韓国時代劇ブーム到来の中「チャングムの誓い」に続いて朝鮮王朝時代に実在した人物「御史 パク・ムンス」(本作の原題)を描いた本格派時代劇です。弱者を助け,悪を絶つというパターンは日本の時代劇「水戸黄門」でもお馴染みですが,韓国でも“パク・ムンス”は国民的ヒーローとして人気があります。
本作は,現代社会にはびこる悪行に対して,パク・ムンスの暗行御史(アメンオサ)時代を通じて,“正義のため自身を犠牲にすること”の精神を見せながら,不正腐敗防止制度,すなわち監察,暗行御史制度に焦点を当てることで,温故知新の教えを甦らせようとしたのが製作陣の意図のようですね。
解説によりますと,パク・ムンスの人生で一番ドラマチックな時期は,1727年から1730年までだといわれています。彼は1727年に嶺南(慶尚南北道)の暗行御史になり,私利私欲を捨てて仕事を処理し,民衆から崇められました。翌年にあたる英祖4年にはイ・インジャ討伐軍の従事官となって功を立てた後,嶺南の鎮撫使として誠心をつくしてスター政治家となりました。英祖5年には慶尚道の観察使,英祖6年には湖西(忠清南北道)の暗行御史として熱く職務を全うし,その名前を歴史に刻みました。
パク・ムンスは決して派手とか波亂万丈な一生を終えた人物ではありません。本作では,パク・ムンスが行った所で起きた事件を独特の切り口で暴いていくという,捜査形式の史劇を志向していて,ある意味日本の時代劇“水戸黄門”に通じるところがあると思います。
パク・ムンス役はユ・ジュンサンssiが引き受けて,意志が強くて正直な人間味あふれる英雄を熱演しています。また,朝鮮王朝ルネッサンスを導いた英祖役にはチョ・ミンギssi,パク・ムンスにからむ女性として,没落した名門家の娘に生まれて才色を兼備したイ・ヨニ役にイム・ジウンssi,書堂出身の賎人の父と両班家の年若い寡婦との間で生まれ,両親の悲劇的な死と幼い時にムンスと運命的な出会いをするも,一生成すことができない悲恋の女性ソ・ファリョン役を,「朱蒙」のハン・へジンssiがそれぞれ演じています。
おまけ:文中では朴文秀のことを“パク・ムンス”と書きましたが,実際には“パン・ムンス”に近い発音になります。