわたる論評集だが、私が読んだ限りでは、タイトルに書いたとおり「ダメでもいいから認めて欲しいし、自己決定すべきである」という価値観が底流に流れている論評集といえようか。
2.評価
著者の人生経験が色濃く出ている(巻末の著者のプロフィールを見てから読んだ方がよい)論評集で、大多数の人にとっては著者のような人生を歩むことは出来ない(または、しない)ので、この本で著者の思考をたどるのは、それなりに有益だと思う。ただ、参考文献を見たところでは、このレビューの読者が読んでいない本が多いように思われ(私の読書量が少ないということかもしれないが)、難しく感じるところから星1つ減らして、星4つとする。

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無能力批評: 労働と生存のエチカ 単行本 – 2008/5/1
杉田 俊介
(著)
労働・障害・批評の交錯する地平に、たちあらわれる仮借なき生の哲学。
当事者による鮮烈なフリーター論として高い評価を受けた『フリーターにとって「自由」とは何か』から2年半、労働から障害学・生命倫理へと思索の枠組みを広げ、無二の存在感を示す著者の第二作。
労働/福祉の現場で研ぎ澄まされた思索を、文学からマンガまでジャンルを越えた"批評"に託し、不安定時代の生の倫理を模索する。
- 本の長さ351ページ
- 言語日本語
- 出版社大月書店
- 発売日2008/5/1
- ISBN-104272430750
- ISBN-13978-4272430758
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商品の説明
著者からのコメント
批評+労働+障害という三つの世界がぶつかりあって火花とノイズを散らす場所から、しかもそのいずれをも突き破る力強い「言葉」が溢れてくるのを祈りながら、書いた。(あとがきより)
著者について
1975年生まれ。学生時代は主に日本の文芸批評を学ぶ。卒業後、アルバイトを転々とした経験をもとにウェブ上で発表した「フリーターに関する20のテーゼ」が話題になり、『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院、2005年)を執筆。
2002年より障害者ヘルパーとして働く傍ら、有限責任事業組合フリーターズフリーの一員として07年に雑誌『フリーターズフリー』を創刊し、その他各種媒体でも執筆活動を続ける。
2002年より障害者ヘルパーとして働く傍ら、有限責任事業組合フリーターズフリーの一員として07年に雑誌『フリーターズフリー』を創刊し、その他各種媒体でも執筆活動を続ける。
登録情報
- 出版社 : 大月書店 (2008/5/1)
- 発売日 : 2008/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 351ページ
- ISBN-10 : 4272430750
- ISBN-13 : 978-4272430758
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,336,021位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年12月13日に日本でレビュー済み
あまり注目されていないようですが、ゼロ年代の最良の思想書の一冊ではないでしょうか。たしかに内容は雑多だし、著者のなかにまだ熟しきっていないところはあれども。人間は弱さに居直ったり、他人の弱さを代弁したりすることは簡単ですが、自分の「無能力」に対峙するのはとてつもなく困難なことであり、だからこそ、「無能力」のなかには無尽蔵のポテンシャルがあるのではないか。この著者は、そのように考えています。この本全体の混乱やばらばらさは、この世のさまざまな無能力のなかに限りのない可能性を見つめようとする、著者の苦闘のあかしであるように思えます。ジョジョ論、寄生獣論、バートルビー論、非モテ論などは特にいいと思います。杉田氏の朋友であり、「ロスジェネ」や「フリーターズフリー」の同志としての大澤信亮氏の『神的批評』とともに読んでみるのもおすすめ。これらの「批評」を冠する二冊があっただけでも、ゼロ年代の批評は無駄ではなかったような気がします。