創業家への復帰を果たしたトヨタ。リーマンショック後の北米市場の劇的な縮小を受け、レクサス販売店の整備など、一世を風靡し兆円という天文学的利益をたたき出してきた企業の挫折を描く。
トヨタの内部に密着し、トップマネジメントに多く接してきた著者であるからこそ知りえる情報が多く語られているのだが、あまりにトヨタに接しているため「かわいさあまって憎さ100倍」で叙情的にトヨタの泣き所を述べているように感じた。
超大企業だからこそ世界的な景気後退の影響を大きく受けるのは当然であり、アメリカ自動車会社もぼろぼろになっているところで、国内外の他社と比較してトヨタはどうなのかという説明が欲しいと思った。

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トヨタ・ショック 単行本 – 2009/2/21
緊急出版!最強トヨタに何が起きているのか急転直下の赤字転落。世界ナンバーワン企業トヨタに何が起きているのか。そしてこれからどうなるのか。復活はあるのか。自動車業界、日本経済に与える影響は?
- 本の長さ218ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/2/21
- ISBN-104062153602
- ISBN-13978-4062153607
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/2/21)
- 発売日 : 2009/2/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 218ページ
- ISBN-10 : 4062153602
- ISBN-13 : 978-4062153607
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,317,366位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 634位企業動向
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2009年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年1月20日に日本でレビュー済み
リーマンショック直後のトヨタを取り巻く状況を、
非常にわかり易くまとめてある本だと思いました。
トヨタの業績は一企業という枠に収まらない社会的インパクトを与える、
それを痛感させられる一冊です。
(本書は2部構成となっており、第1部では当時のトヨタを取り巻く状況のまとめ、
第2部はその後の未来展望が描かれています。特に第1部が読み応えありました。)
そんな本書が刊行されてはや6年。
今では燃料電池車を世に先駆けて販売を開始し、
過去最高益を叩き出さんとするばかりの好調期を再び迎えようとしています。
本屋にはトヨタを褒め称えるかのような関連本が平積みにされ・・・
なんだか今の状況、デジャ・ビュを覚えませんか?
そう、プリウスを発売し、年々生産台数を拡大させていた
リーマンショック前の状況に雰囲気が酷似しているのです。
確かにこの6年間、トヨタを取り巻く環境は厳しいものでした。
リーマンショックに続き、北米での大規模リコール問題、円高、東日本大震災etc.
それらを乗り越えたという自信もあるのでしょう。
再び「強気のトヨタ」が帰ってきているように感じます。
しかし、人間の中には好調なときには知らず知らずの内に慢心や驕りが生まれるもの。
6年前のトヨタの凋落はリーマンショックのような外的要因だけでなく、
いわゆる「大企業病」のような内的要因にも原因があったと本書では指摘されています。
過去の失敗を繰り返さないためにもトヨタ経営層、社員を含め今一度本気で襟を正し、
「身の丈に合った」「持続的成長」を勝ち得てほしいと願わずにはいられません。
今こそ過去を振り返り、謙虚な気持ちで「もっといいクルマ」作りに邁進してほしい、
そう願う次第です。
非常にわかり易くまとめてある本だと思いました。
トヨタの業績は一企業という枠に収まらない社会的インパクトを与える、
それを痛感させられる一冊です。
(本書は2部構成となっており、第1部では当時のトヨタを取り巻く状況のまとめ、
第2部はその後の未来展望が描かれています。特に第1部が読み応えありました。)
そんな本書が刊行されてはや6年。
今では燃料電池車を世に先駆けて販売を開始し、
過去最高益を叩き出さんとするばかりの好調期を再び迎えようとしています。
本屋にはトヨタを褒め称えるかのような関連本が平積みにされ・・・
なんだか今の状況、デジャ・ビュを覚えませんか?
そう、プリウスを発売し、年々生産台数を拡大させていた
リーマンショック前の状況に雰囲気が酷似しているのです。
確かにこの6年間、トヨタを取り巻く環境は厳しいものでした。
リーマンショックに続き、北米での大規模リコール問題、円高、東日本大震災etc.
それらを乗り越えたという自信もあるのでしょう。
再び「強気のトヨタ」が帰ってきているように感じます。
しかし、人間の中には好調なときには知らず知らずの内に慢心や驕りが生まれるもの。
6年前のトヨタの凋落はリーマンショックのような外的要因だけでなく、
いわゆる「大企業病」のような内的要因にも原因があったと本書では指摘されています。
過去の失敗を繰り返さないためにもトヨタ経営層、社員を含め今一度本気で襟を正し、
「身の丈に合った」「持続的成長」を勝ち得てほしいと願わずにはいられません。
今こそ過去を振り返り、謙虚な気持ちで「もっといいクルマ」作りに邁進してほしい、
そう願う次第です。
2009年3月5日に日本でレビュー済み
なぜ、連結決算の営業利益が6000億円の黒字から、1500億円の赤字になってしまったのか。為替の影響や、サブプライムローンの崩壊による米国需要の減退と解説されてますが、それだけで、これほどの急展開があり得るのだろうか。
しかも、一時的とは思えない業績の悪化ではないか。
そのように思って読み始めたのですが、原因は、トヨタの体質そのものなのですね。
いくつもの体質的な原因が紹介されています。
日本の3倍以上の販売規模がある米国へのシフト。
米国向けの大型化、高価格の車両への販売の拡大。
米国向けの車種であるタンドラ専用工場の建築と、そのタンドラの販売不振。
ボトムアップだったトヨタの良さが変質し、トップダウンになってしまっていた。
タクシー仕様車を10年近くもフルモデルチェンジをしないなどのトヨタの驕り。
しかし、トヨタの減益の影響は大きい。
トヨタが納める法人税は9000億円で、日本の法人税の5%を占めていた。
本社のある豊田市では税収が9割減となる見込みで、愛知県は地方交付税の交付団体に転落する。
最盛期には1万人を超えていた期間従業員は3000人まで減らし、さらに削減する方向。
そのトヨタに頼っていたのが豊田市であり、日本の法人税であり、日本のGNPであり、日本の雇用であり、下請企業であり、トヨタ城下町で商売をする飲食店であり、トヨタ城下町のアパート経営者であり、輸出に係わる船会社であり、鉄鋼業界であり、自動車保険の業界であり、広告業界、広告を頼りに生きてきたマスコミであり。
日本は、立ち直れるのだろうか。
しかも、一時的とは思えない業績の悪化ではないか。
そのように思って読み始めたのですが、原因は、トヨタの体質そのものなのですね。
いくつもの体質的な原因が紹介されています。
日本の3倍以上の販売規模がある米国へのシフト。
米国向けの大型化、高価格の車両への販売の拡大。
米国向けの車種であるタンドラ専用工場の建築と、そのタンドラの販売不振。
ボトムアップだったトヨタの良さが変質し、トップダウンになってしまっていた。
タクシー仕様車を10年近くもフルモデルチェンジをしないなどのトヨタの驕り。
しかし、トヨタの減益の影響は大きい。
トヨタが納める法人税は9000億円で、日本の法人税の5%を占めていた。
本社のある豊田市では税収が9割減となる見込みで、愛知県は地方交付税の交付団体に転落する。
最盛期には1万人を超えていた期間従業員は3000人まで減らし、さらに削減する方向。
そのトヨタに頼っていたのが豊田市であり、日本の法人税であり、日本のGNPであり、日本の雇用であり、下請企業であり、トヨタ城下町で商売をする飲食店であり、トヨタ城下町のアパート経営者であり、輸出に係わる船会社であり、鉄鋼業界であり、自動車保険の業界であり、広告業界、広告を頼りに生きてきたマスコミであり。
日本は、立ち直れるのだろうか。
2009年7月20日に日本でレビュー済み
本書の第一章で紹介されている「覇者の驕り」とは、今から約20年前に、アメリカの自動車産業の栄枯盛衰を描いた名著である。
ここには、保護貿易の上にあぐらをかき、もの作りを放棄し、顧客を顧みず、株主の利益を最優先したアメリカ自動車産業のたどった道が克明に描かれている。
昨年、日本一の企業であるトヨタがアメリカ市場のつまずきがもとで「こけた」。むろん、トヨタがクルマ作りをかまけてマネーゲームをしていたわけではない。顧客のために、最良の品質のクルマを作り続けていた。ただし、「市場の実態」を完全に見誤っていた。
アメリカの自動車消費の伸びは、住宅バブルに付随した安直なローンで、多くのアメリカ人の「身の丈以上の消費」に支えられていた。住宅バブルがはじけると、ローンの不払いが多くのディラーとメーカーを直撃した。
これまたマネーゲームの「とばっちり」である石油価格の異常な上昇が、アメリカ市場で最も利益率の高い大型車の消費を押さえ込んだ。
当時、トヨタが建設中であった大型車専用工場は「無用の長物」と化し、膨大な金利負担が残った。
トヨタは金融バブルに自ら手を染めていたわけではない。しかし、金融バブルに踊らされて「一時的なみかけの成長」を「自らの製造実力」と勘違いし、拡大路線を突っ走ったことは「覇者の驕り」と言われてもおかしくない。
本書の一部は、他の経済書でも書かれていることである。むしろ、補償「自動車産業は生き残れるか」が最も読む価値が高い。途上国を中心に、今後世界で売れるのは、低価格車、小型車、環境車である。単なる低価格車は発展途上国にはかなわない。環境車ではハイブリッドカーのプリウスで世界をリードしている。しかし、トヨタの屋台骨を支えるほどの物になれるかは、楽観を許さない。
ここには、保護貿易の上にあぐらをかき、もの作りを放棄し、顧客を顧みず、株主の利益を最優先したアメリカ自動車産業のたどった道が克明に描かれている。
昨年、日本一の企業であるトヨタがアメリカ市場のつまずきがもとで「こけた」。むろん、トヨタがクルマ作りをかまけてマネーゲームをしていたわけではない。顧客のために、最良の品質のクルマを作り続けていた。ただし、「市場の実態」を完全に見誤っていた。
アメリカの自動車消費の伸びは、住宅バブルに付随した安直なローンで、多くのアメリカ人の「身の丈以上の消費」に支えられていた。住宅バブルがはじけると、ローンの不払いが多くのディラーとメーカーを直撃した。
これまたマネーゲームの「とばっちり」である石油価格の異常な上昇が、アメリカ市場で最も利益率の高い大型車の消費を押さえ込んだ。
当時、トヨタが建設中であった大型車専用工場は「無用の長物」と化し、膨大な金利負担が残った。
トヨタは金融バブルに自ら手を染めていたわけではない。しかし、金融バブルに踊らされて「一時的なみかけの成長」を「自らの製造実力」と勘違いし、拡大路線を突っ走ったことは「覇者の驕り」と言われてもおかしくない。
本書の一部は、他の経済書でも書かれていることである。むしろ、補償「自動車産業は生き残れるか」が最も読む価値が高い。途上国を中心に、今後世界で売れるのは、低価格車、小型車、環境車である。単なる低価格車は発展途上国にはかなわない。環境車ではハイブリッドカーのプリウスで世界をリードしている。しかし、トヨタの屋台骨を支えるほどの物になれるかは、楽観を許さない。
2009年3月6日に日本でレビュー済み
トヨタ自動車の新車販売台数が世界一になった2008年、アメリカの「サブプライムローン問題」を発端に、100年に一度と言われる世界経済が危機的な状態に陥ってしまった。
急激な販売不振と減産に、トヨタという企業が及ぼす経済と市町村への影響が詳細に述べられている。
一台の車に、約1トンの鉄と20000種の部品から製造されて、その大きな産業構造に驚く。
トヨタ一社に寄る広告宣伝費の莫大な額(連結ベース4800億円超)からの減額、北米での生産拡大計画の失速、社内の大企業病の指摘(p31)がされている。
企業城下町での法人市民税の大幅な減額を、この本で数字を知る。
これほどまでに、トヨタに依存していたことに、驚くばかりだ。
p79では、ある部品工場の社長の「自動車は衰退産業になったと思うし、取引先の業種も増やしていかないといけない。」との言葉に、企業の生き残りを掛けた正直な気持ちが伝わってくる。
今、創業家の次期・新社長・豊田章男氏の双肩にトヨタと日本経済の未来が掛かっている期待感に満ちている。
世界経済を揺るがせるほどの「トヨタ・ショック」を学ぶ貴重な1冊である。
急激な販売不振と減産に、トヨタという企業が及ぼす経済と市町村への影響が詳細に述べられている。
一台の車に、約1トンの鉄と20000種の部品から製造されて、その大きな産業構造に驚く。
トヨタ一社に寄る広告宣伝費の莫大な額(連結ベース4800億円超)からの減額、北米での生産拡大計画の失速、社内の大企業病の指摘(p31)がされている。
企業城下町での法人市民税の大幅な減額を、この本で数字を知る。
これほどまでに、トヨタに依存していたことに、驚くばかりだ。
p79では、ある部品工場の社長の「自動車は衰退産業になったと思うし、取引先の業種も増やしていかないといけない。」との言葉に、企業の生き残りを掛けた正直な気持ちが伝わってくる。
今、創業家の次期・新社長・豊田章男氏の双肩にトヨタと日本経済の未来が掛かっている期待感に満ちている。
世界経済を揺るがせるほどの「トヨタ・ショック」を学ぶ貴重な1冊である。
2009年3月28日に日本でレビュー済み
「身の丈を知る」−日本の最強企業とされるトヨタにとってさえ、この言葉がいかに重要であるかを再認識させられました。
米国の住宅バブルに端を発する過大消費=「カー・バブル」に乗って、自らの強みの源泉を忘れてひたすら成長(拡大)を追い求めた姿が如実に描かれています。ここ数年の成長の主たる要因を端的に表現すれば円安と金融であったと考えられ、米国でバブルが崩壊したことにより、2兆円もの営業利益がわずか1年で大幅な赤字に転落するほどの逆風に見舞われた−。
今になって思えば、ここ数年の販売台数と業績の成長ぶりはまさに異常というべきものであり、下請けを含め関連企業全体に与えた影響の大きさを考えても、本書の指摘するとおり経営陣の結果責任は免れないと思われますが、改めてトヨタという巨大企業の、そして自動車産業のもつ日本経済への影響力の大きさについては恐ろしくさえ感じました。
米国の住宅バブルに端を発する過大消費=「カー・バブル」に乗って、自らの強みの源泉を忘れてひたすら成長(拡大)を追い求めた姿が如実に描かれています。ここ数年の成長の主たる要因を端的に表現すれば円安と金融であったと考えられ、米国でバブルが崩壊したことにより、2兆円もの営業利益がわずか1年で大幅な赤字に転落するほどの逆風に見舞われた−。
今になって思えば、ここ数年の販売台数と業績の成長ぶりはまさに異常というべきものであり、下請けを含め関連企業全体に与えた影響の大きさを考えても、本書の指摘するとおり経営陣の結果責任は免れないと思われますが、改めてトヨタという巨大企業の、そして自動車産業のもつ日本経済への影響力の大きさについては恐ろしくさえ感じました。
2009年3月14日に日本でレビュー済み
2兆円以上の利益をたたき出し、現場主義とカイゼンにより死角が無いように思えたトヨタ。
その急激な失速に、不可解な思いを抱いていた人が多いはずだ。
かくいう私もその一人だが、本書を読むとその謎に迫ることができる。
いかに現場と乖離していったのか、経営計画に傾斜する危険、米国で大型車にいかに傾斜していったか、楽観的な読みの継続、等々。
本書は、最強の組織でさえ、成功に潜む落とし穴があることを如実に示してくれる。
組織運営のあり方を考えるために、必須の本ではないだろうか。
その急激な失速に、不可解な思いを抱いていた人が多いはずだ。
かくいう私もその一人だが、本書を読むとその謎に迫ることができる。
いかに現場と乖離していったのか、経営計画に傾斜する危険、米国で大型車にいかに傾斜していったか、楽観的な読みの継続、等々。
本書は、最強の組織でさえ、成功に潜む落とし穴があることを如実に示してくれる。
組織運営のあり方を考えるために、必須の本ではないだろうか。
2009年3月21日に日本でレビュー済み
著者の一人、井上久男氏の前著「トヨタ 愚直なる人づくり」と比べて、本作で紹介されている事実を知ると、トヨタの置かれている状況の変わりように驚愕せざるを得ない。
浮利を求めることなく、愚直に物作りを続けてきたトヨタですら、グローバル化のために軸足を海外に置いていることで、世界的な金融危機から波及した実体経済の落ち込みに、信じられないほどの大きな影響を受けるという事実が、空恐ろしく感じられた。
緊急取材で様々な情報のピースを寄せ集めて、大慌てで出版した感は否めないが、それが逆に極めてタイムリーで最新の情報発信を実現したのであろう。
それにしても、アメリカのくしゃみの影響は大きすぎる。
気が早いが、次回はトヨタの立ち直り(それが実現しないと日本の大ピンチだが)のためにトヨタがいったい何を行ったのかを知りたいものだ。
浮利を求めることなく、愚直に物作りを続けてきたトヨタですら、グローバル化のために軸足を海外に置いていることで、世界的な金融危機から波及した実体経済の落ち込みに、信じられないほどの大きな影響を受けるという事実が、空恐ろしく感じられた。
緊急取材で様々な情報のピースを寄せ集めて、大慌てで出版した感は否めないが、それが逆に極めてタイムリーで最新の情報発信を実現したのであろう。
それにしても、アメリカのくしゃみの影響は大きすぎる。
気が早いが、次回はトヨタの立ち直り(それが実現しないと日本の大ピンチだが)のためにトヨタがいったい何を行ったのかを知りたいものだ。