私は、フィギュアスケートが好きで、宇野昌磨くんがこの映画の曲をショートプログラムで使用していたことで、この映画を知りました。
その演技でとても胸を打たれましたが、その曲が使われるシーンがとても感動的で涙が溢れました。
この映画での音楽はとても重要ですから、余計に響いたのでしょうね。
短編小説から出来上がった映画のようですが、とても美しく静かに、そして繊細に創り上げられた良い映画だと思います。
静かに暮らしていた年寄りの姉妹の生活に、一輪の爽やかなスミレのような青年が現れた。
遭難して海辺に打ち上げられた、言葉がちゃんと通じない青年を献身的に世話する妹の繊細さ。
彼女の恋心に気づきながら、それでも彼女を支える姉。
青年は優しく、彼女たちに癒されながらも、夢を求めて開けた世界を望む。
姉妹たちは、彼を手放すことに躊躇してしまう。
美しい静かな風景の中で、人々の繊細な心の機微が描かれ、女優達の素晴らしい演技が物語を情感豊かに仕上げている。
おそらく青年は、妹の気持ちにも気づいていたのだろう。
それでも感謝の気持ちも忘れなかった。
年をとればとるぼと、恋には臆病になるものだ。
しかし、恋心というものは年齢とは関係なく芽生えてしまうもの。
それだけ彼女は純粋だったのではないだろうか。彼女は優しい心の持ち主だった。
切ないラストではあるが、それがかえって胸を打つ。
静かな感動を得られる作品でした。また、ゆっくり何度も見たいと思いました。