第一章から第六章までは興味深く読める。
第七章「日本経済への提言」に入ると途端に陳腐になる。(護送船団方式を古きよきものとして懐古したり、憲法9条改正論が出たり。。。)
全体的には散漫で練れていない印象を受けたが、実体験に基づく部分は、生き生きとしており読ませる部分もある。
内容は平易であるので、読み易いと思う。

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ウォール街の闇 単行本 – 2008/10/29
堀川 直人
(著)
ウォール街を震源地とする金融危機が、全世界を覆った。今回の危機の淵源は、
サブプライム・ローンという低所得者向けの住宅ローンにあった。このローンに
一部の詐欺師たちが時限爆弾を仕掛け、見かけは魅力的な金融商品に仕立て上げた。
儲けるためには何でもやるウォール街では、大手金融機関までが乗り出して、
このイカサマ商品を全世界にばらまいた。それが、今回の金融危機に発展したのである。
本書は、ウォール街の実態を明らかにし、日本経済のこれからの方向を探ったものだが、
底流を流れるもう一つのテーマは、「富の移転」ということである。金融の世界では、
富の移転・再配分をめぐって、各国の金融機関は日々しのぎを削り、
熾烈な争いを行っている。世界で起こっているこの冷厳な事実を多くの人々が理解し、
世界の富を日本に移転させる新たなビジネスモデル構築のために本書が
いくらかでも貢献できたら、これに勝る喜びはない。(「はじめに」より)
サブプライム・ローンという低所得者向けの住宅ローンにあった。このローンに
一部の詐欺師たちが時限爆弾を仕掛け、見かけは魅力的な金融商品に仕立て上げた。
儲けるためには何でもやるウォール街では、大手金融機関までが乗り出して、
このイカサマ商品を全世界にばらまいた。それが、今回の金融危機に発展したのである。
本書は、ウォール街の実態を明らかにし、日本経済のこれからの方向を探ったものだが、
底流を流れるもう一つのテーマは、「富の移転」ということである。金融の世界では、
富の移転・再配分をめぐって、各国の金融機関は日々しのぎを削り、
熾烈な争いを行っている。世界で起こっているこの冷厳な事実を多くの人々が理解し、
世界の富を日本に移転させる新たなビジネスモデル構築のために本書が
いくらかでも貢献できたら、これに勝る喜びはない。(「はじめに」より)
- 本の長さ230ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2008/10/29
- ISBN-104569704050
- ISBN-13978-4569704050
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2008/10/29)
- 発売日 : 2008/10/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 230ページ
- ISBN-10 : 4569704050
- ISBN-13 : 978-4569704050
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,233,437位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 106位アメリカ・カナダ・オーストラリアの経済事情
- - 44,290位投資・金融・会社経営 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グローバル経済というものの本質について臨場感をもって,わかりやすく解説している。
しかし日本も米・英のように金融の世界で勝負すべきとの著者の主張は違うように思う。
確かに,強欲資本主義に対抗する力はつけなくてはならないが,日本も彼らに倣って他国をむさぼることなど必要ではないし,やってはいけないことだ。
日本が優れているのは,やはりものづくりだ。それは国民性から来ているもので,これを生かさない手はない。逆にこれ以外に世界と勝負できるものは何があるというのだろう。
目立たない,企業のニッチな要望に応える産業機器を中心として,ついこの間まで輸出額世界一だったドイツに学ぶ点は多いと思う。
つまり,既得権でがちがちに固められた業界のしがらみを破り,大資本の支配を制限し,中小企業や個人の独創的なアイデアを生かして,世界のニーズに柔軟に応えられる体制を整備することが急務なのではないだろうか。
個人の特許であった冷蔵庫の両開きドアを,期限切れを待ってタダで採用したシャープの今の経営危機が,これを象徴しているように思う。
しかし日本も米・英のように金融の世界で勝負すべきとの著者の主張は違うように思う。
確かに,強欲資本主義に対抗する力はつけなくてはならないが,日本も彼らに倣って他国をむさぼることなど必要ではないし,やってはいけないことだ。
日本が優れているのは,やはりものづくりだ。それは国民性から来ているもので,これを生かさない手はない。逆にこれ以外に世界と勝負できるものは何があるというのだろう。
目立たない,企業のニッチな要望に応える産業機器を中心として,ついこの間まで輸出額世界一だったドイツに学ぶ点は多いと思う。
つまり,既得権でがちがちに固められた業界のしがらみを破り,大資本の支配を制限し,中小企業や個人の独創的なアイデアを生かして,世界のニーズに柔軟に応えられる体制を整備することが急務なのではないだろうか。
個人の特許であった冷蔵庫の両開きドアを,期限切れを待ってタダで採用したシャープの今の経営危機が,これを象徴しているように思う。
2009年1月22日に日本でレビュー済み
金融危機(サブプライムローン問題に端を発した)の根源的な原因は何か?
を知るには、格好の書だ。
著者の結論は、「あまりに目先の利益だけを追求してきた強欲(グリーディー)な
プレーヤー達の行動にある」というもの。それだけ聞けば、「そんなことは判っている」
という反応も多かろう。ただ、想像して判っていることでも、実際に、そこで見聞きした
著者の証言は貴重だ。例えば、不良債券にAAAなどのお墨付きを与えることで巨額の
利益を得た格付け機関の存在。だいたい、「機関」などというといかにも、半公的で
客観的・第三者的な評価をしてくれるものと、一般投資家としては期待していたが、
実は、発行者・販売会社とグルになって巨額の富をかっさらっていったことが、著者の
分析で明らかにされている。いつもハゲタカにカモにされている日本の金融機関に対する
負の「評価」もなかなか本流のジャーナリズムからは聞こえてこないものだ。
「日本経済への提言」の章だけはあまり感心できないが、巻末の節に「倫理性を持った
金融取引の確立を」とあることの意味を、改めて噛みしめる価値はあろう。米国金融
資本主義モデルが最良だと、市場原理主義を吹聴することで名をなしてきた「学者」への
痛烈な批判であろう。企業に社会的責任があるように、投資の世界にも責任があるのだ。
を知るには、格好の書だ。
著者の結論は、「あまりに目先の利益だけを追求してきた強欲(グリーディー)な
プレーヤー達の行動にある」というもの。それだけ聞けば、「そんなことは判っている」
という反応も多かろう。ただ、想像して判っていることでも、実際に、そこで見聞きした
著者の証言は貴重だ。例えば、不良債券にAAAなどのお墨付きを与えることで巨額の
利益を得た格付け機関の存在。だいたい、「機関」などというといかにも、半公的で
客観的・第三者的な評価をしてくれるものと、一般投資家としては期待していたが、
実は、発行者・販売会社とグルになって巨額の富をかっさらっていったことが、著者の
分析で明らかにされている。いつもハゲタカにカモにされている日本の金融機関に対する
負の「評価」もなかなか本流のジャーナリズムからは聞こえてこないものだ。
「日本経済への提言」の章だけはあまり感心できないが、巻末の節に「倫理性を持った
金融取引の確立を」とあることの意味を、改めて噛みしめる価値はあろう。米国金融
資本主義モデルが最良だと、市場原理主義を吹聴することで名をなしてきた「学者」への
痛烈な批判であろう。企業に社会的責任があるように、投資の世界にも責任があるのだ。
2008年12月29日に日本でレビュー済み
ウォール街の「詐欺師達」の行状を開けスケにざっくばらんと語る。確かにインチキ賭博に手を出して日本人が大損しても誰も顧みてはくれない。騙されたあんた達が馬鹿でお人好しなだけと言われるだけ。大規模でグローバルな金融の世界では日本人は騙し易い素人も同然て事ですかね。
2009年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
むしり取る米国と、ただただ黙ってむしり取られる日本の構図を分かりやすく伝えてくれる。このまま黙って米国にしゃぶられ続けていいのか、それとも米国のようにしゃぶる側に回るべきなのか。筆者は、そのどちらでもない、第三の道を進むべきと提唱する。閉塞感に包まれた今の日本をどうしたらよいのか、そんなことを考えさせる一冊である。列強に伍するために植民地政策に乗るしかないと判断した時代があったが、同じような分水嶺の状況に今の日本は置かれているのかもしれない。
2008年11月19日に日本でレビュー済み
アメリカ経済は貿易収支の巨額の赤字を資本収支、すなわち「金融」の力で世界のカネを集めることで補い、経済を回してきた。しかしそれは、世界中の顧客に「投資機会」=カネ儲けのチャンスを見せることでしか維持し得ないものであり、ウォール街の尖兵たる投資銀行は、最先端の金融工学を投入することで新たな金融商品=魅力あるギャンブルのゲームを提供し、世界のカネを集めてきた。経済の「カジノ化」である。
だがカジノ経済は、アメリカ社会に深刻な副作用をもたらした。カジノを運営する胴元とカジノでプレイできる客がとことん富裕となる一方、最初からカジノに出入りできない貧困層はさらに貧困化し、社会の分断が顕著になってきたのだ。オバマ新大統領が「変革」とともに「団結」「統合」を訴えなければならなかった理由である。
本書は邦銀の一員として「ウォール街の詐欺師たち」と渡り合ってきた著者が、カジノ経済の「騙しのテクニック」を明快に解説したものであり、きわめて面白い。「騙された奴が悪い」という金融の世界の世知辛さ、凄まじさも興味深いが、今回の金融危機がなぜ起きてどう破綻したのかがよくわかる。
この度の金融危機は、鉄火場の胴元が自らも「張り方」として突っ込んで大火傷を負ったということである。おそらく、新大統領のもと、アメリカは今よりは「実直」に変わろうと努力をすることになる。一方で日本は、もう少し「すれっからし」になる必要がある。いくら安全保障を依存しているからといって「毟られっぱなし」では、子孫に申し訳ないというものだろう。そのために、テキの「騙しの手口」を知っておくことは極めて有益だ。金融の専門知識がなくとも読める本書は、そういう意味で貴重である。
だがカジノ経済は、アメリカ社会に深刻な副作用をもたらした。カジノを運営する胴元とカジノでプレイできる客がとことん富裕となる一方、最初からカジノに出入りできない貧困層はさらに貧困化し、社会の分断が顕著になってきたのだ。オバマ新大統領が「変革」とともに「団結」「統合」を訴えなければならなかった理由である。
本書は邦銀の一員として「ウォール街の詐欺師たち」と渡り合ってきた著者が、カジノ経済の「騙しのテクニック」を明快に解説したものであり、きわめて面白い。「騙された奴が悪い」という金融の世界の世知辛さ、凄まじさも興味深いが、今回の金融危機がなぜ起きてどう破綻したのかがよくわかる。
この度の金融危機は、鉄火場の胴元が自らも「張り方」として突っ込んで大火傷を負ったということである。おそらく、新大統領のもと、アメリカは今よりは「実直」に変わろうと努力をすることになる。一方で日本は、もう少し「すれっからし」になる必要がある。いくら安全保障を依存しているからといって「毟られっぱなし」では、子孫に申し訳ないというものだろう。そのために、テキの「騙しの手口」を知っておくことは極めて有益だ。金融の専門知識がなくとも読める本書は、そういう意味で貴重である。
2009年3月10日に日本でレビュー済み
この本を読んで確信した事は、サブプライム危機は、故意によって生み出されたと言ふ事である。本書は、ウォール街で自身が食ふか食はれるかの取引をして居た経歴の持ち主で、自身の実体験を、医者が自分が見た症例を語る様に語りながら、アメリカと言ふ国の正体を語って居る。全日本人必読の本である。
(西岡昌紀・内科医/東京大空襲から64年目の夜に)
(西岡昌紀・内科医/東京大空襲から64年目の夜に)
2009年1月26日に日本でレビュー済み
言っていることは正しい面もあるし日本が論理性を持った世界第三の国際金融センターにする提案など賛同する面もあるのだけれど
全体的に個人的な感情が強く独りよがりにも感じられる気がしてしまう
米国型モデルのすべてが正しいわけでもなければ悪いわけでもないし
日本型モデルのすべてが正しいわけでもなければ悪いわけでもないでしょう。
自由市場主義社会はこれから否応なく形を変えていく時代に日本型モデルがどれだけ優れているのか真価が問われるってことです
全体的に個人的な感情が強く独りよがりにも感じられる気がしてしまう
米国型モデルのすべてが正しいわけでもなければ悪いわけでもないし
日本型モデルのすべてが正しいわけでもなければ悪いわけでもないでしょう。
自由市場主義社会はこれから否応なく形を変えていく時代に日本型モデルがどれだけ優れているのか真価が問われるってことです