グローバリゼーションの与えた影響について、金融、産業、雇用など様々な分野において考察している本です。
いい点は、世界各国の先進国を中心に統計的な比較分析を見せている点です。
グローバリゼーションを扱った本はたくさんありますが、どれも抽象的な分析であったり、１ヶ国、多くても数ヶ国を中心として分析し、
それを一般化しようとする傾向が多いのですが、本書はそれぞれのテーマに対して数字を出して分析を目指しているため、
理論を無理やり現実に当てはめた感がせず、単なる常識的なことの羅列に終わっていない点で良書だと思いました。
残念な点は、ややグローバリゼーションの影響が判断つかない時期に作られた書であるためか、
今一歩核心に入り込めていない感じを受けたことです。様々な現象が発生していることは良く分かるのですが、
そうした現象を生み出した根幹についての説明がやや薄い点が弱点ではないでしょうか？
それでも、グローバリゼーションについて丁寧に説明しているので、本書を軸として他の文献にも当たっていくとより理解が進むと思います。
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