私は古本屋で見つけたので安く手に入りましたが、今はオンデマンド版しかないのかな。新品だとちょっと高いですけど、この本とてもいい論語入門になると思いますよ!
現代語訳と訳注が続く構成です。ところどころに気の利いたひと言が置かれており、私のような論語にまったくなじみのない人でもすっと入っていけるよう、注意深く配慮されている感じがします(ためしに146〜147ページの見開きを読んでみてください)。さすがは下村先生ですね。
この本で論語の《常識》みたいなものをざっと眺めておいて、それから別の本に移るとよさそうです。文語訳や原文も知っているほうがいいときありますもんね! ただ、いきなりそこへ行くより、まずは論語世界のいち住人になれる本書から始めるのがいいのでは、とそう思います。探せばほかに類書があるのかもわかりませんけれど。
さらに次へ進むとして、『論語の気になることば』みたいな本があれば、一般教養レベルではそれで充分だし、むしろそのほうがタメになることも多いかも。私は加地伸行『論語のこころ』(2015、講談社学術文庫)が読みたくて、その前にまずは全体像を把握したいと思い、本書を開きました。
孔子の言葉を読んでいると、たまに果たして孔子は本当に大人物だったのか? と思うときがあるんです。しかし、ここはやはり下村先生。321ページの解説中、こうおっしゃっています。「みだりに小人の心をもって聖賢の心をおしはかる過ちを犯さないようにしたいものである」

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[現代訳]論語 新書 – 2008/9/27
下村 湖人
(著)
詩人・教育者として昭和初期に活躍した下村湖人。
名作『次郎物語』などで知られるこの人物がこよなく愛していたのが「論語」である。
本作品はその湖人が逝去する前年に刊行された論語の現代訳であり、いまの時代にもまったく通用する名作である。
「東洋を知るには儒教を知らなければならない。
儒教を知るには孔子を知らなければならない。
そして孔子を知るには『論語』を知らなければならない。
『論語』は実に孔子を、従って儒教を、また従って東洋を知るための最も貴重な鍵の一つなのである」という湖人はしかし、こうも述べている。
「今日のわれわれの時代においては、文字どおりに受けいれられるものではなく、またしいて受けいれようとしてはならない」。そして「しかし、だからといって、『論語』をただちに時代錯誤の書として早計にすててしまってはならない」と。
本書が、多くの現代人の人生の道標になることを願う。
名作『次郎物語』などで知られるこの人物がこよなく愛していたのが「論語」である。
本作品はその湖人が逝去する前年に刊行された論語の現代訳であり、いまの時代にもまったく通用する名作である。
「東洋を知るには儒教を知らなければならない。
儒教を知るには孔子を知らなければならない。
そして孔子を知るには『論語』を知らなければならない。
『論語』は実に孔子を、従って儒教を、また従って東洋を知るための最も貴重な鍵の一つなのである」という湖人はしかし、こうも述べている。
「今日のわれわれの時代においては、文字どおりに受けいれられるものではなく、またしいて受けいれようとしてはならない」。そして「しかし、だからといって、『論語』をただちに時代錯誤の書として早計にすててしまってはならない」と。
本書が、多くの現代人の人生の道標になることを願う。
- 本の長さ372ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2008/9/27
- ISBN-104569703143
- ISBN-13978-4569703145
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2008/9/27)
- 発売日 : 2008/9/27
- 言語 : 日本語
- 新書 : 372ページ
- ISBN-10 : 4569703143
- ISBN-13 : 978-4569703145
- Amazon 売れ筋ランキング: - 802,688位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,066位日本の思想(一般)関連書籍
- - 1,094位東洋哲学入門
- - 54,726位新書
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2020年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者:下村湖人による現代語訳で、漢文はこの本には書かれていません。「論語物語」も良かったのですが、こちらも良いです。
2008年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本の情報を書きます。
新書サイズなので文字が大きく、中高年の方にお勧めです。
原文、書き下し文はありませんので音読されたい方には不向きです。
各章ごとに訳注がついていますが、図や写真はありません。
訳文は忠実な逐語訳ではなく解釈に近いものがあります。
丁寧で優しい文章は読みやすく、親しみがもてます。
新書サイズなので文字が大きく、中高年の方にお勧めです。
原文、書き下し文はありませんので音読されたい方には不向きです。
各章ごとに訳注がついていますが、図や写真はありません。
訳文は忠実な逐語訳ではなく解釈に近いものがあります。
丁寧で優しい文章は読みやすく、親しみがもてます。
2020年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
孔子の時代とはるかに隔たった時代に生きている私たちに、元の漢語をそのまま訳してもほとんど意味不明である。
この本は下村湖人が深く解釈を加えているので、読み物として納得して読める。ありがたい限り。実はウエブ上でも彼の解釈は読めるのだが、手にとってしっかり味わいたかったので購入。
この本は下村湖人が深く解釈を加えているので、読み物として納得して読める。ありがたい限り。実はウエブ上でも彼の解釈は読めるのだが、手にとってしっかり味わいたかったので購入。
2016年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下村湖人先生の論語物語と併せて購入しました。私のような高校の授業の一部でしか、論語に触れたことのない人間にはとてもよみやすく、良い本だと感じられました。
2015年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長年、下村湖人を敬愛し、30年数年前には、国土社が刊行した『下村湖人全集』を買い求め、長年読んできました。また、講談社学術文庫から『論語物語』が出たときには、さっそく買い求め、繰り返し繰り返し読んできました。後輩数人にも『論語物語』を進呈して読んでもらいました。
今回、本書が復刻されたことを知り、さっそく買い求めました。まずは『論語物語』を読み、琴線に触れた人は本書を読むことをお勧めします。
今回、本書が復刻されたことを知り、さっそく買い求めました。まずは『論語物語』を読み、琴線に触れた人は本書を読むことをお勧めします。
2015年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「論語物語」を読んでこの様な理解もあるのか、と興味深く思っていましたところ、同じ作者による現代語訳という事で読んでみました。子どもの頃より論語に親しんでいたという事で、非常に自然な訳でなるほど、そう読むのか、と感心させられました。岩波文庫や講談社学術文庫などの論語と読み比べてみると、さらに論語を学ぶ楽しみも増すように思います。
2013年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
各項目ごとに解説もついてるし、かみ砕いた現代語なので、わかりやすいです。
意外と長編ですが、項目番号がついてて短文の寄せ集めなので、読むのを中断してもいつでもまた続きを読めます。
簡単に言うと、「君子とは、どうしたらなれるのか」ということを弟子たちが孔子に質問し、その回答が羅列してあるような内容です。
孔子は「出世を望まないのが君子」、というような事を言ってますが、実際は出世したかったのではないか、ということが言葉の端々に感じられる気がしました。当時の中国政界の人間関係もかいま見られておもしろいです。
意外と長編ですが、項目番号がついてて短文の寄せ集めなので、読むのを中断してもいつでもまた続きを読めます。
簡単に言うと、「君子とは、どうしたらなれるのか」ということを弟子たちが孔子に質問し、その回答が羅列してあるような内容です。
孔子は「出世を望まないのが君子」、というような事を言ってますが、実際は出世したかったのではないか、ということが言葉の端々に感じられる気がしました。当時の中国政界の人間関係もかいま見られておもしろいです。