★3.1/2022年94冊目/8月5冊目/『中国共産党 葬られた歴史』(文春新書/文藝春秋)/譚 璐美/P.222/2001年/700円+税 #読了 #読了2022
著者の祖父が共産党初期メンバーであり、その流れから共産党の大きな流れを紐解く。あまり体系的に描かれておらず、ストーリーが人物に焦点が当たっているため、共産党を俯瞰的に把握する、ということには不向き。年表などを書いてくれると理解の助けになったと思う。中国固有の言葉が多く出てくるので、読むのに時間がかかった。また、私は中国(香港、台湾)の歴史に明るくないことがよく分かったので、もっと体系的に知らないといけない、と感じた。鄧小平が一国二制度を主張したが、後25年の実験期間はどの方向に向かうのか?

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中国共産党 葬られた歴史 (文春新書 204) 新書 – 2001/10/19
譚 璐美
(著)
党草創期には北京、上海よりも力を持った革命の策源地・広東。百六歳を生きた党員の生涯を通して、今明かされる周恩来達の真の姿
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2001/10/19
- ISBN-104166602047
- ISBN-13978-4166602049
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2001/10/19)
- 発売日 : 2001/10/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 222ページ
- ISBN-10 : 4166602047
- ISBN-13 : 978-4166602049
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,154,227位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 320位政党 (本)
- - 363位中国のエリアスタディ
- - 1,678位文春新書
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2001年11月18日に日本でレビュー済み
本書は好著だが、書名が大ゲサだと私には思われた。「中国共産党 葬られた歴史」ではなく、「広東共産党 忘れられた歴史」くらいで良いのではなかろうか。
本書は、1920年代以降の広東省を舞台として、中国革命の実像を描いている。著者の譚 ろ美は、本書の主人公にして革命家の譚平山、譚天度の親戚に当たる人である。
広東では共産党の組織化が早くから進んでいた。1924年から27年までの「第一次国共合作」時代には、「広東派」は共産党内の最多数派であった。1927年、「容共」から「反共」に転じた蒋介石が「四・一二クーデター」を起こすと、追い詰められた広東共産党は武装蜂起に走るが、ほどなくしてその活動基盤を根こそぎ失い、広東派は「党中央」の座から滑り落ちてしまう。
(引用、始め)
そして中国革命のなかで大きな役割を果たしながら、共産党中央とコミンテルンの指導のもとで大きな犠牲を払った広東の共産党は、1927年のこのときを境にして、今日にいたるまで、二度と再び政治の表舞台に返り咲くことはなくなったのである。(同書、129ページ)
(引用、終わり)
この後、井崗山でのゲリラ戦と「長征」を経て、共産党内では毛沢東が台頭して行く。
本書は地域社会的な背景を持っている。広東省政府は、政治的な思惑もあって、老幹部への聞き取り調査を重点的に進めてきた。それが本書の基礎になっている。本書が一番言いたいのは「毛沢東が台頭する以前の、広東共産党の功績を正当に評価せよ」と言ったところのようである。これまでの中国は「皇帝」毛沢東を中心にして世界が回る「正統史観」一辺倒だったので、地方党史などはそれこそ「葬られた」にも等しい状況だったのかもしれない。この根深いルサンチマンは「なにごとも水に流したがる」日本人には到底理解できないものだ(日本人の過去へのこだわりはイイトコ、NHK「プロジェクトX」止まりである)。
もっとも、本書のような話は、この国の至る所にゴロゴロしているのではなかろうか。本書は「地方党史」の体裁は取っているが、私の目には広東共産党の名流、譚一族の(いささか手前味噌な)「家譜」と見えた。
本書は、1920年代以降の広東省を舞台として、中国革命の実像を描いている。著者の譚 ろ美は、本書の主人公にして革命家の譚平山、譚天度の親戚に当たる人である。
広東では共産党の組織化が早くから進んでいた。1924年から27年までの「第一次国共合作」時代には、「広東派」は共産党内の最多数派であった。1927年、「容共」から「反共」に転じた蒋介石が「四・一二クーデター」を起こすと、追い詰められた広東共産党は武装蜂起に走るが、ほどなくしてその活動基盤を根こそぎ失い、広東派は「党中央」の座から滑り落ちてしまう。
(引用、始め)
そして中国革命のなかで大きな役割を果たしながら、共産党中央とコミンテルンの指導のもとで大きな犠牲を払った広東の共産党は、1927年のこのときを境にして、今日にいたるまで、二度と再び政治の表舞台に返り咲くことはなくなったのである。(同書、129ページ)
(引用、終わり)
この後、井崗山でのゲリラ戦と「長征」を経て、共産党内では毛沢東が台頭して行く。
本書は地域社会的な背景を持っている。広東省政府は、政治的な思惑もあって、老幹部への聞き取り調査を重点的に進めてきた。それが本書の基礎になっている。本書が一番言いたいのは「毛沢東が台頭する以前の、広東共産党の功績を正当に評価せよ」と言ったところのようである。これまでの中国は「皇帝」毛沢東を中心にして世界が回る「正統史観」一辺倒だったので、地方党史などはそれこそ「葬られた」にも等しい状況だったのかもしれない。この根深いルサンチマンは「なにごとも水に流したがる」日本人には到底理解できないものだ(日本人の過去へのこだわりはイイトコ、NHK「プロジェクトX」止まりである)。
もっとも、本書のような話は、この国の至る所にゴロゴロしているのではなかろうか。本書は「地方党史」の体裁は取っているが、私の目には広東共産党の名流、譚一族の(いささか手前味噌な)「家譜」と見えた。