一つの作品に裂かれているページは、わずかに2〜5。ほとんどが、新書の2ページ分の文章で説明されています。取り上げられる作品は絵画、彫刻、映像など多岐にわたっていますが、一般的に西洋芸術と言われるたぐいのものが主体。
こういった本で作品の写真が一切ないというのは、冒険だと思われますし、大変不安ですが、意外と問題ありません。
とりあげられている作品のほとんどが大変に有名な物だからです。モネの睡蓮とか、ウォーホルのマリリンとか、モンドリアンのコンポジション、インディアナのLOVE、高橋由一の鮭などと言えば、美術に興味がおありな方ならすぐに「ああ、あれか」と思い出されることでしょう。
もし御存知ない作品でも、過不足無くその内容が説明されているので、だいたいどういったものかは想像がつくはず。
もちろん、誰が見ても「これは美しいな」「これは芸術だよね」「この複製を家に飾りたい」と思うような作品を説明してもしょうがありません。
多くの人が鑑賞のための手助けを必要とするのは、どちらかというと「いったいこれのどこが芸術なのだろう?」と思ってしまうようなもの。
ですからこの本で取り上げられている作品の多くは、現代芸術の範疇に入るものです。
現代芸術の説明って、ウザイですよね。聞いてもわからない。むしろ相手を煙に巻くために説明しているのじゃないかとすら疑うような本が多いです。読んでも読んでもわからない。
しかしこの本は違います。
わかるのです!
理由の第一は、つかわれている言葉が、普通の人が普通につかうものであるから。
理由の第二は、書いている人が小難しく喋ることで口を糊している美術評論家ではなく、実作者であるから。
「現代芸術の評論って、本当感じ悪い」
「あんなの読んでも、なんにもわかんないし」
「書いている奴って、自分の馬鹿を隠すために難しい言葉をつかっているじゃないの?」
と思っている方々に、これをすすめます。
一つ一つが短いので、電車の中でも読めます。

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知識無用の芸術鑑賞 (幻冬舎新書 か 4-1) 新書 – 2007/7/1
川崎 昌平
(著)
- 本の長さ194ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2007/7/1
- ISBN-104344980433
- ISBN-13978-4344980433
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2007/7/1)
- 発売日 : 2007/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 194ページ
- ISBN-10 : 4344980433
- ISBN-13 : 978-4344980433
- Amazon 売れ筋ランキング: - 317,196位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2009年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
売り文句かもしれないが「知識無用」と謳いながら、
取り上げる作品の選び方からその語り口まで、美術に
関する知識を前提にしないことにはありえない、むし
ろ知識頼りの作品解説であって、逆に知識をカッコに
入れて芸術鑑賞を「語る」ことの難しさを露呈してい
るのではないでしょうか。
取り上げる作品の選び方からその語り口まで、美術に
関する知識を前提にしないことにはありえない、むし
ろ知識頼りの作品解説であって、逆に知識をカッコに
入れて芸術鑑賞を「語る」ことの難しさを露呈してい
るのではないでしょうか。
2010年9月24日に日本でレビュー済み
知識無用とあるが、けっこう難解だと思う。美術系の学生さんとかであれば興味をもって引き込まれるのかもしれない。この本の真の価値を知るためには国語の知識や美術の知識は必要だと思う。
2012年2月1日に日本でレビュー済み
こんな所に面白さがあるんだ、画家はこんな風に考えるんだというのがわかって面白い。頁数が少ない中で、マグリットやモンドリアンなどの新しい?絵画が多かったり、日本画があるのに、欧米の印象派以前が少ないといった所は、著者の趣味だろう。どこに芸術性があるのだろうと訝しく思っていた美術品がなぜ評価されているのかも、読むとなんとなくわかる。どう「感性」に訴えかけてくるのかということなのだ。
ただ、何といっても写真がないのが使いにくい。題名だけではピンとこないものもある。その絵をいちいち調べて見るのが正しい芸術鑑賞なのだろうが、著者のように美術を生業としている訳ではなく、時間が限られている者はそこまではしない。
ただ、何といっても写真がないのが使いにくい。題名だけではピンとこないものもある。その絵をいちいち調べて見るのが正しい芸術鑑賞なのだろうが、著者のように美術を生業としている訳ではなく、時間が限られている者はそこまではしない。
2015年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久々の大衆のための「芸術論」の登場ですかね?
しかも26歳にして、ここまで到達しうるとは・・・・・
岡本太郎でさえ、『今日の芸術』は43歳で上梓したというのに・・・・・・
ちなみに夏目漱石的な批評的諧謔精神は、文章に生き生きと息づいている
夏目漱石が、「吾輩は猫である」を新聞に連載したのが38歳の時だったのだから、新世代の芸術評論家にして「文豪」は20代で頭角を現したと……感嘆すべきなのでは
しかも26歳にして、ここまで到達しうるとは・・・・・
岡本太郎でさえ、『今日の芸術』は43歳で上梓したというのに・・・・・・
ちなみに夏目漱石的な批評的諧謔精神は、文章に生き生きと息づいている
夏目漱石が、「吾輩は猫である」を新聞に連載したのが38歳の時だったのだから、新世代の芸術評論家にして「文豪」は20代で頭角を現したと……感嘆すべきなのでは