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アール・クルーの登場は新鮮だった。エレクトリック・ギター全盛の時代に、アコースティック・ギターをピックではなく指で弾くのがカッコよかった。しかも抜群のテクニシャン。
加えてクルーの場合、デイヴ・グルーシンとの出合いが幸運だった。というのも、ジョージ・ベンソンのセカンド・ギタリストだったクルーが一躍人気ギタリストになった背景には、グルーシンの存在が大きかったからだ。75年のデビュー作『アール・クルー』、翌年の『リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ』、そして77年の本作、これらはすべてグルーシンのプロデュース。華麗なグルーシン・サウンドと生ギターの絶妙な組み合わせ。それが人気の秘密であり、どちらか一方が欠けてもダメなのである。
アップ・テンポの畳みかけるような演奏にうっとりとする<1>、カントリー・フレイヴァー漂うスロー曲<5>、陽気なカリプソ<7>と、いい曲が揃っている。リー・リトナーやアンソニー・ジャクソンなどグルーシン・ファミリーのサポートを得て、クルーはみずみずしいプレイを聴かせる。(市川正二)
メディア掲載レビューほか
フュージョン・ギタリスト、アール・クルーの再発売シリーズ。デイヴ・グルーシン他が参加した、`77年録音盤。 (C)RS