4人の主要キャラがみな不穏な空気に包まれている。
でもって、ライトな感覚で際どいことをしてたりする。
もちろん各人にはそれぞれの悩みがあるのだが
その危ない行動について、作者は一切言い訳をさせない。
それが逆に深い余韻になる。
できれば続編を読みたい。
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ひなた (光文社文庫 よ 15-1) 文庫 – 2008/6/12
吉田 修一
(著)
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- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2008/6/12
- ISBN-104334744281
- ISBN-13978-4334744281
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/6/12)
- 発売日 : 2008/6/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 263ページ
- ISBN-10 : 4334744281
- ISBN-13 : 978-4334744281
- Amazon 売れ筋ランキング: - 568,311位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1968年9月14日、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を立て続けに受賞し、文壇の話題をさらう。2007年『悪人』で大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞した。
他に『東京湾景』『長崎乱楽坂』『静かな爆弾』『元職員』『横道世之介』など著書多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年3月30日に日本でレビュー済み
吉田修一さんの作品が大好きでほとんどの作品は拝読しましたが、「ひなた」は吉田修一さんらしくないような、違和感を覚えました。
女性誌「JJ」に連載されていたということで、吉田修一さんなりに「キラキラ女子」を起点に試行錯誤して書かれたように思いました。
ただ、主人公の位置にいる新堂レイの活躍ぶりは少々無理があるような..そんなにとんとん拍子にいくものですかね..
(そして「夜叉姫」が出てきた瞬間に引いてしまったのは私だけでしょうか。。)
新堂レイ以外の3人の視点のお話はまだ吉田修一さんらしさも垣間見え、スラスラ読み進めましたがましたが、新堂レイのパートだけ読むのが苦痛でした。ごめんなさい。。
女性誌「JJ」に連載されていたということで、吉田修一さんなりに「キラキラ女子」を起点に試行錯誤して書かれたように思いました。
ただ、主人公の位置にいる新堂レイの活躍ぶりは少々無理があるような..そんなにとんとん拍子にいくものですかね..
(そして「夜叉姫」が出てきた瞬間に引いてしまったのは私だけでしょうか。。)
新堂レイ以外の3人の視点のお話はまだ吉田修一さんらしさも垣間見え、スラスラ読み進めましたがましたが、新堂レイのパートだけ読むのが苦痛でした。ごめんなさい。。
2019年12月20日に日本でレビュー済み
本当に、『悪人』や『怒り』を描いた吉田修一なのか、と思わせるような作品だ。熱い思いを綴る場面はまったくなく、どこか冷めたような心情で、四人のありふれた日常生活を淡々と綴られている。話しに盛り上がりや変化がない分、読んでいてあまり面白くない。特に、男性には向かない本だ。
何故、それぞれ四人の春、夏、秋、冬、計16通りの話しを描いたのか?作者の意図がよく分からない。
何故、それぞれ四人の春、夏、秋、冬、計16通りの話しを描いたのか?作者の意図がよく分からない。
2012年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Hの頭文字を持つ有名アパレル会社に就職したフランス語も話せる元ヤンキーの姉ちゃんとその大学生の恋人、その恋人の信用銀行勤めの兄とその雑誌編集者(後、専業主婦)の妻の語りで春夏秋冬が綴られる形式のお話。内容自体はいつもの上手さだが、書き手からすると、この話に関しては取材が徹底していると感じた。H内部の直接描写は多くないが、そのらしさ、日常会話での仕事の様子の説明、雑誌社の雰囲気のらしさ……これらは実際はどうだか知らないが、編集か知り合いに頼んで予め質問事項を用意して取材した感が強く感じられた。
2006年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
4人の人物それぞれの視点から語られる1人称の「日常風景」。どこにでもありそうな会話/行動に、自らが持つ狡さや脆さ・弱さを炙り出しにされるような瞬間が多く存在する。全体を通して感じる言いようのない不安感・いたたまれない感覚こそは、こうした普段は目を背けようとしている自らのネガティヴな感情に向き合うことを余儀なくされることから来ているのではないだろうか。
自らの弱さ故に生じる孤独感・空虚さから、相手への裏切りとなるような行為を行う人間の狡さ。そういったものを直視する作業は楽しいことではない。けれどもそうした負の感情のフィルターを通して見つめ直される"大切な人を想う感情"は、これまでに無い鮮やかさを持って胸の内を激烈に渦巻く。知らぬ間に随分と硬化していた感情の殻を、丁寧に丁寧に剥ぎ取っていく文章。
吉田修一が書く物語を読み終えたとき
自分を取り巻く世界はいつもよりほんの少し
鮮やかな質感を伴って目に映る。
自らの弱さ故に生じる孤独感・空虚さから、相手への裏切りとなるような行為を行う人間の狡さ。そういったものを直視する作業は楽しいことではない。けれどもそうした負の感情のフィルターを通して見つめ直される"大切な人を想う感情"は、これまでに無い鮮やかさを持って胸の内を激烈に渦巻く。知らぬ間に随分と硬化していた感情の殻を、丁寧に丁寧に剥ぎ取っていく文章。
吉田修一が書く物語を読み終えたとき
自分を取り巻く世界はいつもよりほんの少し
鮮やかな質感を伴って目に映る。
2006年9月9日に日本でレビュー済み
男女4人がそれぞれ話しを進めていく。
春夏秋冬で1年間をそれぞれがそれぞれの立場で
他の3人と周りを取り囲む人々の現状も踏まえながら話を続けていく。
それぞれが何かしら不安や悩みを抱えながら、
日々の生活を送っている。
そこに誰しもがもつ不安感や焦りなんかが上手くちりばめられているような気がする。
まぁ、あんまり出生の秘密を持っている人は少ないかもしれないけど。
あるひとりが言う
「女が働き続けるのには理由がいる。」
多分結婚している女性のことだと思うけど、
普通に満たされていたら
働かなくてもいいんじゃない?みたいな。
それが彼女の悩みだったりしたんだろうな、と思う。
ただ、筆者がどう思っているか知らないけれど、
これは女性を軽く見てるよね・・・って感じがしました。
問題提起かもしれないし、実際そう思っているのかもしれないんだけど。
彼の作品には時々「?」って思う表現があって
それが本人の気持ちなのか、問題提起なのか、未だにつかめません。
まぁ、自分が大げさに考えているだけかもしれませんが。
タイトルは「ひなた」ですが、
明らかにこの4人は日陰の部分が多いような気がします。
だからこそ彼らに必要なのは「ひなた」なんだろうな、って思います。
あ〜でも、今まで読んだ彼の作品には
よくゲイもしくはゲイ的行動が描かれてます。
必要性・必然性があるのか?どうなのか?
単に話のアクセントとして使いたいのか?
非常に微妙です。
春夏秋冬で1年間をそれぞれがそれぞれの立場で
他の3人と周りを取り囲む人々の現状も踏まえながら話を続けていく。
それぞれが何かしら不安や悩みを抱えながら、
日々の生活を送っている。
そこに誰しもがもつ不安感や焦りなんかが上手くちりばめられているような気がする。
まぁ、あんまり出生の秘密を持っている人は少ないかもしれないけど。
あるひとりが言う
「女が働き続けるのには理由がいる。」
多分結婚している女性のことだと思うけど、
普通に満たされていたら
働かなくてもいいんじゃない?みたいな。
それが彼女の悩みだったりしたんだろうな、と思う。
ただ、筆者がどう思っているか知らないけれど、
これは女性を軽く見てるよね・・・って感じがしました。
問題提起かもしれないし、実際そう思っているのかもしれないんだけど。
彼の作品には時々「?」って思う表現があって
それが本人の気持ちなのか、問題提起なのか、未だにつかめません。
まぁ、自分が大げさに考えているだけかもしれませんが。
タイトルは「ひなた」ですが、
明らかにこの4人は日陰の部分が多いような気がします。
だからこそ彼らに必要なのは「ひなた」なんだろうな、って思います。
あ〜でも、今まで読んだ彼の作品には
よくゲイもしくはゲイ的行動が描かれてます。
必要性・必然性があるのか?どうなのか?
単に話のアクセントとして使いたいのか?
非常に微妙です。
2016年7月31日に日本でレビュー済み
互いを思いやりながらも、触れてはいけない何かを持っている恋人、夫婦、家族の物語。
一流ブランドに就職した新堂レイ、恋人の大学生 大路尚純、尚純の兄 銀行員の浩一、浩一の妻で編集者の桂子。春夏秋冬毎に4人それぞれの思いが語られていく。
自身のキャリアに悩むレイ、はからずも父母の隠された過去を知った尚純。浩一は親友田辺への想いをつのらせ、桂子は不倫から引き返せない。
何かあることを気付きながらも、それを踏み越えると今までとは同じではいられない。だから、他人を傷つけたり、自分が傷ついたりしない適度な距離感を保っているのだろう。同性愛や不倫を持ち込んでいるものの不快な気分にさせることなく、男女間の心のゆらぎを表現している。男女や家族の関係すべてに、本作品のようなドラマがあるわけでないけれど、共感できるものは確かにある。
ラストの浩一と桂子の抱擁シーンは、せつなくてホロリとしてしまったよ。
一流ブランドに就職した新堂レイ、恋人の大学生 大路尚純、尚純の兄 銀行員の浩一、浩一の妻で編集者の桂子。春夏秋冬毎に4人それぞれの思いが語られていく。
自身のキャリアに悩むレイ、はからずも父母の隠された過去を知った尚純。浩一は親友田辺への想いをつのらせ、桂子は不倫から引き返せない。
何かあることを気付きながらも、それを踏み越えると今までとは同じではいられない。だから、他人を傷つけたり、自分が傷ついたりしない適度な距離感を保っているのだろう。同性愛や不倫を持ち込んでいるものの不快な気分にさせることなく、男女間の心のゆらぎを表現している。男女や家族の関係すべてに、本作品のようなドラマがあるわけでないけれど、共感できるものは確かにある。
ラストの浩一と桂子の抱擁シーンは、せつなくてホロリとしてしまったよ。
2017年9月15日に日本でレビュー済み
働き続けるにしても、主婦になるにしても、女性の居場所には何らかの理由がいるらしい。常日頃から抱いているのではなく、ふとした瞬間に足元が揺らぐのかもしれない。日常の淡々とした物語の中、ちょっと斜めからの思考が入る物語は大好きだ。みんなの居場所が「ひなた」であってほしいとのタイトルだろうか。