本を買って、1/3も読まず、駅のゴミ箱に放り込んだ。 こんなことしたのは初めてだ。 買取に出そうかと一瞬考えたが、二次流通をさせるべきではないと考え直して、ゴミ箱を選んだ。
何時書かれた本なのか、と思ってしまう。 副大統領候補のペイリンの名が出てくるので、それほど古くはない。 オバマ勝利の前に出来上がった原稿なのは仕方が無いが、「内陸部はオバマの”チェンジ”に大反対で纏まっている」としてマケインが勝つ事を匂わしているのは、今見るとイタイ。
「サブプライム問題くらいじゃ、アメリカの金融立国は揺るがない」というところで、もはや著者にマトモな判断能力がないと、読む気がなくなった。
そのような主張もいい。 しかし、今、それを主張するなら、厳密に論理立てが必要だ。 終始「日本人はアメリカのことを解ってないから勘違いするが、よくわかってくると、こうだ」という調子で書かれているだけだ。 今の日本人がどの程度の知恵を得ていて、どういうレベルの説明が求められるか、まるっきりわかっちゃいない。金融問題に対する認識ではなく、その日本の読者の状態を理解できない事で、”こりゃダメダ”と判断した。
ここまで行っちゃうと、オバマ大勝の時点で出版を中止し、著者には隠居を勧めるのが出版社の良心なのではないかと、思ってしまった。

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大統領が変わると日本はどこまで変わるか? (トレビズ新書 1) 新書 – 2008/11/1
長谷川 慶太郎
(著)
- 本の長さ203ページ
- 言語日本語
- 出版社ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ
- 発売日2008/11/1
- ISBN-104789733432
- ISBN-13978-4789733434
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年11月19日に日本でレビュー済み
エコノミストの仕事というのは、よくも悪くもこういったものなのだろう。東谷さんの『エコノミストは信用できるか』じゃないが、将来の予測というのはたいてい外れる。もし、結構な確率でそれが当たるようなら、エコノミストじゃなく予言者にでもなったほうがよほど世のなかに貢献できるだろう。
さて、たしかにタイミング的には大変微妙。ただし、考えてみれば著者のロングセラーとなっている『大局を読む』シリーズが典型のように、彼らの仕事は手持ちのデータから類推してちょいと長めの経済や社会の方向性を解説することなのだから、むしろこの本で重要なのは、オバマだろうがマケインだろうが、どちらが大統領になってもアメリカの動く先に大きな変わりはない、というポイントなのじゃないだろうか。けっきょくリーマンブラザーズの破綻が、大統領選の当落を決めたようにも思えるし、そう考えれば、著者がこの時点(サブプライム&金融資本主義破綻後)に、「それでもアメリカの優位は変わらない」といいきる姿勢は見事だ。
ほんとうは、この著者の醍醐味だった圧倒的なデータに裏付けられたそんな仮説の証明が欲しいところだが、読みやすさに重点を置いた「新書」ではそれは望むべくもない。ところで、この本がアメリカを例に挙げながら、ここのところ著者が一貫して主張してきた「将来的な日本優位性」を納得させてくれることで、とかく自信を失いがちなわれわれを勇気づけてくれることは間違いない。実際のところ、それは大変重要なことじゃないだろうか。なにしろ景気も経済も「気分の問題」だというのだから。
さて、たしかにタイミング的には大変微妙。ただし、考えてみれば著者のロングセラーとなっている『大局を読む』シリーズが典型のように、彼らの仕事は手持ちのデータから類推してちょいと長めの経済や社会の方向性を解説することなのだから、むしろこの本で重要なのは、オバマだろうがマケインだろうが、どちらが大統領になってもアメリカの動く先に大きな変わりはない、というポイントなのじゃないだろうか。けっきょくリーマンブラザーズの破綻が、大統領選の当落を決めたようにも思えるし、そう考えれば、著者がこの時点(サブプライム&金融資本主義破綻後)に、「それでもアメリカの優位は変わらない」といいきる姿勢は見事だ。
ほんとうは、この著者の醍醐味だった圧倒的なデータに裏付けられたそんな仮説の証明が欲しいところだが、読みやすさに重点を置いた「新書」ではそれは望むべくもない。ところで、この本がアメリカを例に挙げながら、ここのところ著者が一貫して主張してきた「将来的な日本優位性」を納得させてくれることで、とかく自信を失いがちなわれわれを勇気づけてくれることは間違いない。実際のところ、それは大変重要なことじゃないだろうか。なにしろ景気も経済も「気分の問題」だというのだから。
2008年11月28日に日本でレビュー済み
この本は、アメリカの政治経済の現状をリアルに説明し、
大統領や政治家の理念や思想に関わりなく、政治経済の構造上、
日米関係が既に分かちがたい関係になっているとし、
また、その構造について詳細に分かりやすく説明している点に大きな特徴がある。
確かに前半でオバマとマケインの、それぞれの強みと弱みを述べてはいるが
それは、アメリカという国の状況を説明するための1材料であるだけで
それがメインではない。
そして「アメリカの実態」こそが、この本の本当のテーマだ。
この本を読めば、アメリカの実態が見えてくる。
バイアスがかかっていないリアルなアメリカの現状が見えてくる。
そして、アメリカが見えるからこそ世界、そして日本が見えてくる。
かつての大恐慌と今回のサブプライム問題の大きな違いも興味深かった。
最近のマスメディアからは大恐慌前夜であるかのような雰囲気が漂うが
この本を読むと、バイアスのかかっていない世界が見えてくる。
今年、一番の書であった。
大統領や政治家の理念や思想に関わりなく、政治経済の構造上、
日米関係が既に分かちがたい関係になっているとし、
また、その構造について詳細に分かりやすく説明している点に大きな特徴がある。
確かに前半でオバマとマケインの、それぞれの強みと弱みを述べてはいるが
それは、アメリカという国の状況を説明するための1材料であるだけで
それがメインではない。
そして「アメリカの実態」こそが、この本の本当のテーマだ。
この本を読めば、アメリカの実態が見えてくる。
バイアスがかかっていないリアルなアメリカの現状が見えてくる。
そして、アメリカが見えるからこそ世界、そして日本が見えてくる。
かつての大恐慌と今回のサブプライム問題の大きな違いも興味深かった。
最近のマスメディアからは大恐慌前夜であるかのような雰囲気が漂うが
この本を読むと、バイアスのかかっていない世界が見えてくる。
今年、一番の書であった。
2008年11月20日に日本でレビュー済み
大統領選については執筆時期と発売タイミングからするとビビットでは無いかもしれないが、日本人が知っているようでじつはあまり知らない「大国アメリカ」を見誤るととんでもないことになるという主張には頷けるし、普段日本ではあまり報道されない素のアメリカをするテキストとしては面白く読めました。