著者が第二次世界大戦の時に海軍での経験から得られた大人とは何かという話をまとめた本です。本書では、大人だなぁ、と著者が思った人物についての逸話が盛りだくさんでした。
例えば、「国家の品格」で、名を馳せた藤原正彦さんの話とか出てきます。「遥かなるケンブリッジ」という本についての話でしたが、イギリスでは紳士とはユーモアを使いこなせる者だという認識があるそうです。藤原正彦がイギリス人にそれを確認したところ、全員が賛同したそうです。
この著者の娘は、ベストセラーとなった「聞く力」という本の著者・阿川佐和子さんです。興味の持たれた方は是非お読みください。
この「大人の見識」は、私なんかはたまに読み返したくなるそれこそ清涼剤みたいな本です。読んでいて気持ちがよくなります。いい大人がたくさん紹介されているからでしょうね。今時いませんよ、こんな落ち着いた大人たちは。読んでいて安心しますね。

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大人の見識 (新潮新書 237) 新書 – 2007/11/19
阿川 弘之
(著)
- 本の長さ191ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2007/11/19
- ISBN-104106102374
- ISBN-13978-4106102370
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商品の説明
著者について
阿川弘之 1920(大正9)年広島県生まれ。東大国文科を繰上げ卒業、海軍に入り、中国で終戦。戦後、志賀直哉に師事し、『春の城』『雲の墓標』、『山本五十六』『米内光政』『井上成美』の海軍提督三部作の他、随筆に『食味風々録』など。99年に文化勲章受章
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2007/11/19)
- 発売日 : 2007/11/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 191ページ
- ISBN-10 : 4106102374
- ISBN-13 : 978-4106102370
- Amazon 売れ筋ランキング: - 364,451位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 810位新潮新書
- - 11,172位エッセー・随筆 (本)
- - 35,041位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1920(大正9)年広島県生まれ。東大国文科を繰上げ卒業、海軍に入り、中国で終戦。戦後、志賀直哉に師事し、『春の城』、『雲の墓標』、『山本五十六』『米内光政』『井上成美』の海軍提督三部作などがある。『食味風々録』は読売文学賞受賞作品。1999年に文化勲章を受章。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年10月5日に日本でレビュー済み
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東大国文科繰り上げ卒業で開戦翌年の昭和17年9月に海軍予備学生に任官、終戦時は兵科海軍大尉、今年8月3日満94歳で逝去、本記者よりも満11歳年長、失われた日本の姿を伝える人が亡くなりました。黙祷
2008年7月14日に日本でレビュー済み
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日本人の国民性を一言で言うと、「勤勉」「几帳面」と言うお定まりの言葉と同時に出てくるのが「軽躁」と言う言葉だそうです。
この「軽躁」と言う言葉の意味は、「落ち着きがなく、軽々しく騒ぐこと」と言うことのようです。
言われてみれば、確かに、日本人はその時は大騒ぎするけれど、すぐに忘れてしまうことが多そうです。
熱しやすく、冷めやすい。
かつて、武田信玄はこの「軽躁」の反対の言葉「静謐」を求めました。
更には、今昔物語を引いて「和魂(やまとだましい)」と言う概念がもともとあったんだと語ります。
「和魂」とは、「日本人なら持っていて然るべき大人の思慮分別」です。
これが、太平洋戦争中は、「大和魂」と言う形で歪んで使われてしまったとしています。
こうした考え方は、英国の「知恵(wisdom)」に非常によく似ており、武士道とジェントルマンと言う概念は似たところが非常に多いと語ります。
そこから、この「知恵」と「ユーモア」、「フレキシビリティ」の大切さを訴えます。
今日本人に必要なことは、“Study to be Quiet(静かに過ごすことを習え)”だとしています。
確かに、もっとじっくり落ち着いて考え、行動する癖を付けた方が良いのかも知れません。
この「軽躁」と言う言葉の意味は、「落ち着きがなく、軽々しく騒ぐこと」と言うことのようです。
言われてみれば、確かに、日本人はその時は大騒ぎするけれど、すぐに忘れてしまうことが多そうです。
熱しやすく、冷めやすい。
かつて、武田信玄はこの「軽躁」の反対の言葉「静謐」を求めました。
更には、今昔物語を引いて「和魂(やまとだましい)」と言う概念がもともとあったんだと語ります。
「和魂」とは、「日本人なら持っていて然るべき大人の思慮分別」です。
これが、太平洋戦争中は、「大和魂」と言う形で歪んで使われてしまったとしています。
こうした考え方は、英国の「知恵(wisdom)」に非常によく似ており、武士道とジェントルマンと言う概念は似たところが非常に多いと語ります。
そこから、この「知恵」と「ユーモア」、「フレキシビリティ」の大切さを訴えます。
今日本人に必要なことは、“Study to be Quiet(静かに過ごすことを習え)”だとしています。
確かに、もっとじっくり落ち着いて考え、行動する癖を付けた方が良いのかも知れません。
2013年9月10日に日本でレビュー済み
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大東亜戦争に突入した経緯 天皇の立場が良く判り 友人にもプレゼントしました。我が家に保存していずれ子供達も読む様に伝えます。 日本人の誇りを教えてくれる本です。 阿川ファンです。
2007年12月11日に日本でレビュー済み
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作家阿川弘之氏の語りおろしエッセー集。「軽躁なる日本人へ」という帯の文句が印象的。
全八章からなり章題はそれぞれ、日本人の見識、英国人の見識、東洋の叡智西洋の叡智、海軍の伝統、天皇の見識、ノブレス・オブリージュ、三つのインターナショナリズム、孔子の見識となっている。
談話体の文章で肩ひじ張らずに読める。戦前海軍に在籍した経験とともに、見聞したこと、読んだ文献などから、おもしろいエピソードを読者に提供し著者の見解も述べている。
東條英機に批判的であったり、大東亜戦争当時のナチス礼讃の風潮を紹介したりなどは、現今の大東亜戦争を肯定的に見直している社会運動ではあまり言及されないことのように思われる。
また、いろいろ他の文筆家の著書も紹介しており、読んでみたいと思うものが多い。
全八章からなり章題はそれぞれ、日本人の見識、英国人の見識、東洋の叡智西洋の叡智、海軍の伝統、天皇の見識、ノブレス・オブリージュ、三つのインターナショナリズム、孔子の見識となっている。
談話体の文章で肩ひじ張らずに読める。戦前海軍に在籍した経験とともに、見聞したこと、読んだ文献などから、おもしろいエピソードを読者に提供し著者の見解も述べている。
東條英機に批判的であったり、大東亜戦争当時のナチス礼讃の風潮を紹介したりなどは、現今の大東亜戦争を肯定的に見直している社会運動ではあまり言及されないことのように思われる。
また、いろいろ他の文筆家の著書も紹介しており、読んでみたいと思うものが多い。
2011年11月27日に日本でレビュー済み
『大人の見識』(阿川弘之著、新潮新書)は、日本という国はどうあるべきか、日本人はどうあるべきかを語っている。
「全篇通しての主題は『大人の見識』です。昭和天皇ははっきりそれを持っておられた。先帝陛下のあの『帝王の見識』を、英国抜きでは語れない。陛下と言えば英国、英国と言えばロイヤル・ネイビー(英国海軍)、日本海軍はその影響下に大を成し、影響下を離れて亡んだ」と論旨明快である。
日本は、大人の国・英国に学べというのだが、1915年当時の英国の外務大臣、エドワード・グレイの例が印象深い。彼は、人間が幸福であるための条件として、●自分の生活の基準となる思想●良い家族と友達●意義のある仕事●閑を持つこと――の4つを挙げているが、特に「閑を持つこと」が英国人を英国人たらしめていると考えているのである。
「全篇通しての主題は『大人の見識』です。昭和天皇ははっきりそれを持っておられた。先帝陛下のあの『帝王の見識』を、英国抜きでは語れない。陛下と言えば英国、英国と言えばロイヤル・ネイビー(英国海軍)、日本海軍はその影響下に大を成し、影響下を離れて亡んだ」と論旨明快である。
日本は、大人の国・英国に学べというのだが、1915年当時の英国の外務大臣、エドワード・グレイの例が印象深い。彼は、人間が幸福であるための条件として、●自分の生活の基準となる思想●良い家族と友達●意義のある仕事●閑を持つこと――の4つを挙げているが、特に「閑を持つこと」が英国人を英国人たらしめていると考えているのである。
2007年12月20日に日本でレビュー済み
品格とか見識が問われる世の中のようです。それだけ世間に無品格とか非見識が横行しているのでしょうか。昔の人間から見れば、いつの世も軽くていい加減に映るのかもしれません。
それでも、この著者の言葉にはいちいち頷かされてしまいます。いろいろなことをよくご存知です。川路左衛門尉が下僚に「これは急ぎだからゆっくりやってくれ」と言ったとか。おもしろいですねえ。深いですねえ。
英国人のユーモア、海軍のフレキシビリティ、昭和天皇への思い、最後に孔子について、それぞれ著者の秘めたる熱い胸の内が淡々と語られます。
何だか心が洗われるような気分になりました。日本人だってなかなかやるじゃないかという気持ちも湧いてきました。頑固親父に怒られた後、なぜか元気が出てきたという感じです。
それでも、この著者の言葉にはいちいち頷かされてしまいます。いろいろなことをよくご存知です。川路左衛門尉が下僚に「これは急ぎだからゆっくりやってくれ」と言ったとか。おもしろいですねえ。深いですねえ。
英国人のユーモア、海軍のフレキシビリティ、昭和天皇への思い、最後に孔子について、それぞれ著者の秘めたる熱い胸の内が淡々と語られます。
何だか心が洗われるような気分になりました。日本人だってなかなかやるじゃないかという気持ちも湧いてきました。頑固親父に怒られた後、なぜか元気が出てきたという感じです。
2008年1月17日に日本でレビュー済み
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僕は、小学校のとき『暗い波濤』という本を読んでからのファンです。
『大人の見識』は、40を過ぎた僕にとって、今の自分を考えるのに大変参考になりました。30数年前読んだ本をもう一度読み返して、どんな考えを持つのか少し怖い気もしますが読んでみようと思いました。
星四つにしたのは、僕と、阿川さんの考え方が例えば大東亜共栄圏にネガティブならば、当時呼ばれた大東亜戦争では無く、太平洋戦争と書いて欲しいと思って少し違うと思ったり、阿川さんが、海軍の軍人だった頃の当時の意見見識ではなく今のお歳で再度、過去を振り返って語って頂きたかっと思います。例えば、今の新社会人が、総理のことを語っても、好き嫌いの意見だけではないかもしれないけど、50年後は、その新社会人が、歴史の証人のように思われてしまうのはどんなものかと思ってしまいました。
上手く、意見がかけないもどかしさがあって、この感想を読んでいただいた方には失礼しま
す。
『大人の見識』は、40を過ぎた僕にとって、今の自分を考えるのに大変参考になりました。30数年前読んだ本をもう一度読み返して、どんな考えを持つのか少し怖い気もしますが読んでみようと思いました。
星四つにしたのは、僕と、阿川さんの考え方が例えば大東亜共栄圏にネガティブならば、当時呼ばれた大東亜戦争では無く、太平洋戦争と書いて欲しいと思って少し違うと思ったり、阿川さんが、海軍の軍人だった頃の当時の意見見識ではなく今のお歳で再度、過去を振り返って語って頂きたかっと思います。例えば、今の新社会人が、総理のことを語っても、好き嫌いの意見だけではないかもしれないけど、50年後は、その新社会人が、歴史の証人のように思われてしまうのはどんなものかと思ってしまいました。
上手く、意見がかけないもどかしさがあって、この感想を読んでいただいた方には失礼しま
す。