改正貸金業法改正前の金融界を背景に、法改正によって明らかになる過去の不正融資を隠蔽するよう指示されたエリート銀行マンの悲哀を描いた経済小説です。
ミズナミ銀行頭取秘書の天野は、ある日頭取から過去の不正融資をなんとか隠蔽するよう指示を受けます。
問題の案件は、先々代の頭取が起こしたスキャンダルの口止め料代わりに行った7億円の融資です。手切れ金だから返す必要はない、と居直る債務者に手を焼いて、一度は子会社のノンバンクに債権を移しました。
しかし、改正貸金業法が改正されてしまうとグレーゾーン金利廃止に伴って子会社のノンバンクも巨額の引当金を計上しなければならなくなります。不良債権の洗い出しが行われ、スキャンダルが明らかになると現頭取の責任問題にも発展しかねません。
本来なら、こういうややこしい問題を処理すべき総務部長が及び腰のため、天野は頭取秘書として奔走をはじめました。
難しい問題になんとか筋道を立てた天野は、上司として信じていた頭取にはしごを外され、苦境に立たされます。
コンプライアンスが重視される時代だからこそ、真面目なサラリーマンはジレンマに立たされる傾向があります。
帯に大きく書かれた「もう君には用はない」は人ごとではありません。
上司にとって、部下は取替え可能な部品に過ぎないのか。
考えさせられる一書でした。
最初の30ページまでは、好色な政治家と汚い政治資金というありがちな設定に「この本、ハズレだったかなあ……」と投げ出しそうになりました。ところが、読み進んでいくうちに、ぐいぐい内容に引き込まれてしまいます。
エリートサラリーマンとして、上司によかれ、会社によかれと行動してきた真面目な主人公が、落とし穴にはめられていく。最後には上司にも見捨てられることを予感するストーリーから、目が離せなくなってしまいました。
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発送元: Amazon 販売者: タイマーズ書店
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中古品: ¥217
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隠蔽指令 ハードカバー – 2008/8/26
江上剛
(著)
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購入オプションとあわせ買い
朝日新聞(10月19日付)の[読書面]で「正義の物語ではない。組織の非情と生々しい処世術・・・会社員の心に突き刺さる言葉が満ちている」と紹介されています。
日刊ゲンダイ(9月23日付)の[著者インタビュー]で「真昼の闇を描きたかった」と著者が答えています。
。夕刊フジ(9/2付)の[今月のウチのイチオシ]に選ばれました。「上司にとって、部下は取替え加納な部品なのか」「サラリーマン受難の時代に贈る1冊!」と紹介されています。
サラリーマン人生は、「逢魔が時」の連続だ。魔に魅入られたように不幸へと転落していく落とし穴がいっぱいだということだ。どうしてあんな上司の言うことを信じてしまったのか。私も悔しく苦い思いばかりしてきた。あとから振り返れば、あの一瞬さえ無事にやり過ごしていればなにも問題はなかったのにと後悔ばかりが募る。そのくせいつも上司は傷つかないところでのうのうと暮らしている。この野郎と叫びたい。最近はコンプライアンスが重視される。こういう時代は真面目なサラリーマンほど魔に魅入られやすい。例えばこの小説の主人公天野善彦は、上司の命令に忠実であろうとすればするほど不幸にからめとられてしまう。上司にとって、部下は取替え可能な部品に過ぎないことを知るのが遅すぎたのだ。「逢魔が時」に遭遇した瞬間、それにどう対処するかでサラリーマン人生は決まる。この小説はコンプライアンスが重視されるサラリーマン受難の時代に贈るノンストップのサラリーマン危機管理ノベルだ。
日刊ゲンダイ(9月23日付)の[著者インタビュー]で「真昼の闇を描きたかった」と著者が答えています。
。夕刊フジ(9/2付)の[今月のウチのイチオシ]に選ばれました。「上司にとって、部下は取替え加納な部品なのか」「サラリーマン受難の時代に贈る1冊!」と紹介されています。
サラリーマン人生は、「逢魔が時」の連続だ。魔に魅入られたように不幸へと転落していく落とし穴がいっぱいだということだ。どうしてあんな上司の言うことを信じてしまったのか。私も悔しく苦い思いばかりしてきた。あとから振り返れば、あの一瞬さえ無事にやり過ごしていればなにも問題はなかったのにと後悔ばかりが募る。そのくせいつも上司は傷つかないところでのうのうと暮らしている。この野郎と叫びたい。最近はコンプライアンスが重視される。こういう時代は真面目なサラリーマンほど魔に魅入られやすい。例えばこの小説の主人公天野善彦は、上司の命令に忠実であろうとすればするほど不幸にからめとられてしまう。上司にとって、部下は取替え可能な部品に過ぎないことを知るのが遅すぎたのだ。「逢魔が時」に遭遇した瞬間、それにどう対処するかでサラリーマン人生は決まる。この小説はコンプライアンスが重視されるサラリーマン受難の時代に贈るノンストップのサラリーマン危機管理ノベルだ。
- 本の長さ349ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2008/8/26
- ISBN-104198625794
- ISBN-13978-4198625795
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登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2008/8/26)
- 発売日 : 2008/8/26
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 349ページ
- ISBN-10 : 4198625794
- ISBN-13 : 978-4198625795
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,810,842位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 944位経済・社会小説 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
複雑な関係など少しめんどくさいなーと思う部分はありましたが、最後のほぼ全ての仕事人、会社に勤めている人なら刺さる言葉でこの本を読んだ価値があると言ってもいいと思えた本です。
まあ男が読む、女性は何と思うか、男が読む本です。
まあ男が読む、女性は何と思うか、男が読む本です。
2014年4月11日に日本でレビュー済み
著者に実体験に基づいた実に興味ある題材だった。
「会社はあなたを裏切る」強烈な提言だ。
銀行界という言わゆる普通企業とは違う特殊環境ならではの展開に圧倒される。
最後にミズナミ銀行の行方が気になった以外は素晴らしい作品だった。
一般文学通算1181作品目の感想。2014/04/11 19:25
「会社はあなたを裏切る」強烈な提言だ。
銀行界という言わゆる普通企業とは違う特殊環境ならではの展開に圧倒される。
最後にミズナミ銀行の行方が気になった以外は素晴らしい作品だった。
一般文学通算1181作品目の感想。2014/04/11 19:25
2008年9月23日に日本でレビュー済み
サラリーマン生活を送っていると、いつ、どこに落とし穴が潜んでいるかわからないという思いをされている方も多いだろう。
本書では、近年、食品偽装問題をあげるまでもなく、企業コンプライアンス上の問題が多くの企業で大きなリスクになっていることにもポイントを置いた時代背景の下、話は進んでゆく。
企業の不祥事が多発し、さらに、その数は勢いを増そうとしていることなど、サラリーマンの方なら内心どこかで意識している。それが自分の身に降りかかってくるとまでは考えていないかもしれないが。
しかし、それが自分の身に、そして、誰の身にも降りかかってくるということを著者は小説というスタイルの中で強く警告する。
厄介事を他人に押しつけ、うまいこと部下に責任をなすりつけて自分の身を守ろうとする上司の姿を見たことのある人も多いだろう。サラリーマンはおかしいなと思っていても、なかなか上司の命令には逆らえないものであるからだ。
過去の会社の負の遺産のツケを払わず、先送りや他人に責任を押しつけて自分の出世を優先してきた人は程度の差はあれどの会社にもいるだろう。やはり、みんな自分が一番かわいいものだから。
自分の会社が企業不祥事や商品偽装などの不祥事や事件に巻き込まれたとき、サラリーマンであれば、誰の身にもその責任をなすりつけられることは起こり得るということを本書は、はっきりと読者に示してくれる。
「自分の身を守れるのは自分だけ」ということを本書はサラリーマンに改めて強く認識させてくれる。
不正融資、不良債権、貸金業法改正など、ここ数年間に実際に世間を騒がせた問題をテーマにしているが、なぜか、本書の中で「政界再編」が予告されていることが、より一層、本書に彩りを添えている。
本書では、近年、食品偽装問題をあげるまでもなく、企業コンプライアンス上の問題が多くの企業で大きなリスクになっていることにもポイントを置いた時代背景の下、話は進んでゆく。
企業の不祥事が多発し、さらに、その数は勢いを増そうとしていることなど、サラリーマンの方なら内心どこかで意識している。それが自分の身に降りかかってくるとまでは考えていないかもしれないが。
しかし、それが自分の身に、そして、誰の身にも降りかかってくるということを著者は小説というスタイルの中で強く警告する。
厄介事を他人に押しつけ、うまいこと部下に責任をなすりつけて自分の身を守ろうとする上司の姿を見たことのある人も多いだろう。サラリーマンはおかしいなと思っていても、なかなか上司の命令には逆らえないものであるからだ。
過去の会社の負の遺産のツケを払わず、先送りや他人に責任を押しつけて自分の出世を優先してきた人は程度の差はあれどの会社にもいるだろう。やはり、みんな自分が一番かわいいものだから。
自分の会社が企業不祥事や商品偽装などの不祥事や事件に巻き込まれたとき、サラリーマンであれば、誰の身にもその責任をなすりつけられることは起こり得るということを本書は、はっきりと読者に示してくれる。
「自分の身を守れるのは自分だけ」ということを本書はサラリーマンに改めて強く認識させてくれる。
不正融資、不良債権、貸金業法改正など、ここ数年間に実際に世間を騒がせた問題をテーマにしているが、なぜか、本書の中で「政界再編」が予告されていることが、より一層、本書に彩りを添えている。
2009年9月28日に日本でレビュー済み
本書の主人公、天野の転落振りをサラリーマンは笑えないであろう。組織と言うものに振り回される
人生は哀愁さえ漂う。
この本を読むと、自分自身の生活を守る事が、如何に大切か気づかせてくれる。
組織に生きたために、すべて失うような人生は、少なくとも自分は御免だ。
人生は哀愁さえ漂う。
この本を読むと、自分自身の生活を守る事が、如何に大切か気づかせてくれる。
組織に生きたために、すべて失うような人生は、少なくとも自分は御免だ。
2008年9月26日に日本でレビュー済み
江上氏のいつものお得意の合併銀行、不良債権、反社会的勢力のテーマに加えて、今回は真面目なエリート頭取秘書の忠誠心と復讐であり、一連の作品の中では面白い方ではある。ただ本書は「統治崩壊」と設定が似ている。「統治崩壊」は合併銀行の頭取案件の不良債権に対し、広報部の主人公(江上氏と重ね合わせか)が審査、総務、警視庁と連携を取り活躍する。一方、本書は合併銀行の相談役(前々頭取)のスキャンダル案件であり、主人公の頭取秘書は頭取からの隠蔽指示を受け、孤軍奮闘し、結局はハシゴをはずされ裏切られ・・というもの。総務部も人事部も役員達も汚れ役にはならず、誰も守ってくれないという、どこの世界でもある宮仕えの悲哀である。上司にとって部下は、自分に都合良く動いている間は重宝する。不具合が起きればリプレイスするだけの存在だ。これは本書ミズナミ銀行に限らず、一般的にそうだろう。負の遺産の隠蔽のみならず、銀行ではご法度の職場の女性問題も加わってハラハラさせられたが、結局これは中途半端な描き方に思えた。女子行員との関係も徹底してもっと恐ろしく描けたはずだ。江上氏がまだ合併、不良債権、人事抗争から脱皮しないのが不思議である。もう少し構想をじっくり練って、馬鹿馬鹿しい設定ではなく、より現実的な内容の小説を期待している。本書にある人事部・総務部主管のセクハラ査問委員会や、出世しか考えていないという新宿支店長をターゲットに、新党結成の軍資金調達を支店長権限でファンドへの10億円融資依頼などは、空想的で読んでいられなかった。奇想天外・内容多岐大盛りよりは、身近なしかも怖いスリリングな行員の日常(人事・金・事故・誘惑・行内恋愛等々)を描いた方が面白いのではと私は思う。
2008年10月13日に日本でレビュー済み
上司に忠実で自分が蒔いた種の責任は自分でとるという信念をもった頭取秘書の天野の生き様が力強く描かれていて、読み応えのある作品だった。
特に、頭取、総務部長、支店長、役員、転籍企業の部長など、登場人物にはそれぞれ癖があるのだが、みな自分の出世や地位を守ることばかりを考えてる様子にリアリティが感じられてよかった。ここまで責任を他人に押し付けられては、もはや誰も信用できないという現実の恐さもあり考えることもあった。
また、政界やヤクザ関しても銀行とうまく関連付けられて描かれていた。政界で秘書をしている鬼頭を中心に、国会議員の羽根田が窮地に立たされるような別の物語があってもおもしろいと思う。
ただ、天野の女性の扱いについては好感が持てなかった。仕事に対しては最後まで筋を通したのだから、浮気相手の女性や妻に対してもきちんと筋を通してほしいと思った。
特に、頭取、総務部長、支店長、役員、転籍企業の部長など、登場人物にはそれぞれ癖があるのだが、みな自分の出世や地位を守ることばかりを考えてる様子にリアリティが感じられてよかった。ここまで責任を他人に押し付けられては、もはや誰も信用できないという現実の恐さもあり考えることもあった。
また、政界やヤクザ関しても銀行とうまく関連付けられて描かれていた。政界で秘書をしている鬼頭を中心に、国会議員の羽根田が窮地に立たされるような別の物語があってもおもしろいと思う。
ただ、天野の女性の扱いについては好感が持てなかった。仕事に対しては最後まで筋を通したのだから、浮気相手の女性や妻に対してもきちんと筋を通してほしいと思った。
2008年9月9日に日本でレビュー済み
部下は上司に「自分は必要とされていて代わりなどいない」と思い。上司は部下に「交換の効く消耗品」と認識している。その意識の違いが世の中に多いから困ったもの、会社の為、上司のために働くのではなく自分の為に働くのだ。しかしうわっつらの「信頼を置いている」との言葉にいつも惑わされるのは日本人だけなのか?日々様々なトラブルと接的するサラリーマンの奔走を他人事、自分の過去、未来、お好きなように読んでみてください。