細かいトリックのようなものは少しこじつけのように感じなくもないが、読んでいる時間は夢中になってしまう。
ずいぶん昔に書かれたようだけど、旅行気分が味わえるし、時代を感じられるのも面白い。
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蒼い描点 (新潮文庫) 文庫 – 1972/5/29
松本 清張
(著)
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購入オプションとあわせ買い
女流作家の秘密を握るフリーライターの変死。箱根、木曽川、真鶴、秋田・五城目と、殺人者を追って…。
昭和33年、『ゼロの焦点』など、怒涛の執筆量を誇った「清張ブーム期」に連載された一作。
若い編集者・椎原典子は、女流作家・村谷阿沙子の原稿催促に出向いた箱根で、顔見知りのフリーライターの変死にぶつかる。死者と村谷女史に謎の繋がりを感じた典子と同僚崎野は、やがて女史には代作者がいたという確信を持つ。女史の夫と女中の相次ぐ失踪、女史の精神病院への逃避、そして第二の殺人と、事件は意外な方向へ発展する……。
心理の微妙な起伏と情景の描写が光る推理長編。
著者の言葉
地図を拡げて、その上をたどりながら、自分が実際にその土地に旅行したような空想にふけるのである。こんな場合、もとより実景と自分の想像とは合わない。だが、たとえば、秋田県下の八郎潟のそばにある五城目(ごじょうのめ)という駅名を見付けたら、そこでは廂(ひさし)の深い寂しい家並みと、雪の上を歩く角巻(かくまき)を巻いた女たちの黒い姿が荒涼と泛(うか)ぶのだ。いや、その時の通行人の会話や、通りすがりに見かける家の中の人まで眼に見えてくる。(本書「解説」より)
本文より
泊り客や宿の雇い人などが、二十人ばかりも集まって見物していた。その輪の中にはいって見ると、白っぽい水成岩の石には、変色して黒くなった血痕がぽつぽつと模様のように散っていた。
典子は飛び降りの現場など、血だらけのすさまじいようすなのではないかと、こわごわのぞいたのだが、そこはもう警察が片づけたあとだったのか、想像したような血だまりはなかった。
しかし、典子は石に付着している黒い血痕に、やはりぞっとして目をそむけた。……(本書62ページ)
松本清張(1909-1992)
小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派"の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
昭和33年、『ゼロの焦点』など、怒涛の執筆量を誇った「清張ブーム期」に連載された一作。
若い編集者・椎原典子は、女流作家・村谷阿沙子の原稿催促に出向いた箱根で、顔見知りのフリーライターの変死にぶつかる。死者と村谷女史に謎の繋がりを感じた典子と同僚崎野は、やがて女史には代作者がいたという確信を持つ。女史の夫と女中の相次ぐ失踪、女史の精神病院への逃避、そして第二の殺人と、事件は意外な方向へ発展する……。
心理の微妙な起伏と情景の描写が光る推理長編。
著者の言葉
地図を拡げて、その上をたどりながら、自分が実際にその土地に旅行したような空想にふけるのである。こんな場合、もとより実景と自分の想像とは合わない。だが、たとえば、秋田県下の八郎潟のそばにある五城目(ごじょうのめ)という駅名を見付けたら、そこでは廂(ひさし)の深い寂しい家並みと、雪の上を歩く角巻(かくまき)を巻いた女たちの黒い姿が荒涼と泛(うか)ぶのだ。いや、その時の通行人の会話や、通りすがりに見かける家の中の人まで眼に見えてくる。(本書「解説」より)
本文より
泊り客や宿の雇い人などが、二十人ばかりも集まって見物していた。その輪の中にはいって見ると、白っぽい水成岩の石には、変色して黒くなった血痕がぽつぽつと模様のように散っていた。
典子は飛び降りの現場など、血だらけのすさまじいようすなのではないかと、こわごわのぞいたのだが、そこはもう警察が片づけたあとだったのか、想像したような血だまりはなかった。
しかし、典子は石に付着している黒い血痕に、やはりぞっとして目をそむけた。……(本書62ページ)
松本清張(1909-1992)
小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派"の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
- 本の長さ672ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1972/5/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101109214
- ISBN-13978-4101109213
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或る「小倉日記」伝 傑作短編集傑作短編集㈠ | 黒地の絵 傑作短編集㈡ | 西郷札 傑作短編集㈢ | 佐渡流人行 傑作短編集㈣ | 張込み 傑作短編集㈤ | 駅路 傑作短編集㈥ | |
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【新潮文庫】松本清張 作品 | 体が不自由で孤独な青年が小倉在住時代の鴎外を追究する姿を描いて、芥川賞に輝いた表題作など、名もない庶民を主人公にした 12 編。〈芥川賞受賞〉 | 朝鮮戦争のさなか、米軍黒人兵の集団脱走事件が起きた基地小倉を舞台に、妻を犯された男のすさまじい復讐を描く表題作など 9 編。 | 西南戦争の際に、薩軍が発行した軍票をもとに一攫千金を夢みる男の破滅を描く処女作の「西郷札」など、異色時代小説 12 編を収める。 | 逃れるすべのない絶海の孤島佐渡を描く「佐渡流人行」、下級役人の哀しい運命を辿る「甲府在番」など、歴史に材を取った力作 11 編。 | 平凡な主婦の秘められた過去を、殺人犯を張込み中の刑事の眼でとらえて、推理小説界に新風を吹きこんだ表題作など 8 編を収める。 | これまでの平凡な人生から解放されたい……。停年後を愛人と過ごすために失踪した男の悲しい結末を描く表題作など、 10 編の推理小説集。 |
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半生の記 | 点と線 | 時間の習俗 | ゼロの視点 | 眼の壁 | 黒い画集 | |
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金も学問も希望もなく、印刷所の版下工としてインクにまみれていた若き日の姿を回想して綴る〈人間松本清張〉の魂の記録である。 | 一見ありふれた心中事件に隠された奸計!列車時刻表を駆使してリアリスティックな状況を設定し、推理小説界に新風を送った秀作。 | 相模湖畔で業界紙の社長が殺された!容疑者の強力なアリバイを『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼刑事が解明する本格推理長編。 | 新婚一週間で失踪した夫の行方を求めて、北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子がまき込まれた連続殺人!『点と線』と並ぶ代表作品。 | 白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形サギ。責任を負った会計課長の自殺の背後にうごめく黒い組織を追う男を描く。 | 身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。平凡な日常生活にひそむ深淵の恐ろしさを描く 7 編。 |
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蒼い描点 | Dの複合 | 死の枝 | 喪失の儀礼 | 共犯者 | 渡された場面 | |
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女流作家阿沙子の秘密を握るフリーライターの変死──事件の真相はどこにあるのか?代作の謎をひめて、事件は意外な方向へ……。 | 雑誌連載「僻地に伝説をさぐる旅」の取材旅行にまつわる不可解な謎と奇怪な事件!古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ推理長編。 | 現代社会の裏面で複雑にもつれ、からみあう様々な犯罪──死神にとらえられ、破滅の淵に陥ちてゆく人間たちを描く連作推理小説。 | 東京の大学病院に勤める医局員・住田が殺害された。匿名で、医学界の不正を暴く記事を書いていた男だった。震撼の医療ミステリー。 | 銀行を襲い、その金をもとに事業に成功した内堀彦介は、真相露顕の恐怖から五年前に別れた共犯者を監視し始める……表題作等 10 編。 | 四国と九州の二つの殺人事件が、小さな同人雑誌に発表された小説の一場面によって結びついた時、予期せぬ真相が……。推理長編。 |
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水の肌 | 憎悪の依頼 | 黒い福音 | 影の地帯 | 眼の気流 | なぜ「星図」が開いていたか 初期ミステリ傑作集 | |
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利用して捨てた女がかつての同僚と再婚していた──男の心に湧いた理不尽な怒りが平凡な日常を悲劇にかえる。表題作等 5編を収録。 | 金銭貸借のもつれから友人を殺した孤独な男の、秘められた動機を追及する表題作をはじめ、多彩な魅力溢れる 10 編を収録した短編集。 | 現実に起った、外人神父によるスチュワーデス殺人事件の顚末に、強い疑問と怒りをいだいた著者が、推理と解決を提示した問題作。 | 信濃路の湖に沈められた謎の木箱を追う田代の周囲で起る連続殺人! ふとしたことから悽惨な事件に巻き込まれた市民の恐怖を描く。 | 車の座席で戯れる男女に憎悪を燃やす若い運転手、愛人に裏切られた初老の男。二人の男の接点に生じた殺人事件を描く表題作等5編。 | 清張ミステリはここから始まった。メディアと犯罪を融合させた「顔」、心臓麻痺で急死した教員の謎を追う表題作など本格推理八編。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1972/5/29)
- 発売日 : 1972/5/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 672ページ
- ISBN-10 : 4101109214
- ISBN-13 : 978-4101109213
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 256,941位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1992)小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
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2020年9月16日に日本でレビュー済み
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2019年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
亡くなった母が好きだった松本清張。その母とたった一度だけでしたが二人旅で訪れたのがこの本の舞台となった宿でした。今は休館中とのことですが、その時の事を思い出しながら読み返しました。
2011年3月22日に日本でレビュー済み
やはり、夜も眠れぬほど、
引き込まれるのが、清張の作品。
次々と起こる事件、
つながっていく人間関係。
確かに面白く、引き込まれたけど、
それだけ引っ張っておいて、それがオチ?
ちょっとがっかり。
やっぱり、「砂の器」にはまったくもって及びません。
読み終わった後の深い納得感というか、
満足感というものがない。
ただ、重い気分にはならずに済んだけど。
単なるミステリー小説にしては、長いな。
引き込まれるのが、清張の作品。
次々と起こる事件、
つながっていく人間関係。
確かに面白く、引き込まれたけど、
それだけ引っ張っておいて、それがオチ?
ちょっとがっかり。
やっぱり、「砂の器」にはまったくもって及びません。
読み終わった後の深い納得感というか、
満足感というものがない。
ただ、重い気分にはならずに済んだけど。
単なるミステリー小説にしては、長いな。
2010年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「殺人現場検証ツアー」と称し、7名で箱根旅をしてきました。松本先生初期作品を皆で熟読し、その登場人物に各自なりきりの宴旅です。
2021年4月27日に日本でレビュー済み
解説によると、ゼロの焦点や黒い画集を書いていた頃の清張さんの作品なので、結構油のノッテいる頃の作物のはずなのですが、とても安易な構成です。女流作家の贋作問題が当然前面に出るべきなのでしょうが、それがどうにも突込みが少ない。一昔前の人間関係に触れ、各地にその因縁を探るところまでは、この作者らしいのですが、それに刑事という捜査の専門家ではなく、若い男女のアベック素人探偵が携わるせいか、迫力が足りません。ダラダラと同じ感慨と説明の繰り返しで、ページ数だけが増え、こんな厚い文庫本になったのか?
なによりも、後年の清張さんの悪い癖なのですが、それがこの作品でも見られます。即ち、最後には犯人当人の告白の手紙・手記で終わるというパターンです。これなら、後付けでトリックもいきさつも総て安易に説明出来てしまいます。即ち、話の展開を支える登場人物とその行動の描写ではなく、単なる「説明」で終わってしまいます。これは、推理小説として最悪のパターンではないでしょうか?
なによりも、後年の清張さんの悪い癖なのですが、それがこの作品でも見られます。即ち、最後には犯人当人の告白の手紙・手記で終わるというパターンです。これなら、後付けでトリックもいきさつも総て安易に説明出来てしまいます。即ち、話の展開を支える登場人物とその行動の描写ではなく、単なる「説明」で終わってしまいます。これは、推理小説として最悪のパターンではないでしょうか?
2010年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読むきっかけは、この本が書かれた箱根の部屋に泊まったことです。泊まった部屋にこの本が置いてあり、当にその部屋で松本清張氏が執筆していたのだそうです。
箱根で起きた編集者の墜落死をきっかけに起こる不可思議な事件を、居合わせた女編集者が同僚と共に追いかけてゆきます。
女編集者と同僚がディスカッションしながら事件を整理し、数々の謎や秘密を明らかにして行くのは読者にとっても頭を整理しやすくありがたいです。
ただ同僚の男性編集者の大胆な推理は少々突飛でしょう。
犯人の手記による事件の謎解きは説明的に過ぎてそれまでの物語のおもしろさが最後に削がれてしまっているようです。
一つの事件に端を発し次々と起こる出来事を螺旋のように紡いでゆく様子は楽しめます。また自分が泊まった旅館が舞台の一つだと云うことを差し引いても、箱根周辺の夏の様子が音や臭いとなって漂ってくるようです。謎解きが説明的(括弧書きが多いのがそれをよく表しています)だったのが星マイナス一です。
箱根で起きた編集者の墜落死をきっかけに起こる不可思議な事件を、居合わせた女編集者が同僚と共に追いかけてゆきます。
女編集者と同僚がディスカッションしながら事件を整理し、数々の謎や秘密を明らかにして行くのは読者にとっても頭を整理しやすくありがたいです。
ただ同僚の男性編集者の大胆な推理は少々突飛でしょう。
犯人の手記による事件の謎解きは説明的に過ぎてそれまでの物語のおもしろさが最後に削がれてしまっているようです。
一つの事件に端を発し次々と起こる出来事を螺旋のように紡いでゆく様子は楽しめます。また自分が泊まった旅館が舞台の一つだと云うことを差し引いても、箱根周辺の夏の様子が音や臭いとなって漂ってくるようです。謎解きが説明的(括弧書きが多いのがそれをよく表しています)だったのが星マイナス一です。
2016年3月10日に日本でレビュー済み
今住んでいる場所では、温泉に行こうと思えば、歩いても行ける。
午後になってハタと思いつき、慌てて出掛けても、温泉につかり、飲んで食べても、夜には帰宅できる。
しかし、そんな味気ないことはしたことない。
温泉はそれなりの心構えをして、ワクワクして行くものと心得ている。
この地の菊池温泉などは、無色透明の湯で、ツルスベ系を通り越して、ニュルニュル系だが、肌触りがよい。
温泉を出ると、サラり、スベスベである。
この地では、ここ掘れワンワンと掘ってみれば、深く掘れば、どこからでも温泉は出るような気がする。
温泉は、ヤッパ、苦労して出掛ける所に有り難味がある。
箱根、宮の下の早川の川沿いの『対星館』には、また行ってみたい。
新宿からロマンスカーに揺られ、紅茶でも飲み、箱根湯本に出る。
箱根湯本で、早川が流れる湯本橋を渡って、『はつ花』で日本酒とザルを食す。
満席なら、お向かいの『知客茶家』で麦とろを食べるのも悪くない。
腹ごなしに、ブラブラと宮の下まで歩く。
どうでもいいけれど、今もあるのかしらん。
旅館専用のケーブルカーで山の斜面を下って、早川の谷底の宿に着く。
まずはヤレヤレと、茶菓子などボリボリ齧る。
じゃあ、湯につかりますかと、大浴場に向かう。
このマがなんというか、満を持してなのだが、あくまでもさりげなく、事々しくなくよそおうのが大切である。
湯につかり、あ~ヤレヤレ。
いや~ヤレヤレ。
う~ん、極楽極楽っていうのが温泉の醍醐味である。
『対星館』は、松本清張の『蒼い描点』の舞台の宿だ。
朝もやの謎めいた風景や夜遅くにケーブルカーが動く時のチンという音など、高校生の頃に読んだのに今も憶えている。
夜遅くなって、布団にもぐり、手元灯で文庫本など繰ると、遠く瀬音が聞こえる。
じゃあ、そろそろ寝るか。
いや~、よいですなぁ。
命の洗濯である。
してみると、温泉は遠きにありて想うものが王道かもしれない。
午後になってハタと思いつき、慌てて出掛けても、温泉につかり、飲んで食べても、夜には帰宅できる。
しかし、そんな味気ないことはしたことない。
温泉はそれなりの心構えをして、ワクワクして行くものと心得ている。
この地の菊池温泉などは、無色透明の湯で、ツルスベ系を通り越して、ニュルニュル系だが、肌触りがよい。
温泉を出ると、サラり、スベスベである。
この地では、ここ掘れワンワンと掘ってみれば、深く掘れば、どこからでも温泉は出るような気がする。
温泉は、ヤッパ、苦労して出掛ける所に有り難味がある。
箱根、宮の下の早川の川沿いの『対星館』には、また行ってみたい。
新宿からロマンスカーに揺られ、紅茶でも飲み、箱根湯本に出る。
箱根湯本で、早川が流れる湯本橋を渡って、『はつ花』で日本酒とザルを食す。
満席なら、お向かいの『知客茶家』で麦とろを食べるのも悪くない。
腹ごなしに、ブラブラと宮の下まで歩く。
どうでもいいけれど、今もあるのかしらん。
旅館専用のケーブルカーで山の斜面を下って、早川の谷底の宿に着く。
まずはヤレヤレと、茶菓子などボリボリ齧る。
じゃあ、湯につかりますかと、大浴場に向かう。
このマがなんというか、満を持してなのだが、あくまでもさりげなく、事々しくなくよそおうのが大切である。
湯につかり、あ~ヤレヤレ。
いや~ヤレヤレ。
う~ん、極楽極楽っていうのが温泉の醍醐味である。
『対星館』は、松本清張の『蒼い描点』の舞台の宿だ。
朝もやの謎めいた風景や夜遅くにケーブルカーが動く時のチンという音など、高校生の頃に読んだのに今も憶えている。
夜遅くなって、布団にもぐり、手元灯で文庫本など繰ると、遠く瀬音が聞こえる。
じゃあ、そろそろ寝るか。
いや~、よいですなぁ。
命の洗濯である。
してみると、温泉は遠きにありて想うものが王道かもしれない。